TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025021499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023125222
出願日2023-08-01
発明の名称液化ガス貯蔵タンクの運用方法及び液化ガス貯蔵タンク
出願人川崎重工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F17C 9/00 20060101AFI20250206BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】液化ガス貯蔵タンクのホットアップの際に粉体断熱材が圧密されるのを防止する。
【解決手段】液化ガスを貯留する内槽(4)と、保冷層(13)を介して内槽(4)を収容する外槽(3)と、外槽(3)の屋根(33)との間に隙間が生じる状態で保冷層(13)に充填された粉体断熱材(15)と、を備えた液化ガス貯蔵タンク(1)を運用する方法であって、内槽(3)から液化ガスを抜いて内槽(3)の温度を常温に近づけるホットアップを行うこと、及び、このホットアップの際に、保冷層(13)にガスを供給し、供給した当該ガスによって粉体断熱材(15)を流動化させる粉体流動化とを行うことを含む。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
液化ガスを貯留する内槽と、保冷層を介して前記内槽を収容する外槽と、当該外槽の屋根との間に隙間が生じる状態で前記保冷層に充填された粉体断熱材と、を備えた液化ガス貯蔵タンクを運用する方法であって、
前記内槽から液化ガスを抜いて前記内槽の温度を常温に近づけるホットアップを行うこと、及び、
前記ホットアップの際に、前記保冷層にガスを供給し、供給した当該ガスによって前記粉体断熱材を流動化させる粉体流動化とを行うことを含む、液化ガス貯蔵タンクの運用方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンクの運用方法において、
前記粉体流動化では、前記保冷層に対し、周方向に離れた複数箇所から前記ガスを供給する、液化ガス貯蔵タンクの運用方法。
【請求項3】
請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンクの運用方法において、
前記粉体流動化では、前記保冷層に対し、高さ方向に離れた複数箇所から前記ガスを供給する、液化ガス貯蔵タンクの運用方法。
【請求項4】
請求項3に記載の液化ガス貯蔵タンクの運用方法において、
前記粉体流動化では、前記ガスの供給箇所の高さが低いほど前記ガスの供給開始を遅くするように、前記供給箇所の高さによって前記ガスの供給開始タイミングを異ならせる、液化ガス貯蔵タンクの運用方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンクの運用方法において、
前記粉体流動化では、前記内槽から前記外槽の外部に吸い出したガスを前記保冷層に供給するとともに、供給した当該ガスを、前記内槽を貫通する連通部を介して前記保冷層から前記内槽に戻す、液化ガス貯蔵タンクの運用方法。
【請求項6】
液化ガスを貯留する内槽と、
保冷層を介して前記内槽を収容する外槽と、
前記外槽の屋根との間に隙間が生じる状態で前記保冷層に充填された粉体断熱材と、
前記粉体断熱材を流動化させるためのガスを前記保冷層に供給可能なガス供給装置とを備えた、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項7】
請求項6に記載の液化ガス貯蔵タンクにおいて、
前記ガス供給装置は、前記保冷層の内部に、前記ガスの出口となる複数の噴孔を有する供給リングを含む、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項8】
請求項7に記載の液化ガス貯蔵タンクにおいて、
前記ガス供給装置は、前記保冷層の内部の異なる高さに配設された複数の前記供給リングを含む、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の液化ガス貯蔵タンクにおいて、
前記内槽は、その内部と前記保冷層とを連通する連通部を含み、
前記ガス供給装置は、前記供給リングと、前記ガスを圧送するブロワーと、前記内槽の内部と前記ブロワーとを繋ぐ上流配管と、前記ブロワーと前記供給リングとを繋ぐ下流配管とを含む、液化ガス貯蔵タンク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、外槽と内槽との間の保冷層に粉体断熱材が充填された液化ガス貯蔵タンクに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
上記液化ガス貯蔵タンクは、例えば下記特許文献1に記載のとおり、メンテナンス等のために開放される場合がある。具体的に、特許文献1では、液化ガス貯蔵タンク(低温タンク)を開放する前に、内槽内の残液を排出する工程と、この残液の排出後に、外部から供給される窒素ガス等の不活性ガスによって燃焼性ガス(ボイルオフガス)をタンクから排出する工程と、同様の不活性ガスを用いて内槽を昇温させる工程と、内槽の昇温後に当該内槽に外気を導入する工程とが行われる。これにより、作業員が入れる環境がタンク内につくり出され、タンクのメンテナンスが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-25467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、液化ガス貯蔵タンクを開放する場合には、事前に内槽を昇温させる処理が必要になる。以下では、このような処理のことをホットアップと称する。ホットアップが行われると、タンク運用中に液化ガスと同程度の温度にまで低下していた内槽の温度が常温付近まで上昇する。このことは、内槽の膨張を引き起こし、内槽と外槽との間の保冷層の容積を縮小させる。保冷層の容積が比較的大きく縮小するようなケースでは、保冷層に充填されている粉体断熱材が圧密されて、内槽を座屈させるような大きな圧力が内槽に加わるおそれがある。
【0005】
本開示は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、液化ガス貯蔵タンクのホットアップの際に粉体断熱材が圧密されるのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのものとして、本開示の一局面に係る運用方法は、液化ガスを貯留する内槽と、保冷層を介して前記内槽を収容する外槽と、当該外槽の屋根との間に隙間が生じる状態で前記保冷層に充填された粉体断熱材と、を備えた液化ガス貯蔵タンクを運用する方法であって、前記内槽から液化ガスを抜いて前記内槽の温度を常温に近づけるホットアップを行うこと、及び、前記ホットアップの際に、前記保冷層にガスを供給し、供給した当該ガスによって前記粉体断熱材を流動化させる粉体流動化とを行うことを含むものである。
【0007】
また、本開示の他の局面に係る液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを貯留する内槽と、保冷層を介して前記内槽を収容する外槽と、前記外槽の屋根との間に隙間が生じる状態で前記保冷層に充填された粉体断熱材と、前記粉体断熱材を流動化させるためのガスを前記保冷層に供給可能なガス供給装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、液化ガス貯蔵タンクのホットアップの際に粉体断熱材が圧密されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一実施形態に係る液化ガス貯蔵タンクを概略的に示す断面図である。
供給リングの構造を示す概略平面図である。
タンク本体をホットアップする手順(その1)を示す断面図である。
タンク本体をホットアップする手順(その2)を示す断面図である。
タンク本体をホットアップする手順(その3)を示す断面図である。
タンク本体をホットアップする手順(その4)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本開示の液化ガス貯蔵タンクの実施形態について詳細に説明する。本開示の液化ガス貯蔵タンクは、低温の液化ガスを貯蔵するタンクである。貯蔵される液化ガスは、例えば液化水素、液体ヘリウム、液体窒素、液化天然ガス、または液化石油ガスなどである。以下の実施形態では、液化ガス貯蔵タンクの一例として、収容される液化ガスが液化水素である、平底円筒型の二重殻タンクを例示する。もちろん、本開示は、平底円筒型以外の二重殻タンク、または三重殻等の多重殻タンクにも適用可能である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
高齢者用スプレー缶残留ガス抜き具
5か月前
サムテック株式会社
蓄圧器ラック
4か月前
大阪瓦斯株式会社
ガス監視システム
5か月前
有限会社 両国設備
液体容器の加熱器
2か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク
6か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク
5か月前
川崎重工業株式会社
平底円筒タンク
5か月前
株式会社神戸製鋼所
ガス供給システム
2か月前
株式会社ハイドロネクスト
水素活用システム
5か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
5か月前
株式会社三井E&S
燃料供給装置
3か月前
大日本印刷株式会社
ガス充填容器
25日前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
2か月前
川崎重工業株式会社
液化ガス貯蔵タンク
21日前
株式会社タツノ
校正装置
6か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
14日前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
14日前
本田技研工業株式会社
タンクユニット
4か月前
株式会社タツノ
充填ノズル
2か月前
トヨタ自動車株式会社
水素供給装置
5か月前
イビデンケミカル 株式会社
水素貯蔵容器
3か月前
那須電機鉄工株式会社
水素吸蔵合金タンク
21日前
豊田合成株式会社
圧力容器
4か月前
豊田合成株式会社
圧力容器
4か月前
川崎重工業株式会社
再液化装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
ガス供給システム
3か月前
トヨタ自動車株式会社
タンクの保持構造
4か月前
トヨタ自動車株式会社
タンクモジュール
6か月前
株式会社FTS
圧力容器
5か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク支持構造体
4か月前
豊田合成株式会社
ガス貯留装置
4か月前
エア・ウォーター株式会社
供給設備
4か月前
鹿島建設株式会社
水素吸蔵システム
4か月前
DOWAエコシステム株式会社
容器の廃棄処理方法
15日前
大陽日酸株式会社
ボンベ保管管理庫
3か月前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
28日前
続きを見る