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公開番号2025115530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010030
出願日2024-01-26
発明の名称改良地盤構築方法
出願人株式会社本久
代理人個人,個人
主分類E02D 3/12 20060101AFI20250731BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】本発明は、固まりにくい土砂に砂防堰堤基礎地盤を構築する際に、広範囲にわたって大掛かりで深い掘削や大きな土砂仮置きヤードを必要とせずに、効率的に改良地盤を構築することが可能な改良地盤構築方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、粘性の大きな粘性土、土塊状の硬い粘性土、土砂化した風化岩または強風化岩、火山灰質土や有機質土を含む地盤Gに区画を設定し、設定した区画を掘削して基礎工穴Mを形成し、前記基礎工穴Mに、土砂Sと、砕石、砂利、礫、砂礫、河床砂礫、砂礫土砂、礫質土砂の少なくともいずれかを含む砕石Bと、セメントミルクCと、を投入、撹拌、混錬して泥状の改良土20Aを生成し、泥状の改良土20Aを所定量周集積した泥状改良土の集合体20Bを固化した固化体20を形成することによりブロック状改良地盤10Aを形成する、ことを特徴とする改良地盤構築方法である。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
粘性の大きな粘性土、土塊状あるいは固結状の硬い粘性土、土砂化した風化岩または強風化岩、火山灰質土や有機質土のいずれかを含む地盤における改良地盤構築方法であって、
設定した区画を掘削して基礎工穴を形成し、
前記基礎工穴に、土砂と、砕石、砂利、礫や、砂礫、河床砂礫、砂礫土砂、礫質土砂等の良質土のいずれかを含む改質材と、セメントミルク又はセメントおよび水と、を投入して、これらを撹拌、混錬して土塊を破砕しながら泥状の改良土を生成し、泥状の改良土を固化して固化体を形成することによりブロック状改良地盤を形成する、
ことを特徴とする改良地盤構築方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記基礎工穴内で泥状の改良土を生成する際に、土砂を投入し、埋め戻した土砂の上に改質材を敷設した後に、セメントミルク又はセメントおよび水とを添加して、土砂と改質材とセメントミルク又はセメントおよび水とを撹拌、混錬する、
ことを特徴とする請求項1に記載の改良地盤構築方法。
【請求項3】
泥状の改良土を複数の層に分けて生成、集積することで泥状の改良土の集合体を形成して固化させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の改良地盤構築方法。
【請求項4】
前記基礎工穴を形成する際に、露出した岩石または固結土砂を削って細片化しながら掘削する、
ことを特徴とする請求項1に記載の改良地盤構築方法。
【請求項5】
前記ブロック状改良地盤を形成する区画を設定する際に、
ブロック状改良地盤を形成する基礎工穴の深さとの関りで、掘削、混錬に用いる装置を掘削する基礎工穴の外に設置して施工可能な周縁形状の区画を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の改良地盤構築方法。
【請求項6】
改良地盤が複数のブロック状改良地盤を備えている場合に、
固化していないブロック状改良地盤と離間する区画に、次のブロック状改良地盤を形成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の改良地盤構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
粘性の大きな粘性土、土塊状あるいは固結状の硬い粘性土、土砂化した風化岩または強風化岩、火山灰質土や有機質土など固まりにくい土砂における改良地盤構築方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
周知のように、砂防堰堤のような重量構造物の基礎地盤が弱い場合、地盤改良を行い基礎地盤の構築をする。その際、一般的には攪拌機構を伴う装置を地盤内に挿入して、セメントミルクを吐出または噴射し、攪拌機構により混合しながら改良地盤を構築することが一般的である。
【0003】
また、砂防堰堤は重量構造物であり、基礎地盤にはおよそ100~600kN/m

の荷重が作用する。これまでに多くの砂防堰堤が構築されてきたが、新たに新設される砂防堰堤は必ずしも基礎地盤に岩盤が露出するような適地ではなく軟弱な地盤に計画されることも多い。
さらに、砂防堰堤が重量構造物であるがために、地盤が必ずしも軟弱ではなく、相対的に軟弱という場合には硬い地盤も地盤改良の対象となる場合がある。
【0004】
例えば、砂防堰堤を計画する地盤には、土砂が移動して形成された地盤であることも多く、堆積状況によっては特に軟弱な土砂が堆積している場合もある。
また、火山地域では降灰火山灰を起源とする地盤に砂防堰堤が計画された場合には、火山灰の成分によっては対象とする土質が粘土などの組成要因や固化阻害物質(例えば、有機物に含まれるフミン酸や火山灰に含まれるアロフェン)の混入によりセメントあるいはセメント系固化材によって生成する改良土が極度に固まりにくく所定の品質の確保が困難な場合がある。
さらに、砂防堰堤の建設地には強風化泥岩のように岩の性質としては著しく強度が小さく砂防堰堤の基礎地盤としては不適切な地盤が分布している場合もある。また、粘性土も洪積世以前に形成されたものには硬質な地盤を形成している場合もある。この場合、地盤としては硬質であり、掘削しても塊状となるため、軟弱地盤を対象とした攪拌機構では攪拌できないこともあるほか均質な改良地盤を構築できない場合がある。
【0005】
こうした場合、土をセメントやセメント系固化材で固めて所定の強度を得ようとすると、セメントやセメント系固化材を多量に添加するか、特殊なセメントを用いる必要に迫られるほか、現地発生土砂の全てをコンクリートや置換材により置換する構築方法を選択せざるを得ないこともある。
【0006】
そうした場合、多量なセメント添加や特殊な材料選定は不経済になるだけでなく、置換工法を選定する場合では、置換に伴う大規模な掘削を行う場合がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
https://hobbystyle-kadoya.jp/blog-7/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、堰堤基礎地盤を構築するために大規模な掘削を行うと、大量の現地土砂が発生して広い掘削土置き場が必要となり、さらに掘削穴内に建機等の掘削装置を配置する必要があるため掘削穴の崩落等に対する安全対策が必要となり非合理的な面が大きい。
【0009】
本発明はかかる技術的背景に基づいて創案されたものであって、固まりにくい土砂や硬質な地盤に砂防堰堤基礎地盤を構築する際に、広範囲にわたって大掛かりで深い掘削や大きな土砂仮置きヤードを必要とせずに、効率的に改良地盤を構築することが可能な改良地盤構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
粘性の大きな粘性土、土塊状あるいは固結状の硬い粘性土、土砂化した風化岩または強風化岩、火山灰質土や有機質土のいずれかを含む地盤における改良地盤構築方法であって、
設定した区画を掘削して基礎工穴を形成し、
前記基礎工穴に、土砂と、砕石、砂利、礫や、砂礫、河床砂礫、砂礫土砂、礫質土砂等の良質土のいずれかを含む改質材と、セメントミルク又はセメントおよび水と、を投入して、これらを撹拌、混錬して土塊を破砕しながら泥状の改良土を生成し、泥状の改良土を固化して固化体を形成することによりブロック状改良地盤を形成する、
ことを特徴とし、
または、
前記基礎工穴内で泥状の改良土を生成する際に、土砂を投入し、埋め戻した土砂の上に改質材を敷設した後に、セメントミルク又はセメントおよび水とを添加して、土砂と改質材とセメントミルク又はセメントおよび水とを撹拌、混錬する、
ことを特徴とし、
または、
泥状の改良土を複数の層に分けて生成、集積することで泥状の改良土の集合体を形成して固化させる、
ことを特徴とし、
または、
前記基礎工穴を形成する際に、露出した岩石または固結土砂を削って細片化しながら掘削する、
ことを特徴とし、
または、
前記ブロック状改良地盤を形成する区画を設定する際に、
ブロック状改良地盤を形成する基礎工穴の深さとの関りで、掘削、混錬に用いる装置を掘削する基礎工穴の外に設置して施工可能な周縁形状の区画を設定する、
ことを特徴とし、
または、
改良地盤が複数のブロック状改良地盤を備えている場合に、
固化していないブロック状改良地盤と離間する区画に、次のブロック状改良地盤を形成する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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