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公開番号
2025012584
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115512
出願日
2023-07-13
発明の名称
塩化ビニリデン共重合体の水分散体、フィルム及び紙積層体
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
27/08 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、ガスバリア性と紫外線吸収性とを兼備する塩化ビニリデン共重合体の水分散体、並びに該水分散体が塗布されてなる層を有するフィルム及び紙積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】波長360nmにおける吸光係数が0.01L/(g・cm)以上である塩化ビニリデン共重合体の水分散体であり、塩化ビニリデン共重合体を100質量部として、塩化ビニリデン共重合体以外の高分子化合物を0質量部以上20質量部未満含み、塩化ビニリデン共重合体中の塩化ビニリデンに由来する構造単位の含有量が80質量%以上である、水分散体。波長360nmにおける吸光係数が0.01L/(g・cm)以上である塩化ビニリデン共重合体の水分散体が塗布されてなる塩化ビニリデン共重合体層を有する、フィルム又は紙積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
波長360nmにおける吸光係数が0.01L/(g・cm)以上である塩化ビニリデン共重合体の水分散体であり、
前記塩化ビニリデン共重合体を100質量部として、前記塩化ビニリデン共重合体以外の高分子化合物を0質量部以上20質量部未満含み、
前記塩化ビニリデン共重合体中の塩化ビニリデンに由来する構造単位の含有量が80質量%以上である
ことを特徴とする、水分散体。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
水溶性成分を水で抽出した水溶液の波長360nmにおける吸光度が0.4未満である、請求項1に記載の水分散体。
【請求項3】
高分子紫外線吸収剤を含有する、請求項2に記載の水分散体。
【請求項4】
前記塩化ビニリデン共重合体が、紫外線吸収性モノマー由来の構造単位と塩化ビニリデン由来の構造単位とを含む、請求項3に記載の水分散体。
【請求項5】
請求項1に記載の水分散体が塗布されてなる塩化ビニリデン共重合体層を有することを特徴とする、フィルム又は紙積層体。
【請求項6】
塩化ビニリデン共重合体の水分散体が塗布されてなる塩化ビニリデン共重合体層を有し、波長360nmにおける前記塩化ビニリデン共重合体層の吸光係数が0.01L/(g・cm)以上であることを特徴とする、フィルム又は紙積層体。
【請求項7】
前記塩化ビニリデン共重合体層以外の層は紫外線吸収剤を有しない、請求項5又は6に記載のフィルム又は紙積層体。
【請求項8】
水溶性成分を水で抽出した水溶液の波長360nmにおける吸光度が0.4未満である、請求項5又は6に記載のフィルム又は紙積層体。
【請求項9】
前記塩化ビニリデン共重合体層が高分子紫外線吸収剤を含有する、請求項8に記載のフィルム又は紙積層体。
【請求項10】
前記塩化ビニリデン共重合体が、紫外線吸収性モノマー由来の構造単位と塩化ビニリデン由来の構造単位とを含む、請求項9に記載のフィルム又は紙積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニリデン共重合体の水分散体、フィルム及び紙積層体に関する。より具体的には、本発明は、紫外線吸収性を有する塩化ビニリデン共重合体の水分散体、並びに該水分散体が塗布されてなる層を有するフィルム及び紙積層体に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
食品や医薬品の品質保持の為には、それを包装するフィルムが、大気中の酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気といった気体を十分遮断、密閉する必要がある。この点、種々の樹脂の中でも、ハロゲン化ビニル系共重合体水分散体、特に塩化ビニリデン系共重合体水分散体から形成された層を有するフィルムは、水蒸気や酸素のバリア性に優れていることから、食品や医薬品包装用途に非常に適している。
食品や医薬品の劣化を促進する要因としては、気体以外にも紫外線がある。紫外線から内容物を保護するためには、紫外線吸収能を有するフィルムが広く利用されている。
【0003】
近年、より長期間にわたる医薬品及び食品材料の品質の保持、薬効の保持を目的として、包装フィルムは、ガスバリア性と紫外線吸収性を兼備することが求められている。加えて、有限な資源である石油の使用量の削減が世界的に強く求められており、少量の炭素量で優れた機能を付与することができるほど、素材としての価値が高い。石油の使用量を減らすという観点では、フィルム作製時に必要なエネルギーを削減することもまた有用である。これらのフィルムは商業上、当然低コストで作製できることも求められる。
【0004】
塩化ビニリデン共重合体は高いガスバリア性を有することで知られており、中でも、水分散体はガスバリア性コート剤として広く用いられている。溶媒として水を用いているため、溶剤系コート剤と比較して、有機溶剤の使用がなく、コスト面、作業環境、環境負荷など様々な点でメリットを有する。
ガスバリア性を有するフィルムを構成する塩化ビニリデン共重合体水分散体としては、特許文献1~7に記載のものが知られている。また、ガスバリア性と紫外線吸収性を兼備するフィルムとしては、特許文献8~11に記載のものが知られている。
【0005】
また、近年、プラスチックのリサイクルの重要性が高まっている。特許文献1~7に記載のように、ガスバリア性を付与する水分散体を基材に塗布した複層フィルムの場合、各層を剥離して樹脂の種類ごとに分別してリサイクルされる。複層フィルムにおいては、重量の大半を占める基材のリサイクル性が最も重視される。紫外線吸収剤等の添加剤を含まない方がリサイクル原料としての価値が高いことから、基材には紫外線吸収剤を添加したくないというニーズが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2013/125699号
特表2001-526315号公報
特開平05-202107号公報
特開2018-127523号公報
特開昭60-192768号公報
仏国特許発明第1466220号明細書
特表2009-541565号公報
特開2004-51174号公報
特開昭63-128033号公報
:特開昭62-263045号公報
:特開2013-151598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~7に記載の塩化ビニリデン共重合体は、塗工後に優れたガスバリア性を有する一方で、紫外線吸収能は有していない。
特許文献8には、ガスバリア層とは別個に紫外線吸収層を積層する方法が記載されている。この方法は、ガスバリア性と紫外線吸収性を兼備するという目的には叶っているが、一方で、紫外線吸収層を設けるためにバインダーの樹脂を使用することや、ガスバリア層の作製工程と紫外線吸収層の作製工程をそれぞれ行う必要があり、エネルギー効率とコストの観点で好ましくない。
特許文献9には、下塗り層に紫外線吸収剤を溶解させておく方法が記載されているが、この方法は、紫外線吸収剤を使用前に溶解させる工程が必要でコストが高い点や、下塗り層の厚みが小さいために大量に紫外線吸収剤を溶解させない限り充分な紫外線吸収能が得られないという課題がある。過剰な紫外線吸収剤の添加は、密着強度の低下や溶解時間の増大を招く。また、有機溶剤ベースの下塗り層に限定され、環境や作業者への負荷が低い水系の下塗り剤には適用できないという欠点もある。
特許文献10には、塩化ビニリデン共重合体を有機溶剤に溶解させる際に、紫外線吸収剤を同時に溶解させ、紫外線吸収能とガスバリア能を兼備する塩化ビニリデン共重合体層を作製する方法が記載されている。この方法は、紫外線吸収剤を溶剤中に均一に溶解させる工程が必要であることや、水と比べて高コスト、かつ環境負荷が高い有機溶剤を使用することから好ましくない。また、特許文献1~7に記載されているような水分散体コートと異なり重ね塗りができず、ガスバリア性に限界があるという課題も存在する。
特許文献11には、塩化ビニリデン共重合体とアクリル共重合体の水分散体の混合物が記載されており、アクリル共重合体水分散体に紫外線吸収能を付与することが示唆されているが、多量のアクリル共重合体が使用されており、得られるフィルムは低いガスバリア性しか示さない。また、多量のアクリル共重合体の使用はフィルムの透明性を損ない、包装材料として使用した際に内容物の視認性に問題が生じる。
特許文献1~7、10には、塩化ビニリデン共重合体の水分散体に紫外線吸収剤を添加することが示唆されているが、特許文献10には同時に均一分散に課題があると記載されている。特許文献10に記載の紫外線吸収剤は水分散性を示さないため、添加しても沈殿するだけであり、水分散体に紫外線吸収能を付与することはできない。また、特許文献1~7には、具体的な紫外線吸収剤の添加法についての記載はない。
このように、ガスバリア性を保ちながら、紫外線吸収剤を水分散体に均一分散させた例は、これらの文献には一切示唆されていない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ガスバリア性と紫外線吸収性とを兼備する塩化ビニリデン共重合体の水分散体、並びに該水分散体が塗布されてなる層を有するフィルム及び紙積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
波長360nmにおける吸光係数が0.01L/(g・cm)以上である塩化ビニリデン共重合体の水分散体であり、
前記塩化ビニリデン共重合体を100質量部として、前記塩化ビニリデン共重合体以外の高分子化合物を0質量部以上20質量部未満含み、
前記塩化ビニリデン共重合体中の塩化ビニリデンに由来する構造単位の含有量が80質量%以上である
ことを特徴とする、水分散体。
[2]
水溶性成分を水で抽出した水溶液の波長360nmにおける吸光度が0.4未満である、[1]に記載の水分散体。
[3]
高分子紫外線吸収剤を含有する、[1]又は[2]に記載の水分散体。
[4]
前記塩化ビニリデン共重合体が、紫外線吸収性モノマー由来の構造単位と塩化ビニリデン由来の構造単位とを含む、[3]に記載の水分散体。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の水分散体が塗布されてなる塩化ビニリデン共重合体層を有することを特徴とする、フィルム又は紙積層体。
[6]
塩化ビニリデン共重合体の水分散体が塗布されてなる塩化ビニリデン共重合体層を有し、波長360nmにおける前記塩化ビニリデン共重合体層の吸光係数が0.01L/(g・cm)以上であることを特徴とする、フィルム又は紙積層体。
[7]
前記塩化ビニリデン共重合体層以外の層は紫外線吸収剤を有しない、[5]又は[6]に記載のフィルム又は紙積層体。
[8]
水溶性成分を水で抽出した水溶液の波長360nmにおける吸光度が0.4未満である、[5]~[7]のいずれかに記載のフィルム又は紙積層体。
[9]
前記塩化ビニリデン共重合体層が高分子紫外線吸収剤を含有する、[5]~[8]のいずれかに記載のフィルム又は紙積層体。
[10]
前記塩化ビニリデン共重合体が、紫外線吸収性モノマー由来の構造単位と塩化ビニリデン由来の構造単位とを含む、[9]に記載のフィルム又は紙積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガスバリア性と紫外線吸収性とを兼備する塩化ビニリデン共重合体の水分散体、並びに該水分散体が塗布されてなる層を有するフィルム及び紙積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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