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公開番号
2025030132
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023135158
出願日
2023-08-23
発明の名称
導電性複合体分散液及びその製造方法、キャパシタ及び製造方法、並びに導電性積層体及びその製造方法
出願人
信越ポリマー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
65/00 20060101AFI20250228BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】高性能のキャパシタの製造に適した導電性複合体分散液を提供する。
【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水と、分子中の炭素原子の数が4~7であり、水酸基の数が3~7である糖アルコール又はグルコースと、前記導電性複合体とは異なる高分子化合物とを含み、前記糖アルコール及びグルコースの含有量Aと、前記高分子化合物の含有量BとのA/Bで表される質量基準の比率が、0.3以上1.5未満である、導電性複合体分散液。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水と、分子中の炭素原子の数が4~7であり、水酸基の数が3~7である糖アルコール又はグルコースと、前記導電性複合体とは異なる高分子化合物とを含み、
前記糖アルコール及びグルコースの含有量Aと、前記高分子化合物の含有量BとのA/Bで表される質量基準の比率が、0.3以上1.5未満である、導電性複合体分散液。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記糖アルコールがソルビトール、マンニトール、エリスリトール、及びペンタエリスリトールのうち少なくとも1種を含む、請求項1に記載の導電性複合体分散液。
【請求項3】
前記高分子化合物がポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのうち少なくとも一方を含む、請求項2に記載の導電性複合体分散液。
【請求項4】
1気圧における沸点が150℃以上の有機溶剤をさらに含む、請求項3に記載の導電性複合体分散液。
【請求項5】
前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸であるか、或いは、
前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であり、かつ、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項4に記載の導電性複合体分散液。
【請求項6】
π共役系導電性高分子とポリアニオンからなる導電性複合体と、水と、分子中の炭素原子の数が4~7であり、水酸基の数が3~7である糖アルコール又はグルコースと、前記導電性複合体とは異なる高分子化合物とを混合し、前記糖アルコール及びグルコースの含有量Aと、前記高分子化合物の含有量BとのA/Bで表される質量基準の比率が、0.3以上1.5未満である導電性複合体分散液を得る工程を含む、導電性複合体分散液の製造方法。
【請求項7】
弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、前記誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、
前記固体電解質層が、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液の硬化物である、キャパシタ。
【請求項8】
弁金属の多孔質体からなる陽極の表面に形成された誘電体層の表面に請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質を形成する工程を有する、キャパシタの製造方法。
【請求項9】
基材と、前記基材の少なくとも一部の面に形成された導電層とを備え、
前記導電層が、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液の硬化物である、導電性積層体。
【請求項10】
基材の表面の少なくとも一部に請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する工程を有する、導電性積層体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体分散液、キャパシタ並びに導電性積層体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
主鎖がπ共役系で構成されているπ共役系導電性高分子は、アニオン基を有するポリアニオンがドープすることによって導電性複合体を形成し、水に対する分散性が生じる。
導電性複合体を含有する導電性複合体分散液を材料とした塗料を弁金属からなる陽極表面に設けた誘電体層に塗布し、乾燥させて固体電解質層を形成し、これに陰極を対向配置させることにより、キャパシタを製造する方法が開示されている(例えば特許文献1)。
この開示によれば、塗料に特定の不飽和脂肪族アルコール化合物を含有させることにより、キャパシタ性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-071400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャパシタの製造時や使用時の環境が高温になることがあるので、キャパシタには充分な耐熱性が求められる。また、高い耐電圧も求められる。
【0005】
本発明は、高性能のキャパシタの製造に適した導電性複合体分散液を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水と、分子中の炭素原子の数が4~7であり、水酸基の数が3~7である糖アルコール又はグルコースと、前記導電性複合体とは異なる高分子化合物とを含み、
前記糖アルコール及びグルコースの含有量Aと、前記高分子化合物の含有量BとのA/Bで表される質量基準の比率が、0.3以上1.5未満である、導電性複合体分散液。
[2] 前記糖アルコールがソルビトール、マンニトール、エリスリトール、及びペンタエリスリトールのうち少なくとも1種を含む、[1]に記載の導電性複合体分散液。
[3] 前記高分子化合物がポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのうち少なくとも一方を含む、[1]または[2]に記載の導電性複合体分散液。
[4] 1気圧における沸点が150℃以上の有機溶剤をさらに含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
[5] 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸であるか、或いは、
前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であり、かつ、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
[6] π共役系導電性高分子とポリアニオンからなる導電性複合体と、水と、分子中の炭素原子の数が4~7であり、水酸基の数が3~7である糖アルコール又はグルコースと、前記導電性複合体とは異なる高分子化合物とを混合し、前記糖アルコール及びグルコースの含有量Aと、前記高分子化合物の含有量BとのA/Bで表される質量基準の比率が、0.3以上1.5未満である導電性複合体分散液を得る工程を含む、導電性複合体分散液の製造方法。
[7] 弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、前記誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、
前記固体電解質層が、[1]~[5]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液の硬化物である、キャパシタ。
[8] 弁金属の多孔質体からなる陽極の表面に形成された誘電体層の表面に[1]~[5]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質を形成する工程を有する、キャパシタの製造方法。
[9] 基材と、前記基材の少なくとも一部の面に形成された導電層とを備え、
前記導電層が、[1]~[5]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液の硬化物である、導電性積層体。
[10] 基材の表面の少なくとも一部に[1]~[5]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する工程を有する、導電性積層体の製造方法。
[11] 前記糖アルコールが非環状構造を有する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
[12] 前記高分子化合物が水溶性高分子化合物を含む、[1]~[5]、[11]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
[13] 前記高分子化合物の平均分子量が1000以下である、[1]~[5]、[11]、[12]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
[14] さらに中和剤を含んでもよい、[1]~[5]、[11]~[13]のいずれか一項に記載の導電性複合体分散液。
【発明の効果】
【0007】
本発明の導電性複合体分散液は、耐熱性や耐電圧が高性能のキャパシタの製造に適している。この性質は、キャパシタの製造だけでなく、基材の上に導電層が積層された導電性積層体の製造にも適している。
【0008】
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
キャパシタの一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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