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公開番号2025013240
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024108952
出願日2024-07-05
発明の名称液晶ポリエステル系樹脂組成物、該組成物を用いた液晶ポリエステル系フィルム、該フィルムを用いた金属ラミネートフィルム、回路基板
出願人大倉工業株式会社
代理人
主分類C08L 67/03 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】インフレーション押出成形法等の押出成形においてフィルムの弛みやシワの発生を抑制するとともに、安定的なフィルムの製膜が可能な機械的特性、電気的特性、耐熱性に優れる液晶ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性液晶ポリエステル(A)と非晶性コポリエステル(B)とを含む液晶ポリエステル系樹脂組成物であって、非晶性コポリエステル(B)は、ガラス転移温度が90℃以上200℃以下であり、熱可塑性液晶ポリエステル(A)と非晶性コポリエステルとの配合割合が(A):(B)=50~99重量%:1~50重量%であることを特徴とする液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性液晶ポリエステル(A)と非晶性コポリエステル(B)とを含む液晶ポリエステル系樹脂組成物であって、前記非晶性コポリエステル(B)は、ガラス転移温度が80℃以上200℃以下であり、前記熱可塑性液晶ポリエステル(A)と前記非晶性コポリエステルとの配合割合が(A):(B)=50~99.5重量%:0.5~50重量%であることを特徴とする液晶ポリエステル系樹脂組成物。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記熱可塑性液晶ポリエステル(A)は、p-ヒドロキシ安息香酸に由来する構成単位、及び6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記非晶性コポリエステル(B)は、テレフタル酸系モノマー由来の構成単位と、1,4-シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位とを含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記非晶性コポリエステル(B)は、テレフタル酸系モノマー由来の構成単位と、1,4-シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位と、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール由来の構成単位とを含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性液晶ポリエステル(A)は、融点が250℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項6】
前記樹脂組成物がインフレーション押出成形用であることを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の樹脂組成物からなることを特徴とする液晶ポリエステル系フィルム。
【請求項8】
請求項7に記載の液晶ポリエステル系フィルムの片面又は両面に金属層がラミネートされていることを特徴とする金属ラミネートフィルム。
【請求項9】
少なくとも1つの導体層と、請求項7に記載の液晶ポリエステル系フィルムとを備える回路基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性液晶ポリエステルを主成分とする液晶ポリエステル系樹脂組成物に関する。また、該樹脂組成物を用いた液晶ポリエステル系フィルム、及び該フィルムを用いた金属ラミネートフィルム、回路基板に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子・電気分野では機器の小型化・軽量化に対する要求が強まっており、電気的特性や機械的特性等に優れた絶縁用フィルムが求められている。しかし、従来の絶縁用フィルムの原料であるポリイミドやポリエチレンテレフタレート等では、高周波領域での電気的特性が不十分であるとともに、吸湿性が高いことに起因して電気的特性が悪化することや大きな寸法変化を生じる問題があり、上記の要求を満たすフィルムの実現が困難である。
【0003】
熱可塑性液晶ポリエステルは、耐熱性、剛性等の機械物性、耐薬品性、寸法精度等に優れるとともに、高周波領域(GHz帯)での電気特性(低誘電率、低誘電正接)に優れ、回路での伝送損失が少ないなどの特徴から、フレキシブルプリント配線(FPC)基板等の材料として注目されている。
【0004】
熱可塑性液晶ポリエステルは、種々の押出成形法によりフィルムを製膜することが可能である。しかしながら、Tダイ押出成形法により製膜したフィルムは、剛直な分子構造を有する熱可塑性液晶ポリエステルが溶融状態で流動方向に分子が配向し易いという性質から、引き取り方向(MD方向)とこれに直交する方向(TD方向)で分子鎖の配向に異方性を示すため、分子鎖の配向が等方性の熱可塑性液晶ポリエステルフィルムを得ることが困難である。
【0005】
これに対して、インフレーション押出成形法は、環状ダイスから押し出された溶融状態の熱可塑性液晶ポリエステルをMDとTDの2方向に延伸することが可能であるため、ブロー比を適宜調整し、分子鎖の配向を制御することにより等方性の熱可塑性液晶ポリエステルフィルムが得られやすい。
【0006】
しかしながら、熱可塑性液晶ポリエステルは、溶融粘度がせん断応力や温度に大きく依存し、せん断応力や温度の僅かな上昇により溶融粘度が著しく低下する特徴を有するため、インフレーション押出成形法により熱可塑性液晶ポリエステルを溶融押出しする際、ダイス部分で発生するせん断応力や温度上昇によって溶融粘度が急激に低下してバブルの形状を保つことが困難となることがあり、フィルムを安定的に製膜することが難しいという問題がある。
【0007】
特許文献1は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(熱可塑性液晶ポリマー)と、非晶性ポリマーとからなるポリマーアロイに関する発明であり、熱可塑性液晶ポリマーにポリアリレート樹脂を配合することにより、インフレーション法における製膜安定性を改良できること、詳しくは環状ダイから押出されたバブルの横揺れが防止され、変位量が小さくなり、安定した製膜が維持されることが記載されている。
【0008】
特許文献2は、液晶ポリマーとポリアリレート樹脂とを含有する液晶ポリマー組成物に関する発明であり、液晶ポリマーにポリアリレート樹脂を配合することにより、溶融張力が向上し、押出成形における製膜性に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2000-290512
特開2020-193261
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、熱可塑性液晶ポリエステルは、引張弾性率が高く、破断伸度が小さいため、剛直性が高く、インフレーション押出成形法にて製膜した際、フィルムにシワや弛みが発生し、平滑なフィルムが得られにくいという問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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