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公開番号2024175841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093884
出願日2023-06-07
発明の名称混合エステル化多糖類及びその製造方法
出願人株式会社KRI
代理人
主分類C08B 7/00 20060101AFI20241212BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 多糖類の水酸基を同時に硫酸エステル化およびアシル化反応して得られた多糖類の水酸基が硫酸エステル基とアシル基とで修飾された混合エステル化多糖類及び多糖類ナノファイバーとその製造方法の提供。
【解決手段】 本発明の混合エステル化多糖類は、多糖類の水酸基が硫酸エステル基とアシル基とで修飾された混合エステル化多糖類である。好ましくは、前記水酸基の修飾率は0.5~19mmol/gであり、硫酸エステル基/アシル基のモル比は10/90~99/1である。その製造方法は、プロトン性アミド系溶媒、一塩基カルボン酸無水物および硫酸を含む混合エステル化反応液を多糖類に浸透・膨潤させ、多糖類を硫酸エステル化と共にアシル化反応させることを特徴とする。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
多糖類の水酸基が硫酸エステル基とアシル基とで修飾された混合エステル化多糖類であることを特徴とする混合エステル化多糖類。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記水酸基の修飾率は0.3~19mmol/gであり、硫酸エステル基/アシル基のモル比は10/90~99/1であることを特徴とする請求項1に記載の混合エステル化多糖類。
【請求項3】
前記水酸基の修飾率は0.3~12.0mmol/gであり、硫酸エステル基/アシル基のモル比は10/90~99/1であり、平均繊維径が1nm ~500nmのナノファイバーであることを特徴とする請求項1に記載の混合エステル化多糖類。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の混合エステル化多糖類は、水又はDMSO、DMAc、DMF、アミド類溶媒、アルコール類およびエーテル類溶媒の何れかの1種以上の有機溶媒に分散または溶解可能であることを特徴とする混合エステル化多糖類。
【請求項5】
下記式(1)に示すプロトン性アミド系溶媒、一塩基カルボン酸無水物および硫酸を含む混合エステル化反応液を多糖類に浸透・膨潤させ、多糖類を硫酸エステル化と共にアシル化反応させることを含むことを特徴とする混合エステル化多糖類の製造方法。
R1-C(=O)―NH(R2) (1)
(式中、R1とR2はプロトン又は炭素数1~3のアルキル基を表わす。R1とR2は同じ又は異なる。)
【請求項6】
前記プロトン性アミド系溶媒が、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、アセトアミド及びN-メチルアセトアミドのいずれかの1種以上である請求項5に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。
【請求項7】
前記の混合エステル化反応液における、一塩基カルボン酸無水物の濃度は、0.1~50重量%であり、硫酸の濃度は、0.1~50重量%であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。
【請求項8】
前記の混合エステル化反応液における、一塩基カルボン酸無水物の濃度は、0.1~25重量%であり、硫酸の濃度は、0.1~20重量%であり、混合エステル化多糖類は、平均繊維径が1nm~500nmのナノファイバーであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、混合エステル化多糖類及び混合エステル化多糖類ナノファイバー及び、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
本出願人は、一塩基カルボン酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等)を反応化剤または触媒とした解繊溶液を用いて製造する修飾セルロースナノファイバーに関する発明を多数特許出願している。
例えば、有機媒体への分散性が良好な疎水性を有する一塩基カルボン酸で修飾したセルロースナノファイバーに関する発明として、ドナー数26以上の非プロトン性溶媒に塩基触媒または有機酸触媒と反応化剤である一塩基カルボン酸無水物を含む解繊溶液によって、一塩基カルボン酸でエステル化修飾されたセルロースナノファイバーを得る発明(特許文献1)、ギ酸または高濃度ギ酸水溶液と反応化剤である一塩基カルボン酸無水物を含む解繊溶液によって、一塩基カルボン酸でエステル化修飾されたセルロースナノファイバーを得る発明(特許文献2)があげられる。
また、水に容易に分散する親水性を有する硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーに関する発明として、ジメチルスルホキシドに触媒として一塩基カルボン酸無水物と反応化剤として硫酸を含む解繊溶液によって、硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーを得る発明(特許文献3)がある。
また、硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーと同じ水に容易に分散する親水性ジカルボン酸モノエステル化セルロースナノファイバーに関する発明がとして、プロトン性アミド系溶媒とジカルボン酸無水物を含む溶液によって、ジカルボン酸モノエステル化セルロースナノファイバーを得る発明(特許文献4)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017/073700号
国際公開第2017/208600号
国際公開第2018/131721号
特願2020-134492号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、多糖類を同時に硫酸エステル化とアシル化をすることにより、多糖類の水酸基が硫酸エステル基とアシル基とで修飾された混合エステル化多糖類及び多糖類ナノファイバーとその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、多糖類を予備処理することなく、混合エステル化多糖類の製造方法を見出し、混合エステル化多糖類を得ることに成功した。
【0006】
すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
[1] 多糖類の水酸基が硫酸エステル基とアシル基とで修飾された混合エステル化多糖類であることを特徴とする混合エステル化多糖類。
[2] 前記水酸基の修飾率は0.3~19mmol/gであり、硫酸エステル基/アシル基のモル比は10/90~99/1であることを特徴とする前記[1]請求項1に記載の混合エステル化多糖類。
[3] 前記水酸基の修飾率は0.3~12.0mmol/gであり、硫酸エステル基/アシル基のモル比は10/90~99/1であり、平均繊維径が1nm ~500nmのナノファイバーであることを特徴とする前記[1]に記載の混合エステル化多糖類。
[4] 前記[1]~前記[3]のいずれかに記載の混合エステル化多糖類は、水又はDMSO、DMAc、DMF、アミド類溶媒、アルコール類およびエーテル類溶媒の何れかの1種以上の有機溶媒に分散または溶解可能であることを特徴とする混合エステル化多糖類。
[5] 下記式(1)に示すプロトン性アミド系溶媒、一塩基カルボン酸無水物および硫酸を含む混合エステル化反応液を多糖類に浸透・膨潤させ、多糖類を硫酸エステル化と共にアシル化反応させることを含むことを特徴とする混合エステル化多糖類の製造方法。
R1-C(=O)―NH(R2) (1)
(式中、R1とR2はプロトン又は炭素数1~3のアルキル基を表わす。R1とR2は同じ又は異なる。)
[6] 前記プロトン性アミド系溶媒が、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、アセトアミド及びN-メチルアセトアミドのいずれかの1種以上である前記[5]に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。
[7] 前記の混合エステル化反応液における、一塩基カルボン酸無水物の濃度は、0.1~50重量%であり、硫酸の濃度は、0.1~50重量%であることを特徴とする請求項5または前記[6]に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。
[8] 前記の混合エステル化反応液における、一塩基カルボン酸無水物の濃度は、0.1~25重量%であり、硫酸の濃度は、0.1~20重量%であり、混合エステル化多糖類は、平均繊維径が1nm~500nmのナノファイバーであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の混合エステル化多糖類の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方方法によると、硫酸エステル化とアシル化混合エステル化多糖類を一回の反応により合成することができる。
本発明の製造方法は、室温でも反応が起こるが、加熱すると硫酸エステル又はアシル化反応が促進されて、反応時間を短縮することが可能である。
【0008】
本発明の製造方法は、反応溶液(解繊溶液)がプロトン性アミド系溶媒と硫酸と一塩基カルボン酸無水物を含む反応溶液であり、副反応が少なくセルロース、キチン又はキトサンなどの多糖類への浸透性と膨潤性に優れ、室温近傍な温度範囲で多糖類を硫酸エステル化とアシル化を同時に修飾して混合エステル化多糖類を製造することができる。さらに、一塩基カルボン酸無水物の濃度と硫酸の濃度を一定な範囲内に制御することにより、多糖類の結晶構造を維持して硫酸エステル化とアシル化を同時に修飾して混合エステル化多糖類ナノファイアバーを製造することができる。
【0009】
本発明の反応溶液は、多糖類フィブリル間に浸透して多糖類フィブリルの表面の水酸基を硫酸エステルおよびカルボン酸エステル化修飾した後、静電反発とせん断力を加えることにより混合エステル化多糖類ナノファイバーを製造することができる。
【0010】
本発明の混合エステル化多糖類ナノファイバーは、CNFの平均繊維径が小さく、繊維径の分布が狭いため、透明性が高い。また、親水性の硫酸基と疎水性のアシル基を持つため様々な有機溶媒や樹脂に分散できる、補強材として樹脂と複合化される際に補強することと樹脂の透明性を担保することを両立できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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