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公開番号2025035170
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142036
出願日2023-09-01
発明の名称注入ノズルおよびその使用方法
出願人株式会社ホリ・コン
代理人弁理士法人真菱国際特許事務所
主分類B05C 5/00 20060101AFI20250306BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】部品の使い捨てに付随する無用な作業を廃し、洗浄・詰替えの下準備作業に要する時間を短縮することができる注入ノズル等を提供する。
【解決手段】内部にノズル口22に連通する注入流路23を有するノズル部21と、ノズル部21をスライド自在に支持すると共に、下穴8の開口部8aを封止する開口封止部24と、内部に、注入流路23に連通する接着剤流路26を有するノズルボディ25と、ノズルボディ25を覆うと共に、相互に分解可能に組付けられる前ケーシング部28および後ケーシング部29から成るケーシング部27と、を備え、ノズルボディ25は、使い捨てを意図する材料で形成されると共に、注入器本体11に直接接合される本体接合部42を有している。
【選択図】図5




特許請求の範囲【請求項1】
注入器本体に装着して用いられ、壁体に穿孔した下穴に対しその開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルであって、
先端部にノズル口を有すると共に内部に前記ノズル口に連通する注入流路を有するノズル部と、
前記ノズル部をスライド自在に支持すると共に、前記開口部を封止する開口封止部と、
内部に、前記ノズル部のスライドを許容すると共に前記注入流路と前記注入器本体とを連通する接着剤流路を有するノズルボディと、
前記ノズルボディを覆うと共に、相互に分解可能に組付けられる前記ノズル部側の前ケーシング部および前記注入器本体側の後ケーシング部から成るケーシング部と、を備え、
前記ノズルボディは、使い捨てを意図する材料で形成されると共に、前記注入器本体に直接接合される本体接合部を有していることを特徴とする注入ノズル。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記開口封止部は、前記開口部を封止する封止部本体と、前記封止部本体の基端側に連なり前記ノズルボディの先端側が嵌合する受容嵌合部とを有し、
前記前ケーシング部は、前方から前記受容嵌合部に係合する前ケーシング本体と、前記前ケーシング本体の基端側に連なる第1ねじ部とを有し、
前記後ケーシング部は、前記本体接合部を除く前記ノズルボディの基端側を受容する後ケーシング本体と、前記後ケーシング本体の先端側に連なると共に前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部とを有し、
前記第1ねじ部に前記第2ねじ部を螺合することで、前記受容嵌合部は前記前ケーシング部を介して後方に引き付けられ、前記ノズルボディは前記後ケーシング部を介して前方に押圧されることを特徴とする請求項1に記載の注入ノズル。
【請求項3】
前記ノズルボディは、ボディ本体と、前記本体接合部と、前記ボディ本体と前記本体接合部との間に介設され前記後ケーシング本体の貫通部分であるケーシング貫通部とを有し、
前記後ケーシング本体は、前記ケーシング貫通部と相補的形状を為す貫通孔部を有し、
前記ケーシング貫通部は、前記ボディ本体の直径を長径とし前記本体接合部の直径を短径とする断面楕円形に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の注入ノズル。
【請求項4】
注入器本体に装着して用いられ、壁体に穿孔した下穴に対しその開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルであって、
前記下穴の奥部に臨む第1ノズル口を有すると共に、内部に前記第1ノズル口に連通する第1注入流路を有する第1ノズル部と、
前記下穴の前記開口部近傍に臨む第2ノズル口を有すると共に、前記第1ノズル部との間に前記第2ノズル口に連通する第2注入流路を有する第2ノズル部と、
前記第2ノズル部が固着されると共に前記開口部を封止する開口封止部と、
第1ノズル部をスライド自在に支持すると共に、内部に前記第1注入流路および前記第2注入流路と前記注入器本体とを連通する接着剤流路を有するノズルボディと、
前記ノズルボディを覆うと共に、相互に分解可能に組付けられる前記第1ノズル部側の前ケーシング部および前記注入器本体側の後ケーシング部から成るケーシング部と、を備え、
前記ノズルボディは、使い捨てを意図する材料で形成されると共に、前記注入器本体に直接接合される本体接合部を有していることを特徴とする注入ノズル。
【請求項5】
注入器本体に装着して用いられ、壁体に穿孔した下穴に対しその開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルであって、
先端側のノズル部と、前記ノズル部に連なるノズル本体と、前記ノズル本体に連なると共に前記注入器本体に接合される本体接合部とを有し、内部に軸方向に貫通する接着剤用の供給流路を形成した原型ノズルと、
前記原型ノズルの前記供給流路に着脱自在に装着された使い捨てユニットと、を備え、
前記使い捨てユニットは、先端部を前記ノズル部の先端から突出させ且つ基端部を前記本体接合部の基端から突出させる共に、内部に前記供給流路に代わる代供給流路を形成したことを特徴とする注入ノズル。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載の注入ノズルの使用方法であって、
前記下穴に接着剤を注入する実注入作業と、接着剤の硬化作用に起因して実施され、接着剤の詰替え作業を含む下準備作業と、が交互に複数回繰り返されて1日の作業が構成される注入作業の作業形態に対し、
前記各下準備作業の作業時に、前記注入ノズルにおける前記ノズルボディを使い捨て部品として新品と交換すると共に、前記ノズル部の外部および内部を清掃し、
前記1日の作業の終了時に、前記注入ノズルにおける前記ノズルボディ、前記ノズル部および前記開口封止部を使い捨て部品として新品と交換することを特徴とする注入ノズルの使用方法。
【請求項7】
請求項4に記載の注入ノズルの使用方法であって、
前記下穴に接着剤を注入する実注入作業と、接着剤の硬化作用に起因して実施され、接着剤の詰替え作業を含む下準備作業と、が交互に複数回繰り返されて1日の作業が構成される注入作業の作業形態に対し、
前記各下準備作業の作業時に、前記注入ノズルにおける前記ノズルボディを使い捨て部品として新品と交換すると共に、前記第1ノズル部の外部および内部を清掃し、
前記1日の作業の終了時に、前記注入ノズルにおける前記ノズルボディ、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部が固着された前記開口封止部を使い捨て部品として新品と交換することを特徴とする注入ノズルの使用方法。
【請求項8】
請求項5に記載の注入ノズルの使用方法であって、
前記下穴に接着剤を注入する実注入作業と、接着剤の硬化作用に起因して実施され、接着剤の詰替え作業を含む下準備作業と、が交互に複数回繰り返されて1日の作業が構成される注入作業の作業形態に対し、
前記各下準備作業の作業時におよび前記1日の作業の終了時に、前記注入ノズルにおける使い捨てユニットを新品と交換することを特徴とする注入ノズルの使用方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤(エポキシ樹脂接着剤)を用いた外壁や内壁等の壁体の補修において使用される、注入ノズルおよびその使用方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
この種の注入ノズルとして、内部に注入流路を有するノズル部と、内部に注入流路に連通する接着剤流路を有するノズルボディと、を一体に形成したピンニング工法用の注入ノズルが知られている(特許文献1参照)。
この注入ノズルは、注入器本体に装着して用いられ、壁体を所定の深さまで穿孔した下穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルであって、下穴に挿入され、内部にノズル口に連通する注入流路を有するノズル部と、ノズル部の基部に装着され、開口部を封止する開口封止部と、ノズル部を支持すると共に、内部に注入流路と注入器本体とを連通する接着剤流路を有するノズルボディと、ノズルボディを覆うケーシング部と、を備えている。
ノズル部およびノズルボディは、樹脂により一体に形成されており、ノズル部には、下穴の深さに対応させてカット位置を指標するカットラインが形成されている。また、開口封止部およびケーシング部は、ノズル部およびノズルボディに対し分解可能に構成されている。
このように構成した注入ノズルでは、下穴の深さに合わせてノズル部をカットし、下穴の最深部から接着剤の注入を実施する。また、注入器本体への接着剤の詰替えや注入ノズルの洗浄等の下準備作業において、注入ノズルを分解し使い捨てユニットであるノズル部およびノズルボディを、一体として部品交換(使い捨て)するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6557907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ピンニング工法等に用いられる2液性のエポキシ樹脂接着剤は、硬化時間が2時間程度となっている。このため、この硬化時間を考慮してほぼ定期的に注入ノズルおよび注入器本体の洗浄が行われ、且つ注入器本体へのエポキシ樹脂接着剤の詰替えが行われる。
具体的には、接着剤の硬化が始まる(注入器本体のポンピングが重くなる)1時間を目安として、特に夏季は45分を目安として、洗浄作業を実施するようにしている。すなわち、1日の作業が終了したときは元より、作業中であっても、定期的に注入ノズルおよび注入器本体の洗浄および接着剤の詰替え作業が行われる。
従来の注入ノズル等の洗浄作業は、注入ノズルの分解、洗浄、組立を含むと共に、溶剤の処理を含む一連の作業であり、作業が煩雑で時間を要するものとなっている。同様に、詰替え作業は、所定の重量比率となるように主剤および硬化剤を計量すると共に、ムラが生じないようにこれを十分に混合するものであり、作業が煩雑で時間を要するものとなっている。
したがって、一連の注入作業は、事実上、実注入作業の他に洗浄・詰替え等の下準備作業を含み、実注入作業の作業時間と下準備作業の作業時間とが、ほぼ4:6となって、下準備作業が工期に大きな影響を及ぼすものとなっていた。また、エポキシ樹脂接着剤は発癌性等の毒性が問題となっており、作業者への影響が危惧されている。
これらの点を踏まえると、上記従来の注入ノズルでは、ノズル部およびノズルボディは使い捨てる構造であるため、下準備作業において洗浄作業を省略することができる。しかし一方で、下準備作業ごとにノズル部を下穴に合わせてカットする必要があり、新たな作業が発生していた。また、注入ノズルを分解するときに、ノズル部に付着している接着剤が開口封止部に付着しないように接着剤を拭き取る必要があり、使い捨て部品に拭取り作業を必要とする矛盾が生じていた。
【0005】
本発明は、部品の使い捨てに付随する無用な作業を廃し、洗浄・詰替えの下準備作業に要する時間を短縮することができる注入ノズルおよびその使用方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の注入ノズルは、注入器本体に装着して用いられ、壁体に穿孔した下穴に対しその開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルであって、先端部にノズル口を有すると共に内部にノズル口に連通する注入流路を有するノズル部と、ノズル部をスライド自在に支持すると共に、開口部を封止する開口封止部と、内部に、ノズル部のスライドを許容すると共に注入流路と注入器本体とを連通する接着剤流路を有するノズルボディと、ノズルボディを覆うと共に、相互に分解可能に組付けられるノズル部側の前ケーシング部および注入器本体側の後ケーシング部から成るケーシング部と、を備え、ノズルボディは、使い捨てを意図する材料で形成されると共に、注入器本体に直接接合される本体接合部を有していることを特徴とする。
【0007】
この種の注入ノズルを使用する一連の作業では、接着剤の硬化時間(2時間程度)を考慮して、定期的に注入器本体への接着剤の詰め替えと、注入器本体および注入ノズルの洗浄が行われる(下準備作業)。洗浄は、部品レベルに分解して行われる。
この構成によれば、ケーシング部を前ケーシング部と後ケーシング部とに分解することで、ノズル部、開口封止部およびノズルボディを容易に分解することができる。したがって、下準備作業において、接着剤流路に接着剤が残っているノズルボディを使い捨て部品として新品と交換するようにすれば、ノズルボディの洗浄作業を省略することができる。一方、ノズル部は、注入流路に残っている接着剤を押出し棒で押し出すと共に、表面に付着している接着剤を拭き取れば、接着剤が被膜的に残るものの、その膜厚が厚くなるまでは機能が損なわれることはない。同様に、開口封止部においても、付着している接着剤を拭き取れば、接着剤が被膜的に残るものの、その膜厚が厚くなるまでは機能が損なわれることはない。よって、ノズル部および開口封止部は、1日の作業を終了した時点で、使い捨て部品として新品と交換するようにすれば、その洗浄作業を省略することができる。
これにより、部品の使い捨てに付随する無用な作業が生ずることがなく、下準備作業に要する時間を極端に短縮することができる。
【0008】
この場合、開口封止部は、開口部を封止する封止部本体と、封止部本体の基端側に連なりノズルボディの先端側が嵌合する受容嵌合部とを有し、前ケーシング部は、前方から受容嵌合部に係合する前ケーシング本体と、前ケーシング本体の基端側に連なる第1ねじ部とを有し、後ケーシング部は、本体接合部を除くノズルボディの基端側を受容する後ケーシング本体と、後ケーシング本体の先端側に連なると共に第1ねじ部に螺合する第2ねじ部とを有し、第1ねじ部に第2ねじ部を螺合することで、受容嵌合部は前ケーシング部を介して後方に引き付けられ、ノズルボディは後ケーシング部を介して前方に押圧されることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、組立ての最終段階で前ケーシング部に後ケーシング部を締め込んでゆくと、開口封止部の受容嵌合部にノズルボディの先端が密接する。これにより、組立ての過程で、接着剤流路と注入流路とを液密に連通させることができる。
【0010】
この場合、ノズルボディは、ボディ本体と、本体接合部と、ボディ本体と本体接合部との間に介設され後ケーシング本体の貫通部分であるケーシング貫通部とを有し、後ケーシング本体は、ケーシング貫通部と相補的形状を為す貫通孔部を有し、ケーシング貫通部は、ボディ本体の直径を長径とし本体接合部の直径を短径とする断面楕円形に形成されていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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