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公開番号2025008974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023111644
出願日2023-07-06
発明の名称金型装置
出願人株式会社 寿原テクノス
代理人個人
主分類B22D 17/22 20060101AFI20250109BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】断面円形状をなす内面を備えた鋳造製品を製造する上で、抜き勾配を不要とすることができる、金型装置を提供する。
【解決手段】金型装置100は、第1金型101と、第2金型102と、複数の分割中子171,172が組み合わさって内周面及び外周面を有する円筒形状をなす円筒中子部230とを備え、それらが組み合わされることによって円筒キャビティ107が形成されている。円筒中子部230は、第1分割中子171と、第1分割中子171の各間に配置される第2分割中子172とを備え、第1分割中子171と第2分割中子172とが交互に組み合わさって形成されている。離型時に、第1分割中子171及び第2分割中子172は、円筒中子部230の中心軸線C1に対する姿勢を維持しつつ中心軸線C1の側へ斜めに後退させて円筒中子部230を分解させる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1金型と、第2金型と、複数の分割中子が組み合わさって内周面及び外周面を有する円筒形状の円筒中子部とを備え、それらが組み合わされることによって円筒状をなすキャビティが形成される金型装置であって、
前記円筒中子部は、
所定間隔を隔てて周方向に並んだ複数の第1分割中子と、
前記第1分割中子の各間に配置される複数の第2分割中子と、
を備え、前記複数の第1分割中子と前記複数の第2分割中子とが交互に組み合わさって形成されており、
前記第1分割中子及び前記第2分割中子は、それぞれ、前記円筒中子部の前記外周面を形成する外側弧状面を有しており、
離型時に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を、前記円筒中子部の中心軸線に対する姿勢を維持しつつ、前記中心軸線の側へ斜めに後退させて前記円筒中子部を分解したり、後退位置から前進させて前記円筒中子部を形成したりする分割中子移動機構を備えた、金型装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記第1金型と前記第2金型との接離方向と直交する方向において、互いに接離する方向へ移動可能に設けられた一対のスライド金型を備え、
前記第1分割中子は、前記一対のスライド金型のうちの一方である第1スライド金型に設けられ、前記一対のスライド金型のうちの他方である第2スライド金型に向けて突出し、
前記第2分割中子は、前記第2スライド金型に設けられ、前記第1スライド金型に向けて突出し、
前記円筒中子部は、前記第1スライド金型の前記第1分割中子と、前記第2スライド金型の前記第2分割中子とが組み合わさって形成されており、
前記分割中子移動機構は前記スライド金型ごとに設けられている、請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
前記円筒中子部の中心部には、前記第1分割中子及び前記第2分割中子のそれぞれの前記内周面の側に当接して当該内周面の側から前記円筒中子部を支持する内側支持部を備えている、請求項2に記載の金型装置。
【請求項4】
前記第1スライド金型に設けられ、前記第1分割中子を後退又は前進させる第1分割中子移動機構と、前記第2スライド金型に設けられ、前記第2分割中子を後退又は前進させる第2分割中子移動機構とは、それぞれ、
前記第1分割中子又は前記第2分割中子に設けられ、それぞれの移動方向に沿って延びる延長部と、
前記第1スライド金型又は前記第2スライド金型の本体部に設けられ、前記延長部を挿通して当該延長部の移動を案内する案内孔と、
前記本体部において前記本体部から独立して前記一対のスライド金型の接離方向に沿って移動可能に設けられ、前記延長部の後端部が連結されたスライダと、
を備え、
前記スライダは、前記延長部が前記中心軸線の側へ斜めに移動することを許容する遊びをもって前記延長部と連結されている、請求項3に記載の金型装置。
【請求項5】
前記第1分割中子及び前記第2分割中子は、突出方向に向けて先細りとなっており、それぞれ、前記外側弧状面のほか、
移動方向に沿って傾斜する平坦な内側傾斜面と、
突出方向に向けて互いに近づくように設けられた一対の分割側面と、
を備え、横断面が環状の扇形をなすように形成され、
前記延長部は、
前記外側弧状面との境界から延長され、前記外側弧状面の円弧を維持しながら前記内側傾斜面の傾斜角度に沿って傾斜する延長外側弧状面と、
前記内側傾斜面と面一となる延長内側傾斜面と、
前記一対の分割側面との境界から延長され、等間隔を維持しながら延びる一対の延長側面と、
を備え、横断面が環状の扇形をなすように形成され、
隣接する分割中子の前記分割側面同士が当接して前記円筒中子部が形成されており、
前記内側傾斜面の傾斜角度をA、前記第1分割中子及び前記第2分割中子のそれぞれの数を同じNとした場合に、前記延長側面に沿う仮想平面に対し、前記分割側面の角度α1は次の数式(1)及び数式(2)を満たす、請求項4に記載の金型装置。
(1)tanA×sin(360°/4N)=tanB
(2)α1>B
【請求項6】
前記中子移動機構は、前記第1金型及び前記第2金型の接離方向に対して直交する方向において、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を同じ側へ後退させるものである、請求項1に記載の金型装置。
【請求項7】
前記円筒中子部の中心部には、前記第1分割中子及び前記第2分割中子のそれぞれの前記内周面の側に当接して当該内周面の側から前記円筒中子部を支持する内側支持部を備えている、請求項6に記載の金型装置。
【請求項8】
前記円筒中子部には、前記第1分割中子及び前記第2分割中子が後退する側と反対側の端面に、円板状中子部が設けられている、請求項6に記載の金型装置。
【請求項9】
前記円筒中子部の前記端面に設けられ、円筒の周方向に沿って形成された環状の形状保持用突部と、
前記円板状中子において、前記円筒中子部の前記端面との当接面に設けられ、前記形状保持用突部が挿入される環状の形状保持用溝部と、
を備えた、請求項8に記載の金型装置。
【請求項10】
前記円板状中子部の外周部には、前記第1分割中子及び前記第2分割中子が後退する側へ前記円板状中子を引き抜くための抜け勾配が設けられている、請求項8に記載の金型装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中子を有する金型装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
金型装置を用いた量産技術の1つとして、ダイカスト鋳造がある。ダイカスト鋳造においては、固定金型及び可動金型からなる一対の金型の間にキャビティが設けられている。キャビティ内に注入された溶湯が固まった後に両型を分離することで鋳造製品が成形される。溶湯は、例えばアルミニウムが用いられる。
【0003】
ダイカスト鋳造を用い、横断面が円形状の中空部を備えた鋳造部品(例えば円筒部材)を製造する場合、金型によって形成されたキャビティ内に円柱状をなす中子が配置される。その場合、溶湯凝固時の収縮によって締め付けられる中子を、離型時に引き抜きやすくするため、中子の外周部に抜き勾配が設けられるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-34092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中子の外周部に抜き勾配が設けられると、鋳造部品の中空部の内面に勾配が形成される。そのため、鋳造後に余肉部分を削り、中空部の内面を同一内径とする加工が必要となる。これは、製造工程の増加、製品歩留まりの悪化等を伴うため、鋳造部品の製造コストを増加させる要因となっていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、断面円形状をなす内面を備えた鋳造製品を製造する上で、抜き勾配を不要とすることができる、金型装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の金型装置は、
第1金型と、第2金型と、複数の分割中子が組み合わさって内周面及び外周面を有する円筒形状の円筒中子部とを備え、それらが組み合わされることによって円筒状をなすキャビティが形成される金型装置であって、
前記円筒中子部は、
所定間隔を隔てて周方向に並んだ複数の第1分割中子と、
前記第1分割中子の各間に配置される複数の第2分割中子と、
を備え、前記複数の第1分割中子と前記複数の第2分割中子とが交互に組み合わさって形成されており、
前記第1分割中子及び前記第2分割中子は、それぞれ、前記円筒中子部の前記外周面を形成する外側弧状面を有しており、
離型時に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を、前記円筒中子部の中心軸線に対する姿勢を維持しつつ、前記中心軸線の側へ斜めに後退させて前記円筒中子部を分解したり、後退位置から前進させて前記円筒中子部を形成したりする分割中子移動機構を備えている。
【0008】
ここで、本発明において、前記第1分割中子及び第2分割中子がそれらの姿勢を維持しているとは、次の第1状態及び第2状態のいずれもが維持されていることをいう。
【0009】
第1状態とは、前記外側弧状面において、円弧方向の中心を通りかつ前記円筒中子部の中心軸線と平行な仮想線を想定した場合に、離型時に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を、それぞれの外側弧状面における前記仮想線が前記円筒中子部の中心軸線と平行をなす状態をいう。第2状態とは、前記仮想線を含み、前記外側弧状面における円弧の径方向に延びる仮想断面を想定した場合に、前記仮想断面の延長上に前記中心軸線が存在する状態をいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明の金型装置によれば、キャビティに溶湯が導入されると、断面円形状をなす内面を備えた鋳造部品が形成される。その内面から円筒中子部を離型させる場合に、円筒中子部を形成する第1分割中子及び第2分割中子は、円筒中子部の中心軸線に対する姿勢を維持しつつ、中心軸線の側に向かって落ち込みながら後退する。この場合、第1分割中子及び第2分割中子を中空部の中心軸線に沿って後退させるわけではないため、円筒中子部の外周部に抜き勾配が形成されていなくても、第1分割中子及び第2分割中子を離型させることができる。これにより、円筒中子部が設けられた部位では、鋳造後に余肉部分を削り、鋳造部品の内面を同一内径とする加工が不要となり、鋳造部品の製造コストの低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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