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公開番号2025019757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123557
出願日2023-07-28
発明の名称グラウト材充填管理システム及びグラウト材充填管理方法
出願人五洋建設株式会社
代理人弁理士法人朝日特許事務所
主分類E02D 3/12 20060101AFI20250131BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】管部材の内部に対するグラウト材の充填高を推定するとともに、管部材の内部に存在する海水を排水して、グラウト材充填高さを確保できるように管理する。
【解決手段】グラウト材gの充填作業中に、管部材1の内部における水位、管部材1の外部における水位(潮位)、及び、管部材1の下端における圧力をそれぞれ検出し、これらの検出値を用いて管部材1の内部におけるグラウト材gの充填高をリアルタイムに推定する。具体的には、水の密度をγwとし、グラウト材gの密度をγGとし、管部材1の内部における静水圧をP0とし、グラウト材gの充填作業中に圧力センサで得られる圧力をP1としたとき、グラウト材gの上端面から圧力センサ111の位置までの距離x(つまり管部材1内部におけるグラウト材の充填高x)は、x=(P1-P0)/(γG-γw)によって算出される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水底地盤に挿入された管部材の内部に配置されたトレミー管から、前記管部材の内部にグラウト材を充填するとともに、前記管部材の下端と前記水底地盤との間隙を介して前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙にグラウト材を充填するグラウト材充填管理システムであって、
グラウト材の充填作業中に、前記管部材の内部におけるグラウト材の上端面の高さをリアルタイムに推定するグラウト材充填管理システム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力と、前記管部材の内部における水面の位置と、前記管部材の外部における水面の位置とをそれぞれ検出する検出装置を備え、
前記管部材の内部における水面と前記管部材の外部における水面との差をhとし、水底面から前記管部材の外部における水面までの距離をH1とし、水底面から前記管部材に充填されたグラウト材のまでの距離をH2とし、グラウト材の上端面から前記検出装置までの距離をxとし、水の密度をγwとし、グラウト材の密度をγGとし、前記管部材の内部における静水圧をP0とし、グラウト材の充填作業中に前記検出装置で得られる圧力をP1とした場合に、
x=(P1-P0)/(γG-γw)
によって算出される、前記管部材に充填されたグラウト材の上端の位置xをリアルタイムに推定する
請求項1記載のグラウト材充填管理システム。
【請求項3】
前記管部材の内部から排水を行う排水装置を備え、
前記圧力P1が
P1=H1×γw+H2×γG
となるまで、前記管部材の内部、並びに、前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙に対してグラウト材を充填し、
前記管部材の内部から排水を行う排水速度をvとした場合に、
vG=(γw/γG)×v
によって算出される充填速度vGでグラウト材を充填し、
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2が
P2=H1×γw+H2×γG
となるまで、前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行う
請求項1記載のグラウト材充填管理システム。
【請求項4】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2がP2=H1×γw+H2×γGとなるまで前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行うことに加えて、又は、代えて、
Vw=π×(d/2)^2×hにより算出される体積Vwの水を前記管部材の内部から排水する
請求項3記載のグラウト材充填管理システム。
【請求項5】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力を検出する検出装置は、
前記管部材の下端部、又は、前記トレミー管の下端部に設けられている
請求項1記載のグラウト材充填管理システム。
【請求項6】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力を検出する検出装置は、
前記水底地盤に対する前記管部材の挿入長の下から1/3以下の位置に設けられている
請求項1記載のグラウト材充填管理システム。
【請求項7】
水底地盤に挿入された管部材の内部に配置されたトレミー管から、前記管部材の内部にグラウト材を充填するとともに、前記管部材の下端と前記水底地盤との間隙を介して前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙にグラウト材を充填するグラウト材充填方法であって、
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力と、前記管部材の内部における水面の位置と、前記管部材の外部における水面の位置とをそれぞれ検出し、
前記管部材の内部における水面と前記管部材の外部における水面との差をhとし、水底面から前記管部材の外部における水面までの距離をH1とし、水底面から前記管部材に充填されたグラウト材の圧力を検出する検出装置までの距離をH2とし、グラウト材の上端面から前記検出装置までの距離をxとし、水の密度をγwとし、グラウト材の密度をγGとし、前記管部材内部における静水圧をP0とし、グラウト材の充填作業中に前記検出装置で得られる圧力をP1とした場合に、
第1の行程において、
x=(P1-P0)/(γG-γw)
によって算出される、前記管部材に充填されたグラウト材の上端の位置xをリアルタイムに推定し、
第2の行程において、
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P1が、
P1=H1×γw+H2×γG
となるまで、前記管部材の内部、並びに、前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙に対してグラウト材を充填し、
第3の行程において、
前記管部材の内部から排水を行う排水速度をvとした場合に、
vG=(γw/γG)×v
によって算出される充填速度vGでグラウト材を充填し、
第4の行程において、
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2が
P2=H1×γw+H2×γG
となるまで前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行う、グラウト材充填管理方法。
【請求項8】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2がP2=H1×γw+H2×γGとなるまで前記管部材の内部から排水を行うことに加えて、又は、代えて、
Vw=π×(d/2)^2×hにより算出される体積Vwの水を前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行う
請求項7記載のグラウト材充填管理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水底地盤に挿入された管部材の内部に対するグラウト材の充填を管理するための技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
モルタル等の各種グラウト材を水中構造物に充填する場合、その充填量の管理が重要となる。例えば特許文献1には、圧送ポンプとケーブルシースのグラウト注入口との間に、グラウト注入圧測定用の圧力センサ、注入グラウトの単位時間当たりの流量を測定する流量計及びその時間経過に伴う積算量を測定する積算流量計を設け、これら圧力センサ、流量計及び積算流量計から時々刻々出力される測定データの時間的推移をディスプレイに表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-133395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、図5は、従来において水底地盤Gに挿入された鋼管杭等の管部材1の内部にグラウト材gを充填するときの課題を説明する図である。図5において、トレミー管(図示略)から管部材1の内部に対してグラウト材gが充填されると、管部材1の下端と水底地盤Gとの間隙W2を介して管部材1の外周面及び水底地盤の間隙W1(アニュラースペースという)に対してもグラウト材gが充填される。グラウト材gの充填前の時点において管部材1の内部には海水が存在しているから、グラウト材gの充填に伴って、管部材1の内部の水位S2は、管部材1の外部の水位S1(潮位)より高い位置となる。
【0005】
て管部材1の内外水頭差によって、トレミー管から充填されたグラウト材gのうち一定量が、矢印Aに示すように、アニュラースペースの上端から水中に流出することになる。この結果、目標量のグラウト材gの充填が完了したとしても、管部材1の内部におけるグラウト材gの天端高は、管部材1の外部(アニュラースペース)におけるグラウト材gの天端高よりも低くなり、管部材1の内部に対するグラウト材gの充填量が不十分となる。これにより、例えば管部材1の内部に充填されたグラウト材gの出来形が不足し、設計上の引抜き抵抗力を満足しない、管部材1の外部に大量のグラウト材gを流出させてしまう、グラウト材gの充填完了を潜水士による目視確認とした場合、管部材1の外部に漏れ出たグラウト材gによる濁りを原因とした視認性の低下や潜水時間の長時間化が発生する、といった諸問題が懸念される。
【0006】
そこで、本発明は、管部材の内部に対するグラウト材の充填高を推定するとともに、管部材の内部に存在する海水を排水して、グラウト材充填高さ(出来形)を確保できるように管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るグラウト材充填管理システムは、水底地盤に挿入された管部材の内部に配置されたトレミー管から、前記管部材の内部にグラウト材を充填するとともに、前記管部材の下端と前記水底地盤との間隙を介して前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙にグラウト材を充填するグラウト材充填管理システムであって、グラウト材の充填作業中に、前記管部材の内部におけるグラウト材の上端面の高さをリ アルタイムに推定する。
【0008】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力と、前記管部材の内部における水面の位置と、前記管部材の外部における水面の位置とをそれぞれ検出する検出装置を備え、前記管部材の内部における水面と前記管部材の外部における水面との差をhとし、水底面から前記管部材の外部における水面までの距離をH1とし、水底面から前記管部材に充填されたグラウト材の圧力を検出する検出装置までの距離をH2とし、グラウト材の上端面から前記検出装置までの距離をxとし、水の密度をγwとし、グラウト材の密度をγGとし、前記管部材の内部における静水圧をP0とし、グラウト材の充填作業中に前記検出装置で得られる圧力をP1とした場合に、x=(P1-P0)/(γG-γw)によって算出される、前記管部材に充填されたグラウト材の上端の位置xをリアルタイムに推定するようにしてもよい。
【0009】
前記管部材の内部から排水を行う排水装置を備え、前記圧力P1が P1=H1×γw+H2×γGとなるまで、前記管部材の内部、並びに、前記管部材の外周面及び前記水底地盤の間隙に対してグラウト材を充填し、前記管部材の内部から排水を行う排水速度をvとした場合に、vG=(γw/γG)×vによって算出される充填速度vGでグラウト材を充填し、前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2がP2=H1×γw+H2×γGとなるまで、前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行うようにしてもよい。
【0010】
前記管部材に充填されたグラウト材の圧力P2がP2=H1×γw+H2×γGとなるまで前記管部材の内部における排水およびグラウト材の追加充填を行うことに加えて、又は、代えて、Vw=π×(d/2)^2×hにより算出される体積Vwの水を前記管部材の内部から排水するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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