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公開番号
2025013510
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2024194048,2023215537
出願日
2024-11-06,2022-04-28
発明の名称
積層フィルムの分離回収方法
出願人
artience株式会社
代理人
主分類
B29B
17/02 20060101AFI20250117BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】細断面の脱離層の露出を妨げることなく、効率的に積層フィルムから樹脂基材を分離回収する方法の提供。
【解決手段】上記課題は、少なくとも樹脂基材層と脱離層とを有する積層フィルムの分離回収方法であって、下記(1)~(3)の工程を有することを特徴とする積層フィルムの分離回収方法によって解決される。
(1)積層フィルムを、冷却手段を用いて液温50℃以下にした水で冷却しながら細断し、細断物を得る細断工程
(2)前記細断物を脱離液に浸漬し、樹脂基材層を分離させる分離工程
(3)分離した樹脂基材層を回収する回収工程
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも樹脂基材層と脱離層とを有する積層フィルムの分離回収方法であって、下記(1)~(3)の工程を有することを特徴とする積層フィルムの分離回収方法。
(1)積層フィルムを、冷却手段を用いて液温50℃以下にした水で冷却しながら細断し、細断物を得る細断工程
(2)前記細断物を脱離液に浸漬し、樹脂基材層を分離させる分離工程
(3)分離した樹脂基材層を回収する回収工程
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記工程(1)と前記工程(2)の間に、下記(4)の工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルムの分離回収方法。
(4)前記細断物を水で洗浄し、微細片を取り除く洗浄ろ過工程
【請求項3】
前記工程(4)が、ろ過スクリーンを用いてろ過することを特徴とする、請求項2に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項4】
前記細断工程に用いる水の質量が、積層フィルムの質量を基準として2~500倍である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項5】
前記脱離層は、酸性基を有する化合物を含む層である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項6】
前記脱離層は、水溶性の樹脂を含む層である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項7】
前記積層フィルムが、樹脂基材層、プライマー層、及びインキ層をこの順に備える部分構造を有し、前記プライマー層が脱離層である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項8】
前記積層フィルムが、接着剤層を介して2つの樹脂基材層が積層された部分構造を有し、前記接着剤層が脱離層である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
【請求項9】
前記積層フィルムが、樹脂基材層、及びインキ層をこの順に備える部分構造を有し、前記インキ層が脱離層である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層フィルムの分離回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも樹脂基材層と、樹脂基材層に接して脱離層とを有する積層フィルムの分離回収方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトルその他のプラスチック製品は環境汚染の要因として問題となっており、廃プラスチックに対する規制は厳しくなっている。例えば、これらのプラスチック製品が海洋ゴミとして廃棄・投棄されると、海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり、海水中に浮遊する。当該プラスチックを魚類等の海洋生物が摂取すれば、生物体内中で濃縮され、当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念される。
【0003】
上記プラスチック製品としては、例えば、プラスチック基材を使用した食品包装パッケージ等が挙げられる。当該パッケージに使用される積層フィルムは、一般的に、ポリエステル(PET)基材、ナイロン(NY)基材、ポリプロピレン(PP)基材等、種々のプラスチック基材に、グラビアインキ、フレキソインキ、その他の印刷インキにより印刷層が設けられている。積層フィルムは、さらに接着剤等を介してシーラント基材と貼り合わされていてもよく、用途や内容物に応じて、多種多様な構成の積層フィルムから適宜選択され用いられる。
【0004】
プラスチック由来の環境問題を解決するための試みとして、例えば、特許文献1には、アルカリ脱離性を有する接着剤を用いることで、積層フィルムからシーラント基材を回収することが開示されている。しかしながら、このような積層フィルムの分離は、脱離層と、アルカリ溶液との接触状況の影響が大きく、脱離層がいかに積層フィルムの端面から露出しているかが重要になる。
【0005】
フィルムの分離を伴わないプラスチック廃材等のリサイクル工程で用いる細断方法として、例えば特許文献2には、固定刃と回転刃を有した細断機を用いて、回転刃と固定刃とのせん断力により乾式細断する方法が記載されている。
また、例えば特許文献3には、使用済みボトル等の廃プラスチックを、粉砕すると同時に水洗浄することで、短時間で効率的にボトル内外面の汚れを洗浄することができることが記載されている。
【0006】
積層フィルムの分離回収方法として、例えば特許文献4には、水又は洗浄剤中で積層体を破砕しながら、積層体を単層に分離するリサイクルシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2020/111226号
特開平10-137615号公報
特開2002-200433号公報
国際公開第2021/230033号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、プラスチック基材を含む積層フィルムでは、細断時の熱によりプラスチ
ック基材が融着して断面を塞ぎ、脱離層が露出しないという課題がある。したがって、特許文献2に記載の方法では、脱離層が露出せず、アルカリ溶液と接触できず、積層フィルムの分離効率が著しく低下する。
また、特許文献3に記載の方法は、PETボトルのような厚みのある廃プラスチックを再利用するための洗浄破砕を目的とするものであって、積層フィルムを細断することは記載されていない。また、特許文献3は、廃プラスチックの表面に付着した糖分等の汚れを洗浄・除去することを目的とするものであって、洗浄水の温度は、一般的に高い方が洗浄効率に優れると考えられる。さらに、特許文献3の方法は、インキ層や接着剤層等を脱離する工程、及び脱離後の基材を回収する工程を含まないため、得られるリサイクルプラスチックは機械物性が低い又は濃色のものとなり、リサイクル可能な適用範囲が限られる。
また、特許文献4に記載の方法は、破砕のせん断力により分離を行うため、分離性能を発現させるためには、破砕装置の攪拌部内での滞留時間や攪拌力を増加させる必要がある。そして、このような強力な破砕条件下においては、過剰なせん断により微細化された積層フィルムの微細片が大量に発生し水中に分散するため、以降のインキ片や洗浄液 との分離、回収が困難になるという課題がある。また、特許文献4に記載の方法では、破砕分離の際に生じるインキ片や接着剤片などが、破砕装置内や樹脂基材に付着・蓄積し、特許文献3同様に、得られるリサイクルプラスチックの品質が低下するという課題がある。さらに、特許文献4には、積層体に設けられたインキ層等の剥離除去を効率的に行うために、用いる水又は洗浄剤の液温は高い方が好ましいことが記載されている。
【0009】
すなわち、特許文献1は、積層フィルムの細断方法について詳細を記載しておらず、また、特許文献1に記載の積層フィルムを、実際のリサイクル工程を想定して、特許文献2~4に記載の従来の方法を用いて大量に細断すると、脱離層が露出せず分離されない積層フィルムが発生する、又は、細断時に発生するインキ片などが基材に付着・蓄積することによりリサイクルプラスチックの品質が低下するという課題がある。そして、冷却手段を用いて液温50℃以下に調整した水で冷却することで、細断時の断面における樹脂基材層の融着を抑制し、脱離層から効率的に剥離させるという、実用性に優れた積層フィルムの分離回収方法はいまだ報告されていない。
【0010】
すなわち本発明の目的は、細断面の脱離層の露出を妨げることなく、効率的に樹脂基材を分離回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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