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公開番号2025034215
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140465
出願日2023-08-30
発明の名称アクティブノイズコントロールシステム及びアクティブノイズコントロール方法
出願人日東電工株式会社,学校法人 関西大学
代理人個人,個人
主分類G10K 11/178 20060101AFI20250306BHJP(楽器;音響)
要約【課題】騒音源の位置に対するロバスト性を有するアクティブノイズコントロール(ANC)を実現するANCシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ANCシステムにおいて、制御装置110は、音を検出して参照信号xを生成する参照マイクロフォン130と、音を検出して特定信号jを生成する特定マイクロフォン150と、参照信号x及び特定信号jに基づいて、騒音源の位置情報(位置判別関数G)を生成する位置推定部160と、位置判別関数と騒音制御フィルタW1を対応付けて記憶するメモリ170と、プロセッサ180と、第1音波を放射する第1スピーカ10Aと、を備える。プロセッサは、参照信号x及び騒音制御フィルタW1に基づいて、参照信号xに対する第1音波の応答特性を規定する制御信号y1を生成し、制御信号y1に基づいて、第1スピーカ10Aから第1音波を放射させることによってアクティブノイズコントロールを実現する。
【選択図】図6A
特許請求の範囲【請求項1】
音を検出して参照信号を生成する参照マイク部であって1又は複数の参照マイクロフォンを含む参照マイク部と、
音を検出して特定信号を生成する特定マイク部であって1又は複数の特定マイクロフォンを含む特定マイク部と、
第1音波を放射する第1スピーカと、
前記参照信号及び前記特定信号に基づいて、前記参照信号に対する前記第1音波の応答特性を規定する制御フィルタを決定し、前記参照信号及び前記制御フィルタに基づいて、前記第1スピーカから前記第1音波を放射させることによってアクティブノイズコントロールを実現する制御装置と、を備えた、
アクティブノイズコントロールシステム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記参照信号及び前記特定信号の関数に基づいて、前記制御フィルタを決定する、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記参照信号及び前記特定信号の比に基づいて、前記制御フィルタを決定する、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項4】
前記制御フィルタの決定は、前記制御フィルタのフィルタ係数を適応アルゴリズムにより収束させる処理ではない、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項5】
前記制御フィルタは、前記参照信号及び前記第1音波を一対一に対応付ける、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、
互いに異なる前記応答特性を規定する複数の応答特性フィルタを記憶するメモリと、
前記参照信号及び前記特定信号に基づいて、前記複数の応答特性フィルタからA個の応答特性フィルタを選択するセレクタと、ここで、Aは、1以上の自然数であり、
前記A個の応答特性フィルタに基づいた前記制御フィルタを用いて、前記アクティブノイズコントロールを実現するプロセッサと、を含む、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項7】
前記複数の応答特性フィルタは、複数の対応値に一対一に対応付けられており、
前記複数の応答特性フィルタの各々は、その応答特性フィルタに対応する前記対応値を前記参照信号及び前記特定信号の関数が取る場合に前記アクティブノイズコントロールを実現可能なものであり、
前記A個の応答特性フィルタは、前記複数の対応値のうち前記関数の値に近いものから順に選択されるA個の対応値に対応するものである、
請求項6に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、学習済みの機械学習モデルを有し、
前記機械学習モデルは、前記参照信号及び前記特定信号に基づいて、前記制御フィルタを決定する、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項9】
第2音波を放射する第2スピーカを備え、
前記制御装置は、前記第1スピーカから前記第1音波を放射させ且つ前記第2スピーカから前記第2音波を放射させることによって前記アクティブノイズコントロールを実現し、
前記第1スピーカは、前記第1音波を放射する第1放射面を有し、
前記第2スピーカは、前記第2音波を放射する第2放射面を有し、
前記第1放射面の少なくとも一部と、前記第2放射面の少なくとも一部とは、所定方向に関して互いに異なる位置にある、
請求項1に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
【請求項10】
前記1又は複数の参照マイクロフォンは、第1参照マイクロフォンを含み、
前記1又は複数の特定マイクロフォンは、第1特定マイクロフォンを含み、
前記第1参照マイクロフォン及び前記第1特定マイクロフォンは、前記所定方向とは異なる方向に並ぶ、
請求項9に記載のアクティブノイズコントロールシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブノイズコントロールシステム及びアクティブノイズコントロール方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アクティブノイズコントロール(ANC)が知られている。ANCでは、騒音が、逆位相の音で低減される。特許文献1及び特許文献2には、ANCの例が記載されている。
【0003】
また、マイクロフォンから離れた制御点において騒音を低減させる技術が知られている。特許文献4及び5と、非特許文献1から4とには、この技術の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-190599号公報
特開2022-047766号公報
特開2016-122187号公報
特開2011-123330号公報
国際公開第2019/106748号
【非特許文献】
【0005】
豊岡翔太、梶川嘉延、「ANCシステムにおけるバーチャルセンシング手法の消音性能とロバスト性の比較」、2022、情報処理学会
枝元祥馬、梶川嘉延、「バーチャルセンシングを用いたフィードフォワードANCシステムの実装における有効性検証」、2018、電子情報通信学会
S. J. Elliott and J. Cheer, “Modeling local active sound control with remote sensors in spatially random pressure fields,” J. Acoust. Soc. Am., vol. 137, no. 4, pp. 1936-1946, Apr. 2015.
C.D. Petersen他、“ACTIVE NOISE CONTROL AT A MOVING LOCATION USING VIRTUAL SENSING”ICSV13-July 2-6, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、騒音源の位置に対するロバスト性を有するANCを実現することに適した技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
音を検出して参照信号を生成する参照マイク部であって1又は複数の参照マイクロフォンを含む参照マイク部と、
音を検出して特定信号を生成する特定マイク部であって1又は複数の特定マイクロフォンを含む特定マイク部と、
第1音波を放射する第1スピーカと、
前記参照信号及び前記特定信号に基づいて、前記参照信号に対する前記第1音波の応答特性を規定する制御フィルタを決定し、前記参照信号及び前記制御フィルタに基づいて、前記第1スピーカから前記第1音波を放射させることによってアクティブノイズコントロールを実現する制御装置と、を備えた、
アクティブノイズコントロールシステムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る技術は、騒音源の位置に対するロバスト性を有するANCを実現することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係るANCシステムの斜視図である。
実施形態に係るANCシステムの上面図である。
実施形態に係るANCシステムの側面図である。
対称配置における騒音の伝搬の説明図である。
非対称配置における騒音の伝搬の説明図である。
左右方向に並ぶスピーカが発する音の説明図である。
コントロールステージにおける第1音波の制御の概略説明図である。
コントロールステージにおける第2音波の制御の概略説明図である。
複数の参照位置の例を示す模式図である。
チューニングステージにおける制御装置の信号処理ブロック図であって、第1音波の制御の準備に関するものである。
チューニングステージにおける制御装置の信号処理ブロック図であって、第2音波の制御の準備に関するものである。
コントロールステージにおける制御装置の信号処理ブロック図であって、第1音波の制御に関するものである。
コントロールステージにおける制御装置の信号処理ブロック図であって、第2音波の制御に関するものである。
チューニングステージにおける位置推定部及びメモリの信号処理ブロック図であって、第1音波の制御に関するものである。
チューニングステージにおける位置推定部及びメモリの信号処理ブロック図であって、第2音波の制御に関するものである。
チューニングステージにおける補正部の動作を説明するためのブロック図を示す。
コントロールステージにおける位置推定部及びメモリの信号処理ブロック図であって、第1音波の制御に関するものである。
コントロールステージにおける位置推定部及びメモリの信号処理ブロック図であって、第2音波の制御に関するものである。
コントロールステージにおける補正部の動作を説明するためのブロック図を示す。
チューニングステージにおける制御装置の信号処理ブロック図の具体例を示す。
コントロールステージにおける制御装置の信号処理ブロック図の具体例を示す。
第1支持体と第1スピーカの第1放射面との説明図である。
第2支持体と第2スピーカの第2放射面との説明図である。
第1支持体と第1スピーカの第1放射面との説明図である。
第2支持体と第2スピーカの第2放射面との説明図である。
圧電スピーカの厚さ方向に平行な断面における断面図である。
圧電スピーカを固定面とは反対側から観察したときの図である。
別の構成例に係る圧電スピーカを示す図である。
実施形態に適用可能な、制御装置の信号処理の具体例を示すフローチャートである。
実施形態に係るANC方法を示すフローチャートである。
実施形態の別例に係るANCシステムの上面図である。
第1実験配置の上面図である。
第1実験配置の側面図である。
第2実験配置の上面図である。
第2実験配置の側面図である。
第3実験配置の上面図である。
第3実験配置の側面図である。
第1~第3実験配置におけるスピーカの配置の説明図である。
参照位置の説明図である。
参照位置の説明図である。
実験例1-A、実験例1-B及び実験例1-Cの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例1-A、実験例1-B及び実験例1-Cの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例2-A、実験例2-B及び実験例2-Cの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例2-A、実験例2-B及び実験例2-Cの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例3-A、実験例3-B及び実験例3-Dの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例3-A、実験例3-B及び実験例3-Dの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例4-A、実験例4-B及び実験例4-Dの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例4-A、実験例4-B及び実験例4-Dの消音効果の経時変化を示すグラフである。
実験例1-Aのコントロールステージにおける、騒音制御フィルタに対応する位置の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明者らの検討内容)
ある位置に存在する騒音源からの音を低減させるアクティブノイズコントロール(ANC)を行うように、ANCシステムを構成することが可能である。そのようにANCシステムを構成した場合、騒音源が上記の位置から移動すると消音特性が劣化しうる。消音特性は、例えば、騒音制御フィルタにより規定されうる。
(【0011】以降は省略されています)

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