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公開番号
2025025226
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129816
出願日
2023-08-09
発明の名称
集積化流体デバイス、及び集積化流体デバイスの製造方法
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12M
1/00 20060101AFI20250214BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】安価であり、且つ迅速なサーマルサイクルを実現することが可能な集積化流体デバイスを提供する。
【解決手段】集積化流体デバイス116は、基板108と、基板108の表面に所定間隔を隔てて設けられるヒータ配線101及びヒータ配線102と、基板108に設けられ、ヒータ配線101及びヒータ配線102に電流を入出力する端子106及び端子107と、ヒータ配線101及びヒータ配線102の上面に配置される蓋100と、少なくともヒータ配線101、ヒータ配線102、及び蓋100により形成され、溶液を収容し、ヒータ配線101及びヒータ配線102の発熱により溶液中の遺伝子を増幅する溶液槽105と、溶液槽105の上流に接続される前処理部111と、溶液槽105の下流に接続される遺伝子検出部112と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に所定間隔を隔てて設けられる第一のヒータ配線及び第二のヒータ配線と、
前記基板に設けられ、前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線に電流を入出力する端子と、
前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線の上面に配置される蓋と、
少なくとも前記第一のヒータ配線、前記第二のヒータ配線、及び前記蓋により形成され、溶液を収容し、前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線の発熱により前記溶液中の遺伝子を増幅する溶液槽と、
前記溶液槽の上流に接続される前処理部と、
前記溶液槽の下流に接続される遺伝子検出部と、を備える
ことを特徴とする集積化流体デバイス。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線の厚さが18μm以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項3】
前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線の厚さは、前記所定間隔よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項4】
前記第一のヒータ配線又は前記第二のヒータ配線の配線幅又は配線厚さは、前記第一のヒータ配線又は前記第二のヒータ配線の長手方向の中心に向かって大きくなる
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項5】
前記蓋、前記基板、前記第一のヒータ配線、及び前記第二のヒータ配線に、核酸吸着防止コーティングがなされる
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項6】
前記基板又は前記蓋に前記溶液槽内の前記溶液の温度を測定するための計測孔が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項7】
前記第一のヒータ配線及び前記第二のヒータ配線に接続され、前記溶液槽の下部に設けられる放熱用の1又は複数の放熱用配線をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項8】
前記基板の前記溶液槽の下部にスリットが形成され、
前記スリットを封止するテープをさらに備え、
前記溶液槽は、前記第一のヒータ配線、前記第二のヒータ配線、前記蓋、及び前記テープにより形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項9】
前記第一のヒータ配線又は前記第二のヒータ配線の両端の電圧値を計測するための電圧計測用端子をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
【請求項10】
前記溶液槽の下部に設けられる温度計測用の温度計測用配線と、
前記温度計測用配線に電流を入力するための電流入力端子と、
前記温度計測用配線の両端の電圧を計測するための電圧計測用端子と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の集積化流体デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子を増幅する集積化流体デバイス、及び集積化流体デバイスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
感染症検査では、適切な治療の開始を早めるとともに、二次感染を防ぐため迅速な病原体検出が求められる。特に、敗血症に代表される血流感染症は、わずかな菌が血流に存在するだけで、しばしばショック症状を呈し、抗菌薬による治療が遅れると生存率が急速に低下する。血流感染症の原因となる菌は多岐に渡り、それぞれ効果のある抗菌薬が異なるため、複数の菌を同時に検査し、迅速に適切な抗菌薬を投与することが重要である。PCR(Polymerase Chain Reaction)法に基づく遺伝子検査は、従来の微生物培養に基づく検査と比べ迅速性に優れ、近年盛んに研究がなされている。
【0003】
血流感染症の原因菌の血中濃度は、一般的に低く、少ないケースでは1CFU(Colony forming unit)/mL程度であると言われている。一方、患者の負担を考えると大量の採血は避ける必要があり、数mLから数10mLが限界である。すなわち、検査に供せる菌数は、せいぜい数菌から数10菌程度になる。16sリボソームRNA遺伝子領域を検出する場合、黄色ブドウ球菌では1菌あたり6コピーの遺伝子が存在することから、抽出できるDNAの総数は、数コピーから数10コピーである。このままでは濃度が薄く検出が困難であるため、これをPCR反応で増幅することで高感度に対象菌種を検出する。したがって、菌から抽出したDNAをどれだけロスなくPCR反応に用いることができるかが需要である。
【0004】
通常のPCRは、反応溶液を入れたマイクロチューブをヒートブロックにセットし、ヒートブロックの温度を変化させて、DNAの変性、アニーリング、伸長のステップ(サーマルサイクル)を繰り返すことで目的のDNAを増幅する。一般にヒートブロックの熱容量がマイクロチューブや反応溶液の熱容量よりも大きいことから、溶液の加熱冷却ではなくヒートブロックの加熱冷却時間が、反応を律速し、通常1時間程度の反応時間を要する。
【0005】
近年、DNA抽出、核酸増幅、及び遺伝子検出といった化学反応を集積化流体デバイス上で行う技術が発展している。抽出したDNAを直接PCR反応へと移せるため、少量のDNAのロスをなるべく抑制しながら増幅が可能という特徴がある。また、閉鎖的な空間で反応が完結するためコンタミネーションによる擬陽性(患者検体中の菌のDNA以外の、外来DNAが増えてしまい、誤検出となる)リスクが低減される。さらに、集積化流体デバイスは、多くの場合大量生産可能であるため、安価な検査が実現できる点が利点である。
【0006】
非特許文献1には、血液中の菌からDNAを抽出し、PCRによりDNAを増幅し、ハイブリダイゼーションによりDNAの有無を検出する集積化流体デバイスが開示されている。PCRは、樹脂チップ上に設けられた溶液槽の温度を、集積化流体デバイスとは別のペルチェ素子により変化させて実現される。また、プリント基板上の抵抗配線に電流を流すことで、局所的に温度を上げて、近接した流路にあらかじめ設置されたパラフィンを溶解させて溶液を導通するバルブが使われている。こうした集積化流体デバイスは、大量生産に適したプリント基板と、樹脂チップからなる単純な構成であり、安価に菌の遺伝子を検出することが特徴である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Robin L.、et al.、Anal.Chem.2004、76、1824-1831
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に開示される集積化流体デバイスでは、装置本体側に設置されたサーマルサイクル装置によってPCR溶液槽の温度制御が行われる。サーマルサイクル装置は、通常、金属製のヒートブロックと、ヒートブロックを加熱するヒータ、ヒートブロックを冷却するファンやペルチェ素子で構成される。また、冷却用のペルチェ素子で加熱も兼ねることも可能である。これらの構成要素は、それ自体が熱容量を持っており、例えばヒートブロックを加熱及び冷却するために時間がかかる。仮に、ヒートブロックを使用せず直接ペルチェ素子をPCR溶液槽に押し当てて温度制御する場合も、PCR溶液槽を形成する樹脂チップを介して溶液が加熱及び冷却されるため、ペルチェ素子の熱容量と樹脂チップ自体の熱容量によりサーマルサイクル時間が律速される問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、安価であり、且つ迅速なサーマルサイクルを実現することが可能な集積化流体デバイス、及びその集積化流体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の集積化流体デバイスは、基板と、基板の表面に所定間隔を隔てて設けられる第一のヒータ配線及び第二のヒータ配線と、基板に設けられ、第一のヒータ配線及び第二のヒータ配線に電流を入出力する端子と、第一のヒータ配線及び第二のヒータ配線の上面に配置される蓋と、少なくとも第一のヒータ配線、第二のヒータ配線、及び蓋により形成され、溶液を収容し、第一のヒータ配線及び第二のヒータ配線の発熱により溶液中の遺伝子を増幅する溶液槽と、溶液槽の上流に接続される前処理部と、溶液槽の下流に接続される遺伝子検出部と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)
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