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公開番号2024117392
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023464
出願日2023-02-17
発明の名称土壌侵食防止用マット、斜面土壌保護構造および斜面土壌の土壌侵食を防止する方法
出願人日新産業株式会社
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240822BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】より簡単且つ効果的に斜面土壌を保護することを可能とする土壌侵食防止用マットを提供する。
【解決手段】土壌侵食防止用マット100は、縦横に延在し、斜面土壌の傾斜方向に沿って縦方向が配置され、土壌表面の侵食を軽減するように構成された、可撓性のマット本体101と、該マット本体101の表面に装着され、斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための1または複数の流速軽減材110とを、備える。流速軽減材110は、マット本体101の横方向全体に亘って延在する長筒状に形成され、マット本体101の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
土壌の侵食を軽減するために斜面土壌に設置される土壌侵食防止用マットであって、
縦横に延在し、前記斜面土壌の傾斜方向に沿って縦方向が配置され、土壌表面の侵食を軽減するように構成された、可撓性のマット本体と、
前記マット本体の表面に装着され、前記斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための1または複数の流速軽減材とを、備え、
前記流速軽減材は、前記マット本体の横方向全体に亘って延在する長筒状に形成され、前記マット本体の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されていることを特徴とする土壌侵食防止用マット。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記流速軽減材は、袋体と、前記袋体に充填された、少なくとも10mm以下の粒度または粒径の粒状体を含む充填材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項3】
前記流速軽減材は、袋体と、前記袋体に充填された、少なくとも木材チップを含む充填材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項4】
前記流速軽減材は、前記マット本体の表面から垂直方向に5~13cmの高さで隆起していることを特徴とする請求項3に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項5】
前記流速軽減材と前記マット本体の表面との連結部は、前記流速軽減材の長手方向に一直線状または点状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項6】
前記流速軽減材は、前記袋体から前記流速軽減材の長手方向に直交する幅方向に延在する帯状の接続代を備え、前記接続代は、前記マット本体の表面に平行に延在する面を連結部として、前記マット本体の表面に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項7】
前記流速軽減材は、長手方向の少なくとも一方の端部において、第1の長さで前記マット本体と重合するとともに、第2の長さで前記マット本体の横方向の端縁から突出し、前記マット本体表面から離間するように撓み変形可能である可撓変形部を備えることを特徴とする請求項4に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項8】
前記マット本体は、所定厚のわた状シートから形成されることを特徴とする請求項4に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項9】
前記マット本体に装着された緑化材をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の土壌侵食防止用マット。
【請求項10】
複数の請求項1から9のいずれか一項に記載の土壌侵食防止用マットが斜面土壌の保護領域に設置された斜面土壌保護構造であって、
複数の流速軽減材が前記斜面土壌の等高線方向に途切れることなく連続して配置され、複数のマット本体が前記保護領域の土壌表面を露出させることなく覆っていることを特徴とする斜面土壌保護構造。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面土壌に設置され、斜面土壌の土壌侵食を軽減するための土壌侵食防止用マット、該土壌侵食防止用マットによる斜面土壌保護構造、および、土壌侵食防止用マットによって斜面土壌を保護する方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、断続的な降雨や集中豪雨によって、法面などの斜面土壌の土壌表層の侵食害が発生し、土砂崩れなどの災害が発生することが問題となっている。そして、斜面土壌の土壌侵食を軽減または防止するために、従来より様々な対策が行われている。
【0003】
特許文献1は、土壌地面に対して密着して土壌侵食防止を行う土壌侵食防止用シート状物を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。土壌侵食防止用の長尺シート状物(1)は、合成樹脂又は/及び天然繊維で形成され、厚さ5乃至20mmの嵩高,柔軟性を有する。所定幅の長尺シート状物(1)の上側表面の実質的に全面が補強ネット(2)で被覆され、該の長さ方向の左右両端近傍部分のみにおいて該補強ネット(2)と長尺シート状物(1)とが繋止されている。長尺シート状物(1)に繋止された補強ネット(2)を利用して適宜間隔をおいてアンカーピン(4)を打設することにより、長尺シート状物(1)が補強ネット(2)を介してアンカーピン(4)によって土壌(5)に繋止される。柔軟性に富む長尺シート状物(1)は自重で垂れ下がり、不陸、凹凸のある土壌(5)にも良好に密着する。加えて、降雨があれば長尺シート状物(1)は、含水して一層重量を増し、不陸、凹凸のある土壌でもその地面に沿って密着する。すなわち、不陸、凹凸のある地面に対しても容易に土壌に密着し、効果的に土壌侵食防止を図ることができる。
【0004】
特許文献2は、丸太材を用いて傾斜面の表層土の流出防止する丸太構造体を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献2の符号を示す。丸太構造体(1)は、丸太筋工として傾斜地に設けられ、表層土の流出を防止するとともに植生を保護するために形成されたものである。そして、傾斜地の地盤(15)の上でほぼ水平となる方向に配置された丸太材(11)と、この丸太材の上に積み上げられた複数の上積丸太材(12)と、これらの丸太材(11)及び上積丸太材(12)を上下方向に貫通し、地盤中に貫入された全ねじ棒鋼(13)と、全ねじ棒鋼(13)の上部にねじり合わされ、最上層の上積丸太材(12)の上に締め付けられたナット(14)と、によって主要部が構成されている。このような丸太筋工は、一般的に、傾斜面を流れる表面水を堰止めて、流速軽減効果や雨水分散効果を高めるために施工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-60901
特開2021-25314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような侵食防止用のマットを斜面土壌の表面に密着させて被覆することによって、雨滴衝撃を緩和し、土砂流出を軽減することが可能であるが、マットによる被覆のみでは、表面水の流速を軽減する効果が低いので、斜面土壌の保護を十分に行うことができない。そこで、特に山間部等では、特許文献2のような丸太筋工をマットと併用することによって、丸太筋工による表面水の流速軽減効果を付与することが行われ得る。しかしながら、丸太筋工が形成された斜面土壌に対してマットが敷設される場合、マットが途切れて、表面保護できない箇所が生じることが避けられない。このようなマットが途切れた箇所から集中的に侵食害が増長し、地中に水道などが形成されて、かえって、より大規模な土砂災害につながるおそれがあることが問題であった。また、斜面土壌に丸太筋工を構築する手間や労力も問題の1つとして上げられる。したがって、発明者らは、上記不具合を生じさせることなく、表面水の流速軽減効果および土砂流出軽減効果を発揮して、斜面土壌を保護することができる土壌侵食防止用マットを提供することを本発明の課題とした。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より簡単且つ効果的に斜面土壌を保護することを可能とする土壌侵食防止用マット、該土壌侵食防止用マットによる斜面土壌保護構造、および、土壌侵食防止用マットによって斜面土壌を保護する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態の土壌侵食防止用マットは、土壌の侵食を軽減するために斜面土壌に設置される土壌侵食防止用マットであって、
縦横に延在し、前記斜面土壌の傾斜方向に沿って縦方向が配置され、土壌表面の侵食を軽減するように構成された、可撓性のマット本体と、
前記マット本体の表面に装着され、前記斜面土壌の表面を流れる流水の流速を軽減するための1または複数の流速軽減材とを、備え、
前記流速軽減材は、前記マット本体の横方向全体に亘って延在する長筒状に形成され、前記マット本体の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一形態の土壌侵食防止用マットによれば、可撓性のマット本体が斜面土壌を被覆することによって、土砂の流出軽減効果を発揮することが可能である。また、マット本体の横方向全体に亘って延在する長筒状の流速軽減材が、マット本体の表面に装着されて、マット本体の表面から垂直方向に所定の高さを有する堰を成すことによって、マット本体に途切れた箇所を生じさせることなく、表面水の流速軽減効果を併せて発揮することが可能である。したがって、本発明の土壌侵食防止用マットは、表面水の流速軽減効果を発揮しつつ、斜面土壌の保護領域を途切れることなく被覆することを可能とするものである。さらに、本発明の土壌侵食防止用マットは、流速軽減材をマット本体表面に装着することで、丸太筋工と同様の表面水の流速軽減効果を発揮することが可能であり、従来と比べて、斜面土壌の保護の労力を改善することができる。
【0010】
本発明のさらなる形態の土壌侵食防止用マットは、上記形態の土壌侵食防止用マットにおいて、前記流速軽減材は、袋体と、前記袋体に充填された、少なくとも10mm以下の粒度または粒径の粒状体を含む充填材とを備えることを特徴とする。袋体に充填材を充填することによって流速軽減材を簡単に準備可能である。また、充填材を10mm以下の粒度または粒径の粒状体としたことにより、粒状体が袋体内部の隙間を密に埋めるとともに、袋体内部で比較的自由に移動できることから、流速軽減材の外形を設置環境に合わせて容易に変形することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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