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公開番号
2025011998
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114503
出願日
2023-07-12
発明の名称
還元スラグ処理物、還元スラグ処理物含有コンクリート及び還元スラグ処理物の製造方法
出願人
未来建築研究所株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
5/00 20060101AFI20250117BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】γC
2
S及び/又はメルビナイトを主成分として多く含む還元スラグ処理物を提供する。
【解決手段】還元スラグ処理物は、電気炉から排出される還元スラグを処理した物であって、γC
2
S及び/又はメルビナイト(3CaO・MgO・2SiO
2
)を主成分とする組成物である。還元スラグ処理物は、0.6mm以下の平均粒子径を有し、かつ、還元スラグ処理物を、JIS標準篩(JIS Z8801-1:2000規定)を用いて篩分したときに、還元スラグ処理物の総重量の80%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
γC
2
S及び/又はメルビナイト(3CaO・MgO・2SiO
2
)を主成分とする還元スラグ処理物であって、
前記還元スラグ処理物が、0.6mm以下の平均粒子径を有し、かつ、
前記還元スラグ処理物を、JIS標準篩(JIS Z8801-1:2000規定)を用いて篩分したときに、前記還元スラグ処理物の総重量の80%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有することを特徴とする還元スラグ処理物。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記還元スラグ処理物の化学組成の合計を100重量%としたときに、CaOが50~70重量%、SiO
2
が25~40重量%、MgOが5~15重量%となり、
前記還元スラグ処理物の総重量の90%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有することを特徴とする請求項1に記載の還元スラグ処理物。
【請求項3】
前記還元スラグ処理物が、0.3mm以下の平均粒子径を有し、かつ、
前記還元スラグ処理物を、前記JIS標準篩を用いて篩分したときに、前記還元スラグ処理物の総重量の80%以上が公称目開き0.3mmの篩を通過する粒度分布を有することを特徴とする請求項1に記載の還元スラグ処理物。
【請求項4】
前記還元スラグ処理物の化学組成の合計を100重量%としたときに、CaOが50~65重量%、SiO
2
が25~35重量%、MgOが5~10重量%となり、かつ、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
(MgO=10重量%)の三成分系状態図においてC
2
Sの初晶域の化学組成となり、
前記還元スラグ処理物の総重量の90%以上が公称目開き0.3mmの篩を通過する粒度分布を有することを特徴とする請求項1に記載の還元スラグ処理物。
【請求項5】
請求項1に記載の還元スラグ処理物を含有し、二酸化炭素を固定化させたことを特徴とする還元スラグ処理物含有コンクリート。
【請求項6】
電気炉から排出される還元スラグを用いてγC
2
S(γ-2CaO・SiO
2
)及び/又はメルビナイト(3CaO・MgO・2SiO
2
)を主成分とする還元スラグ処理物を製造する方法であって、
前記還元スラグを成分調整する
成分調整工程
と、
成分調整された前記還元スラグを徐冷する
徐冷工程
と、
徐冷された前記還元スラグを分級して、前記還元スラグの分級粉体を得る
分級工程
と、を含み、
前記分級工程では、0.6mm以下の平均粒子径を有し、かつ、JIS標準篩(JIS Z8801-1:2000規定)を用いて篩分したときに、総重量の80%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有する前記分級粉体を得ることを特徴とする還元スラグ処理物の製造方法。
【請求項7】
前記成分調整工程では、前記還元スラグを、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
(MgO=10重量%)の三成分系状態図においてC
2
Sの初晶域の組成となるように成分調整し、
前記徐冷工程では、成分調整された前記還元スラグを還元雰囲気中で徐冷し、
前記分級工程では、0.3mm以下の平均粒子径を有し、かつ、前記JIS標準篩の篩を用いて篩分したときに、総重量の80%以上が公称目開き0.3mmの篩を通過する粒度分布を有する前記分級粉体を得ることを特徴とする請求項6に記載の還元スラグ処理物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、還元スラグ処理物、還元スラグ処理物含有コンクリート及び還元スラグ処理物の製造方法に係り、特に、γC
2
S(γ-2CaO・SiO
2
)及び/又はメルビナイト(3CaO・MgO・2SiO
2
)を主成分とする還元スラグ処理物、還元スラグ処理物含有コンクリート及び還元スラグ処理物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートは、原材料としてセメントを大量に使用し、当該セメントの生産過程で化石燃料を利用すること等から、二酸化炭素の排出量が大きい材料とされている。そのため、コンクリートの製造にあたっては、二酸化炭素の排出量を低減することが地球温暖化対策の一環として求められている。
そうしたなかで、二酸化炭素と容易に反応するγC
2
S又はメルビナイトを混和材として使用し、少量の水、セメント及び骨材とともに混練してコンクリート状にし、高濃度の二酸化炭素を吸収させて硬化することで、大量の二酸化炭素を内部に固定したセメント系材料(コンクリート)の発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-168436号公報
【非特許文献】
【0004】
安田僚介ほか「炭酸化を受けたセメント系材料中のCO2含有率評価に向けた分析方法の検討」、セメント・コンクリート論文集、Vol.75、p.442-447、2021年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、γC
2
S及びメルビナイトは、カーボンニュートラル又はカーボンネガティブの社会を構築するキー材料となりうる。
一方で、γC
2
Sの製造にあたっては、例えば、石灰石やケイ石を混合し、成分調整を行った後に1200~1400℃で焼成して製造しており、高価な材料であって大量生産することが難しいといった問題がある。メルビナイトについても同様である。
また、γC
2
Sやメルビナイトを製造するにあたって、石灰石の脱炭酸化処理、大量の化石燃料の使用が不可欠となるため、二酸化炭素の吸収量(固定量)以上に二酸化炭素を排出してしまい、カーボンポジティブとなる問題もある。
そのため、γC
2
S又はメルビナイトを主成分とする組成物を効率良く得るとともに、当該組成物の製造にあたって二酸化炭素を排出しない技術が求められていた。
【0006】
ところで、γC
2
S又はメルビナイトに近い化学成分を有する材料として電気炉還元スラグがある。電気炉還元スラグ、電気炉酸化スラグは、製鉄業において主原料となる鉄くずを再生する精錬工程において発生する。現状、電気炉還元スラグは、電気炉酸化スラグと混合され、付加価値の低い土工用材料として利用されている。
そのため、製鉄業及び製鋼・圧延業において電気炉から排出される還元スラグの有効利用、すなわち、付加価値の高い材料への応用が求められていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、γC
2
S及び/又はメルビナイトを主成分として多く含む還元スラグ処理物、還元スラグ処理物含有コンクリートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電気炉還元スラグを用いてγC
2
S及び/又はメルビナイトを主成分として多く含む組成物を製造可能な還元スラグ処理物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究した結果、電気炉から排出される従来の電気炉還元スラグではγC
2
S及び/又はメルビナイトの含有量が比較的少ないところ、平均粒子径0.6mm以下の粒度分布を有する分級粉体を得ることで、従来よりもγC
2
S及び/又はメルビナイトを主成分として多く含む還元スラグ処理物を製造可能であることを見出した。
具体的には、電気炉還元スラグを所定の条件下で成分調整し、徐冷し、分級することで、γC
2
S及び/又はメルビナイトを多く含む還元スラグ処理物を効率良く製造可能であることを見出した。
また、当該製造方法であれば、従来のように化石燃料を使用することなく、二酸化炭素を好適に固定化させることが可能なセメント系材料(コンクリート)を実現することができ、カーボンニュートラル(カーボンネガティブ)の社会を実現可能であることを見出して、本発明をするに至った。
【0009】
従って、前記課題は、本発明の還元スラグ処理物によれば、γC
2
S及び/又はメルビナイト(3CaO・MgO・2SiO
2
)を主成分とする還元スラグ処理物であって、前記還元スラグ処理物が、0.6mm以下の平均粒子径を有し、かつ、前記還元スラグ処理物を、JIS標準篩(JIS Z8801-1:2000規定)を用いて篩分したときに、前記還元スラグ処理物の総重量の80%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有すること、により解決される。
【0010】
このとき、前記還元スラグ処理物の化学組成の合計を100重量%としたときに、CaOが50~70重量%、SiO
2
が25~40重量%、MgOが5~15重量%となり、前記還元スラグ処理物の総重量の90%以上が公称目開き0.6mmの篩を通過する粒度分布を有すると良い。
または、前記還元スラグ処理物が、0.3mm以下の平均粒子径を有し、かつ、前記還元スラグ処理物を、前記JIS標準篩を用いて篩分したときに、前記還元スラグ処理物の総重量の80%以上が公称目開き0.3mmの篩を通過する粒度分布を有すると良い。
または、前記還元スラグ処理物の化学組成の合計を100重量%としたときに、CaOが50~65重量%、SiO
2
が25~35重量%、MgOが5~10重量%となり、かつ、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
(MgO=10重量%)の三成分系状態図においてC
2
Sの初晶域の化学組成となり、前記還元スラグ処理物の総重量の90%以上が公称目開き0.3mmの篩を通過する粒度分布を有すると良い。
(【0011】以降は省略されています)
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