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公開番号
2025016912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023119720
出願日
2023-07-24
発明の名称
細胞注入装置、細胞回収補助治具、及び細胞回収方法
出願人
日本精工株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C12M
1/26 20060101AFI20250129BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】作業者の熟練度及び技術によらず、細胞塊の内部に外来細胞を安定して注入することができる細胞注入装置、細胞回収補助治具、及び細胞回収方法を提供する。
【解決手段】細胞注入装置は、細胞Ceを通過させず液体培地Dを通過させる大きさの気泡を有するフィルタ部26を含む細胞回収補助治具24と、複数の細胞Ce及び液体培地Dを先端の開口90aから回収可能かつ吐出可能な注入用ピペット90を備える操作用マニピュレータと、注入用ピペット90の内部圧力を調整可能な注入ポンプと、複数の細胞Ce及び液体培地Dを注入用ピペット90の内部に回収させた後、注入用ピペット90の先端の開口90aをフィルタ部26に押し付けた状態で注入用ピペット90の内部を陽圧にすることでフィルタ部26を介して液体培地Dを排出させ、注入用ピペット90の内部の外来細胞Ceを数珠繋がり状に整列させるコントローラと、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞塊を構成する細胞とは異なる細胞を示す外来細胞を複数内包する液体培地が収容される試料保持部材と、
前記外来細胞を通過させず前記液体培地を通過させる大きさの気泡を有するフィルタ部を含む細胞回収補助治具と、
前記細胞塊を保持可能な保持用治具を備える保持用マニピュレータと、
前記細胞塊の内部へ先端を挿入可能であって、複数の前記外来細胞及び前記液体培地を先端の開口から回収可能かつ吐出可能な注入用ピペットを備える操作用マニピュレータと、
前記注入用ピペットと接続して前記注入用ピペットの内部圧力を調整可能な注入ポンプと、
各部を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記注入用ピペットの内部を陰圧にすることで複数の前記外来細胞及び前記液体培地を前記注入用ピペットの内部に回収させた後、
前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付けた状態で前記注入用ピペットの内部を陽圧にすることで前記フィルタ部を介して前記液体培地を排出させ、
前記注入用ピペットの内部の前記外来細胞を数珠繋がり状に整列させる、
細胞注入装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記注入用ピペットの内部の前記外来細胞を撮像可能な撮像部を更に備え、
前記コントローラは、
前記撮像部の画像データに基づいて、数珠繋がり状に整列された前記外来細胞の中心間距離を取得し、
前記中心間距離が前記外来細胞の直径の平均値の100%以上200%以下になるまで前記フィルタ部を介して前記液体培地を排出させる、
請求項1に記載の細胞注入装置。
【請求項3】
前記注入用ピペットの外形を撮像可能な撮像部を更に備え、
前記コントローラは、
前記注入用ピペットを、前記フィルタ部に対向した所定の準備位置から、前記外来細胞の直径より小さい所定距離ずつ前記フィルタ部に近接させ、
前記撮像部の画像データに基づいて、前記注入用ピペットが所定のたわみ量以上にたわんだか否かを判断し、
所定のたわみ量以上にたわんだ位置から前記所定距離離隔させた位置を、前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付けた位置とする、
請求項1に記載の細胞注入装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の細胞注入装置が備える前記細胞回収補助治具であって、
一方の面が前記注入用ピペットの開口の外縁形状に沿う板状の前記フィルタ部と、
前記フィルタ部を保持して前記試料保持部材に固定され、前記注入用ピペットの先端が挿入可能な溝部が形成されるフィルタ保持部と、を備える、
細胞回収補助治具。
【請求項5】
細胞塊を構成する細胞とは異なる細胞を示す外来細胞を複数内包する液体培地が収容される試料保持部材と、
前記外来細胞を通過させず前記液体培地を通過させる大きさの気泡を有するフィルタ部を含む細胞回収補助治具と、
前記細胞塊の内部へ先端を挿入可能であって、複数の前記外来細胞及び前記液体培地を先端の開口から回収可能かつ吐出可能な注入用ピペットを備える操作用マニピュレータと、
前記注入用ピペットと接続して前記注入用ピペットの内部圧力を調整可能な注入ポンプと、を備える細胞注入装置において前記外来細胞を回収する細胞回収方法であって、
前記注入用ピペットの内部を陰圧にすることで複数の前記外来細胞及び前記液体培地を前記注入用ピペットの内部に回収させる回収ステップと、
前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付ける押し付けステップと、
前記押し付けステップの後、前記注入用ピペットの内部を陽圧にすることで前記フィルタ部を介して前記液体培地を排出させる培地排出ステップと、を含む、
細胞回収方法。
【請求項6】
前記細胞注入装置は、前記注入用ピペットの外形を撮像可能な撮像部を更に備え、
前記押し付けステップは、
前記注入用ピペットを、前記フィルタ部に対向した所定の準備位置に移動させるステップと、
前記注入用ピペットを、前記準備位置から前記外来細胞の直径より小さい所定距離ずつ前記フィルタ部に近接させるステップと、
前記注入用ピペットの外形を撮像するステップと、
前記撮像部の画像データに基づいて、前記注入用ピペットが所定のたわみ量以上にたわんだか否かを判断するステップと、
所定のたわみ量以上にたわんだ場合、前記注入用ピペットを、前記所定距離離隔させた位置を前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付けた位置とするステップと、を含む、
請求項5に記載の細胞回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞注入装置、細胞回収補助治具、及び細胞回収方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞は、生体内で周りの細胞と密接な相互作用を介して生命活動を担う。このため、細胞を3次元培養することで得られるスフェロイドや、多能性幹細胞を臓器の形成過程を模倣して作成されるオルガノイド等の細胞塊は、細胞の機能をより引き出す形態として注目されている。細胞塊の特徴を生かした研究の一環として、細胞塊の内腔へ細胞を注入する操作が必要とされることがある。この際には、例えば、特許文献1、2等に開示されるようなマイクロマニピュレータを用いて、マイクロピペット内に細胞を回収した状態で細胞塊の内腔へ挿入した後、細胞を吐出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-001574号公報
特開2014-147986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現状キャピラリ内部へ細胞を回収するためには、ナノリットルオーダーの微量な流量を正確に制御する必要があり、熟練の手技が必要となっている。しかしながら、細胞注入用のキャピラリのように微小な流路における流体の制御は、粘性の影響やキャピラリ内壁との表面力の影響が大きく、制御性に課題がある。このため、余分な培地が少なからずキャピラリ内部に入ってしまい、その状態で細胞塊内部に細胞を注入すると細胞の他に余剰な培地も細胞塊内部に入り込んでしまい、細胞塊を損傷させる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作業者の熟練度及び技術によらず、細胞塊の内部に外来細胞を安定して注入することができる細胞注入装置、細胞回収補助治具、及び細胞回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る細胞注入装置は、細胞塊を構成する細胞とは異なる細胞を示す外来細胞を複数内包する液体培地が収容される試料保持部材と、前記外来細胞を通過させず前記液体培地を通過させる大きさの気泡を有するフィルタ部を含む細胞回収補助治具と、前記細胞塊を保持可能な保持用治具を備える保持用マニピュレータと、前記細胞塊の内部へ先端を挿入可能であって、複数の前記外来細胞及び前記液体培地を先端の開口から回収可能かつ吐出可能な注入用ピペットを備える操作用マニピュレータと、前記注入用ピペットと接続して前記注入用ピペットの内部圧力を調整可能な注入ポンプと、各部を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記注入用ピペットの内部を陰圧にすることで複数の前記外来細胞及び前記液体培地を前記注入用ピペットの内部に回収させた後、前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付けた状態で前記注入用ピペットの内部を陽圧にすることで前記フィルタ部を介して前記液体培地を排出させ、前記注入用ピペットの内部の前記外来細胞を数珠繋がり状に整列させる。
【0007】
これにより、注入用ピペットによって細胞塊の内部に外来細胞を注入する前に、余分な液体培地を注入用ピペットの内部から排出することができるので、余分な液体培地を細胞塊の内部に注入することを抑制することができる。また、外来細胞を注入用ピペットに回収した後に液体培地のみ排出することで数珠繋がり状に整列させることができるため、液体培地ごと外来細胞を吸引してもよく、吸引ポンプによって微量な流量を正確に制御する必要がない。また、フィルタ部によって注入用ピペットの開口を閉塞した状態で注入用ピペットの内部を陽圧にすることで、外来細胞を注入用ピペットの内部に残したまま液体培地のみを排出できるため、同様に、吸引ポンプによって微量な流量を正確に制御する必要がない。また、余分な液体培地を排出することで、注入用ピペットの内部で外来細胞が数珠繋がり状に整列されるため、1つずつ外来細胞を吐出させる際の送り量を均一にすることができ、注入ポンプの制御が容易となる。したがって、作業者の熟練度及び技術によらず、細胞塊の内部に外来細胞を安定して注入することができる。
【0008】
本発明の一態様に係る細胞注入装置は、前記注入用ピペットの内部の前記外来細胞を撮像可能な撮像部を更に備え、前記コントローラは、前記撮像部の画像データに基づいて、数珠繋がり状に整列された前記外来細胞の中心間距離を取得し、前記中心間距離が前記外来細胞の直径の平均値の100%以上200%以下になるまで前記フィルタ部を介して前記液体培地を排出させる。
【0009】
これにより、注入用ピペットの内部において定量的に外来細胞を整列させることができるため、1つずつ外来細胞を吐出させる際の送り量を均一にすることができ、注入ポンプの制御が容易となる。
【0010】
本発明の一態様に係る細胞注入装置は、前記注入用ピペットの外形を撮像可能な撮像部を更に備え、前記コントローラは、前記注入用ピペットを、前記フィルタ部に対向した所定の準備位置から、前記外来細胞の直径より小さい所定距離ずつ前記フィルタ部に近接させ、前記撮像部の画像データに基づいて、前記注入用ピペットが所定のたわみ量以上にたわんだか否かを判断し、所定のたわみ量以上にたわんだ位置から前記所定距離離隔させた位置を、前記注入用ピペットの先端の開口を前記フィルタ部に押し付けた位置とする。
(【0011】以降は省略されています)
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