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公開番号2025023821
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-17
出願番号2024110667
出願日2024-07-10
発明の名称ポリマー電解質及び二次電池
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類H01B 1/06 20060101AFI20250207BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高温下においても機械的強度が高く、かつ、高いイオン導電率を有し、かつ、ポリマー電解質と電池負極との界面におけるデンドライトの発生を抑制しうるポリマー電解質
【解決手段】ポリマー電解質であって、該ポリマー電解質は、特定の末端フリーのポリエーテル構造と、特定のポリエーテルによる架橋構造と、特定のフッ素スルホニルイミド性アニオン基と、を有するポリマーを含有し、該ポリマー電解質は、特定のアルカリ金属塩を特定の量含有し、該ポリマー電解質のメチルエチルケトン浸漬法による体積膨潤率が、30~120%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリマー電解質であって、
該ポリマー電解質は、ポリマーと、アルカリ金属塩と、を含み、
該アルカリ金属塩は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド及びヘキサフルオロリン酸からなる群から選択される少なくとも一をアニオンとするアルカリ金属塩を含み、
該ポリマーは、
下記式(1)で示される構造と、
下記式(2)で示される構造及び下記式(3)で示される構造からなる群から選択される少なくとも一の構造と、
下記式(4)で示される構造と、を有し、
該ポリマー電解質の単位質量あたりに含まれる該アルカリ金属塩における該アニオンの合計のモル数をAとし、該ポリマーに結合しているスルホニルイミド基のモル数をBとしたとき、該A及び該Bが下記式(X)の関係を満たし、
0.50≦A/(A+B) ・・・・(X)
かつ、該ポリマー電解質のメチルエチルケトン浸漬法による体積膨潤率が、30~120%である、ことを特徴とするポリマー電解質。
TIFF
2025023821000032.tif
170
153
(式(1)において、R

は水素原子又はメチル基を表す。R

は炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R

は炭素数1~6のアルキル基を表す。
式(2)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

及びR

はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。
式(3)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

、R

及びR
10
はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R
11
は炭素数1~6の3価の有機基を表す。
式(1)~(3)におけるA1、B1、D1、D2及びD3は各々独立に、少なくとも(-CH

CH

-O-)で示されるエチレンオキシド構造を有する連結基である。)
TIFF
2025023821000033.tif
52
153
(式(4)において、R
12
は水素原子又はメチル基を表す。R
13
は2価の連結基を表す。R
14
はフッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基を表す。X

はリチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンからなる群から選択される少なくとも一を表す。
該スルホニルイミド基は下記式(S)で示される官能基を表す。
TIFF
2025023821000034.tif
37
153
式(S)において、Rはフッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基を表す。)
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記A及び前記Bが、0.65≦A/(A+B)≦0.96を満たす、請求項1に記載のポリマー電解質。
【請求項3】
前記ポリマーにおける(メタ)アクリロイル残基1モルに対する前記エチレンオキシド構造の平均付加モル数Meoが2.5モル以上である、請求項1に記載のポリマー電解質。
【請求項4】
前記A1、B1、D1、D2及びD3は各々独立に(-CH

CH(CH

)-O-)で示されるプロピレンオキシド構造を更に有する、請求項1に記載のポリマー電解質。
【請求項5】
前記ポリマーにおいて、(メタ)アクリロイル残基1モルに対する前記プロピレンオキシド構造の平均付加モル数Mpoが、(メタ)アクリロイル残基1モルに対する前記エチレンオキシド構造の平均付加モル数Meoの5~25%である、請求項4に記載のポリマー電解質。
【請求項6】
前記ポリマー電解質に含まれる前記ポリマーにおける前記式(1)で示される構造の質量基準の含有率をαとし、前記式(2)で示される構造及び前記式(3)で示される構造の質量基準の合計の含有率をβとしたとき、質量比α:βが、70:30~98:2である、請求項1に記載のポリマー電解質。
【請求項7】
前記式(1)で示される構造が、下記式(1-1)で示される構造であり、
前記式(2)で示される構造が、下記式(2-1)で示される構造であり、
前記式(3)で示される構造が、下記式(3-1)で示される構造である、
請求項1に記載のポリマー電解質。
TIFF
2025023821000035.tif
42
153
(式(1-1)において、R

は水素原子又はメチル基を表す。R

は炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R

は炭素数1~6のアルキル基を表す。m1及びn1は、平均付加モル数であり、m1は1以上の整数を、n1は0以上の整数を表す。
(-CH

-CH

-O-)で表されるエチレンオキシド構造及び(-CH

-CH(CH

)-O-)で表されるプロピレンオキシド構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。)
TIFF
2025023821000036.tif
42
153
(式(2-1)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

、R

はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。m2及びn2は、平均付加モル数であり、m2は1以上の整数を、n2は0以上の整数を表す。(-CH

-CH

-O-)で表されるエチレンオキシド構造及び(-CH

-CH(CH

)-O-)で表されるプロピレンオキシド構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。2つの-COO-で挟まれる鎖はさらに炭素数1~6のジオール構造を含んでいてもよい。)
TIFF
2025023821000037.tif
64
153
(式(3-1)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

、R

、R
10
はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R
11
は炭素数1~6の3価の有機基を表す。m3及びn3は、平均付加モル数であり、m3はそれぞれ独立して1以上の整数を、n3はそれぞれ独立して0以上の整数を表す。(-CH

-CH

-O-)で表されるエチレンオキシド構造及び(-CH

-CH(CH

)-O-)で表されるプロピレンオキシド構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。-COO-とR11とで挟まれる鎖はさらに炭素数1~6のジオール構造を含んでいてもよい。)
【請求項8】
前記ポリマー電解質において、前記式(1-1)におけるm1+n1が、14~58であり、
前記式(2-1)におけるm2+n2及び/又は式(3-1)におけるm3+n3が、14~58である、請求項7に記載のポリマー電解質。
【請求項9】
前記ポリマー電解質において、
前記式(1-1)におけるm1:n1が、80:20~95:5であり、
前記式(2-1)におけるm2:n2及び/又は前記式(3-1)におけるm3:n3が、80:20~95:5である、請求項7に記載のポリマー電解質。
【請求項10】
前記ポリマー電解質における前記式(4)で示される構造の含有量が、前記式(1)で示される構造、前記式(2)で示される構造及び前記式(3)で示される構造の合計100質量部に対して、1~25質量部である、請求項1に記載のポリマー電解質。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリマー電解質及び二次電池に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、タブレット端末、スマートフォンなどのポータブル機器、電気自動車の発展に伴い、その電源としての二次電池の需要が拡大している。一般に二次電池は電極(正極や負極)及び電解質で構成され、電極間で電解質を介したイオンの移動が生じることで充電や放電を行う。このような二次電池は、携帯電話などの小型機器から電気自動車などの大型機器まで、幅広い用途で使用されている。そのため、高い安全性と、性能のさらなる向上が求められている。
【0003】
二次電池の安全性のより一層の向上のために、従来の可燃性電解液を固体電解質に置き換えた固体二次電池の開発が進められている。固体電解質としては硫化物系、酸化物系、ポリマー系の材料が広く検討されている。
二次電池の充放電特性を高めるためには、一般的に電極中の活物質と電解質との界面を大きくすることが重要である。ここで、活物質とは、電気を生じさせる反応に関与する物質のことである。硫化物系、酸化物系の固体電解質はイオン導電率に優れる半面、活物質との界面を大きくすることが難しく、また耐衝撃性が十分でない場合があるため、電解液とポリマーを組み合わせたゲル電解質等の柔軟な固体電解質を用いることが提案されている。
【0004】
特許文献1には、ポリエーテルとイオン液体を含むゲル電解質が記載されている。また、特許文献2には、第4級アンモニウム塩基を主鎖に組み込むことで電解液との親和性を向上させたゲル電解質が記載されている。さらに特許文献3には、グライムとリチウム塩を含むドライポリマー電解質が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-090677号公報
国際公開第2004/027789号
特開2009-104891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、リチウムイオン二次電池に対しては、より一層の高い安全性に加え、より高い充放電特性が求められている。電解質として、特許文献1及び2のようなポリマーゲルを用いた場合、高温での強度が低下し、衝撃による短絡のリスクが生じる場合がある。また特許文献3のようなドライポリマー系では、高いイオン導電率の発揮のために、有機溶媒であるグライムによるリチウムイオンの錯体形成を必要としている。グライムが配位したリチウム塩はイオン液体化することが知られており、潜在的に液体電解質と同様の課題を有する。
また、二次電池においては、電解質と金属負極界面においてデンドライト(樹状突起)が発生し、サイクル寿命の短命化の原因となる場合がある。二次電池の負極材料の中で、「金属負極」はもっとも高い電荷容量密度を有しており、エネルギー密度向上の観点からその実用化が期待される。金属負極の使いこなしは二次電池の性能向上に大きく繋がると考えられることから、デンドライトの発生を抑制することは重要である。またデンドライトの成長が進むと、電池を構成する基材や梱包材を破損する恐れがあり、安全性について
も影響が懸念される。
【0007】
そのため、
・高温でも耐衝撃性の低下や短絡リスクが抑制され、
・イオン導電率に優れ、
・かつサイクル寿命が長い
ポリマー電解質が望まれている。
【0008】
本開示の少なくとも一つの態様は、高温下においても機械的強度が高く、かつ、高いイオン導電率を有し、かつ、ポリマー電解質と電池負極との界面におけるデンドライトの発生を抑制しうるポリマー電解質に向けたものである。また、本開示の少なくとも一つの態様は、高温環境下においても高い耐衝撃性を有し、かつ、優れた電池性能を有する二次電池の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、ポリマー電解質であって、
該ポリマー電解質は、ポリマーと、アルカリ金属塩と、を含み、
該アルカリ金属塩は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド及びヘキサフルオロリン酸からなる群から選択される少なくとも一をアニオンとするアルカリ金属塩を含み、
該ポリマーは、
下記式(1)で示される構造と、
下記式(2)で示される構造及び下記式(3)で示される構造からなる群から選択される少なくとも一の構造と、
下記式(4)で示される構造と、を有し、
該ポリマー電解質の単位質量あたりに含まれる該アルカリ金属塩における該アニオンの合計のモル数をAとし、該ポリマーに結合しているスルホニルイミド基のモル数をBとしたとき、該A及び該Bが下記式(X)の関係を満たし、
0.50≦A/(A+B) ・・・・(X)
かつ、該ポリマー電解質のメチルエチルケトン浸漬法による体積膨潤率が、30~120%である、ポリマー電解質が提供される。
TIFF
2025023821000001.tif
170
153
(式(1)において、R

は水素原子又はメチル基を表す。R

は炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R

は炭素数1~6のアルキル基を表す。
式(2)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

及びR

はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。
式(3)において、R

はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R

、R

及びR
10
はそれぞれ独立して炭素数1~6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を表す。R
11
は炭素数1~6の3価の有機基を表す。
式(1)~(3)におけるA1、B1、D1、D2及びD3は各々独立に、少なくとも(-CH

CH

-O-)で示されるエチレンオキシド構造を有する連結基である。)
TIFF
2025023821000002.tif
52
153
(式(4)において、R
12
は水素原子又はメチル基を表す。R
13
は2価の連結基を表す。R
14
はフッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基を表す。X

はリチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンからなる群から選択される少なくとも一を表す。
該スルホニルイミド基は下記式(S)で示される官能基を表す。
TIFF
2025023821000003.tif
37
153
式(S)において、Rはフッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基を表す。)
【0010】
また、本開示の少なくとも一つの態様によれば、正極、バルク電解質及び負極を具備する二次電池であって、該正極、該バルク電解質及び該負極の少なくとも一つが、上記ポリマー電解質を含有する二次電池が提供される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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