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公開番号2025019801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123626
出願日2023-07-28
発明の名称温度制御方法
出願人株式会社ラスコ
代理人個人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20250131BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】高精度の温度制御を行うことでコストを下げるとともに二次側流体の温度を調節するための冷媒流量の無駄を無くす温度制御方法を提供する。
【解決手段】熱交換器7とコンプレッサー4と凝縮器5と冷却膨張弁6と加熱膨張弁9を具備したチラー2と、所定温度に制御した二次側流体を温調対象に供給する二次側循環回路12と、二次側流体の温度を測定する温度センサー13と、チラーの低圧回路圧力を測定する圧力センサーを具備した温調システムを用い、二次側流体の温度と低圧回路圧力を予め設定し、二次側流体を冷却するときは冷却膨張弁を操作し加熱するときは加熱膨張弁を操作するとともに、冷却及び加熱膨張弁双方の出力を下限値近傍で互いにクロスして冷媒循環量が最少循環量を下回らないようにし、二次側流体温度が設定温度と異なる場合は、膨張弁の操作による温度制御とコンプレッサーの操作による圧力制御を行うこととした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二次側流体が循環され、所定温度に制御された二次側流体を温調対象に供給するとともに温調対象から循環させた二次側流体を所定温度に制御した後に温調対象に供給するサイクルを繰り返すための二次側循環回路(12)と、
冷媒を循環させる一次側循環回路(3)と、該一次側循環回路(3)の途上に配置した、前記二次側循環回路(12)が連結されて、一次側循環回路(3)を介して供給された冷媒と二次側流体とを熱交換することで温調対象に供給する二次側流体の温度を所定温度に制御する熱交換器(7)と、気化した冷媒を圧縮して高圧にするためのコンプレッサー(4)と、該コンプレッサー(4)により高圧にされた冷媒を熱交換により凝縮するための凝縮器(5)と、該凝縮器(5)で液化された冷媒を低圧にして熱交換器(7)に供給する冷却膨張弁(6)と、前記一次側循環回路(3)におけるコンプレッサー(4)と凝縮器(5)の間及び冷却膨張弁(6)と熱交換器(7)との間を連結し、前記コンプレッサー(4)で高圧にされた高温の冷媒を熱交換器(7)に供給する加熱回路(8)と、該加熱回路(8)の途上に配置された加熱膨張弁(9)と、を備えるとともに、前記コンプレッサー(4)として可変速のコンプレッサーを用いた、温調対象から循環させた二次側流体を所定温度に制御するためのチラー(2)と、
温調対象に供給する二次側流体の温度を測定する温度センサー(13)と、
一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を測定する圧力センサーと、
を具備した温調システムを用いて、温調対象としての各種工程の温度を所定温度に制御するために温調対象に供給される二次側流体の温度を所定温度に制御する温度制御方法であって、
温調対象に供給する二次側流体の温度と、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を予め設定しておき、
二次側流体を冷却するときは、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)と凝縮器(5)と冷却膨張弁(6)を通過させながら冷媒を循環させることで二次側流体における各種工程への供給温度を制御し、二次側流体を加熱するときは、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)と加熱膨張弁(9)を通過させながら冷媒を循環させることで二次側流体における各種工程への供給温度を制御するとともに、冷却膨張弁(6)の出力と加熱膨張弁(9)の出力を下限値近傍で互いにクロスすることで冷却膨張弁(6)の開度と加熱膨張弁(9)の開度の双方が全閉になることを無くし、一次側循環回路(3)を循環する冷媒の循環量が最少循環量を下回らないようにし、
温調対象に供給する二次側流体の温度が設定温度と異なった場合には、
冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)のいずれかの開度を変更することで温調対象に供給する二次側流体の温度を前記予め設定した温度に戻し、
冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)の開度を変更することで一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力が予め設定した圧力と異なった場合には、コンプレッサー(4)の回転数を調整することでコンプレッサー(4)における冷媒吐出し量を調整して熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を予め設定した圧力に戻し、
コンプレッサー(4)の回転数を調整してコンプレッサー(4)における冷媒吐出し量を調整することで温調対象に供給する二次側流体の温度が変化した場合には、冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)のいずれかの開度をわずかに変更することで温調対象に供給する二次側流体の温度を設定温度に戻す、
ことを特徴とする温度制御方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
二次側流体が循環され、所定温度に制御された二次側流体を温調対象に供給するとともに温調対象から循環させた二次側流体を所定温度に制御した後に温調対象に供給するサイクルを繰り返すための二次側循環回路(12)と、
冷媒を循環させる一次側循環回路(3)と、該一次側循環回路(3)の途上に配置した、前記二次側循環回路(12)が連結されて、一次側循環回路(3)を介して供給された冷媒と二次側流体とを熱交換することで温調対象に供給する二次側流体の温度を所定温度に制御する熱交換器(7)と、気化した冷媒を圧縮して高圧にするためのコンプレッサー(4)と、該コンプレッサー(4)により高圧にされた冷媒を熱交換により凝縮するための凝縮器(5)と、該凝縮器(5)で液化された冷媒を低圧にして熱交換器(7)に供給する冷却膨張弁(6)と、前記一次側循環回路(3)におけるコンプレッサー(4)と凝縮器(5)の間及び冷却膨張弁(6)と熱交換器(7)との間を連結し、前記コンプレッサー(4)で高圧にされた高温の冷媒を熱交換器(7)に供給する加熱回路(8)と、該加熱回路(8)の途上に配置された加熱膨張弁(9)と、を備えるとともに、前記コンプレッサー(4)として可変速のコンプレッサーを用いた、温調対象から循環させた二次側流体を所定温度に制御するためのチラー(2)と、
温調対象に供給する二次側流体の温度を測定する温度センサー(13)と、
一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を測定する圧力センサーと、
を具備した温調システムを用いて、温調対象としての各種工程の温度を所定温度に制御するために温調対象に供給される二次側流体の温度を所定温度に制御する温度制御方法であって、
温調対象に供給する二次側流体の温度と、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を予め設定しておき、
二次側流体を冷却するときは、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)と凝縮器(5)と冷却膨張弁(6)を通過させながら冷媒を循環させることで二次側流体における各種工程への供給温度を制御し、二次側流体を加熱するときは、熱交換器(7)とコンプレッサー(4)と加熱膨張弁(9)を通過させながら冷媒を循環させることで二次側流体における各種工程への供給温度を制御するとともに、冷却膨張弁(6)の出力と加熱膨張弁(9)の出力を下限値近傍で互いにクロスすることで冷却膨張弁(6)の開度と加熱膨張弁(9)の開度の双方が全閉になることを無くし、一次側循環回路(3)を循環する冷媒の循環量が最少循環量を下回らないようにし、
温調対象に供給する二次側流体の温度が設定温度と異なった場合には、
ステップ1において、冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)のいずれかの開度を変更することで温調対象に供給する二次側流体の温度を前記予め設定した温度に戻し、
冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)の開度を変更することで一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力が予め設定した圧力と異なった場合には、ステップ2において、コンプレッサー(4)の回転数を調整することでコンプレッサー(4)における冷媒吐出し量を調整して熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力を予め設定した圧力に戻し、
コンプレッサー(4)の回転数を調整してコンプレッサー(4)における冷媒吐出し量を調整することで温調対象に供給する二次側流体の温度が変化した場合には、ステップ3において、冷却膨張弁(6)又は加熱膨張弁(9)のいずれかの開度をわずかに変更することで温調対象に供給する二次側流体の温度を設定温度に戻し、
その後、温調対象に供給する二次側流体の温度及び一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力の測定値が、予め設定した温度及び圧力に対して完全に安定するまで、前記ステップ(1)(2)(3)を繰り返す、ことを特徴とする温度制御方法。
【請求項3】
前記コンプレッサー(4)、冷却膨張弁(6)、及び加熱膨張弁(9)の動作を前記温度センサー(13)及び圧力センサー(14)の測定結果に基づき制御手段により自動制御することとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度制御方法。
【請求項4】
温調対象に供給する二次側流体の温度が設定温度を維持している場合において、一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力が予め設定した圧力からわずかな偏差を生じた場合に、コンプレッサー(4)の回転数を調整して前記冷媒圧力を設定値に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度制御方法。
【請求項5】
温調対象に供給する二次側流体の温度が設定温度を維持している場合において、一次側循環回路(3)における熱交換器(7)とコンプレッサー(4)間の冷媒圧力が予め設定した圧力からわずかな偏差を生じた場合に、コンプレッサー(4)の回転数を調整して前記冷媒圧力を設定値に戻すことを特徴とする請求項3に記載の温度制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体等の製造における各種工程の温度をコントロールするために用いられる温度制御方法に係り、より詳しくは、温度調節の対象となる各種工程に液体、気体等の二次側流体を供給および循環させることで各種工程の温度コントロールを行う温度制御において、高精度の温度制御を行うことでコストを下げることを可能にするとともに二次側流体の温度を調節するための冷媒流量の無駄を無くすることを可能にした温度制御方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
周知の通り、半導体やフラットパネルディスプレイ(「FPD」)等の製造に際しては、各種工程において、安定した歩留まりの成膜や安定した歩留まりのエッチング等を実現するために、温度コントロールを行う必要がある。
【0003】
そして、従来から、各種工程の温度コントロールは、チラーと呼ばれる温調装置を用いた温調システムによって行われている。即ち、チラーと、温度コントロールの対象となる各種工程間で冷水等の二次側流体を循環させるとともに、各種工程に供給する二次側流体の温度をチラーによって設定温度に制御し、これによって、半導体製造における各種工程の温度コントロールを行うこととしている。
【0004】
ここで、一般的な温調システムの構成について図3を参照して説明すると、図3は従来から用いられている温調システムの回路構成を示す図であり、図において51が温調システムである。
【0005】
そして、一般的に半導体製造における各種工程等の温度をコントロールするための温調システム51では、温調対象となる各種工程に冷水、空気等の二次側流体を供給するとともに、供給した二次側流体を循環させるための二次側循環回路53と、この二次側循環回路53によって温調対象となる各種工程に供給する二次側流体の温度を所定温度に制御するための、チラー52を有している。
【0006】
図において点線で示した52がチラーであり、このチラー52は、周知のように、冷媒を循環させるための一次側循環回路61を具備し、この一次側循環回路61の途上に、コンプレッサー55、凝縮器56、膨張弁57、及び熱交換器58を配置し、熱交換器58に二次側循環回路53を連結している。
【0007】
そして、一次側循環回路61によって、コンプレッサー55、凝縮器56、膨張弁57、及び熱交換器58間で冷媒を循環させながら、熱交換器58において、前述の二次側循環回路53を介して戻ってきた二次側流体と、一次側循環回路61を循環してきた冷媒を熱交換することで、温調対象となる各種工程に供給する二次側流体の温度を所定温度に制御している。
【0008】
即ち、チラー52では、コンプレッサー55において、熱交換器58で気化された低圧の冷媒を圧縮して高圧にし、コンプレッサー55により高圧にされた冷媒を凝縮器56において、熱交換により凝縮して液体にし、この凝縮器56で高圧の液体にされた冷媒を膨張弁57において低圧にして、その後、熱交換器58において、二次側循環回路53を介して熱交換器58に戻ってきた二次側流体と熱交換して二次側流体の温度を所定の温度に制御し、その後はこの冷凍サイクルを繰り返すこととしている。そのため、一次側循環回路61において熱交換器58からコンプレッサー55までの回路が低圧回路となっている。
【0009】
また、チラー51では、二次側循環回路53における供給側にヒーター63を配置しており、熱交換器58において冷却された二次側流体の温度を設定温度まで上げることとしている。即ち、従来のチラーでは、細かい温度制御ができないために、二次側流体を設定温度よりも低い温度に冷却した後に、ヒーター63によって加熱することで、二次側流体の温度を設定温度にしていた。
【0010】
なお、図において67は、二次側流体を二次側循環回路53内で循環させるための駆動手段であり、二次側流体として冷水を用いている場合にはポンプとしており、二次側流体として空気を用いている場合にはファンとしている。
(【0011】以降は省略されています)

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