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公開番号2025064344
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174013
出願日2023-10-06
発明の名称温度推移解析装置及び温度推移解析方法
出願人川崎重工業株式会社
代理人個人
主分類F02C 7/00 20060101AFI20250410BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】温度推移の解析において、高精度と高速性を同時に実現する。
【解決手段】関与度変化率取得部は、対象物の複数の部位の温度を複数回取得して得られたサンプルデータに対して固有直交分解を行うことにより得られた複数のモードから選択された複数のモードである主モードについて、それぞれのモードが現れる度合いを表す関与度を変化率予測関数に入力する。前記変化率予測関数が出力する前記関与度の時間変化率を取得する。関与度更新部は、時間変化率に基づいて関与度を更新する。温度取得部は、関与度に基づいて複数の前記部位の温度を計算により取得する。
前記関与度を前記変化率予測関数に入力して前記関与度の変化率を取得することと、前記時間変化率に基づいて前記関与度を更新することとが、交互に反復される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象物の複数の部位の温度の推移を解析する温度推移解析装置であって、
複数の前記部位の温度を複数回取得して得られたサンプルデータに対して固有直交分解を行うことにより得られた複数のモードから選択された複数のモードである主モードについて、それぞれのモードが現れる度合いを表す関与度を変化率予測関数に入力し、前記変化率予測関数が出力する前記関与度の時間変化率を取得する関与度変化率取得部と、
前記時間変化率に基づいて前記関与度を更新する関与度更新部と、
前記関与度に基づいて複数の前記部位の温度を計算により取得する温度取得部と、
を備え、
前記関与度変化率取得部が、前記関与度更新部によって更新された後の前記関与度を前記変化率予測関数に入力して前記時間変化率を取得することと、
前記関与度更新部が前記時間変化率に基づいて前記関与度を更新することと、
が交互に反復される、温度推移解析装置。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
請求項1に記載の温度推移解析装置であって、
前記変化率予測関数には、前記主モードに含まれるそれぞれのモードの前記関与度と、熱境界条件を主成分分析することにより選択された複数の主成分のそれぞれに関する主成分スコアと、が入力される、温度推移解析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の温度推移解析装置であって、
前記主モードのうち第1モードの前記関与度、及び、前記複数の主成分のうち第1主成分の前記主成分スコアのうち少なくとも何れかが、分散の差をなくす方向にスケーリングされて前記変化率予測関数に入力される、温度推移解析装置。
【請求項4】
請求項1に記載の温度推移解析装置であって、
前記対象物は機械の部品であり、
前記機械は、予め定められた複数の起動パターンから選択された起動パターンに従って起動可能であり、
前記主モードは、複数の起動パターンの間で共通である、温度推移解析装置。
【請求項5】
請求項1に記載の温度推移解析装置であって、
前記対象物はガスタービンエンジンのロータである、温度推移解析装置。
【請求項6】
対象物の複数の部位の温度の推移を解析する温度推移解析方法であって、
複数の前記部位の温度を複数回取得して得られたサンプルデータに対して固有直交分解を行うことにより得られた複数のモードから選択された複数のモードである主モードについて、それぞれのモードが現れる度合いを表す関与度を変化率予測関数に入力し、前記変化率予測関数が出力する前記関与度の時間変化率を取得し、
前記時間変化率に基づいて前記関与度を更新し、
前記関与度に基づいて複数の前記部位の温度を計算により取得し、
更新された後の前記関与度を前記変化率予測関数に入力して前記時間変化率を取得することと、
前記時間変化率に基づいて前記関与度を更新することと、
を交互に反復する、温度推移解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物の複数の部位における温度の時間的推移の解析に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、現実世界にある機械等をコンピュータの仮想空間において再現する技術が提案されている。デジタル空間に再現されたものは、現実の対象物に対する双子のような複製という意味で、デジタルツインと呼ばれることがある。機械の動作寿命が尽きる前に、検査及びセンサデータに基づいて、デジタルツインの機械等に対する同期が維持される。デジタルツインは、例えば機械の状態の監視、評価、保守、制御等のために活用される。
【0003】
特許文献1は、デジタルツインを用いて物理的資産(例えば、船舶)を保守する方法及びシステムを開示する。
【0004】
特許文献1は、産業機器の解析のための1つの従来のツールとして、有限要素法を紹介する。以下、有限要素をFEと呼ぶことがある。有限要素法は公知であるので簡単に説明すると、対象物モデルを多数のFEの集合に分割し、それぞれのFEにおいて成立する方程式を解き、各FEの解をまとめて最終的な解を得るものである。
【0005】
特許文献1は、規模が大きい物理的資産を対象とする場合、従来のFE法による計算では、計算速度及びメモリ要件の観点から、全体的かつ詳細な解析が困難であることを指摘する。これを解決するために、特許文献1は、有限要素モデリングで作成されたモデルの次元を削減する低次元化モデリングを提供する。以下、低次元化モデリングをROMと呼ぶことがある。
【0006】
特許文献1により、静的縮小簡約基底要素フレームワークに基づく、コンポーネントベースのROM手法が提供される。以下、静的縮小簡約基底要素をSCRBEと呼ぶことがある。コンポーネントは、デジタルツインを構成する単位を意味する。SCRBE方法論は、認証簡約基底法上に構築され、パラメトリック偏微分方程式の物理ベースのROMを提供する。
【0007】
特許文献1においては、偏微分方程式の少なくとも一部分のポートSCRBE近似を使用して、複数のモデルの合成モデルが構築される。特許文献1においてポートとは、近隣のコンポーネント同士を接続することができる境界を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2023-502325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
デジタルツインの対象が、例えば発電用ガスタービンエンジンの部品である場合、再生可能エネルギーの需給変動に素早く追従して対応するとともに、より高精度に部品の状態を把握することが望まれている。
【0010】
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、特許文献1とは異なる方法で、温度の時間的推移の解析において、高精度の予測と高速計算を同時に実現することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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