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公開番号2025024450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128563
出願日2023-08-07
発明の名称柱梁接合部構造
出願人矢作建設工業株式会社
代理人個人,個人
主分類E04B 1/30 20060101AFI20250213BHJP(建築物)
要約【課題】柱を形成するコンクリートに柱梁接合部の梁からの力を受けるための支圧耐力を持たせつつ、建物を建てる際のコストが高くなることを抑制できる柱梁接合部構造を提供する。
【解決手段】建物の柱梁接合部13は、鉄骨造の梁12同士が交差する箇所に対し柱11も交差する箇所である。柱梁接合部13は、交差する梁12同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板15によって囲まれる。柱11を形成するコンクリートとしては第1のコンクリート21が用いられる。柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側は、第1のコンクリート21よりも強度の高い第2のコンクリート22によって埋められる。第2のコンクリート22は、柱梁接合部13よりも上に位置する柱11と柱梁接合部13よりも下に位置する柱11とのうち、少なくとも一方に向けてはみ出すことにより、そのはみ出した側の柱11を形成するコンクリートの一部となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し鉄筋コンクリート造の柱も交差する柱梁接合部に適用され、前記柱梁接合部は、交差する前記梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれており、前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側がコンクリートによって埋められている柱梁接合部構造において、
前記柱を形成するコンクリートとしては第1のコンクリートが用いられ、
前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側は、前記第1のコンクリートよりも強度の高い第2のコンクリートによって埋められており、
前記第2のコンクリートは、前記柱梁接合部よりも上に位置する前記柱と前記柱梁接合部よりも下に位置する前記柱とのうち、少なくとも一方に向けてはみ出すことにより、そのはみ出した側の柱を形成するコンクリートの一部となっている柱梁接合部構造。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記第2のコンクリートは、前記柱梁接合部よりも上に位置する前記柱と前記柱梁接合部よりも下に位置する前記柱との両方に向けてはみ出している請求項1に記載の柱梁接合部構造。
【請求項3】
前記柱梁接合部に位置する前記梁における上面の幅方向の縁から上側かつ前記梁の幅方向外側に向けて前記柱梁接合部の上に位置する前記柱の側面まで延びる直線L1を定め、その直線L1と前記側面との交点から前記梁の上面の高さ位置までの距離をX1としたとき、前記第2のコンクリートにおける前記柱梁接合部の前記塞ぎ板で囲まれた部分から前記柱梁接合部の上に位置する前記柱に向けはみ出した箇所のはみ出し量H1が距離X1以下とされており、
前記柱梁接合部に位置する前記梁における下面の幅方向の縁から下側かつ前記梁の幅方向外側に向けて前記柱梁接合部の下に位置する前記柱の側面まで延びる直線L2を定め、その直線L2と前記側面との交点から前記梁の下面の高さ位置までの距離をX2としたとき、前記第2のコンクリートにおける前記柱梁接合部の前記塞ぎ板で囲まれた部分から前記柱梁接合部の下に位置する前記柱に向けてはみ出した箇所のはみ出し量H2が距離X2以下とされている請求項2に記載の柱梁接合部構造。
【請求項4】
前記梁の上面に対する前記直線L1の傾斜角度A1は、45°以上且つ90°未満の範囲内の値であり、
前記梁の下面に対する前記直線L2の傾斜角度A2は、45°以上且つ90°未満の範囲内の値である請求項3に記載の柱梁接合部構造。
【請求項5】
前記傾斜角度A1及び前記傾斜角度A2は45°であり、前記はみ出し量H1は前記距離X1とされ、前記はみ出し量H2は前記距離X2とされている請求項4に記載の柱梁接合部構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、柱梁接合部構造に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
建物を柱RC梁S構法(RCS構法)等によって建てる場合、建物には鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部が設けられる。特許文献1に示すように、そうした柱梁接合部は、交差する前記梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれている。そして、柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側は、コンクリートによって埋められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-106108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記建物においては、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分がコンクリートによって埋められているため、そのコンクリートを柱梁接合部の梁が通過している。この梁は柱を形成するコンクリートに接しているため、そのコンクリートには上記梁からの上または下に向けた力が作用する。従って、上記コンクリートには、梁からの上記力を受けたときの耐久力である支圧耐力が求められる。ただし、上記コンクリートに必要とされる支圧耐力を確保することを意図して、柱全体を強度の高いコンクリートで形成したとすると、そうした強度の高い高価なコンクリートの使用量が増える分、建物を建てる際のコストが高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する柱梁接合部構造は、鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し鉄筋コンクリート造の柱も交差する柱梁接合部に適用される。柱梁接合部は、交差する梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれている。柱を形成するコンクリートとしては第1のコンクリートが用いられる。柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側は、第1のコンクリートよりも強度の高い第2のコンクリートによって埋められている。第2のコンクリートは、柱梁接合部よりも上に位置する柱と柱梁接合部よりも下に位置する柱とのうち、少なくとも一方に向けてはみ出すことにより、そのはみ出した側の柱を形成するコンクリートの一部となっている。
【0006】
上記構成によれば、柱梁接合部の上の柱と下の柱との少なくとも一方の柱については、その柱を形成するコンクリートのうち、柱梁接合部の梁と接する箇所のコンクリートが第2のコンクリートとなり、その他の箇所が第1のコンクリートとなる。これにより、上記柱に対して梁からの力が作用するとき、その力については柱における柱梁接合部の梁と接する箇所を形成するコンクリート、すなわち第1のコンクリートよりも強度の高い第2のコンクリートが受ける。このため、柱を形成するコンクリートに上記力を受けるための支圧耐力を持たせることができる。また、柱における柱梁接合部の梁と接する箇所以外の箇所は、柱を形成するコンクリートとして第2のコンクリートよりも強度の低い第1のコンクリートが用いられている。これにより、柱を形成するコンクリートとしての第2のコンクリートの使用量を少なく抑えることができるため、建物を建てる際のコストが高くなることを抑制できる。
【0007】
上記柱梁接合部構造において、第2のコンクリートは、柱梁接合部よりも上に位置する柱と柱梁接合部よりも下に位置する柱との両方に向けてはみ出しているものとされる。
上記構成によれば、柱梁接合部の上の柱と下の柱との両方の柱について、それらの柱を形成するコンクリートのうち、柱梁接合部の梁と接する箇所のコンクリートが第2のコンクリートとなり、その他の箇所が第1のコンクリートとなる。このため、柱梁接合部の上に位置する柱に対して梁からの上に向かう力が作用するとき、その力については上記柱における柱梁接合部の梁と接する箇所を形成する第2のコンクリートが受ける。また、柱梁接合部の下に位置する柱に対して梁からの下に向かう力が作用するとき、その力については上記柱における柱梁接合部の梁と接する箇所を形成する第2のコンクリートが受ける。これらにより、柱梁接合部の上に位置する柱を形成するコンクリート、及び、柱梁接合部の下に位置する柱を形成するコンクリートに、上記力を受けるための支圧耐力を持たせることができる。
【0008】
上記柱梁接合部構造において、第2のコンクリートにおける柱梁接合部の塞ぎ板で囲まれた部分から柱梁接合部の上に位置する柱に向けてはみ出した箇所のはみ出し量H1は、次のように定められる。すなわち、柱梁接合部に位置する梁における上面の幅方向の縁から上側かつ梁の幅方向外側に向けて柱梁接合部の上に位置する柱の側面まで延びる直線L1を定め、その直線L1と上記側面との交点から梁の上面の高さ位置までの距離をX1としたとき、上記はみ出し量H1が距離X1以下とされる。また、第2のコンクリートにおける柱梁接合部の塞ぎ板で囲まれた部分から柱梁接合部の下に位置する柱に向けてはみ出した箇所のはみ出し量H2は、次のように定められる。すなわち、柱梁接合部に位置する梁における下面の幅方向の縁から下側かつ梁の幅方向外側に向けて柱梁接合部の下に位置する柱の側面まで延びる直線L2を定め、その直線L2と上記側面との交点から梁の下面の高さ位置までの距離をX2としたとき、上記はみ出し量H2が距離X2以下とされる。
【0009】
上記構成によれば、柱梁接合部の上に位置する柱に対して梁からの上に向かう力が作用するとき、その力については上記柱における柱梁接合部の梁と接する箇所を形成する第2のコンクリートが受ける。この第2のコンクリートにおける上記力の作用に基づく応力は、上記柱における第1のコンクリートで形成された箇所に向けて広がるように生じる。これにより、上記柱の第1のコンクリートにおいて、第2のコンクリートからの上記応力を受ける面積が拡大される。こうした面積の拡大には上限があるものの、上記はみ出し量H1が距離X1以下にされることにより、上記面積の拡大が上限以下にとどめられる。このため、上記柱を形成するコンクリートとして第2のコンクリートが無駄に多く使用されることを抑制できる。
【0010】
また、柱梁接合部の下に位置する柱に対して梁からの下に向かう力が作用するとき、その力については上記柱における柱梁接合部の梁と接する箇所を形成する第2のコンクリートが受ける。この第2のコンクリートにおける上記力の作用に基づく応力は、上記柱における第1のコンクリートで形成された箇所に向けて広がるように生じる。これにより、上記柱の第1のコンクリートにおいて、第2のコンクリートからの上記応力を受ける面積が拡大される。こうした面積の拡大には上限があるものの、上記はみ出し量H2が距離X2以下にされることにより、上記面積の拡大が上限以下にとどめられる。このため、上記柱を形成するコンクリートとして第2のコンクリートが無駄に多く使用されることを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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