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公開番号
2025019524
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-07
出願番号
2023123174
出願日
2023-07-28
発明の名称
FeCo系合金製の積層造形物
出願人
山陽特殊製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B22F
1/00 20220101AFI20250131BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】 FeCo系合金からなる、優れた軟磁気特性を示す積層造形体を提供すること。
【解決手段】 質量%で、Co:45.0~55.0%、V:0~2.5%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる金属粉末を用いて積層造形された積層造形体であって、構成相中にB2規則相およびα相を含むことを特徴とする、積層造形体。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
FeCo系合金からなる合金粉末を用いて積層造形された積層造形体であって、構成相中にB2規則相およびα相を含むことを特徴とする、積層造形体。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
積層造形体をCo管球を用いてX線回折で測定したときの、B2規則相の(100)面とα相の(200)面とのピーク強度比が、B2(100)/α(200)≧2.5%を満足していること、を特徴とする請求項1に記載の積層造形体。
【請求項3】
FeCo系合金が、質量%で、Co:45.0~55.0%、V:0~2.5%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる合金であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層造形体。
【請求項4】
積層造形体の平均結晶粒径が15μm以上である、請求項1または2に記載の積層造形体。
【請求項5】
積層造形体の平均結晶粒径が15μm以上である、請求項3に記載の積層造形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元積層造形法の急速溶融急冷凝固プロセスに適したFeCo系合金を用いて積層造形された積層造形物に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
Fe49Co2V(数値は質量%。)を代表組成とするパーメンジュールは、保磁力が低く飽和磁束密度が高い軟磁性材料として知られているFeCo系合金である。そしてパーメンジュールは、小型・高出力モーター、高磁力を要する電磁弁、電子機器のポールピース等に使用されている。パーメンジュールはB2規則相の析出により脆化する難加工材であるから、B2規則相が含まれた鋼材を部品へと加工することは容易ではない。
【0003】
金属積層造形によるニアネットシェイプでの部品製造ができれば好都合となるが、単純にパーメンジュールの成分組成で積層造形をしただけでは本来の軟磁気特性が発揮されるわけではない。たとえば、Fe50Coについて金属積層造形を適用した研究発表の概要集(非特許文献1参照。)において、積層造形物のX線回折のデータが示されているが、α相以外に同定されていないピークが観測されているものの、そのピーク中にB2規則相が認められておらず、パーメンジュールの溶製材のような軟磁気特性が発揮されておらず、十分とはいえなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
久世哲嗣ら 「軟磁性材料の特性に及ぼす造形条件および熱処理条件の影響」粉体粉末冶金協会講演概要集2-29A(2023年春季大会)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、優れた軟磁気特性を示すFeCo系合金からなる金属積層造形物を提供することにある。
なお、FeCo系合金とは、主たる成分がFeとCoからなり、残部不可避的不純物からなる合金系のことであって、本発明でいうFeCo系合金においては、さらに任意的添加成分としてVを少量含有する場合も含む。
【0006】
いわゆるパーメンジュールは、保磁力が低く飽和磁束密度が高い軟磁性材料であるが、B2規則相が軟磁気特性の改善に関わっている。ところが金属組織中にB2規則相が含まれていると、脆性を呈することから靭性に乏しく、実用上、加工しづらいこととなる。そこで、靭性などの機械特性の観点から、溶製材においては、B2規則相の生成をむしろ制御するべく熱処理がなされたり、Vを積極的に添加することでB2規則相の含有量をコントロールすることが試みられている。
【0007】
積層造形は複雑な三次元形状を形成することに適した造形法であることから、あらかじめニアネットシェイプで加工できる積層造形法で造形物を作成することができる。すると、加工面での靭性への考慮のウエイトを一見下げやすいと思われる。
【0008】
ところが、パーメンジュール組成の成分の粉末を用いて積層造形を試みると、非特許文献1に記載のように、B2規則相が含まれていないものとなる。すると、パーメンジュールと成分組成自体は共通であるにもかかわらず、急速急冷凝固される積層造形法の積層造形体では、高価なCoを50%近く用いていながら、期待するような優れた軟磁気特性が呈され難く、所望の軟磁気特性には十分とはいえないものであった。
【0009】
単に成分組成が共通であっても、金属積層造形法による造形体は溶製材とは結晶組織に相違があり、局所的に溶融された粉末が急速急冷されるステップを繰り返して造形されていく性質上、単に積層造形しただけではB2規則相が形成されることなしに造形体が形成されるためである。
【0010】
なお、非特許文献1において同定されていないピークは、γ相や酸化物相、金属積層特有のひずみ由来のピークのいずれかによるものと考えられるものであり、B2規則相とは異なる。
(【0011】以降は省略されています)
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