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公開番号2025021180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124946
出願日2023-07-31
発明の名称熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20250205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】硬化開始以降のオイルブリードを大幅に抑制可能な熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】(A)アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、(C)抽出Na+量が100ppm以下の酸化アルミニウム粉末、及び(E)白金族金属触媒を含有する第1液と、前記(A)成分、(B)SiH基を3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、前記(C)成分、(D)(B)成分と異なるSiH基を2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(F)反応制御剤を含む第2液とからなる組成物であり、但し、第1液は(B)、(D)、(F)成分を含有せず、第2液は(E)成分を含有せず、第1液と第2液それぞれの、熱伝導率が2.0~7.0W/m・Kであり、第1液と第2液それぞれの25℃での粘度が30~800Pa・sである熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)下記平均組成式(1)





SiO
(4-a-b)/2
(1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001~0.2、bは1.7~2.2で、かつa+bが1.9~2.4を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(C)120℃×48時間純水で酸化アルミニウム粉末を加熱抽出し、その水層をイオンクロマトグラフィーで測定した場合のNa

イオン量が100ppm以下の酸化アルミニウム粉末、及び
(E)白金族金属触媒:(A)成分に対して白金族金属質量換算で1~200ppm
を含有する第1液と、
(A)下記平均組成式(1)





SiO
(4-a-b)/2
(1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001~0.2、bは1.7~2.2で、かつa+bが1.9~2.4を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(2)





SiO
(4-c-d)/2
(2)
(式中、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7~2.2、dは0.001~0.5で、かつc+dが0.8~2.5を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基1個に対し(B)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)が0.1~2個となる量、
(C)120℃×48時間純水で酸化アルミニウム粉末を加熱抽出し、その水層をイオンクロマトグラフィーで測定した場合のNa

イオン量が100ppm以下の酸化アルミニウム粉末、
(D)下記平均組成式(3)





SiO
(4-e-f)/2
(3)
(式中、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、eは0.7~2.2、fは0.001~0.5で、かつe+fが0.8~2.5を満足する正数である。)
で表され、前記(B)成分と異なる一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基1個に対し(D)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)が0.01~3個となる量、及び
(F)反応制御剤:一分子中にアルケニル基を1~4個有し、D単位(R


SiO
2/2
)(R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基である。)が4個以下であるオルガノポリシロキサン
を含む第2液とからなる組成物であり、
但し、前記第1液は前記(B)、(D)、(F)成分を含有せず、前記第2液は前記(E)成分を含有せず、前記組成物中の(A)成分の合計は100質量部であり、(C)成分の合計は1,000~7,000質量部であり、(F)成分は0.01~1質量部であり、前記第1液及び前記第2液それぞれの熱伝導率がISO 22007-2準拠のホットディスク法において、2.0~7.0W/m・Kであり、前記第1液及び前記第2液それぞれの25℃における粘度がスパイラル粘度計によるローターA、回転数10rpm測定時(ずり速度6(1/sec))において、30~800Pa・sであることを特徴とする熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記(B)成分と前記(D)成分中のSiH基の合計個数の(A)成分中のアルケニル基の個数に対する比が0.11~5であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
更にシランカップリング剤(G)及び/又は下記一般式(4)
TIFF
2025021180000012.tif
39
123
(式中、R

は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R

は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、gは5~100の整数であり、hは1~3の整数である。)
で表され、25℃における粘度が0.01~30Pa・sのオルガノポリシロキサン(H)を、前記第1液及び/又は前記第2液に含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
前記第1液と前記第2液を1:1の質量比で混合し、JIS K6249に従い、25℃でタックフリー試験を実施した場合、タックフリータイムが30分以上200分以下になるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項5】
前記第1液と前記第2液を1:1の質量比で混合した混合物を、ISO 25178で規定された算術平均高さが3~20μm、最大高さが10~100μmの表面粗さを示すすりガラス上に0.1gを直径3~5mmとなるように塗布し、25℃で24時間放置した後、前記混合物のまわりのオイルブリードの幅が1.0mm以下になるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項6】
前記第1液と前記第2液を1:1の質量比で混合した混合物を、ISO 25178で規定された算術平均高さが3~20μm、最大高さが10~100μmの表面粗さを示すすりガラス上に0.1gを直径3~5mmとなるように塗布し、150℃で500時間放置した後、前記混合物のまわりのオイルブリードの幅が1.0mm以下になるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項7】
前記第1液と前記第2液を1:1の質量比で混合した混合物を、ISO 25178で規定された算術平均高さが3~20μm、最大高さが10~100μmの表面粗さを示すすりガラス上に0.1gを直径3~5mmとなるように塗布し、85℃、湿度85%で500時間放置した後、前記混合物のまわりのオイルブリードの幅が1.0mm以下になるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子部品回路の高集積化、高電圧化に伴い、IC、回路から発生する熱量が増大していることから、熱伝導性のよいシリコーン組成物が放熱材用途として使用されている。上記の組成物には、熱伝導性向上のために、熱伝導性充填剤を使用すればよいことが知られており、このような充填剤としては、シリカ粉末、酸化アルミニウム粉末、炭化珪素粉末、窒化珪素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末、ダイヤモンド粉末、鉄、ステンレススチール、銅等の金属粉末、並びにカーボン粉末等が知られている。
【0003】
これら充填剤を配合した組成物は様々提案されてきた。中でも、熱伝導性や電気絶縁性、作業性等が良いという点から酸化アルミニウム粉末を充填剤としたシリコーン組成物の製造方法はこれまで提案されてきており(特許文献1~3)、例えば、120℃×48時間純水で酸化アルミニウム粉末を加熱抽出し、その水層をイオンクロマトグラフィーで測定した場合のNa

イオン量が100ppm以下の酸化アルミニウムと、オルガノポリシロキサン等のオイル成分と、必要に応じて、組成物の保存性向上を促す陽イオン交換、及び/又は両イオン交換型のイオントラップ剤と混合した組成物を用いることにより、保存性が向上し、経時での硬さ変化が抑えられることが知られている(特許文献4)。
【0004】
しかし、上記熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性充填剤と反応に取り込まれるオルガノポリシロキサン等のオイル成分の他に、組成物の低弾性率化や塗布時の作業性向上等の効果を付与するために、反応に取り込まれないフリーのオイル成分等も含有しているため、組成物が硬化中または硬化した後にオイルブリードしてしまうことがあり、経時でさらに悪化してしまい、電気・電子部品等の周辺部材の汚染や、熱性能の劣化等を引き起こし、問題となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2741436号公報
特許第3676544号公報
特許第5821160号公報
特開2022-29985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、組成物の硬化開始までの時間が十分にあり、組成物の硬化中および硬化後のオイルブリードを大幅に抑制することができる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)下記平均組成式(1)





SiO
(4-a-b)/2
(1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001~0.2、bは1.7~2.2で、かつa+bが1.9~2.4を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(C)120℃×48時間純水で酸化アルミニウム粉末を加熱抽出し、その水層をイオンクロマトグラフィーで測定した場合のNa

イオン量が100ppm以下の酸化アルミニウム粉末、及び
(E)白金族金属触媒:(A)成分に対して白金族金属質量換算で1~200ppm
を含有する第1液と、
(A)下記平均組成式(1)





SiO
(4-a-b)/2
(1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001~0.2、bは1.7~2.2で、かつa+bが1.9~2.4を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(2)





SiO
(4-c-d)/2
(2)
(式中、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7~2.2、dは0.001~0.5で、かつc+dが0.8~2.5を満足する正数である。)
で表され、一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基1個に対し(B)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)が0.1~2個となる量、
(C)120℃×48時間純水で酸化アルミニウム粉末を加熱抽出し、その水層をイオンクロマトグラフィーで測定した場合のNa

イオン量が100ppm以下の酸化アルミニウム粉末、
(D)下記平均組成式(3)





SiO
(4-e-f)/2
(3)
(式中、R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、eは0.7~2.2、fは0.001~0.5で、かつe+fが0.8~2.5を満足する正数である。)
で表され、前記(B)成分と異なる一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基1個に対し(D)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)が0.01~3個となる量、及び
(F)反応制御剤:一分子中にアルケニル基を1~4個有し、D単位(R


SiO
2/2
)(R

は独立に脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の1価炭化水素基である。)が4個以下であるオルガノポリシロキサン
を含む第2液とからなる組成物であり、
但し、前記第1液は前記(B)、(D)、(F)成分を含有せず、前記第2液は前記(E)成分を含有せず、前記組成物中の(A)成分の合計は100質量部であり、(C)成分の合計は1,000~7,000質量部であり、(F)成分は0.01~1質量部であり、前記第1液及び前記第2液それぞれの熱伝導率がISO 22007-2準拠のホットディスク法において、2.0~7.0W/m・Kであり、前記第1液及び前記第2液それぞれの25℃における粘度がスパイラル粘度計によるローターA、回転数10rpm測定時(ずり速度6(1/sec))において、30~800Pa・sであることを特徴とする熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
【0008】
本発明の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物であれば、組成物の硬化開始までの時間が十分にあり、組成物の硬化中および硬化後のオイルブリードを大幅に抑制することができる。
【0009】
この場合、前記(B)成分と前記(D)成分中のSiH基の合計個数の(A)成分中のアルケニル基の個数に対する比が0.11~5であることが好ましい。
【0010】
上記(B)成分と(D)成分中のSiH基の合計量が上記範囲を満たすものであれば、適度な軟らかさで安定したシリコーン硬化物が得られ、得られたシリコーン硬化物の硬さや強度も好ましいものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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