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公開番号2025022232
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126625
出願日2023-08-02
発明の名称転がり軸受用保持器および転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/38 20060101AFI20250206BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ポケット面の表面粗さを複数の粗さパラメータで規定することで、少量の潤滑剤でも接触面に油膜を維持できるようにし、過酷な潤滑条件下でも安定して低摩擦状態を維持可能な転がり軸受用保持器、および該保持器を用いた転がり軸受を提供する。
【解決手段】保持器5は、樹脂製の転がり軸受用保持器であって、転動体を保持する複数のポケット6を有し、ポケット6において転動体と接触するポケット面6aの表面粗さにおける粗さ曲線から求められる算術平均粗さRaが3.00μm以上10.00μm以下であり、要素の平均長さRSmが0.10mm以上0.40mm以下であり、クルトシスRkuが1.0以上5.0以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂製の転がり軸受用保持器であって、
前記保持器は転動体を保持する複数のポケットを有し、前記ポケットにおいて前記転動体と接触するポケット面の表面粗さにおける粗さ曲線から求められる算術平均粗さRaが3.00μm以上10.00μm以下であり、要素の平均長さRSmが0.10mm以上0.40mm以下であり、クルトシスRkuが1.0以上5.0以下であることを特徴とする転がり軸受用保持器。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記ポケット面における粗さ曲線から求められるスキューネスRskが-1.00以上1.00以下であることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受用保持器。
【請求項3】
前記クルトシスRkuが3.0超え5.0以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受用保持器。
【請求項4】
前記保持器が樹脂組成物の射出成形体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受用保持器。
【請求項5】
内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、軸受内空間に封入されるグリースとを有する転がり軸受であって、
前記保持器が請求項1または請求項2記載の転がり軸受用保持器であることを特徴とする転がり軸受。
【請求項6】
前記グリースは基油とウレア系増ちょう剤を含み、前記基油の40℃における動粘度が10mm

/s以上30mm

/s未満であることを特徴とする請求項5記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受用保持器、および該保持器を用いた転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
転がり軸受において、転動体を転動自在に保持する保持器として樹脂製保持器が広く用いられている。樹脂製保持器は、自己潤滑性、低摩擦特性、軽量などの点で鉄製保持器よりも優れている。樹脂製保持器の合成樹脂としては、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂などのポリアミド樹脂が一般に用いられており、必要に応じてこれらにガラス繊維などの繊維状補強材を含有させ強化したものが用いられている。
【0003】
近年、電気自動車や工作機など高速環境下で使用される転がり軸受の需要が高まっている。また従来、高速回転下ではエアオイル潤滑が用いられることが多いが、供給設備のメンテナンスコストがかかるため、グリース潤滑の需要が高まっている。しかし、グリース潤滑の場合、高速回転時にグリースが接触面から跳ね除けられやすく、転動体と保持器との間で潤滑不足が生じやすい。そして、潤滑不足が生じると、接触面での過度な昇温や摩耗によって軸受の寿命低下に繋がる。
【0004】
このような過酷な潤滑条件下での対策として、例えば、特許文献1のように保持器のポケット面に溝または孔を形成したものや、特許文献2のように保持器のポケット面を粗面化したものが知られている。これらは、保持器の形状によって潤滑剤を保持することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7088286号
特開2007-198469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される溝または孔のような凹部を有するプラトー構造表面(凸部が無く平滑面と凹部で形成される表面)は、凹部で潤滑剤を保持でき、摺動特性を向上させる方法として知られている。しかし、境界潤滑など2面が接触するような、より過酷な接触条件になった場合、プラトー構造表面では平滑面で相手面と接触することになり、凹部に潤滑剤が存在していても平滑面からは除かれるため、摩擦係数の上昇や発熱が生じやすくなる。そのため、転動体と接触する面積は、なるべく小さいことが望ましい。
【0007】
また、特許文献2では、転動体と接触する保持器のポケット面の算術表面粗さRaを6μm~10μmと粗くしており、凹部に潤滑剤を保持させて十分な油膜が形成されるようにしている。しかしながら、このパラメータだけでは、相手面と接触する面積を小さく制限するには不十分である。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ポケット面の表面粗さを複数の粗さパラメータで規定することで、少量の潤滑剤でも接触面に油膜を維持できるようにし、過酷な潤滑条件下でも安定して低摩擦状態を維持可能な転がり軸受用保持器、および該保持器を用いた転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の転がり軸受用保持器は、樹脂製の転がり軸受用保持器であって、上記保持器は転動体を保持する複数のポケットを有し、上記ポケットにおいて上記転動体と接触するポケット面の表面粗さにおける粗さ曲線から求められる算術平均粗さRaが3.00μm以上10.00μm以下であり、要素の平均長さRSmが0.10mm以上0.40mm以下であり、クルトシスRkuが1.0以上5.0以下であることを特徴とする。
【0010】
上記保持器は一形態として、上記ポケット面の転動体とすべり接触する部分において、粗さ曲線の測定方向が転動体回転方向に対し垂直になるように任意の1つまたは複数の(例えば全ての)ポケットを測定した際、JIS B 0601に基づいて粗さ曲線から求められる粗さパラメータについて、測定した全てのポケットの値またはその平均値において、算術平均粗さRaが3.00μm以上10.00μm以下であり、要素の平均長さRSmが0.10mm以上0.40mm以下であり、クルトシスRkuが1.0以上5.0以下であることを特徴とする。
具体的には、任意の1つまたは複数の(例えば全ての)ポケットの上記ポケット面において、軸受回転時に転動体と保持器のポケット面が接触しうる1点と、その1点を起点として180°離れた点をそれぞれ測定範囲の中心点(0°)とし、±30°の範囲(測定対象領域)における任意の箇所を測定した際、JIS B 0601に基づいて粗さ曲線から求められる粗さパラメータについて、全てのポケット面の値またはその平均値において、算術平均粗さRaが3.00μm以上10.00μm以下であり、要素の平均長さRSmが0.10mm以上0.40mm以下であり、クルトシスRkuが1.0以上5.0以下であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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