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公開番号
2025067839
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2024174962
出願日
2024-10-04
発明の名称
Fe-Si系合金粉末の製造方法
出願人
昭栄化学工業株式会社
代理人
個人
主分類
B22F
1/16 20220101AFI20250417BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】磁気特性を損なうことなく、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内で真球度の高いFe-Si系合金粉末を得るための製造方法を提供する。
【解決手段】Fe-Si系合金粉末の製造方法であって、FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を、前記Fe-Si系合金粉末の融点以上の温度で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備えるFe-Si系合金粉末の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Fe-Si系合金粉末の製造方法であって、
FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、
前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、
前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、
前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を、前記Fe-Si系合金の融点以上の温度で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備えるFe-Si系合金粉末の製造方法。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
Fe-Si系合金粉末の製造方法であって、
FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、
前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、
前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、
前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を、1400℃以上1600℃以下で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備えるFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項3】
前記Fe-Si系合金粉末全体に含まれる酸素量と、前記原料粉末全体に含まれる酸素量との差が1.50質量%以下である、請求項1又は2に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項4】
前記酸素量の差が1.30質量%以下である、請求項3に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項5】
前記前駆体粉末において前記原料粉末を被覆する尿素の量が、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.015g以上0.150g以下である、請求項1又は2に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項6】
前記Fe-Si系合金粉末全体に含まれる炭素量が700ppm以下である、請求項1又は2に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項7】
前記Fe-Si系合金粉末のアスペクト比の平均値が1.00以上1.20以下である、請求項1又は2に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項8】
前記原料粉末のアスペクト比の平均値が1.30以上である、請求項7に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【請求項9】
前記Fe-Si系合金粉末のタップ密度が3.5g/cm
3
以上である、請求項1又は2に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Fe-Si系合金粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
Fe-Si-Al、Fe-Si-CrなどのFe-Si系合金粉末は、飽和磁束密度が高く、磁心の小型化が可能であること、高い電気抵抗率により高周波損失が低いことから、軟磁性材料として電気回路部品他、多岐の用途において広く用いられている。
Fe-Si系合金粉末の製造方法としては、Fe-Si系合金粉末の製法としては、Fe粉とSi粉、更に必要に応じて所望の元素を含む化合物を混合し、加熱焼結させた後、粉末状に粉砕する粉末冶金法や、その他、Si他の元素を含むFeの溶湯を気体や液体の高圧噴霧により飛散させ、気相中で急冷して粉末化するアトマイズ法が知られている(特許文献1等)。
この製法によって生成された粉末は、磁気特性としては全く問題がない場合であっても、様々な異形粒子が混在しており、この粉末を用いて成形した磁性体の充填密度は充分ではない(例として、図1参照)。
同等の磁気特性を備える磁性粉末であっても、充填密度の高い粉末を用いた方が、磁性体とした場合に優れた磁気特性が得られるため、充填密度の高いFe-Si系合金粉末が求められている。粉末の真球度と充填密度との相関は広く知られており、真球度を高めれば充填密度を上げることができる。真球度の高い粉末を得る手法として、気相中に原料粉末を分散させた状態で、高温での加熱後、冷却して捕集する技術(以下、気相加熱法)が知られている(特許文献2等)
【0003】
以上の技術的背景から、本発明者等はアトマイズ法で得られた異形粒子を含むFe-Si系合金粉末を、気相加熱によって球状化することを試みたが、その結果、得られた合金粒子は、気相加熱前のFe-Si系合金粉末に比べ磁気特性が著しく劣化したものであった。本発明者等による検討によれば、Fe-Si系合金粉末を当該合金の融点近い温度で加熱した際、当該合金中に含まれるSi成分が加熱時の気相雰囲気中に含まれる微量の酸素によって酸化し、これが磁気特性に影響していることが分かった。特に、近年要望の高い1μm以上10μm以下程度の小粒径のFe-Si系合金粉末は、その表面活性の高さのため特にSi成分が酸化しやすく、加熱による影響が顕著である。
【0004】
気相中の酸素を完全にゼロにできればSi成分の酸化は抑えることは可能である。しかしながら、そのためには、外気を完全に遮断した密閉空間内を非酸化性のガス(窒素やアルゴン等)で満たし、そのガス中にFe-Si系合金粉末を高度に分散させた状態で加熱しなければならず、製造装置や製造工程が複雑化し、製造コストの高騰につながるため、工業上/商業上の面から実現することが極めて難しい。
本発明者等は、酸化を抑制するために加熱した気相中にメタンやエチレングリコール等の還元剤を分散させ、還元性ガスが混在した気相中でFe-Si系合金粉末の加熱を試みたところ、Si成分の酸化は抑制された。しかしながら得られた粉末の表面に還元剤が熱分解して生じた炭素成分が残留し、かえって磁気特性の劣化が見られた。
また、Fe-Si系合金粉末を、Siが酸化する温度よりも低い温度で溶融させればSiの酸化を抑えながら合金粉末を球状化させることは可能である。実際、Fe-Si系合金粉末に低融点化に寄与する成分(例えばAl)を所定量含有させて、従来よりも低い温度で気相加熱を行ったところ、Siの酸化が抑えられ、真球度の高いFe-Si系合金粉末を得ることはできた。しかしながらこの場合、当初のFe-Si系合金粉末とは組成の異なる磁性材料となっており、当然のことながら意図した磁気特性が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平4-298006号公報
特願2004-344797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、磁気特性を損なうことなく、平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内で真球度の高いFe-Si系合金粉末を得るための製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、平均粒径が1μm以上0μm以下の範囲内のFe-Si系合金粉末に尿素を被覆した後、気相加熱により球状化するFe-Si系合金粉末の製造方法が上記の課題を解決することを見出し、下記発明を完成させた。
即ち本願明細書は、下記発明を包含する。
[1] Fe-Si系合金粉末の製造方法であって、
FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、
前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、
前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、
前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を前記Fe-Si系合金の融点以上の温度で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備えるFe-Si系合金粉末の製造方法。
[2] Fe-Si系合金粉末の製造方法であって、
FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、
前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、
前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、
前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を、1400℃以上1600℃以下で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備えるFe-Si系合金粉末の製造方法。
[3] 前記Fe-Si系合金粉末全体に含まれる酸素量と、前記原料粉末全体に含まれる酸素量との差が1.50質量%以下である、[1]又は[2]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[4] 前記酸素量の差が1.30質量%以下である、[3]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[5] 前記前駆体粉末において前記原料粉末を被覆する尿素の量が、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.015g以上0.150g以下である、[1]又は[2]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[6] 前記Fe-Si系合金粉末全体に含まれる炭素量が700ppm以下である、[1]又は[2]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[7] 前記Fe-Si系合金粉末のアスペクト比の平均値が1.00以上1.20以下である、[1]又は[2]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[8] 前記原料粉末のアスペクト比の平均値が1.30以上である、[7]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
[9] 前記Fe-Si系合金粉末のタップ密度が3.5g/cm
3
以上である、[1]又は[2]に記載のFe-Si系合金粉末の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本願明細書に開示されたFe-Si系合金粉末の製造方法を用いることにより磁気特性を損なうことなく、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内で、例えば、平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内で真球度の高いFe-Si系合金粉末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は原料粉末の走査型電子顕微鏡を用いて得たSEM像である。
図2は実施例3で得られたFe-Si系合金粉末の走査型電子顕微鏡を用いて得たSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[Fe-Si系合金粉末の製造方法]
本願明細書に開示されるFe-Si系合金粉末の製造方法は、FeとSiを含む合金を含み、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の範囲内の原料粉末を準備する第1工程と、前記原料粉末の表面に、前記原料粉末の表面1m
2
あたり0.005g以上0.300g以下となるように尿素を被覆し、前駆体粉末を得る第2工程と、前記前駆体粉末を気相中に分散させる第3工程と、前記気相中に分散した状態の前駆体粉末を、前記Fe-Si系合金の融点以上の温度で1秒間以上10秒間以下加熱する第4工程と、を備える。以下、各工程を説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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