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公開番号
2025013109
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023202942,2023116068
出願日
2023-11-30,2023-07-14
発明の名称
電極材料、電解コンデンサ用陰極箔、及び電解コンデンサ
出願人
日本蓄電器工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01G
9/042 20060101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】固体電解質との密着性、界面の接触抵抗、固体電解質及び電解液の保持性、固体電解質、電解液及び水分に対する耐劣化性、容量成分(合成容量を発現しないか合成容量が低い)、薄手化、低コスト、巻きずれに関する課題のうち少なくとも1つを解決した、電解コンデンサ用陰極箔等に用いることができる電極材料等の実現。
【解決手段】平滑基材上に、酸化物層、表層側に凹凸部分を有する金属及び/又は金属化合物を含む第1の導電層、第1の導電層を構成する物質と第2の導電層を構成する物質とが混在してなる混在層、カーボンを含む第2の導電層とをこの順に有し、第1の導電層を構成する金属元素の原子と炭素原子との結合を5%以上含有し、サイクリックボルタモグラムの最大電流値を利用した拡面倍率が6.5倍以上であり、第2の導電層中のカーボンのGバンドピーク半値幅が黒鉛結晶の3.8倍以上である、電極材料を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
平滑基材上に、酸化物層を有し、さらに前記酸化物層の上に無機導電層を有し、
前記無機導電層は、金属及び/又は金属化合物を含む第1の導電層と、カーボンを含む第2の導電層とを有し、
前記第1の導電層は、その表層側に凹凸部分を有し、
前記第2の導電層は、前記無機導電層の最外層に位置し、
前記第1の導電層と前記第2の導電層の間に、前記第1の導電層を構成する物質と前記第2の導電層を構成する物質とが混在してなる混在層が形成されてなり、
前記混在層の成分が、実質的に前記第1の導電層を構成する物質のみを含む成分から実質的に前記第2の導電層を構成する物質のみを含む成分へと、前記第1の導電層から前記第2の導電層へと向かうにつれて変化するよう構成されている、電極材料であって、
掃引範囲±0.3VvsPt、掃引速度500mV/sec、電解液30℃、参照極Pt、対極ステンレス、作用極を前記電極材料とした条件でのサイクリックボルタンメトリー法により得られるサイクリックボルタモグラムの電流値の最大値が、前記条件のうち作用極を前記平滑基材とした場合のサイクリックボルタモグラムの電流値の最大値の6.5倍以上である、
電極材料。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
XPS(X線光電子分光法)により前記第2の導電層の表層から深さ方向に対して各C結合状態の存在量を分析した場合に、C1sスペクトルによる前記各C結合状態の存在量の合計に対する、前記第1の導電層を構成する金属元素の原子と炭素原子との結合の存在量の割合が5%以上である、
請求項1に記載の電極材料。
【請求項3】
ラマン分光法によるラマンスペクトルにおいてピーク分離することで得られるGバンドピークの半値幅について、前記第2の導電層に含まれるカーボンの前記半値幅が黒鉛結晶の前記半値幅に対して3.8倍以上である、
請求項2に記載の電極材料。
【請求項4】
前記第1の導電層を構成する物質と前記第2の導電層を構成する物質とが互いに異なる、請求項3に記載の電極材料。
【請求項5】
前記平滑基材と前記第1の導電層とは互いに異なる物質から構成される、請求項3又は4に記載の電極材料。
【請求項6】
前記第2の導電層は実質的にカーボンからなる、請求項3又は4に記載の電極材料。
【請求項7】
前記無機導電層は、前記金属及び/又は金属化合物が緻密に存在する緻密層を更に有し、前記緻密層は前記酸化物層と前記第1の導電層との間に形成されている、請求項3又は4に記載の電極材料。
【請求項8】
前記無機導電層のうち前記第1の導電層と前記第2の導電層の両方、または少なくとも前記第1の導電層が粒子堆積層からなり、前記第1の導電層はチタン、アルミニウム、それらの窒化物、酸化物、酸窒化物、炭化物、炭窒化物のうちの少なくとも一種を含む請求項3又は4に記載の電極材料。
【請求項9】
前記酸化物層はリンを含む酸化物層である、請求項3又は4に記載の電極材料。
【請求項10】
前記平滑基材がアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む、請求項3又は4に記載の電極材料。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料、特に、固体電解コンデンサ、ハイブリッドコンデンサ等の電解コンデンサに用いることができる電解コンデンサ用陰極箔、及び電解コンデンサに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ハイブリッドコンデンサの陰極に要求される機能、特性としては、
(i)固体電解質との密着性がよく、界面の接触抵抗が低抵抗であること。
(ii)固体電解質、電解液を保持するための層(幾何学的構造・表面修飾)があること。
(iii)固体電解質、化学重合薬液、電解液、水分による劣化への耐性があること。
(iv)容量成分を持たないか、或いは容量成分が低く、低抵抗な導体として振舞うこと。
(v)薄手化が実現可能なこと。
(vi)低コストであること。
などが挙げられ、上記(ii),(iii)のうち電解液との相性を除けば、これらは固体電解コンデンサ用の陰極に於いても極めて重要な機能、特性といえる。
【0003】
これに関し、例えば、平滑箔に平滑なチタン層と、更にその上に平滑なカーボン層を付与した箔は、(i)の特に水溶液を分散媒とする固体電解質の分散体との密着性が不充分で、(ii)の電解液の保持性も悪く、特に導電性高分子からなる固体電解質については健全なドープ状態を維持することが困難となり、素子にしたときに高抵抗となる。化成エッチド陰極箔は、箔厚みが厚いため小型化が難しく、陽極と組み合わせてコンデンサにした際に、合成容量を生じることとなり、陽極の容量引き出し率が低くなってしまう。また、100kHzなどの高周波側では、ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)は低くなるが、120Hzなどの低周波側では、ESRが著しく高くなり、低ESRである周波数範囲が狭い、などの問題点がある。固体電解質との接触抵抗が大きく、固体電解質が被覆されていない部分は電解液依存のため低温特性にも不安を覚える。更に素子形成後のエージング陽極酸化工程で陰極箔が局所的に化成されてしまう恐れもあり、容量減少や抵抗増大の懸念もある。例えば、アルミニウム基材に付与した化成被膜層は電解液に対し一定の保護機能を有する。しかし、導電性高分子からなる固体電解質については化学重合薬液や固体電解質のドープ状態を維持するための酸性電解液との化学反応や、僅かに存在する水分等と基材との化学反応を完全に抑えることは困難であり、また一方で、自然酸化被膜や化成被膜がそのままの状態で直接的に固体電解質と接触した場合には、接触界面に空乏層が生じるため接触抵抗が高くなってしまう問題がある。
【0004】
化成エッチド箔に、中間層(チタン層)、そしてカーボン層を付与した箔においては、厚みが薄く、エッチド層で導電性ポリマーや電解液を保持することが可能であるが、エッチド層上に付与したチタン層やカーボン層は、エッチド層内部までは完全にコーティングすることが難しく、電解液や固体電解質、化学重合の薬液から保護するためには、酸化アルミ層が必要である(例えば数V程度の化成被膜が必要である)。この化成被膜層も前記同様に電解液から保護する機能はあるが、やはりそのままでは絶縁物として振舞うため、高抵抗になる原因となる可能性が高い。なお、これら問題点の多くは、電解液が介在しない、電解質が固体電解質のみから成る固体電解コンデンサにも当て嵌まるものといえる。
【0005】
固体電解コンデンサ、ハイブリッドコンデンサ等の電解コンデンサに用いる陰極箔としては従来さまざまなものが開発されている。特許文献1,3には、エッチングにより粗面化された(拡面率1.5~500倍)陰極箔の表面に無機系導電層が形成された電解コンデンサが記載されている。しかし、これらの陰極箔には、
・平滑基材をエッチングにより拡面したエッチド基材を用いる場合は、エッチド層内部まで無機系導電層の物質が回り込むことが難しく、エッチド層内部を完全に無機系導電層の物質で被覆することは困難であるため、基材の成分であるアルミが露出する部分が出てくる。
・露出したアルミの表面には酸化アルミの被膜が存在しており、酸化アルミは絶縁物であるため、高抵抗となる。
・露出したアルミは耐薬品性に弱く、ポリマーや電解液に対しての耐久性に問題がある。
・基材をエッチングにより溶解するため、ハンドリング強度や薄箔化、残留塩素、廃液処理、製造コストの面でも課題が大きい。
などの問題が存在する。
【0006】
また特許文献4には、アルミニウム箔の表面に、金属及びその窒化物,炭化物,炭窒化物,酸化物のうちの少なくとも一種からなる第一層と、第一層の上に、金属及びその窒化物,炭化物,炭窒化物,酸化物のうちの少なくとも一種からなる第二層を、形成し、第一層は第二層よりも緻密な構造であることを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ用陰極箔が記載されている。しかし、特許文献4に記載の発明は、水を含む電解液のみを電解質とするコンデンサ用の陰極として、耐水和性を改善することを主眼においたものであり、ハイブリッドコンデンサ、固体電解コンデンサ等の電解コンデンサに用いることができる陰極の低抵抗化、耐久性の向上には改善の余地がある。
【0007】
特許文献2においては、平滑基材を用い、その上にカーボン層が形成されているハイブリッドコンデンサ用陰極箔が記載されている。また、特許文献5においては、平滑基材を用い、金属層上にカーボンが存在している固体電解コンデンサ用陰極箔が記載されている。しかし、これらの陰極箔の表層側に凹凸部分がないため、ESRや耐久性には更なる改良の余地があると考えられる。また陰極箔の表層側に凹凸部分を持たないため、セパレータ紙(隔離紙)との摩擦力が弱く、電解コンデンサの素子巻き工程における巻き芯治具の引き抜き時において、陰極箔が巻き芯治具の引き抜き方向へ飛び出す、巻きずれ不具合を発生し易い。
【0008】
特許文献9においては、基板の表面上に配置され焼結結合された、約20から約500マイクロメートルまでのメジアン径を有する複数の金属粒子を含むカソードを利用した電解コンデンサと記載されているが、ミクロン単位のサイズでは大きすぎて固体電解質と電解液の保持に必要な幾何学的構造を得ることができず、改善の余地がある。その他、従来技術としては特許文献6~8,10~24が挙げられるが、いずれにおいても機能、性能に改良の余地があると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2016/174806号
国際公開第2016/174807号
国際公開第2016/189779号
特開2014-022707号公報
特開2012-174865号公報
特開2023-002273号公報
国際公開第2017/090241号
特開2019-179884号公報
特開2007-243203号公報
特開2015-073015号公報
特開2019-179884号公報
米国特許第10896783号明細書
国際公開第2021/107063号
国際公開第2012/115050号
特開2004-281223号公報
特開2012-195527号公報
特開2011-192924号公報
特開2021-145135号公報
米国特許出願公開第2009/0161299号明細書
欧州特許出願公開第3817020号明細書
米国特許出願公開第2014/0036416号明細書
米国特許出願公開第2021/0383981号明細書
特開2005-294500号公報
国際公開第2010/029598号
特開2006-190878号公報
特開2022-057601号公報
特開2022-057985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上に鑑み、本発明は、以下の(1)~(7):
(1)固体電解質との密着性がよく、界面の接触抵抗が低抵抗であること。
(2)固体電解質、電解液を保持するための層(幾何学的構造・表面修飾)を有すること。
(3)固体電解質、化学重合薬液、電解液、水分に対する耐劣化性に優れること。
(4)容量成分を有さないか、或いは容量成分が低く、低抵抗な導体として振舞うこと。
(5)薄手化が実現可能なこと。
(6)低コストであること。
(7)巻きずれを起こし難いこと。
のうち少なくとも一つの利点を備えた、電解コンデンサ用陰極箔等に用いることができる電極材料、或いはそのような電極材料を用いた陰極箔を備えた、電解コンデンサを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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