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公開番号2025014313
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116782
出願日2023-07-18
発明の名称アースドリル
出願人日本車輌製造株式会社
代理人個人,個人
主分類E02F 9/12 20060101AFI20250123BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】上部旋回体の左右方向の傾斜を修正してケリーバの鉛直性を確保することが可能な旋回ベアリング装置を備えたアースドリルを提供する。
【解決手段】旋回ベアリング装置13は、下部旋回ベアリングケース45、上部旋回ベアリングケース46及び仲介旋回ベアリングケース51が相対回動可能とされ、旋回軸47及び傾斜軸49に対応して設けた下部軸受ボール48及び上部軸受ボール50と、該上部軸受ボールが転動する傾斜を付与した上部ベアリングケース軌道とを有し、下部旋回ベアリングケース45に設けた下部走行体取付面45aと上部旋回ベアリングケース46に設けた上部旋回体取付面46aとが平行をなし、かつ、傾斜軸49の傾斜方向が下部走行体及び上部旋回体の前後方向に整合した旋回基準位置が定められ、作動時において、下部走行体に対し上部旋回体を傾斜させるとともに下部走行体上で傾斜した上部旋回体を旋回させてその傾斜方向を変更する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
クローラを備えた下部走行体及び該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体を有するベースマシンと、前記上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたブームと、該ブームの先端部にシーブ軸を介して回転可能に支持される主巻シーブと、該主巻シーブに巻き掛けられた主巻ロープに吊持されるケリーバとを備えたアースドリルにおいて、
前記下部走行体に対して前記上部旋回体を傾斜させるとともに前記下部走行体上で傾斜した前記上部旋回体を旋回させてその傾斜方向を変更する旋回ベアリング装置を備え、
前記旋回ベアリング装置は、
下部走行体取付面が設けられた下部旋回ベアリングケースと、
上部旋回体取付面が設けられた上部旋回ベアリングケースと、
前記下部走行体取付面と垂直な方向に延びる旋回軸を中心に円周方向に複数設けられた下部軸受ボールと、
前記旋回軸と交わる方向に延びる傾斜軸を中心に円周方向に複数設けられた上部軸受ボールと、
前記下部旋回ベアリングケースとの間で前記下部軸受ボールを介して組み付けられ、前記上部旋回ベアリングケースとの間で前記上部軸受ボールを介して組み付けられた仲介旋回ベアリングケースと、
前記下部旋回ベアリングケースに対して前記仲介旋回ベアリングケースを回動させる第1油圧モータと、
前記仲介旋回ベアリングケースに対して前記上部旋回ベアリングケースを回動させる第2油圧モータと、を有し、
前記下部旋回ベアリングケース、前記上部旋回ベアリングケース及び前記仲介旋回ベアリングケースが一体で組み付けられた状態で、前記下部走行体取付面と前記上部旋回体取付面とが平行をなし、かつ、前記旋回軸に対する前記傾斜軸の傾斜方向が前記下部走行体及び前記上部旋回体の前後方向に整合した旋回基準位置が定められ、
前記下部旋回ベアリングケースと前記仲介旋回ベアリングケースとの間には、前記第1油圧モータの作動下で、前記下部軸受ボールが転動する下部ベアリングケース軌道が形成され、
前記上部旋回ベアリングケースと前記仲介旋回ベアリングケースとの間には、前記第2油圧モータの作動下で、前記上部軸受ボールが転動する上部ベアリングケース軌道が形成され、
前記上部ベアリングケース軌道は、前記旋回基準位置を起点として前記仲介旋回ベアリングケースに対して前記上部旋回ベアリングケースを回動するときに、前記下部走行体取付面に対して前記上部旋回体取付面を傾斜させる傾斜が付与されていることを特徴とするアースドリル。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記仲介旋回ベアリングケースは、前記下部走行体取付面に対して平行な面で上下2分割され、前記下部旋回ベアリングケースと対をなす下部分と、前記上部旋回ベアリングケースと対をなす上部分とが互いにボルト締結により結合されていることを特徴とする請求項1記載のアースドリル。
【請求項3】
前記第1油圧モータは、前記下部走行体に設けられ、
前記第2油圧モータは、前記上部旋回体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のアースドリル。
【請求項4】
前記第1油圧モータは、前記仲介旋回ベアリングケースに設けられ、
前記第2油圧モータは、前記上部旋回体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のアースドリル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アースドリルに関し、詳しくは、フロント部に伸縮式のケリーバを備えたアースドリルに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
起伏可能なブームの先端から垂下したワイヤロープにケリーバを吊持したアースドリルでは、水平断面サイズの異なる複数本のケリーバ部材を同軸に組み合わせた多段伸縮式のケリーバが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16は、一般的なアースドリルのフロント部の構造を示している。アースドリルは、自走式のベースマシンを構成する旋回体に支持軸(フートピン)を介してブーム100が連結され、起伏ウインチからのワイヤロープ(ペンダントロープ)101に張力を与えてブーム100を前後方向(図16の矢印X1-X2方向)に起伏可能に構成している。また、ブーム100の先端部に支承されたシーブ列102の1つに主巻ウインチからのワイヤロープ(主巻ロープ)103を巻き掛け、このワイヤロープ103の先端にスイベルジョイント104を介してケリーバ105を回転可能に吊り下げ、ウインチ駆動でケリーバ105を上下方向(図16の矢印Z1-Z2方向)に伸縮させるように構成している。
【0004】
ブーム100の基部側には、油圧シリンダ106で支持した平行リンク式のフロントフレーム107にケリーバ回転駆動装置(ケリードライブ)108が設けられている。そして、ケリーバ回転駆動装置108にセットしたケリーバ105の下端部には、ケリーバ105と一体に回転し、かつ、上下方向に昇降する掘削装置として掘削バケット109が装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-96156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のアースドリルは、掘削作業前に、例えばブーム100の起伏動作に合わせてケリーバ回転駆動装置108のレベリング(水平取り)が行われ、これにより、ケリーバ回転駆動装置108にセットしたケリーバ105の傾斜が修正される。しかしながら、こうした傾斜修正の方向は、フロント部の構造上、前後方向のみに限定されてしまい、ベースマシンが左右方向(図16の矢印Y1-Y2方向)に傾いた傾斜地に置かれると、これを機械側で修正する手段がないという不都合があった。
【0007】
そこで本発明は、上部旋回体の左右方向の傾斜を修正してケリーバの鉛直性を確保することが可能な旋回ベアリング装置を備えたアースドリルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のアースドリルは、クローラを備えた下部走行体及び該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体を有するベースマシンと、前記上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたブームと、該ブームの先端部にシーブ軸を介して回転可能に支持される主巻シーブと、該主巻シーブに巻き掛けられた主巻ロープに吊持されるケリーバとを備えたアースドリルにおいて、前記下部走行体に対して前記上部旋回体を傾斜させるとともに前記下部走行体上で傾斜した前記上部旋回体を旋回させてその傾斜方向を変更する旋回ベアリング装置を備え、前記旋回ベアリング装置は、下部走行体取付面が設けられた下部旋回ベアリングケースと、上部旋回体取付面が設けられた上部旋回ベアリングケースと、前記下部走行体取付面と垂直な方向に延びる旋回軸を中心に円周方向に複数設けられた下部軸受ボールと、前記旋回軸と交わる方向に延びる傾斜軸を中心に円周方向に複数設けられた上部軸受ボールと、前記下部旋回ベアリングケースとの間で前記下部軸受ボールを介して組み付けられ、前記上部旋回ベアリングケースとの間で前記上部軸受ボールを介して組み付けられた仲介旋回ベアリングケースと、前記下部旋回ベアリングケースに対して前記仲介旋回ベアリングケースを回動させる第1油圧モータと、前記仲介旋回ベアリングケースに対して前記上部旋回ベアリングケースを回動させる第2油圧モータと、を有し、前記下部旋回ベアリングケース、前記上部旋回ベアリングケース及び前記仲介旋回ベアリングケースが一体で組み付けられた状態で、前記下部走行体取付面と前記上部旋回体取付面とが平行をなし、かつ、前記旋回軸に対する前記傾斜軸の傾斜方向が前記下部走行体及び前記上部旋回体の前後方向に整合した旋回基準位置が定められ、前記下部旋回ベアリングケースと前記仲介旋回ベアリングケースとの間には、前記第1油圧モータの作動下で、前記下部軸受ボールが転動する下部ベアリングケース軌道が形成され、前記上部旋回ベアリングケースと前記仲介旋回ベアリングケースとの間には、前記第2油圧モータの作動下で、前記上部軸受ボールが転動する上部ベアリングケース軌道が形成され、前記上部ベアリングケース軌道は、前記旋回基準位置を起点として前記仲介旋回ベアリングケースに対して前記上部旋回ベアリングケースを回動するときに、前記下部走行体取付面に対して前記上部旋回体取付面を傾斜させる傾斜が付与されていることを特徴としている。
【0009】
また、前記仲介旋回ベアリングケースは、前記下部走行体取付面に対して平行な面で上下2分割され、前記下部旋回ベアリングケースと対をなす下部分と、前記上部旋回ベアリングケースと対をなす上部分とが互いにボルト締結により結合されていることを特徴としている。
【0010】
さらに、前記第1油圧モータは、前記下部走行体に設けられ、前記第2油圧モータは、前記上部旋回体に設けられていることを特徴としている。加えて、前記第1油圧モータは、前記仲介旋回ベアリングケースに設けられ、前記第2油圧モータは、前記上部旋回体に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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