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公開番号2025065469
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2025020572
出願日2025-02-12
発明の名称グラウト用セメント組成物
出願人シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
代理人個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20250410BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】優れた流動特性を有し、かつ、特殊な添加剤を添加することなく強度発現性と材料分離抵抗性に優れたグラウト用セメント組成物を提供する。
【解決手段】
セメント、水、メラミン系分散剤および櫛型高分子を含むセメント組成物であって、セメント含有量が、1,150kg/m3以上、櫛型高分子の添加量がセメント質量当たりの百分率で0.03~0.1であり、かつ、櫛型高分子に対するメラミン系分散剤の質量比が、0.75から6.0であることを特徴とするグラウト用セメント組成物。

特許請求の範囲【請求項1】
セメント、水、メラミン系分散剤および櫛型高分子を含み、かつ、骨材を含まないグラウト用セメント組成物であって、セメント含有量が1,150kg/m3以上、櫛型高分子の添加量がセメント質量当たりの百分率で0.03~0.1であり、かつ、櫛型高分子に対するメラミン系分散剤の質量比が0.75から6.0であることを特徴とするグラウト用セメント組成物。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
セメントが、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントのいずれか1種類以上の組み合わせによることを特徴とする、請求項1に記載のグラウト用セメント組成物。
【請求項3】
セメント含有量が、1,400kg/m

以下であることを特徴とする請求項1~2のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物。
【請求項4】
メラミン系分散剤がメラミンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物。
【請求項5】
櫛型高分子が下記式(1)(2)(3)から選択される少なくも1つのモノマーを含む共重合体を1または2以上含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物であって、
前記共重合体に対するモノマー(1)(2)(3)の構成比はモル数の比(モル分率)で、それぞれ5~80%、0~95%、0~95%であり,
共重合体の質量に対するモノマー(2)とモノマー(3)のモル分率は共に0の値を取らず、モノマー(2)とモノマー(3)のモル数の合計は共重合体に対するモル分率で20~95%であり,かつ,
前記共重合体の質量平均分子量Mwが3,000~50,000の範囲である,請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物。
(1)下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールエーテル鎖を有するエチレン性不飽和モノマー(1)
TIFF
2025065469000010.tif
56
29
(1)
(式中、R

、R

、R

は、それぞれ独立して、水素またはメチル基、R

は、水素、メチル基または炭素数2~20の脂肪族炭化水素基、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基、aは、2~350の整数、nは、0~2の整数、mは、0または1を表す。)
(2)下記一般式(2)で表される(b2)エチレン性不飽和モノマー(2)
TIFF
2025065469000011.tif
30
42
(2)
(式中、R

及びR

は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。R

は、水素原子、又は、-COOM

で表される基を表し、M

は、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)
(3)下記一般式(3)で表される(b3)加水分解性を有するエチレン性不飽和モノマー(3)
TIFF
2025065469000012.tif
80
47
(3)
(式中、R

、R

、R
10
は、それぞれ独立して、水素またはメチル基、R
11
は、炭素数2~10のアルキレン基またはオキシアルキレン基が好ましく、炭素数2~4のアルキレン基またはオキシアルキレン基が特に好ましい。nは、0~2の整数を表す。)
【請求項6】
前記櫛型高分子が、さらに少なくとも1つの構造単位(I)と、少なくとも1つの構造単位(II)と、少なくとも1つの構造単位(III)とを有する重縮合物を含み、前記構造単位(I)が、アルキレングリコール単位を有するポリエーテル側鎖を有する芳香族部分であり、ただし、前記ポリエーテル側鎖におけるエチレングリコール単位の数は、9~41であり、かつ前記エチレングリコール単位の含分は、前記ポリエーテル側鎖中の全てのアルキレングリコール単位に対して80mol%超であり、前記構造単位(II)が、少なくとも1個のリン酸エステル基及び/ 又はその塩を有する芳香族部分であり、ただし、前記構造単位(II)に対する前記構造単位(I)のモル比の値は、0.3~4であり、前記構造単位(III)が、少なくとも1 個のメチレン単位(-CH

-)であり、該メチレン単位は、前記構造単位(I) と前記構造単位(II)の2つの芳香族構造単位に結合しており、ここで該芳香族構造単位は、相互に独立して、同一であるか又は異なり、かつ、
前記構造単位(I)、(II)及び(III)を含有する重縮合物の質量平均分子量Mwが、3,000~50,000 の範囲であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物。
【請求項7】
前記重縮合物が、少なくとも1つの構造単位(IV)をさらに有し、
前記構造単位(IV)が、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)とは異なる芳香族構造単位によって表され、
前記メチレン単位は、前記構造単位(I)と前記構造単位(II)と前記構造単位(IV) の3つの芳香族構造単位に結合しており、ここで該芳香族構造単位は、相互に独立して、同一であるか又は異なり、かつ、
前記構造単位(I)、(II)、(III)及び(IV)を含有する重縮合物の質量平均分子量Mwが、3,000~50,000の範囲である、請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト用セメント組成物に用いるための添加剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グランドアンカーやロックボルトに用いられるグラウト用セメント組成物に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
グランドアンカーとは、斜面安定などを目的に地すべりや切土のり面の崩壊対策に用いられる、地中にグラウトによって造成する定着部と地表付近の構造物を、高強度の引張材で連結させ、引張力を利用して安定させるシステムである。また、ロックボルトとは、同様に斜面の安定を目的にのり面に鋼棒を挿入してグラウトで定着させるシステムで、グラウンドアンカーとは、鋼棒挿入箇所全体が定着部となるものである。これらの工法に用いられるグラウトは、注入可能な流動性を保持しつつ、品質と寸法安定性を保持するための高い分離抵抗性と、効率的な施工工程を得るための初期強度発現性が求められる。
【0003】
とりわけ、分離抵抗性に関して、ブリーディングが多くなるとアンカーやロックボルトの耐力に大きく影響するため、非特許文献1では、グラウトに求められる性能として、ブリーディング量が3%以下になるように規定されている。グラウトの分離抵抗性を高めるための方法として、増粘剤を用いるものも提案されている(例えば特許文献1および2参照)。しかし増粘剤を使用することは、コスト増加や適切な流動性を付与するための分散剤使用量が増加するなどの問題がある。
【0004】
また、強度発現性を高めるための方法として、硬化促進成分の併用するものなどが提案されている(例えば特許文献3参照)。しかし、硬化促進成分の併用も、コスト増加や適切な流動性を付与するための分散剤使用量が増加するなどの課題がある。
【0005】
また、特許文献3には、減水性能及び流動性の保持性能、並びに初期強度発現性を兼ね備えることを目的として、流動性に極めて優れるポリカルボン酸系減水剤と初期強度発現性に優れるメラミン系減水剤を混合した場合、上記した混合減水剤は、両者の性能がそれぞれ相殺されてしまい、減水性能及び流動性の保持性能並びに初期強度発現性は著しく低下してしまうことが指摘されている。なお、ポリカル酸系減水剤は、非イオン系のポリエチレンオキシドなどをグラフト鎖とする櫛形高分子に含まれるものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
土工施工管理要領 東日本高速道路株式会社, 中日本高速道路株式会社, 西日本高速道路株式会社 編著
【特許文献】
【0007】
特開2004-315319号公報
特開2012-201561号公報
特開2014-196245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、優れた流動特性を確保しつつ、増粘剤や硬化促進剤を用いることなく、高い分離抵抗性と初期強度発現性を有するグラウト用セメント組成物およびその添加剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、メラミン系分散剤と特定の櫛形高分子を所定の比率で使用することで,上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のグラウト用セメント組成物に関する。
[1]
セメント、水、メラミン系分散剤および櫛型高分子を含み、かつ、骨材を含まないグラウト用セメント組成物であって、セメント含有量が、1,150kg/m

以上、櫛型高分子の添加量がセメント質量当たりの百分率で0.03~0.1であり、かつ、櫛型高分子に対するメラミン系分散剤の質量比が、0.75から6.0であることを特徴とするグラウト用セメント組成物。
[2]
セメントが、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントのいずれか1種類以上の組み合わせによることを特徴とする、上記[1]に記載のグラウト用セメント組成物。
[3]
セメント含有量が、1,400 kg/m

以下であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のグラウト用セメント組成物。
[4]
メラミン系分散剤がメラミンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物であることを特徴とする、上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のグラウト用セメント組成物。
[5]
櫛型高分子が下記式(1)(2)(3)から選択される少なくも1つのモノマーを含む共重合体を1または2以上含むことを特徴とし,
前記共重合体に対するモノマー(1)(2)(3)の構成比はモル数の比(モル分率)で、それぞれ5~80%、0~95%、0~95%であり,
共重合体の質量に対するモノマー(2)とモノマー(3)のモル分率は共に0の値を取らず、モノマー(2)とモノマー(3)のモル数の合計は共重合体に対するモル分率で20~95%であり,かつ,
前記共重合体の質量平均分子量Mwが3,000~50,000の範囲である,上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のグラウト用セメント組成物。
(1)下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールエーテル鎖を有するエチレン性不飽和モノマー(1)
TIFF
2025065469000001.tif
62
33
(1)
(式中、R

、R

、R

は、それぞれ独立して、水素またはメチル基、R

は、水素、メチル基または炭素数2~20の脂肪族炭化水素基、AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基、aは、2~350の整数、nは、0~2の整数、mは、0または1を表す。)
(2)下記一般式(2)で表される(b2)エチレン性不飽和モノマー(2)
TIFF
2025065469000002.tif
28
39
(2)
(式中、R

及びR

は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。R

は、水素原子、又は、-COOM

で表される基を表し、M

は、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)
(3)下記一般式(3)で表される(b3)加水分解性を有するエチレン性不飽和モノマー(3)
TIFF
2025065469000003.tif
61
36
(3)
(式中、R

、R

、R
10
は、それぞれ独立して、水素またはメチル基、R
11
は、炭素数2~10のアルキレン基またはオキシアルキレン基が好ましく、炭素数2~4のアルキレン基またはオキシアルキレン基が特に好ましい。nは、0~2の整数を表す。)
[6]
前記櫛型高分子が、さらに少なくとも1つの構造単位(I)と、少なくとも1つの構造単位(II)と、少なくとも1つの構造単位(III)とを有する重縮合物を含み、前記構造単位(I)が、アルキレングリコール単位を有するポリエーテル側鎖を有する芳香族部分であり、ただし、前記ポリエーテル側鎖におけるエチレングリコール単位の数は、9~41であり、かつ前記エチレングリコール単位の含分は、前記ポリエーテル側鎖中の全てのアルキレングリコール単位に対して80mol%超であり、前記構造単位(II)が、少なくとも1個のリン酸エステル基及び/ 又はその塩を有する芳香族部分であり、ただし、前記構造単位(II)に対する前記構造単位(I)のモル比の値は、0.3~4であり、前記構造単位(III)が、少なくとも1 個のメチレン単位(-CH2-)であり、該メチレン単位は、前記構造単位(I) と前記構造単位(II)の2つの芳香族構造単位に結合しており、ここで該芳香族構造単位は、相互に独立して、同一であるか又は異なり、かつ、
前記構造単位(I)、(II)及び(III)を含有する重縮合物の質量平均分子量Mwが、3,000~50,000 の範囲であることを特徴とする、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のグラウト用セメント組成物。
[7]
前記重縮合物が、少なくとも1つの構造単位(IV)をさらに有し、
前記構造単位(IV)が、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)とは異なる芳香族構造単位によって表され、
前記メチレン単位は、前記構造単位(I)と前記構造単位(II)と前記構造単位(IV) の3つの芳香族構造単位に結合しており、ここで該芳香族構造単位は、相互に独立して、同一であるか又は異なり、かつ、
前記構造単位(I)、(II)、(III)及び(IV)を含有する重縮合物の質量平均分子量Mwが、3,000~50,000の範囲である、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のグラウト用セメント組成物。
[8]
上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のグラウト用セメント組成物に用いる、グラウト用セメント組成物に用いるための添加剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、優れた流動特性を有し、かつ、特殊な添加剤を添加することなく強度発現性と材料分離抵抗性に優れたグラウト用セメント組成物およびグラウト材用添加剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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