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公開番号2025005202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023105289
出願日2023-06-27
発明の名称解重合システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 11/10 20060101AFI20250108BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂から原料モノマを効率的に回収する。
【解決手段】溶媒を用いて樹脂を溶解する溶解器11と、溶解器11で溶解された樹脂と溶媒とを含む溶解液を固体と液体とに分離する固液分離器12と、溶解液から分離された液体に含まれる溶媒を蒸発させる蒸発器13と、蒸発器13により溶媒が蒸発されることにより得られた液体と水とを解重合反応させる解重合器15と、解重合器15の反応生成物を加熱して濃縮する濃縮器19と、蒸発器13で発生した溶媒の蒸気を凝縮する凝縮器14と、凝縮器14において溶媒の蒸気が凝縮するときに生じた凝縮熱を、溶解器11と濃縮器19とに伝える伝熱部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶媒を用いて樹脂を溶解する溶解器と、
前記溶解器で溶解された前記樹脂と前記溶媒とを含む溶解液を固体と液体とに分離する固液分離器と、
前記溶解液から分離された前記液体に含まれる前記溶媒を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器により前記溶媒が蒸発された前記液体と水とを解重合反応させる解重合器と、
前記解重合器の反応生成物を加熱して濃縮する濃縮器と、
前記蒸発器で発生した前記溶媒の蒸気を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器において前記溶媒の前記蒸気が凝縮するときに生じた凝縮熱を、前記溶解器と前記濃縮器とに伝える伝熱部と、を備えることを特徴とする解重合システム。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
請求項1記載の解重合システムにおいて、
前記凝縮器は、第1凝縮器と第2凝縮器とを含み、
前記第1凝縮器は、前記蒸発器で発生した前記溶媒の前記蒸気を、前記溶解器で用いられる前記溶媒との熱交換により凝縮し、
前記第2凝縮器は、前記蒸気のうち前記第1凝縮器の熱交換で凝縮しきれなかった前記蒸気を、所定の液体との熱交換により凝縮することを特徴とする解重合システム。
【請求項3】
請求項2記載の解重合システムにおいて、
前記第1凝縮器と前記第2凝縮器とによる凝縮によって前記溶媒の前記蒸気から得られた前記溶媒の液体は、前記第1凝縮器に供給され、
前記第1凝縮器は、供給された前記溶媒の前記液体との熱交換により、前記蒸発器で発生した前記溶媒の前記蒸気を凝縮し、
前記伝熱部は、前記第1凝縮器において前記溶媒の前記蒸気が凝縮するときに生じた前記凝縮熱で加熱された、前記溶媒の前記液体を前記溶解器に供給し、
前記溶解器は、前記伝熱部を介して供給された前記溶媒の前記液体を用いて前記樹脂を溶解することを特徴とする解重合システム。
【請求項4】
請求項2または3記載の解重合システムにおいて、
前記伝熱部は、前記第2凝縮器の熱交換により発生した前記所定の液体の蒸気を前記濃縮器に供給し、
前記濃縮器は、前記伝熱部を介して供給された前記所定の液体の前記蒸気を用いて、前記解重合器の前記反応生成物を加熱することを特徴とする解重合システム。
【請求項5】
請求項4記載の解重合システムにおいて、
前記濃縮器は、前記反応生成物の加熱に用いられることで冷却された前記所定の液体を排出し、
前記第2凝縮器は、前記蒸気のうち前記第1凝縮器の熱交換で凝縮しきれなかった前記蒸気を、前記濃縮器から排出された前記所定の液体との熱交換により凝縮することを特徴とする解重合システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックから原料を回収する解重合システムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生の大幅な削減に向けた取り組みが活発化している。この種の技術として、燃料を酸素含有ガスと燃焼反応させて生じる燃焼ガスの熱で廃プラスチックを加熱して、廃プラスチックを油またはガスに変換するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の装置は、燃焼ガスの余熱を燃焼前の酸素含有ガスの加熱に再利用するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-181651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、廃プラスチックを解重合して原料モノマを回収する場合、廃プラスチックを溶媒で溶解し、異物分離した後に溶媒を脱気して解重合装置に投入する。このような脱気工程において蒸発した溶媒は、凝縮して再利用される。しかしながら、溶媒を凝縮するためには外部からのエネルギーが必要になり、効率的に溶媒を凝縮することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である解重合システムは、溶媒を用いて樹脂を溶解する溶解器と、溶解器で溶解された樹脂と溶媒とを含む溶解液を固体と液体とに分離する固液分離器と、溶解液から分離された液体に含まれる溶媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器により溶媒が蒸発されることにより得られた液体と水とを解重合反応させる解重合器と、解重合器の反応生成物を加熱して濃縮する濃縮器と、蒸発器で発生した溶媒の蒸気を凝縮する凝縮器と、凝縮器において溶媒の蒸気が凝縮するときに生じた凝縮熱を、溶解器と濃縮器とに伝える伝熱部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、樹脂から原料モノマを効率的に回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態に係る解重合システムの構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る解重合システム1は、車両の構成部品(内装品やバンパ等)に使用される廃プラスチック(以下、廃樹脂と呼ぶ。)から原料モノマを回収する。具体的には、解重合システム1は、廃樹脂に含まれるポリアミド6(以下、PA6と記す。)を解重合してε-カプロラクタム(以下、CLと記す。)を回収する。廃樹脂は、例えば、ガラス繊維(以下、GFと記す。)が配合されたポリアミド6(以下、PA6GFと記す。)である。
【0009】
PA6GFからCLを回収する場合、PA6GFからGFを分離するために、まず、エチレングリコール(以下、EGと記す)を溶媒としてPA6GFを溶解し、溶解液を固液分離して溶解液からGFを除去する。以下、溶媒として用いるEGをEG液と呼ぶ。その後、溶解液に含まれるEGを蒸発させて除去し、EGが除去された溶解液を解重合器に投入する。このときに蒸発したEGは、凝縮されPA6GFの溶解に再利用される。
【0010】
しかしながら、EGの凝縮では多くの廃熱が発生するため、上記のようにEGを単に凝縮して再利用するだけでは、エネルギー面において十分な効率性が得られない。このような問題に対処するように、本実施形態では以下のように解重合システムを構成する。
(【0011】以降は省略されています)

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