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公開番号2025012994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116232
出願日2023-07-14
発明の名称電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物及び成形体
出願人artience株式会社,トーヨーカラー株式会社,株式会社新日本電波吸収体,株式会社タケチ
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 51/04 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】良好な電磁波吸収性と柔軟性とを有し、更に耐熱性にも優れた成形体を得ることができる電波吸収体用熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態は、ISO37に準じ測定した引張破断伸び率が400~700%であるオレフィン系エラストマー(A)50~80質量%、スチレン系エラストマー(B1)及びISO37に準じ測定した引張破断伸び率が800%以上であるオレフィン系エラストマー(B2)からなる群から選択される少なくとも1種を含むエラストマー(B)15~35質量%、カーボンナノチューブ(C)0.5~5質量%、並びにカーボンブラック(D)3~15質量%を含有する、電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ISO 37:2017準じ測定した引張破断伸び率が400~700%であるオレフィン系エラストマー(A)50~80質量%、スチレン系エラストマー(B1)及びISO 37:2017に準じ測定した引張破断伸び率が800%以上であるオレフィン系エラストマー(B2)からなる群から選択される少なくとも1種を含むエラストマー(B)15~35質量%、カーボンナノチューブ(C)0.5~5質量%、並びにカーボンブラック(D)3~15質量%を含有する、電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記エラストマー(B)が、前記スチレン系エラストマー(B1)を含み、
前記スチレン系エラストマー(B1)が、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-プロピレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体、及びスチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
前記エラストマー(B)が、前記スチレン系エラストマー(B1)を含み、
前記スチレン系エラストマー(B1)におけるスチレン構造の含有率が、15~35質量%である、請求項1に記載の電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
前記エラストマー(B)が、前記オレフィン系エラストマー(B2)を含み、
前記オレフィン系エラストマー(B2)が、エチレン-αオレフィン共重合体を含む、請求項1に記載の電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物を用いて成形した成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電磁波吸収体用熱可塑性樹脂組成物及び成形体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
プラスチックは成形加工が容易であることから電気機器部品、電子機器部品、自動車部品、医療用部品、食品容器などの幅広い分野で使用されており、装飾性を高めるためや機能性を付与させるためにプラスチック成形体の着色が盛んに行われている。特に自動車分野では、機能性を付与したものとして、電磁波吸収用途を目的とする着色された成形体が流通している。
【0003】
ラジオ、テレビ、無線通信などの通信機器からは電磁波が放射されているが、これに加え、最近の情報技術の進展により急増した携帯電話、パソコンなどの電子機器からも電磁波は放射されている。従来、電子機器、通信機器などの電磁波による誤作動を回避するための一手法として、効率よく電磁波を吸収し、吸収した電磁波を熱エネルギーに変換するという電磁波吸収体を電磁波発生部位近傍又は遠方に設置することが行われている。
【0004】
電磁波発生部位より遠方に電磁波吸収体を設置して用いられる例としては、例えば高速道路の自動料金収受システム(ETC)用途がある。ETCは、高速道路の料金所出口を自動車が通過する際に、料金所に備えられた路側機アンテナと車載器側アンテナとの間で周波数5.8GHzのマイクロ波を使用して課金情報等を交換するシステムである。このETCシステムが導入された料金所では、アンテナから放射されたマイクロ波が料金所屋根等にあたって反射され、隣接するETCレーンから不要な電磁波が漏洩する等の理由により、通信に異常を引き起こすことがある。そこで料金所屋根やETCレーンの間に電磁波吸収体を設置することによって、通信異常を抑制することが行われている。
【0005】
また、近年では自動車分野において、車両の自動運転や衝突防止を目的としてミリ波レーダーが利用されており、多くの場合はミリ波レーダー装置が自動車の内部に取り付けられている。ミリ波とは電磁波のうち、波長が1~10mm、周波数30~300GHzの電磁波であり、現在では車載レーダーや空港等で防犯チェックとして衣服の下を透視する全身スキャナー、列車のワンマン運転時において、プラットホーム上の監視カメラの映像伝送等にも使用されている。ミリ波レーダー装置は、ミリ波を飛ばして跳ね返ってくる波を受信し、障害物を認識できる装置であり、検出可能距離が大きいことや、太陽光、雨、霧による阻害を受けにくいことなどから、今日では自動車等の自動運転技術などに利用されている。自動車のセンサーの場合、ミリ波レーダー装置は、アンテナからミリ波を送受信して、障害物との相対距離や相対速度等を検出することができる。
【0006】
これらミリ波レーダー装置の送受信アンテナは、目的とする障害物以外の路面などに反射したものも受信することがあり、装置の検出精度が低下してしまう場合がある。このような問題を解決するため、ミリ波レーダー装置では、アンテナと制御回路との間に電磁波を遮蔽する遮蔽部材として、電磁波吸収体を設けている。
【0007】
このような電磁波吸収体を構成するミリ波帯域の電磁波吸収材料としては、炭素系、金属炭素系、及び磁性体系が知られており、例えば、その高い導電性や比較的軽量である点から、炭素系としてカーボンナノチューブ(CNT)を含む電磁波吸収体が使用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2017-512847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、電磁波吸収体に関し、導電性充填材の添加量を減らしつつも、伝導性を向上させるために、導電性カーボンブラックの代わりにカーボンナノチューブを添加する方法が開示され、特許文献1によれば、カーボンナノチューブを含有する複合材により、優れた伝導性を有しつつも、機械的物性が改善されたとされている。しかしながら、近年の自動車分野等への用途においては、電磁波吸収体には一層の改善が望まれている。
【0010】
そこで、本発明のいくつかの実施形態は、良好な電磁波吸収性と柔軟性とを有し、更に耐熱性にも優れた電波吸収体を得ることができる電波吸収体用熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの実施形態は、良好な電磁波吸収性と柔軟性とを有し、更に耐熱性にも優れた成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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