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公開番号2025013257
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024110311
出願日2024-07-09
発明の名称含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有する組成物、含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマー溶解液の製造方法、フッ素モノマー及び非プロトン性溶媒の混合物の製造方法、並びに含フッ素ポリマーの製造方法
出願人ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C08L 45/00 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】重合時のフッ化物イオンの発生が抑制された、含フッ素ポリマーの製造方法、含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有し、フッ化物イオン含有量が少ない組成物、フッ化物イオン含有量が少ない含フッ素ポリマー等を提供する。
【解決手段】含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)を含有する組成物であって、前記組成物はフッ化物イオンを0.01~500質量ppm含有し、前記含フッ素ポリマー(A)は、式(A1)、式(A2)、又は式(A3)で表される構成単位を主成分として含み、前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロ芳香族化合物、パーフルオロトリアルキルアミン、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロ環状エーテル、ハイドロフルオロエーテル、及び少なくとも一つの塩素原子を含むオレフィン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、組成物。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025013257000102.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">40</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)を含有する組成物であって、
前記組成物はフッ化物イオンを0.01~500質量ppm含有し、
前記含フッ素ポリマー(A)は、
式(A1)
TIFF
2025013257000057.tif
32
170
[式中、R

はフッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、
式(A2)
TIFF
2025013257000058.tif
31
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、又は
式(A3)
TIFF
2025013257000059.tif
33
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロ芳香族化合物、パーフルオロトリアルキルアミン、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロ環状エーテル、ハイドロフルオロエーテル、及び少なくとも一つの塩素原子を含むオレフィン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
組成物。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記含フッ素ポリマー(A)は、下記式(A1-1)~(A3-2)のいずれかで表される構成単位を主成分として含む、請求項1又は2に記載の組成物。
TIFF
2025013257000060.tif
40
170
【請求項4】
前記含フッ素ポリマー(A)は、式(A3-1)
TIFF
2025013257000061.tif
33
170
で表される構成単位を主成分として含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記含フッ素ポリマー(A)が、式(A3)
TIFF
2025013257000062.tif
33
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記含フッ素ポリマー(A)は前記非プロトン性溶媒(B)に溶解している、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記含フッ素ポリマー(A)が、式(A3)
TIFF
2025013257000063.tif
34
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記含フッ素ポリマー(A)は固形物又は半固形物である、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
さらに、下記式(C)で表される化合物を、組成物質量に対し0.01~10質量%含有する、請求項4に記載の組成物。
TIFF
2025013257000064.tif
30
170
【請求項8】
前記組成物が含有するフッ化物イオンの濃度が100~400質量ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記非プロトン性溶媒(B)は、CF

CF

CF

CF

OCH

及び(CF



CFCF

OCH

からなる群から選択される少なくとも1種、ヘキサフルオロベンゼン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン、パーフルオロヘキサン、CF

CH

OCF

CHF

、又は1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が含有するフッ化物イオンの濃度が100~400質量ppmであり、
前記含フッ素ポリマー(A)は、式(A3-1)
TIFF
2025013257000065.tif
33
170
で表される構成単位を主成分として含み、
前記非プロトン性溶媒(B)は、CF

CF

CF

CF

OCH

及び(CF



CFCF

OCH

からなる群から選択される少なくとも1種、ヘキサフルオロベンゼン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン、パーフルオロヘキサン、CF

CH

OCF

CHF

、又は1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタンである、請求項1に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フッ化物イオン含有量の少ない、含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有する組成物、含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマー溶解液の製造方法、フッ素モノマー及び非プロトン性溶媒の混合物の製造方法、含フッ素ポリマーの製造方法等に関する。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
エーテル性酸素原子を環構成元素として有する環状構造を有する含フッ素モノマーを重合させて、環状構造を有する構成単位を含む含フッ素ポリマーが製造されている。例えば、特許文献1では、単量体、ラジカル重合開始剤、及び有機溶媒の存在下、反応系中の水分量1000質量ppm以下で沈殿重合させる沈殿重合工程を有することを特徴とするフッ素樹脂の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-122068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1に記載された含フッ素ポリマーの製造方法では、モノマー重合時に多量のフッ化物イオンが発生し、フッ化物イオンが含フッ素ポリマー中に残存するため、製造設備の腐食や、含フッ素ポリマーの熱処理時に含フッ素ポリマーの重量を減少させるなどの問題が生じることを見出した。
本開示では、重合時のフッ化物イオンの発生が抑制された、含フッ素ポリマーの製造方法;含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有し、フッ化物イオン含有量が少ない組成物;フッ化物イオン含有量が少ない含フッ素ポリマー:その含フッ素ポリマーの製造方法;非プロトン性溶媒(B)中でのモノマーの重合により生成した含フッ素ポリマー(A)が非プロトン性溶媒(B)に溶解し、フッ化物イオン含有量が少ない液を製造する方法;含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有し、フッ化物イオン含有量が少ない混合物の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、例えば、次の態様を包含する。
項1.
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)を含有する組成物であって、
前記組成物はフッ化物イオンを0.01~500質量ppm含有し、
前記含フッ素ポリマー(A)は、
式(A1)
TIFF
2025013257000001.tif
32
170
[式中、R

はフッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、
式(A2)
TIFF
2025013257000002.tif
31
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、又は
式(A3)
TIFF
2025013257000003.tif
33
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロ芳香族化合物、パーフルオロトリアルキルアミン、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロ環状エーテル、ハイドロフルオロエーテル、及び少なくとも一つの塩素原子を含むオレフィン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
組成物。
項2.
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、項1に記載の組成物。
項3.
前記含フッ素ポリマー(A)は、下記式(A1-1)~(A3-2)のいずれかで表される構成単位を主成分として含む、項1又は2に記載の組成物。
TIFF
2025013257000004.tif
40
170
項4.
前記含フッ素ポリマー(A)は、式(A3-1)
TIFF
2025013257000005.tif
33
170
で表される構成単位を主成分として含む、項3に記載の組成物。
項5.
前記含フッ素ポリマー(A)が、式(A3)
TIFF
2025013257000006.tif
33
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記含フッ素ポリマー(A)は前記非プロトン性溶媒(B)に溶解している、
項1又は2に記載の組成物。
項6.
前記含フッ素ポリマー(A)が、式(A3)
TIFF
2025013257000007.tif
34
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記含フッ素ポリマー(A)は固形物又は半固形物である、
項1又は2に記載の組成物。
項7.
さらに、下記式(C)で表される化合物を、組成物質量に対し0.01~10質量%含有する、項4に記載の組成物。
TIFF
2025013257000008.tif
30
170
【0006】
項23.
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法であって、
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)を混合する工程を有し、
前記混合物は、フッ化物イオンを0.01~500質量ppm含有し、
前記含フッ素ポリマー(A)は、
式(A1)
TIFF
2025013257000028.tif
32
170
[式中、R

はフッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、
式(A2)
TIFF
2025013257000029.tif
31
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位、又は
式(A3)
TIFF
2025013257000030.tif
33
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される構成単位を主成分として含み、
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロ芳香族化合物、パーフルオロトリアルキルアミン、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロ環状エーテル、ハイドロフルオロエーテル、及び少なくとも一つの塩素原子を含むオレフィン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法。
項24.
前記非プロトン性溶媒(B)は、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロカーボン、及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、項23に記載の含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法。
項25.
前記含フッ素ポリマー(A)は、下記式(A1-1)~(A3-2)のいずれかで表される構成単位を主成分として含む、項23又は24に記載の含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法。
TIFF
2025013257000031.tif
40
170
項26.
前記含フッ素ポリマー(A)は、式(A3-1)
TIFF
2025013257000032.tif
33
170
で表される構成単位を主成分として含む、項25に記載の含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法。
項27.
含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物において前記含フッ素ポリマー(A)は、前記式(A3)で表される構成単位を主成分として含み、固形物又は半固形物である、項23又は24に記載の含フッ素ポリマー(A)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物の製造方法。
項28.
モノマー(M)及び非プロトン性溶媒(B)の混合物中で、前記モノマー(M)を重合させる重合工程を有する、含フッ素ポリマー(A)を製造する方法であって、
前記含フッ素ポリマー(A)は、フッ化物イオンを0.01~100質量ppm含有し、前記混合物は、フッ化物イオンを0.05~300質量ppm含有し、
前記モノマー(M)は、
式(M1)
TIFF
2025013257000033.tif
30
170
[式中、R

はフッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される化合物、
式(M2)
TIFF
2025013257000034.tif
31
170
[式中、R

~R

はそれぞれ独立して、フッ素原子、C1-C5のパーフルオロアルキル基、又はC1-C5のパーフルオロアルコキシ基を示す。]
で表される化合物、又は
式(M3)
TIFF
2025013257000035.tif
32
170
[式中、R

~R

【発明の効果】
【0007】
本開示では、重合時のフッ化物イオンの発生が抑制された、含フッ素ポリマーの製造方法、フッ化物イオン含有量が少ない、含フッ素ポリマー及び非プロトン性溶媒を含有した組成物等が提供され、フッ化物イオンによる製造設備の腐食、廃液処理のコスト増加を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の前記概要は、本開示の各々の開示された実施形態または全ての実装を記述することを意図するものではない。
本開示の後記説明は、実例の実施形態をより具体的に例示する。
本開示のいくつかの箇所では、例示を通してガイダンスが提供され、及びこの例示は、様々な組み合わせにおいて使用できる。
それぞれの場合において、例示の群は、非排他的な、及び代表的な群として機能できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられる。
【0009】
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本開示が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、特に断りのない限り、室温で実施され得る。本明細書中、室温は、10~40℃の範囲内の温度を意味することができる。
本明細書中、表記「Cn-Cm」(ここで、n、及びmは、それぞれ、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
本明細書中、化合物の表記は、当業者が特に規定しない限りは全ての立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体等)を包含することができる。
【0010】
本明細書中、特に断りのない限り、「アルキル基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を包含する。アルキル基は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることができる。
アルキル基の炭素数は、例えば、1~12、1~6、1~5、1~4、1~3、6、5、4、3、2、又は1であることができる。
アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル(例:n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(例:n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、ペンチル(例:n-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、3-ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖状又は分枝状のアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の環状のアルキル基を包含できる。
(【0011】以降は省略されています)

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