TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025006695
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023107658
出願日2023-06-30
発明の名称液体アンモニアの充填方法、アンモニア充填貯蔵システム及び供給回収機器
出願人株式会社KRI
代理人
主分類F17C 11/00 20060101AFI20250109BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】例えば、常温で使用される燃料タンクに液体アンモニアを充填する場合に、例え、耐圧が0.3MPa以下の燃料タンクを採用したとしても、障害なく運用できるアンモニアの充填方法を得る。
【解決手段】液体燃料供給設備Sから第二燃料タンクT2への液体アンモニアalの充填に際して、確立された回収路RRを介して、第二燃料タンクT2からのアンモニアガスagの放出により第二燃料タンクT2を冷却して、温度を、第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程とを実行する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
液体アンモニアを冷却して保存する第一燃料タンクと前記第一燃料タンクから液体アンモニアを供給する供給装置とを備えた液体燃料供給設備と、
アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア吸蔵材が混合された状態で液体アンモニアを貯蔵するタンクであって、前記液体燃料供給設備から液体アンモニアを受け入れる受け入れ口と、アンモニアを払い出す払い出し口とを備えた第二燃料タンクとで構成されるアンモニア充填貯蔵システムにおける液体アンモニアの充填方法であって、
液体アンモニアを前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクに供給する供給路と、
前記第二燃料タンクからアンモニアを放出する放出路を確立するとともに、
前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクへの液体アンモニアの充填に際して、
確立された前記放出路を介して、前記第二燃料タンクからのアンモニアガスの放出により前記第二燃料タンクを冷却して、前記第二燃料タンク内の温度を、前記第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程とを実行する液体アンモニアの充填方法。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
液体アンモニアを冷却して保存する第一燃料タンクと前記第一燃料タンクから液体アンモニアを供給する供給装置とを備えた液体燃料供給設備と、
アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア吸蔵材が混合された状態で液体アンモニアを貯蔵するタンクであって、前記液体燃料供給設備から液体アンモニアを受け入れる受け入れ口と、アンモニアを払い出す払い出し口とを備えた第二燃料タンクとで構成されるアンモニア充填貯蔵システムにおける液体アンモニアの充填方法であって、
液体アンモニアを前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクに供給する供給路と、
前記第二燃料タンクからアンモニアを前記液体燃料供給設備に回収する回収路を確立するとともに、
前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクへの液体アンモニアの充填に際して、
確立された前記回収路を介して、前記第二燃料タンクからのアンモニアガスの放出により前記第二燃料タンクを冷却して、前記第二燃料タンク内の温度を、前記第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程とを実行する液体アンモニアの充填方法。
【請求項3】
前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記第二燃料タンク内の圧力を前記第二燃料タンクに設定される耐圧以下に調節する請求項1または2記載の液体アンモニアの充填方法。
【請求項4】
前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記第一工程において、前記回収路を介してアンモニアガスを前記液体燃料供給設備に吸引回収する請求項2記載の液体アンモニアの充填方法。
【請求項5】
前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記供給路を介する液体アンモニアの充填に対して、前記回収路を介するアンモニアガスの放出を先行して行う請求項2又は4記載の液体アンモニアの充填方法。
【請求項6】
液体アンモニアを冷却して保存する第一燃料タンクと前記第一燃料タンクから液体アンモニアを供給する供給装置とを備えた液体燃料供給設備と、
アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア吸蔵材が混合された状態で液体アンモニアを貯蔵するタンクであって、前記液体燃料供給設備から液体アンモニアを受け入れる受け入れ口と、アンモニアを払い出す払い出し口とを備えた第二燃料タンクとで構成されるアンモニア充填貯蔵システムであって、
液体アンモニアを前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクに供給する供給路と、
前記第二燃料タンクからアンモニアを放出する放出路とを確立可能に構成され、
前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクへの液体アンモニアの充填に際して、
確立された前記放出路を介して、前記第二燃料タンクからのアンモニアガスの放出により前記第二燃料タンクを冷却して、前記第二燃料タンク内の温度を、前記第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程を実行する冷却制御手段と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程を実行する充填制御手段を備えたアンモニア充填貯蔵システム。
【請求項7】
液体アンモニアを冷却して保存する第一燃料タンクと前記第一燃料タンクから液体アンモニアを供給する供給装置とを備えた液体燃料供給設備と、
アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア吸蔵材が混合された状態で液体アンモニアを貯蔵するタンクであって、前記液体燃料供給設備から液体アンモニアを受け入れる受け入れ口と、アンモニアを払い出す払い出し口とを備えた第二燃料タンクとて構成されるアンモニア充填貯蔵システムであって、
液体アンモニアを前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクに供給する供給路と、
前記第二燃料タンクからアンモニアを前記液体燃料供給設備に回収する回収路とを確立可能に構成され、
前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクへの液体アンモニアの充填に際して、
確立された前記回収路を介して、前記第二燃料タンクからのアンモニアガスの放出により前記第二燃料タンクを冷却して、前記第二燃料タンク内の温度を、前記第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程を実行する冷却制御手段と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程を実行する充填制御手段を備えるアンモニア充填貯蔵システム。
【請求項8】
前記冷却制御手段が、前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記第二燃料タンク内の圧力を前記第二燃料タンクに設定される耐圧以下に調節する弁機構からなる請求項6又は7記載のアンモニア充填貯蔵システム。
【請求項9】
前記冷却制御手段が、前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記第一工程において、前記回収路を介してアンモニアガスを前記液体燃料供給設備に吸引回収する吸引回収手段である請求項7記載のアンモニア充填貯蔵システム。
【請求項10】
前記冷却制御手段が、前記供給路を介する液体アンモニアの充填に際して、前記供給路を介する液体アンモニアの充填に対して、前記回収路を介するアンモニアガスの放出を先行して行う回収供給タイミング調整手段である請求項7または9記載のアンモニア充填貯蔵システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、アンモニアを燃料とする自動車に備える燃料タンクに液体アンモニアを充填する方法に関するとともに、アンモニアを液体アンモニアの形態で貯蔵する燃料ステーション(本発明の液体燃料設備に相当する)から前記燃料タンクに液体アンモニアを充填して、アンモニアを前記燃料タンクで貯蔵する場合に構築すべきアンモニア充填貯蔵システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
アンモニアを燃料として直接電力を得る技術が注目されている(特許文献1、2)。この技術においては、アンモニアから水素を得て燃料電池にて発電を行い、その電力を利用する。この種の用途として、燃料電池により供給される電力を利用する燃料電池自動車が良く知られている。アンモニアを燃料とする場合、CO

の発生がなく、燃料電池の電極に炭素デポジットを生成することもないという利点がある。
【0003】
一方、アンモニアの貯蔵に関して、アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア貯蔵材を使用することも提案されている(特許文献3)。この種のアンモニア貯蔵材を使用することにより、アンモニアを液体状態で且つ比較的小容量のタンクで貯蔵することができる。
【0004】
アンモニア吸蔵材の使用形態として、発明者等はアンモニア吸蔵材/液体アンモニアの量比を異ならせ、これら2種液の沸点を調整することによりアンモニアを貯蔵するとともに、適切な状態として供給するシステムを提案している(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-204416号公報
特開2011―204418号公報
特開2014―043359号公報
特開2021-022501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで開発されてきた技術は、燃料タンクの温度が常温(23℃程度、-10℃程度~35℃程度まで変化する)にある場合に、安定して液体アンモニアを貯蔵することを目的としていた。
一方、燃料タンクの耐圧は高圧ガス保安法適応外の0.3MPa以下とすることが好ましい。この耐圧0.3MPaは所謂絶対圧であり、ゲージ圧では0.2MPaとなる。この様に燃料タンクの耐圧を高圧ガス保安法適応外とすることで、燃料タンクの形状の選択性も各段に向上できる。
【0007】
しかしながら、アンモニアを対象とする場合、燃料ステーションでは液体アンモニアを極低温(例えば-40℃程度)で貯蔵して、この状態で例えば車載燃料タンクに供給することが想定される。ここで、上記燃料ステーションから、常温の燃料タンクに液体アンモニアを供給して充填しようとすると液体アンモニアが突沸を起こし、燃料タンク内の内圧が急激に上昇する。この要因から、従来、燃料タンクとしては高圧ガス保安法適応を受ける燃料タンクが使用されている。例えば、タンクローリーに備えられるアンモニア搬送用のタンクがこれに該当する。従って、これまでは、例えばアンモニアを燃料とする自動車においても、所謂高圧容器が必要ではないかと考えられてきた。
【0008】
さらに、冷却装置を備えない燃料タンクでは、夏場に、その温度が35℃程度まで上昇する。この状況で、上述のアンモニア吸蔵材が混合された燃料タンクに対して、どのように液体アンモニアを充填し、アンモニアを貯蔵するのが好ましいか(この貯蔵状態では、アンモニアはアンモニア吸蔵材に吸蔵された液で貯蔵される)に関して、未だ確たる技術は確立されていない。
【0009】
本発明の目的は、例えば、常温で使用される燃料タンクに液体アンモニアを充填する場合に、その充填過程さらに充填後の貯蔵状態において、例え耐圧が0.3MPaの燃料タンクを採用したとしても、障害なく充填・貯蔵をおこなえるアンモニアの充填方法、さらにはこの方法を実施するアンモニア充填貯蔵システムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1特徴構成は、
液体アンモニアを冷却して保存する第一燃料タンクと前記第一燃料タンクから液体アンモニアを供給する供給装置とを備えた液体燃料供給設備と、
アンモニアを吸蔵して液体となるアンモニア吸蔵材が混合された状態で液体アンモニアを貯蔵するタンクであって、前記液体燃料供給設備から液体アンモニアを受け入れる受け入れ口と、アンモニアを払い出す払い出し口とを備えた第二燃料タンクとで構成されるアンモニア充填貯蔵システムにおける液体アンモニアの充填方法であって、
液体アンモニアを前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクに供給する供給路と、
前記第二燃料タンクからアンモニアを放出する放出路を確立するとともに、
前記液体燃料供給設備から前記第二燃料タンクへの液体アンモニアの充填に際して、
確立された前記放出路を介して、前記第二燃料タンクからのアンモニアガスの放出により前記第二燃料タンクを冷却して、前記第二燃料タンク内の温度を、前記第二燃料タンクの耐圧においてアンモニアが液相を保つ温度である冷却制御停止温度以下とする第一工程と、当該第一工程に引続いて充填を継続して充填を完了する第二工程とを実行する点にある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社KRI
ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバー
1か月前
サムテック株式会社
蓄圧器ラック
5か月前
個人
高齢者用スプレー缶残留ガス抜き具
5か月前
大阪瓦斯株式会社
ガス監視システム
5か月前
有限会社 両国設備
液体容器の加熱器
3か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク
5か月前
川崎重工業株式会社
平底円筒タンク
5か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク
6か月前
株式会社ハイドロネクスト
水素活用システム
6か月前
株式会社神戸製鋼所
ガス供給システム
2か月前
株式会社三井E&S
燃料供給装置
4か月前
大日本印刷株式会社
ガス充填容器
1か月前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
3か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
6か月前
川崎重工業株式会社
液化ガス貯蔵タンク
1か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
1か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
1か月前
那須電機鉄工株式会社
水素吸蔵合金タンク
1か月前
本田技研工業株式会社
タンクユニット
5か月前
トヨタ自動車株式会社
水素供給装置
6か月前
イビデンケミカル 株式会社
水素貯蔵容器
4か月前
株式会社タツノ
充填ノズル
3か月前
豊田合成株式会社
圧力容器
4か月前
豊田合成株式会社
圧力容器
4か月前
トヨタ自動車株式会社
ガス供給システム
3か月前
清水建設株式会社
水素貯蔵供給システム
5日前
トヨタ自動車株式会社
タンクの保持構造
4か月前
川崎重工業株式会社
再液化装置
1か月前
株式会社FTS
圧力容器
6か月前
トヨタ自動車株式会社
タンク支持構造体
5か月前
豊田合成株式会社
ガス貯留装置
5か月前
エア・ウォーター株式会社
供給設備
5か月前
鹿島建設株式会社
水素供給システム
11日前
鹿島建設株式会社
水素吸蔵システム
5か月前
DOWAエコシステム株式会社
容器の廃棄処理方法
1か月前
鹿島建設株式会社
水素吸蔵システム
11日前
続きを見る