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公開番号2025028544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133422
出願日2023-08-18
発明の名称砂防ソイルセメント材の品質管理方法
出願人株式会社本久
代理人個人
主分類E02D 1/00 20060101AFI20250221BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】本発明は、砂防ソイルセメント材の含水状態を容易かつ適切に判定することが可能な砂防ソイルセメント材の品質管理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、砂防ソイルセメント材Tの品質管理方法であって、練上がった砂防ソイルセメント材Tを締め固めて対象表面部Sを形成し、前記対象表面部Sに吸水性シートである含水状態判定シートCを載せて、前記含水状態判定シートCを前記対象表面部Sに接触させ、前記含水状態判定シートCが吸水して示した湿潤状態によって、砂防ソイルセメント材Tの含水状態の適否を判定すること、を特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
砂防ソイルセメント材の製造工程において、練上がった砂防ソイルセメント材を締め固めて対象表面部を形成し、
前記対象表面部に吸水性シートである含水状態判定シートを載せて、
前記含水状態判定シートを前記対象表面部に接触させ、
前記含水状態判定シートが吸水して示した湿潤状態によって、砂防ソイルセメント材の含水状態の適否を判定する、
ことを特徴とする砂防ソイルセメント材の品質管理方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
請求項1に記載の砂防ソイルセメント材の品質管理方法であって、
前記含水状態判定シートが示す湿潤状態は、
前記含水状態判定シートの色、質感の少なくともいずれか一方が変化することにより示される、
ことを特徴とする砂防ソイルセメント材の品質管理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の砂防ソイルセメント材の品質管理方法であって、
前記含水状態判定シートは、
新聞用紙、非塗工の印刷用紙である中質紙、非塗工の下級印刷紙のいずれかにより構成されている、
ことを特徴とする砂防ソイルセメント材の品質管理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、砂防ソイルセメント材の含水状態の適否を容易に判断するための砂防ソイルセメント材の品質管理方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
砂防ソイルセメント工法(転圧タイプ)は、現地発生土砂にセメントと水を混ぜて砂防ソイルセメント材を練り上げて、その砂防ソイルセメント材を敷き均して、例えば3~4t級振動ローラーにて無振動2回、有振動で6~10回ほど転圧(締め固め)して砂防施設を構築する工法である。
砂防ソイルセメント(砂防ソイルセメント材で構築した砂防施設、構造)は、例えば3.0N/mm

以上の圧縮強度が得られるよう適切な水を加えてセメントの水和反応によって硬化させるものであり、土砂量やセメントの添加量管理だけでなく水の量的管理も重要な品質管理要素となっている。
そのため、土砂の含水比が変化したり含水比が異なる土砂を使用する場合には、土砂に対する加水量を適切に調整して所定の圧縮強度を確保することが重要である。
【0003】
砂防ソイルセメント材を練り上げる際の加水量は、施工に先立ちサンプル採取した土砂の含水比を測定し、用いられる土砂の含水比(含水量)と砂防ソイルセメント材に必要な水の差を加水量として決定することが一般的であり、適切な加水量を決定するために種々の技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような土砂の含水比の測定は施工日に一回行われるのが一般的であり、この一回の含水比測定でその施工日の砂防ソイルセメント材の加水量が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-111879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、砂防ソイルセメント工法(転圧タイプ)を行う現場の土砂の含水状態は必ずしも一様ではない。例えば、砂防ソイルセメント材に供する土砂そのものの土質は採取位置が異なり、採取位置が近接していても含水比が大きく異なる場合があり、それ以外にも異なる性状の土砂の混入、ストック時における土砂の養生状況(養生の有無など)、土砂移動の際に生じる表面乾燥、降雨時の雨との接触、高温時における水分の蒸発など様々な要因が重なって土砂の含水量は変化し一様とはなりえない。
【0006】
また、川床の砂礫や砂質土は一般的に良質材料とされ少量のセメントで高い圧縮強度と密度が得られる場合が多いが、一方で砂礫・砂質土砂は水分が飛びやすくばらつきが大きくなる(土が暴れる)ことを認識する必要がある。そのため、例えば、気温が高いことによる水分の蒸発や製造工程や転圧(締め固め)のタイムラグによって生ずる水分蒸発の影響のほか,掘削や粒径処理および砂礫や砂質土からなる母材の運搬に伴う含水比の変化や母材の養生状態の有無などの現場状況によって含水比が著しく変化しやすく、加水量の決定時に比べて乾燥状況が著しく速く進行した場合には、砂防ソイルセメント材の含水量が少なくなり、期待どおりの水和反応が起こらず所定の品質を確保できない場合がある。
したがって、施工日に一回の土砂の含水比測定で砂防ソイルセメント材の加水量を決定する場合、土砂の含水比が変化して所定の圧縮強度の確保が困難となる場合がある。
【0007】
一方、施工管理では所定の手順で厳格に作業を行うことが求められるため、含水比測定後に土砂が急速に乾燥して含水比が低下していたとしても状況に応じた加水量の調整ができない実態があるが、一日に何度も含水比を測定することは実務上合理的とはいえない。
そこで、練り混ぜた砂防ソイルセメント材の表面状態の目視確認や触診(砂防ソイルセメント材を掌で握ったときの付着状態)を参考にして砂防ソイルセメント材の含水状態の適否を判断(判定)せざるを得ない場合がある。
【0008】
しかしながら、目視確認は、熟練が必要なうえに母材の表面状態だけで含水状態を判断するため砂防ソイルセメント材の含水比を適切に把握することは容易ではなく母材の表面だけが乾燥している場合にはさらに困難となる。
また、触診による含水状態の判断は、熟練や経験が求められるだけでなく,発注者側の経験が不足していると、発注者が含水状態が適切かどうかを判断することは困難であり、母材の含水状況に応じた柔軟な加水量の調整添加が認められない場合もあり、結果的に砂防ソイルセメント材が水量不足による品質不良を内包して工法の信頼性を損ねるとともに施工管理の難しさがクローズアップされる一因となり、本工法が敬遠される一因ともなっていると考えられる。
そこで、砂防ソイルセメント材の含水量の適否を作業現場(施工現場)においても容易かつ適切に判断(判定)するための砂防ソイルセメント材の品質管理方法に関する技術が望まれている。
【0009】
本発明はかかる技術的背景に基づいて創案されたものであって、砂防ソイルセメント材の含水状態を容易かつ適切に判定することが可能な砂防ソイルセメント材の品質管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
砂防ソイルセメント材の製造工程において、練上がった砂防ソイルセメント材を締め固めて対象表面部を形成し、
前記対象表面部に吸水性シートである含水状態判定シートを載せて、
前記含水状態判定シートを前記対象表面部に接触させ、
前記含水状態判定シートが吸水して示した湿潤状態によって、砂防ソイルセメント材の含水状態の適否を判定する、
ことを特徴とし、
または、
前記含水状態判定シートが示す湿潤状態は、
前記含水状態判定シートの色、質感の少なくともいずれか一方が変化することにより示される、
ことを特徴とし、
または、
前記含水状態判定シートは、
新聞用紙、非塗工の印刷用紙である中質紙、非塗工の下級印刷紙のいずれかにより構成されている、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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