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公開番号2025032530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023137839
出願日2023-08-28
発明の名称防災構造物
出願人株式会社エスイー
代理人個人
主分類E02B 7/02 20060101AFI20250305BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】土石流等の発生が想定される渓流等に、発生した土石流等を堰き止めるための砂防堰堤を構築する上で、隣接する柱部材間に架設される水平材に生じる曲げモーメントを低減する。
【解決手段】構築対象のいずれかの方向に間隔を置いて配列する複数個の柱部材2、2と、隣接する柱部材2、2間に、高さ方向に間隔を置いて架設される鋼管コンクリート製の複数本の水平材3から防災構造物1を構成し、水平材3の軸方向両側の端面に、水平材3の軸方向に直交する平面に対し、下流側から上流側へかけて水平材3の軸方向の長さが次第に増す向きに傾斜した傾斜面3aを形成し、この傾斜面3aを受ける柱部材2の支持面2aに水平材3の傾斜面3aに対応した傾斜面を持たせ、水平材3の傾斜面3aを柱部材2の支持面2aに面接触させながら、柱部材2に支持させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
構築対象のいずれかの方向に間隔を置いて配列する複数個の柱部材と、前記の幅方向に隣接する前記柱部材間に、高さ方向に間隔を置いて架設される鋼管コンクリート製の複数本の水平材とを備え、
前記水平材の軸方向両側の端面は前記水平材の軸方向に直交する平面に対し、前記構築対象の下流側から上流側へかけて前記水平材の軸方向の長さが次第に増す向きに傾斜した傾斜面を持ち、
この水平材の前記傾斜面を受ける前記柱部材の支持面は前記水平材の前記傾斜面に対応した傾斜面を持ち、
前記水平材の前記傾斜面は前記柱部材の前記支持面に面接触しながら、前記柱部材に支持されていることを特徴とする防災構造物。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記柱部材の上流側の表面から、前記水平材の軸方向の端部が納まる凹部が形成され、この凹部の下流側の側面が前記支持面になり、この支持面の下方と上方に、前記水平材の軸方向の端部を上下から保持し得る載置面と保持面が形成されており、
前記水平材の軸方向両側の端部は前記柱部材の前記支持面に面接触しながら、前記載置面と前記保持面に上下から挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の防災構造物。
【請求項3】
前記凹部内に前記水平材の軸方向の端部が納まった状態での前記水平材の上流側の、前記柱部材の上流側の表面に、前記水平材の前記凹部内からの脱落を阻止するための拘束部が形成されている、または配置されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の防災構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は例えば土石流や流木等の発生が想定される渓流その他の構築対象に、発生した場合の土石流等を堰き止める目的で構築される砂防堰堤等の防災構造物に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば渓流等に土石流等を堰き止める目的で構築される、バットレスを使用する形式の砂防堰堤は渓流の幅方向に隣接するバットレス間に水平材を架設すればよいことから、構造が比較的簡素である他、土石等を受け止めたときの衝撃(運動エネルギ)を、バットレスを通じて渓床や基礎コンクリート等に伝達することができる利点を有する(特許文献1~3参照)。
【0003】
但し、特許文献1のように水平材(天端スラブ)をバットレス上に構築し、隣接するバットレスに接合する場合、水平材は両端固定梁になるため、土石から集中荷重を受けたときには、軸方向の中央部と両端部で最大になる曲げモーメントを負担する状態になる。
【0004】
特許文献2、3のように水平材を隣接するバットレス間に架設し、嵌合手段でバットレスに接続する場合には、水平材は単純梁になるため、集中荷重に対しては軸方向の中央部で最大になる曲げモーメントを負担する状態になる。
【0005】
この他、軸方向に2分割され、それぞれの一方の端部においてバットレスに相当する控え材に接合される水平材の他方の端部間に跨る鞘管を用いて両水平材を接続する方法もある(特許文献4、5参照)。これらの例では水平材は鞘管が跨る他方の端部を自由端とする片持ち梁になるため、水平材の一方の端部に生じる曲げモーメントが最大になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-180441号公報(段落0022~0028、0041~0044、図1、図4)
特開2005-336802号公報(段落0018~0037、図1~図6)
特開2010-84455号公報(段落0025~0040、図1~図8)
特開2013-204272号公報(請求項3、段落0029~0051、図1~図5)
特開2021-156123号公報(請求項1、段落0023~0032、図1、図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いずれの例でも、水平材には土石から受ける衝撃力(集中荷重)による反力が材軸に直交する方向にのみ作用するため、水平材は想定される衝撃力に応じた最大曲げモーメントに耐え得る断面性能を持つ必要がある。
【0008】
本発明は上記背景より、隣接するバットレス等の柱部材間に架設される水平材に生じる曲げモーメントを低減し得る構造の水平材を用いた形態の防災構造物を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明の防災構造物は、構築対象のいずれかの方向に間隔を置いて配列する複数個の柱部材と、前記の方向に隣接する前記柱部材間に、高さ方向に間隔を置いて架設される鉄筋コンクリート製の複数本の水平材とを備え、
前記水平材の軸方向両側の端面が前記水平材の軸方向に直交する平面に対し、前記構築対象の下流側から上流側へかけて前記水平材の軸方向の長さが次第に増す向きに傾斜した傾斜面を持ち、この水平材の前記傾斜面を受ける前記柱部材の支持面が前記水平材の前記傾斜面に対応した傾斜面を持ち、
前記水平材が前記傾斜面において前記柱部材の前記支持面に面接触しながら、前記柱部材に支持されていることを構成要件とする。
【0010】
防災構造物は前記した砂防堰堤や流木捕捉工等の他、落石・雪崩防止柵等の、災害を引き起こす「移動する物体」を受け止める役目を担う構造物全般を指す。「柱部材」は防災構造物が砂防堰堤等である場合のバットレスや控え部材の他、水平材を支持するための防災構造物の構成部材を指す。バットレス以外の場合、柱部材は軸方向が鉛直方向を向く鉛直材であるとは限らず、軸方向は鉛直方向に対して傾斜した方向を向く場合もある。「移動する物体」とは、土石流や流木等の他、落石や土砂等の災害の原因になる物体を指す。以下では「移動する物体」を「土石流等」と言う。
(【0011】以降は省略されています)

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