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公開番号2024166116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024077633
出願日2024-05-12
発明の名称陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスの焼成物
出願人個人
代理人個人
主分類C04B 33/34 20060101AFI20241121BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】 優れた防汚性を持つ焼成物を提供する。
【解決手段】 陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックス製の焼成物であって、無機ケイ素化合物を基本素材に含む陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスのベースと、非結晶性の熱可塑性樹脂を含み、架橋金属原子または架橋金属酸化物を介して前記ベースに対して前記非結晶性の熱可塑性樹脂を金属架橋せしめたものである。熱可塑性樹脂としてはアルキル基を有するアルコキシシランとすることができる。架橋金属原子または架橋金属酸化物による架橋はベースの無機ケイ素化合物と、アルコキシシランの加水分解で生じるシラノールから形成される前躯体であるオルトケイ酸に対する架橋とする。架橋金属原子または架橋金属酸化物の候補としてはアルミニウム、チタン、銅、パラジウム、銀、白金の群から選ばれたものがある。適用対象としては、食器皿や衛生陶器などがあり得る。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックス製の焼成物であって、
無機ケイ素化合物を基本素材に含む陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスのベースと、
非結晶性の熱可塑性樹脂を含み、
架橋金属原子または架橋金属酸化物を介して前記ベースに対して前記非結晶性の熱可塑性樹脂を金属架橋せしめたものであることを特徴とする焼成物。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が、アルキル基を有するアルコキシシランである請求項1に記載の焼成物。
【請求項3】
前記架橋金属原子または架橋金属酸化物による前記金属架橋が、前記ベースの前記無機ケイ素化合物と、前記アルコキシシランの加水分解で生じるシラノールから形成される前躯体であるオルトケイ酸に対する架橋であることを特徴とする請求項2に記載の焼成物。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂が、アクリル系親水性モノマー樹脂である請求項3に記載の焼成物。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂が、アクリルアミドである請求項4に記載の焼成物。
【請求項6】
前記架橋金属原子または架橋金属酸化物がアルミニウム、チタン、銅、パラジウム、銀、白金の群から選ばれたものである請求項1に記載の焼成物。
【請求項7】
前記焼成物が食器皿である請求項1から6のいずれかに記載の焼成物を用いた食器皿。
【請求項8】
前記焼成物が、便器、洗面台、浴槽のセラミックス 製の器具を含む衛生陶器である請求項1から6のいずれかに記載の焼成物を用いた衛生陶器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスの基本素材を含む焼成物に関するものであり、例えば、それを用いて防汚性を向上させた食器皿に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスの基本素材を含む焼成物には様々なものがある。例えば、食器の素材には、陶器、磁器、耐熱ガラス、ファインセラミックス、銀やアルマイトなどの金属、耐熱プラスチック樹脂、紙、木質など多様なものがある。特に広く普及しているのが、陶器製、磁器製、ガラス製またはファインセラミックス製の食器である。なお、セラミックス製食器は広い定義によれば陶器や磁器やガラスも含まれ得るものであり、ファインセラミックス製の食器とは高純度に精製された無機質固体粉末で純度や粒子径などが高品質に揃えられたものを用いて製造した食器を指す。
【0003】
陶器製、磁器製、ファインセラミックス製の焼成物は、粘土等の陶磁器原料を成形して素焼き焼成(800~950℃)し、釉薬を掛け、本焼成(1200~1300℃)して製造したものが一般的である。
ここで、表面を汚れにくくするとともに、強度を上げ、さらにその美感を高めるために、施釉して焼成する陶磁器類が古くから知られている。
【0004】
従来技術において、例えば、特許文献1(特開2019-19007号公報)に開示された食器は、表面を汚れにくくする防汚性を維持しつつ、素焼き焼成(800~950℃)と釉薬を掛ける工程を省き、成形物をそのまま本焼成(1200~1300℃)する事で完成する陶磁器等の製造方法が提案されている。
【0005】
また、従来技術において、例えば、特許文献2(特開平1-133990号公報)に開示された技術は、タイルへの適用例であるが、表面を汚れにくくする防汚性を維持しつつ、素焼き焼成と釉薬を掛ける工程を省く技術であり、粘度をタイル形状に成形し、表面に水を0.002~0.015g/cm2の割合で1kg/cm2以上の高圧で噴霧し、釉薬を幕掛け方により釉薬掛けする技術が開示されている。
【0006】
特開2019-19007号公報
特開平1-133990号公報
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):ニュースリリース「世界で初めて、ガラスやシリコーンの基本構造を解明」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術は、食器の防汚性の維持を意識しつつも、工程を省略してコスト低減を図ることが主目的であり、食器の防汚性自体を向上させるものではなかった。つまり、どの食器メーカーや食器サプライヤーも汚れにくい食器、汚れが洗浄で簡単に落ちる食器というものが一般ユーザーの強いニーズがあることは把握しつつも、その開発が遅々として進まなかった。
【0008】
本発明者である高野雅彰は、日々洗浄に関する研究を行う中、洗われる側の対象である食器についても防汚性を向上させることができれば、日々世界中で消費される水使用量を低減して地球環境を保全し、さらに、食器の洗浄に要する人的エネルギーや、食洗器に要する電気エネルギーも省力化できるため、高い防汚性を持つ食器の開発についても鋭意研究してきた。
本発明者である高野雅彰は、鋭意研究の過程でその糸口をつかみ、優れた防汚性を持つ食器の開発を行ってきた。その物理化学的な原理について様々思考するうちに、非特許文献1に触れ、その物理化学的な原理を参考にし、さらに独自の開発の端緒を得た。
【0009】
なお、この非特許文献1は、ガラスやシリコーンの基本構造を解明したものであり、もちろん本願発明の内容とは同じ内容ではないが、ガラス質ができるまでの前駆体が存在することを解明したものである。本発明者である高野雅彰はその前駆体を応用すれば、別途、食器に防汚性能を向上せしめる組成物を形成できることを見い出した。
本特許出願は、以上の過程を経て、陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスの基本素材を含む焼成物について発明されたものである。特に、有望な適用対象として、優れた防汚性を持つ食器皿がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記本発明の目的を達成するため、本発明は、陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックス製の焼成物であって、無機ケイ素化合物を基本素材に含む陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスのベースと、非結晶性の熱可塑性樹脂を含み、架橋金属原子または架橋金属酸化物を介して前記ベースに対して前記非結晶性の熱可塑性樹脂を金属架橋せしめたものであることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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