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公開番号
2025014549
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117202
出願日
2023-07-19
発明の名称
流速軽減袋、マットおよび斜面土壌の保護方法
出願人
日新産業株式会社
代理人
弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類
E02D
17/20 20060101AFI20250123BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】施工性を改善するとともに、流水の流速軽減と同時に斜面土壌の保湿を可能とする流速軽減袋を提供する。
【解決手段】流速軽減袋100は、地面側に配置される底壁部111、および、地面の反対側の上方に配置される頂壁部112を有し、長手方向に延びる袋体110と、該袋体110に充填された、所定の粒度または粒径の粒状体を含む充填材120と、を備える。流速軽減袋100は、斜面土壌に設置されたとき、斜面土壌の傾斜方向と直交する方向に延在する長筒状に形成され、斜面土壌の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されている。頂壁部112は、遮水性を有する遮水領域114を含み、袋体110の遮水領域114以外の部位が、透水性を有する透水領域113を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
斜面土壌に設置され、前記斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための流速軽減袋であって、
地面側に配置される底壁部、および、地面の反対側の上方に配置される頂壁部を有し、長手方向に延びる袋体と、
前記袋体に充填された、所定の粒度または粒径の粒状体を含む充填材と、
を備え、
前記流速軽減袋は、前記斜面土壌に設置されたとき、前記斜面土壌の傾斜方向と直交する方向に延在する長筒状に形成され、前記斜面土壌の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されており、
前記頂壁部は、遮水性を有する遮水領域を含み、前記袋体の前記遮水領域以外の部位が、透水性を有する透水領域を含むことを特徴する流速軽減袋。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記充填材は、少なくとも10mm以下の粒度または粒径の粒状体を含むことを特徴とする請求項1に記載の流速軽減袋。
【請求項3】
前記充填材は、木材チップ、木粉またはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項2に記載の流速軽減袋。
【請求項4】
前記袋体の外面を包囲する合成樹脂製の網状体をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の流速軽減袋。
【請求項5】
前記堰の高さは、前記斜面土壌の表面から垂直方向に5~13cmの高さであることを特徴とする請求項4に記載の流速軽減袋。
【請求項6】
縦横に延在し、前記斜面土壌の傾斜方向に沿って縦方向が配置される、可撓性のマット本体と、
前記マット本体の表面に装着され、前記斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の、1または複数の流速軽減袋とを、備え、
前記1または複数の流速軽減袋の長手方向が横方向に沿うように、前記各流速軽減袋が前記マット本体に保持されることを特徴とするマット。
【請求項7】
前記マット本体に装着された緑化材をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のマット。
【請求項8】
斜面土壌を保護する方法であって、請求項1から5のいずれか一項に記載の1または複数の流速軽減袋を、前記流速軽減袋の長手方向が前記斜面土壌の傾斜方向に直交する方向に沿うように、固定部材を介して前記斜面土壌に固定する工程を含むことを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面土壌に設置され、斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための流速軽減袋、該流速軽減袋が装着されたマット、および、該流速軽減袋による斜面土壌の保護方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、断続的な降雨や集中豪雨によって、法面などの斜面土壌の土壌表層の侵食害が発生し、土砂崩れなどの災害が発生することが問題となっている。そして、斜面土壌の土壌侵食を軽減または防止するために、従来より様々な対策が行われている。
【0003】
特許文献1は、丸太材を用いて傾斜面の表層土の流出防止する丸太構造体を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。丸太構造体(1)は、丸太筋工として傾斜地に設けられ、表層土の流出を防止するとともに植生を保護するために形成されたものである。そして、傾斜地の地盤(15)の上でほぼ水平となる方向に配置された丸太材(11)と、この丸太材の上に積み上げられた複数の上積丸太材(12)と、これらの丸太材(11)及び上積丸太材(12)を上下方向に貫通し、地盤中に貫入された全ねじ棒鋼(13)と、全ねじ棒鋼(13)の上部にねじり合わされ、最上層の上積丸太材(12)の上に締め付けられたナット(14)と、によって主要部が構成されている。このような丸太筋工は、一般的に、傾斜面を流れる表面水を堰止めて、流速軽減効果や雨水分散効果を高めるために施工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-25314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
山間部等では、特許文献1のような丸太筋工を傾斜面に設置することによって、丸太筋工による表面水の流速軽減効果を付与することが行われ得る。しかしながら、斜面土壌に丸太筋工を構築する際、丸太が重量物であることから、作業者にかかる手間や労力が大きいことが問題の1つとして挙げられる。また、一般的に、流水の流速軽減と同時に斜面土壌の緑化を行う場合が多いが、丸太筋工では、斜面土壌の乾燥を防止することができず、丸太筋工に加えて緑化のための他の施工が必要となり、効率的に斜面土壌を保湿できないことが課題として挙げられる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、施工性を改善するとともに、流水の流速軽減と同時に斜面土壌の保湿を可能とする流速軽減袋、該流速軽減袋が装着されたマット、および、該流速軽減袋によって斜面土壌を保護する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態の流速軽減袋は、斜面土壌に設置され、前記斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための流速軽減袋であって、
地面側に配置される底壁部、および、地面の反対側の上方に配置される頂壁部を有し、長手方向に延びる袋体と、
前記袋体に充填された、所定の粒度または粒径の粒状体を含む充填材と、
を備え、
前記流速軽減袋は、前記斜面土壌に設置されたとき、前記斜面土壌の傾斜方向と直交する方向に延在する長筒状に形成され、前記斜面土壌の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されており、
前記頂壁部は、遮水性を有する遮水領域を含み、前記袋体の前記遮水領域以外の部位が、透水性を有する透水領域を含むことを特徴する。
【0008】
本発明の一形態の流速軽減袋は、斜面土壌に設置された際、斜面土壌の傾斜方向と直交する方向に延在する長筒状として、斜面土壌の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すことによって、斜面土壌表面を流れる表面水(または流水)の流速軽減効果を発揮することが可能である。また、流速軽減袋が、袋体と該袋体に充填された粒状体を含む充填材とから構成されることにより、丸太筋工に用いられる丸太材と比べて、斜面土壌の凹凸への追従性が高く、且つ、より取り扱いが容易であることから、改善した施工性を発揮する。さらに、袋体の頂壁部が遮水領域を含み、袋体の遮水領域以外の部位が透水領域を含んでいる。これにより、降雨の際、斜面土壌を流れる表面水が、透水領域を介して袋体の内部を通過し、その下流側から排水される。つまり、表面水が充填材を通過する際、表面水の流速が効果的に軽減される。そして、降雨によって水が流速軽減袋に吸水された後の非降雨時の表面水がない状態(例えば、晴天時)であっても、遮水領域が充填材を上方から覆っていることにより、充填材に蓄えられた水分が空気中に蒸発する量を軽減させることができる。これにより、流速軽減袋が、斜面土壌に水分を供給可能な状態をより長期的に維持し、結果として、斜面土壌を保湿し、その緑化を促進することを可能とする。
【0009】
本発明のさらなる形態の流速軽減袋は、上記形態の流速軽減袋において、前記充填材は、少なくとも10mm以下の粒度または粒径の粒状体を含むことを特徴とする。すなわち、充填材を10mm以下の粒度または粒径の粒状体としたことにより、粒状体が袋体内部の隙間を密に埋めるとともに、袋体内部で比較的自由に移動できることから、流速軽減材の外形を設置環境に合わせて容易に変形することが可能となる。
【0010】
本発明のさらなる形態の流速軽減袋は、上記形態の流速軽減袋において、前記充填材は、木材チップ、木粉またはそれらの組み合わせからなることを特徴とする。袋体に木材チップまたは木粉を充填することによって流速軽減材を簡単に準備可能であり、且つ、丸太材と比べて比較的軽量であることから、より高い施工性を発揮することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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