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公開番号2024036815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2022141303
出願日2022-09-06
発明の名称押出成形用ダイ
出願人株式会社城北精工所
代理人個人
主分類B29C 48/31 20190101AFI20240311BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】本件出願に係る発明は、製造する樹脂フィルムや樹脂シート等の樹脂成形品の膜厚を長時間安定して高精度に制御することができると共に、長期間の使用にも耐えうる信頼性の高い押出成形用ダイを提供することを目的とする。
【解決手段】この課題を解決するために、本件出願に係る発明は、一対のブロックとモータと断熱性部材とを備え、当該断熱性部材は、当該一対のブロックのうちの一方のブロックとその一端部とが接続した、アーム部材及び連結プレートと、当該連結プレートの他端部に接続したリップ幅調整用ボルト接続部材とからなり、当該アーム部材の他端部は当該モータと接続しており、当該リップ幅調整用ボルト接続部材にはリップ幅調整用ボルトが負荷軽減部材を介して接続しており、当該断熱性部材には各々の内部に少なくとも一つのU字状冷媒通路が備わることを特徴とする押出成形用ダイを採用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂成形品の製造に用いる押出成形用ダイであって、
溶融樹脂を吐出するリップ部を先端に有する一対のブロックと、
当該リップ部のリップ幅を制御するモータと、
当該一対のブロックと当該モータとの間に配置した、当該一対のブロックから当該モータへの伝熱を遮蔽する断熱性部材とを備え、
当該断熱性部材は、当該一対のブロックのうちの一方のブロックとその一端部とが接続した、アーム部材及び連結プレートと、当該連結プレートの他端部に接続したリップ幅調整用ボルト接続部材とからなり、
当該アーム部材は、押出成形用ダイ本体において当該連結プレートよりも外側に位置し、且つその他端部は当該モータと接続しており、
当該リップ幅調整用ボルト接続部材には、当該モータと接続し、且つ当該モータの駆動力により回動可能なリップ幅調整用ボルトが、負荷軽減部材を介して接続しており、
当該断熱性部材には、各々の内部に少なくとも一つのU字状冷媒通路が備わり、
各U字状冷媒通路は、各断熱性部材をその長手方向に向かって一端部の外表面まで貫通する一対の直線状孔と、当該一端部の近傍で当該一対の直線状孔と連通しつつ、その一端又は両端が当該各断熱性部材の外表面に開口する連通穴とを備え、当該各断熱性部材の当該一端部における当該一対の直線状孔の開口部と、当該連通穴の開口部とに栓部材を装着した構成であることを特徴とする押出成形用ダイ。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
樹脂成形品の製造に用いる押出成形用ダイであって、
溶融樹脂を吐出するリップ部を先端に有する一対のブロックと、
当該リップ部のリップ幅を制御するモータと、
当該一対のブロックと当該モータとの間に配置した、当該一対のブロックから当該モータへの伝熱を遮蔽する断熱性部材とを備え、
当該断熱性部材は、当該一対のブロックのうちの一方のブロックとその一端部とが接続した、アーム部材及び連結プレートと、当該連結プレートの他端部に接続したリップ幅調整用ボルト接続部材とからなり、
当該アーム部材は、押出成形用ダイ本体において当該連結プレートよりも外側に位置し、且つその他端部は当該モータと接続しており、
当該リップ幅調整用ボルト接続部材には、当該モータと接続し、且つ当該モータの駆動力により回動可能なリップ幅調整用ボルトが、負荷軽減部材を介して接続しており、
当該断熱性部材には、各々の内部に少なくとも一つのU字状冷媒通路が備わり、
各U字状冷媒通路は、各断熱性部材に備わるプレート部をその長手方向に向かって貫通し、その一端部の外表面を突き抜けて配置したパイプ部材による一対の直線状孔と、当該一端部の近傍で当該パイプ部材と接続するU字状の配管継手とにより構成したことを特徴とする押出成形用ダイ。
【請求項3】
前記負荷軽減部材は回動ナットであり、当該回動ナットの回動外周面に対して略直交する方向に前記リップ幅調整用ボルトが貫通螺合している請求項1又は請求項2に記載の押出成形用ダイ。
【請求項4】
エアージェット冷却装置のノズル先端を前記モータの近傍に配設した請求項1又は請求項2に記載の押出成形用ダイ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本件出願に係る発明は、樹脂フィルムや樹脂シート等の樹脂成形品の製造に用いる押出成形用ダイに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、樹脂フィルムや樹脂シート等の樹脂成形品の製造に際して、押出成形用ダイ(Tダイとも称する)が用いられている。この押出成形用ダイは、供給された溶融樹脂をマニホールドを介してその幅方向に広げ、下端の対向する平面部(リップ部)の間からフィルム状に押し出す構成になっている。押し出されたフィルム状の溶融樹脂は、フィルム基材と貼り合わせた後に冷却ロール等を用いて急冷することにより、フィルム状の樹脂成形品となる。また、押し出されたフィルム状の溶融樹脂を、フィルム基材と貼り合わせずにそのまま冷却ロール等を用いて急冷すると、シート状の樹脂成形品となる。このような樹脂成形品は、主に包装や防湿等の目的で利用されるため、膜厚の均一性が求められる。
【0003】
押出成形用ダイは、製造する樹脂成形品の膜厚を均一にするために、リップ部の離間距離(リップ幅)を調整する必要がある。特許文献1には、「モータ、駆動軸、ウォーム、リップ幅調整用ボルト駆動シャフト、ウォームホイル及びクラッチを具備するTダイ用リップ幅調整装置」が開示されている。特許文献1のTダイ用リップ幅調整装置によれば、モータの駆動力を用いてリップ幅を変更できるため、樹脂成形品の膜厚の調整作業を短時間且つ高精度で、自動的に行うことが可能になる。
【0004】
しかし、特許文献1のTダイ用リップ幅調整装置では、モータをTダイの長手方向の両脇に離間配置しているものの、Tダイ本体から発せられる高熱からモータを確実に保護することはできない。そのため、モータを長時間安定して動作させることは困難であり、また、Tダイの大型化を招くことにもなる。
【0005】
この問題に対して、本発明者は、特許文献2に示すように、押出成形用ダイを構成する一対のブロックとモータとの間に断熱構造を設けることで、樹脂フィルムや樹脂シート等の樹脂成形品の膜厚を長時間安定して、均一且つ高精度に制御できることを見出した。特に、特許文献2の冷媒通路を備える断熱構造は、高熱によるモータの動作不良を抑制できる点で優れている。そして、引用文献2の押出成形用ダイは、リップ幅調整用ボルトの外周の少なくとも一部を負荷軽減部材に接触させることにより、ブロックに弾性変形を起こさせてリップ幅の拡幅又は減幅を行うアーム部材が、スムーズに回動しなくなる不具合を防止できる点においても優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-246223号公報
特開2021-70235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2の押出成形用ダイのように、単に冷媒通路を備えた断熱構造を設けただけでは、溶融樹脂を内包及び吐出する一対のブロック部分からの伝熱を効率よく遮蔽することができず、モータの性能を十分に発揮できないおそれがある。そして、押出成形用ダイの構造が複雑化する場合があることが判明した。
【0008】
そこで、本件出願に係る発明は、構造を複雑化させずに押出成形用ダイに備わる断熱構造における冷却効率の最適化を図り、製造する樹脂フィルムや樹脂シート等の樹脂成形品の膜厚を、従来よりも長時間安定して高精度に制御することができる押出成形用ダイの提供を目的とする。同時に、長期間の使用にも耐えうる信頼性の高い押出成形用ダイの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究を行った結果、以下の押出成形用ダイを採用することで上記課題を達成するに至った。
【0010】
本件出願に係る押出成形用ダイは、樹脂成形品の製造に用いる押出成形用ダイであって、溶融樹脂を吐出するリップ部を先端に有する一対のブロックと、当該リップ部のリップ幅を制御するモータと、当該一対のブロックと当該モータとの間に配置した、当該一対のブロックから当該モータへの伝熱を遮蔽する断熱性部材とを備え、当該断熱性部材は、当該一対のブロックのうちの一方のブロックとその一端部とが接続した、アーム部材及び連結プレートと、当該連結プレートの他端部に接続したリップ幅調整用ボルト接続部材とからなり、当該アーム部材は、押出成形用ダイ本体において当該連結プレートよりも外側に位置し、且つその他端部は当該モータと接続しており、当該リップ幅調整用ボルト接続部材には、当該モータと接続し、且つ当該モータの駆動力により回動可能なリップ幅調整用ボルトが、負荷軽減部材を介して接続しており、当該断熱性部材には、各々の内部に少なくとも一つのU字状冷媒通路が備わり、各U字状冷媒通路は、各断熱性部材をその長手方向に向かって一端部の外表面まで貫通する一対の直線状孔と、当該一端部の近傍で当該一対の直線状孔と連通しつつ、その一端又は両端が当該各断熱性部材の外表面に開口する連通穴とを備え、当該各断熱性部材の当該一端部における当該一対の直線状孔の開口部と、当該連通穴の開口部とに栓部材を装着した構成であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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