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公開番号2025013524
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024194288,2020134492
出願日2024-11-06,2020-08-07
発明の名称ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバー
出願人株式会社KRI
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C08B 3/12 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
プロトン性アミド系溶媒を用いたジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバー(CNF)を製造する方法及び繊維径3~10nmのシングルCNFを主成分とするジカルボン酸モノエステル化修飾CNFの集合体の提供。
【解決手段】
本発明のジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースの製造方法は、ジカルボン酸無水物と下記式(1)に示すプロトン性アミド系溶媒を含む反応溶液をセルロースのフィブリル間に浸透させて、セルロースフィブリル表面の水酸基をエステル化反応して化学解繊することを特徴とする。
R1-C(=O)―NH(R2) (1)
(式中、R1とR2はプロトン又は炭素数1~3のアルキル基を表わす。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維径3~100nmのジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、前記集合体を構成するセルロースナノファイバーが、セルロースIβ結晶構造を有し、ジカルボン酸モノエステル基の平均置換度が0.1~1.0であり、前記集合体の0.3重量%の水分散液の可視光透過率が65%以上であることを特徴とするジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、
前記集合体の0.3重量%の水分散液の可視光透過率が93%以上である、請求項1に記載のジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。
【請求項3】
繊維径3~100nmのジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、前記集合体を構成するセルロースナノファイバーが、セルロースIβ結晶構造を有し、ジカルボン酸モノエステル基の平均置換度が0.1~1.0であり、前記集合体を構成する繊維径3~100nmのシングルセルロースナノファイバーの本数含有率が98%以上であることを特徴とするジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。
【請求項4】
ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、
前記集合体を構成する前記シングルセルロースナノファイバーの平均繊維長が200nm以上、1000nm未満であることを特徴とする請求項1又は3に記載のジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。
【請求項5】
ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、
前記集合体を構成するセルロースナノファイバーの結晶化度が40~68%である、請求項1又は3に記載のジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。
【請求項6】
ジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体であって、
前記集合体のジカルボン酸モノエステル基の平均置換度が0.36~1.0である、請求項1又は3に記載のジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの集合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
新規溶媒の反応溶液によるジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーの製造方法及びシングルセルロースナノファイバーのジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーを提供する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
セルロース繊維は植物細胞壁の約40%を占めて、地球上最も豊富な有機資源である。優れた弾性率・強度・寸法安定性を持つことに加え、環境にやさしいため、石油に由来するプラスチックの代替として高く期待されている。
【0003】
セルロースは、β-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子である。セルロース繊維は、セルロース分子鎖、エレメンタリフィブリル(幅3~10nm程度)、ミクロフィブリル(幅20~50nm)、フィブリル(幅数百nm)、ラメラ等の構造的段階を経て形成される。
セルロースナノファイバーには,製造方法によって,もっとも基本となる単位である幅3~10nmのエレメンタリフィブリルフィブリル(シングルセルロースナノファイバー又は単繊維)、それが数本のゆるやかな束となって細胞壁中での基本単位として存在する幅20~50nmのセルロースミクロフィブリル束(セルロースナノファイバー)、ミクロフィブリル束がさらに数十~数百nmの束となりクモの巣状のネットワークを形成しているミクロフィブリル化セルロース(MFC)などがある。
即ち、セルロース繊維をミクロフィブリルまで微細に解すと幅数十nmの通常概念のセルロースナノファイバー(CNF、以下セルロースナノファイバーを「CNF」と略記する場合がある。)になる。さらに、エレメンタリフィブリルまで解すと幅数nmのシングルセルロースナノファイバー(シングルCNF)になる。
【0004】
セルロースナノファイバーは、製造方法により無修飾CNF、アシル化修飾CNF及びジカルボン酸修飾CNFなどのアニオン性CNFなどが開発されている。
ジカルボン酸修飾CNFについては、無溶媒法(非特許文献1)と溶媒法(特許文献1、特許文献2)がこれまでに知られている。
【0005】
しかし、無溶媒法ではジカルボン酸無水物がセルロースフィブリル間に浸透し難いため、得られたCNFの解繊度合と修飾基分布の均一性が低い。また、無触媒且つ高温のため、ジカルボン酸モノエステル化だけでなくジカルボン酸ジエステルも形成し、フィブリル間の架橋になる恐れがある。
【0006】
一方、溶媒法の特許文献1及び2では、触媒とジカルボン酸無水物の解繊液(請求項1)又は、触媒とジカルボン酸無水物と非プロトン性溶媒を含む解繊液(請求項3)をセルロースに浸透、反応させることによりセルロースを修飾して化学解繊するジカルボン酸修飾CNFが記載されている。しかし、特許文献1の実施例の表1に示されるように解繊度合が◎で示される良好な解繊を行うには、溶媒を兼ねているピリジンを触媒として無水コハク酸又はフタル酸無水物との混合液を用いた場合(実施例1~3)、ピリジンと溶媒(DMAc、DMSO等)と無水コハク酸等のジカルボン酸(実施例4~6、10)を用いた場合の両方とも反応時間は24時間以上を要している。
【0007】
特許文献1及び2に示されている解繊液の溶媒は、触媒を兼ねた溶媒であるピリジンを含めドナー数25以上の非プロトン性溶媒であり、それぞれ以下の問題点があった。
ピリジンは、沸点が低く、引火性の強い溶剤であり、高い毒性と独特の強い臭気があり人体及び環境に有害な溶剤でその取扱いが難しいという問題点がある。ピリジン以外の非プロトン性溶媒は、塩基性触媒との組み合わせで用いると加温によりセルロースとの間で副反応が生じ、セルロース及び溶媒が変色し加温できず反応時間の短縮ができないという問題があった。また、DMSO以外の非プロトン性溶媒の解繊液は、はセルロースへの浸透性が低いという問題もあった。
さらに、特許文献1及び2では、ジカルボン酸修飾セルロースナノファイバーのシングルシングルセルロースナノファイバーは得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-082188号公報
特開2017-190437号公報
【非特許文献】
【0009】
Chem.Soc.Rev.,2011,10,3941-3994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、溶媒としてプロトン性アミド系溶媒を用いることにより、無触媒で、好ましくは塩基触媒を添加して、ジカルボン酸無水物をセルロースに反応させてジカルボン酸モノエステル化修飾セルロースナノファイバーを製造する方法を提供することである。
そして、本発明は、ジカルボン酸モノエステル化修飾シングルセルロースナノファイバーを主成分とするセルロースナノファイバーの集合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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