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公開番号
2025056766
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2024164355
出願日
2024-09-20
発明の名称
コンクリート保護工法及びコンクリート保護キット
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
41/63 20060101AFI20250331BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】低温環境下において、コンクリートを保護するための粘着シートをコンクリートの表面に貼り付ける前に、コンクリートの表面に付着した粉塵を除去する作業を適切に実施できるコンクリート保護工法及びコンクリート保護キットを提供する。
【解決手段】本発明は、粘着シートをコンクリートに貼り付けてコンクリートを保護する方法であり、コンクリートにおける粘着シートを貼り付ける表面を清掃して、表面に付着した粉塵を表面から除去する清掃工程、及び清掃工程により清掃したコンクリートの表面に、粘着シートを貼り付ける貼付工程を含み、清掃工程は、全光線透過率86%以上のOPPテープをコンクリートの表面に貼り付けて、OPPテープをコンクリートの表面から剥がした後のOPPテープの可視光線透過率がa%であり、粘着シートのJIS R 5201に準拠した0℃の温度におけるモルタル板への90°粘着力がbN/25mmである場合、a+b≧110の関係を満たすまで清掃を実施する。本発明のコンクリート保護キットは本発明のコンクリート保護方法に使用することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
粘着シートをコンクリートに貼り付けて前記コンクリートを保護する方法であって、
前記コンクリートにおける前記粘着シートを貼り付ける表面を清掃して、前記表面に付着した粉塵を前記表面から除去する清掃工程、及び
前記清掃工程により清掃した前記コンクリートの前記表面に、前記粘着シートを貼り付ける貼付工程を含み、
前記清掃工程は、全光線透過率86%以上の延伸ポリプロピレンテープを前記コンクリートの表面に貼り付けて、前記延伸ポリプロピレンテープを前記コンクリートの前記表面から剥がした後の前記延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率がa%であり、前記粘着シートのJIS R 5201に準拠した0℃の温度におけるモルタル板への90°粘着力がbN/25mmである場合、次の式(1)の関係を満たすまで清掃を実施するコンクリート保護工法。
a+b≧110 (1)
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率は、ハンディ透過率計で測定した可視光線透過率である請求項1に記載のコンクリート保護工法。
【請求項3】
前記清掃工程を実施する前の前記コンクリートの前記表面は、全光線透過率86%以上の延伸ポリプロピレンテープを該表面に貼り付けて、剥がした後の前記延伸ポリプロピレンテープの全光線透過率が80%以下となるものである、請求項1に記載のコンクリート保護工法。
【請求項4】
前記清掃工程は、粘着剤層を備えた清掃用粘着テープに、前記コンクリートの前記表面に付着した前記粉塵を粘着して前記表面から除去する請求項1に記載のコンクリート保護工法。
【請求項5】
前記清掃用粘着テープの前記粘着剤層の厚みが20~80μmである請求項4に記載のコンクリート保護工法。
【請求項6】
前記清掃用粘着テープの前記粘着剤層のゲル分率が70%以下である請求項4に記載のコンクリート保護工法。
【請求項7】
前記清掃用粘着テープの2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が40N/24mm以下である請求項4に記載のコンクリート保護工法。
【請求項8】
前記清掃用粘着テープの180°粘着力が5N/25mm以上である請求項4に記載のコンクリート保護工法。
【請求項9】
前記粘着シートの厚みが100~2500μmである請求項1に記載のコンクリート保護工法。
【請求項10】
前記粘着シートは粘着剤層を備え、
前記粘着シートの前記粘着剤層の0℃での貯蔵弾性率が20万~250万Paである請求項1に記載のコンクリート保護工法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート保護工法及びコンクリート保護キットに関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
高架橋、トンネル、橋梁、鉄塔、タンク等の大型構造物は、鋼材とコンクリート材を組み合わせて建造されることが多い。鋼材やコンクリート材は、経年で腐食し、錆、クラック、ひび割れ等が発生する。これらの腐食が進行した場合には、例えば、構造物の表面に塗料や接着剤などを塗布することで、腐食箇所を補修することがあるが、こうした補修方法は作業工程が複雑であり、実際の補修作業に取り掛かるまで相当の時間を要する。そのため、実際に補修作業を開始するまでに、腐食箇所において錆がさらに進行したり、腐食箇所からコンクリート片が落下したりする問題がある。
【0003】
腐食箇所の補修作業の工程を簡素化する方法としては、腐食箇所にシートを貼り付けることで腐食の進行を抑制することが知られている。そのようなシートとして、例えば、特許文献1に記載の構造物保護シートが従来技術として知られている。特許文献1に記載の構造物保護シートは、接着層、ポリマーセメント硬化層及び樹脂層がこの順に設けられている。特許文献1に記載の構造物保護シートを用いることにより、コンクリート等の構造物の表面に保護層を設ける際の工期を大幅に削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-184760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構造物の表面に粉塵が存在すると、その粉塵は構造物保護シートの構造物への接着を阻害する。特に、低温環境下では、構造物保護シートは硬くなり、構造物の表面に付着した粉塵に対する追従性が悪くなるため、構造物の表面に粉塵が存在すると、構造物保護シートの構造物への接着力が著しく低下する。このため、構造物保護シートを構造物の表面に貼り付ける前に、構造物の表面に存在する粉塵を除去する必要がある。しかしながら、特許文献1には、構造物保護シートを構造物に貼り付ける際、構造物の表面に粉塵をどの程度除去すればよいかについて、開示されていない。このため、構造物の表面に存在する粉塵の除去が不十分であったため、構造物保護シートの構造物への接着力が低下したり、構造物の表面に存在する粉塵除去の作業を必要以上に行い、構造物の表面に保護層を設ける際の工期が長くなったりする場合があった。
そこで、本発明は、低温環境下において、構造物の表面、特にコンクリートの表面に、コンクリートを保護するための粘着シートを貼り付ける前に、コンクリートの表面に付着した粉塵を除去する作業を適切に実施できるコンクリート保護工法及びコンクリート保護キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の構成を有することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[11]を提供する。
[1]粘着シートをコンクリートに貼り付けて前記コンクリートを保護する方法であって、
前記コンクリートにおける前記粘着シートを貼り付ける表面を清掃して、前記表面に付着した粉塵を前記表面から除去する清掃工程、及び
前記清掃工程により清掃した前記コンクリートの前記表面に、前記粘着シートを貼り付ける貼付工程を含み、
前記清掃工程は、全光線透過率86%以上の延伸ポリプロピレンテープを前記コンクリートの表面に貼り付けて、前記延伸ポリプロピレンテープを前記コンクリートの前記表面から剥がした後の前記延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率がa%であり、前記粘着シートのJIS R 5201に準拠した0℃の温度におけるモルタル板への90°粘着力がbN/25mmである場合、次の式(1)の関係を満たすまで清掃を実施するコンクリート保護工法。
a+b≧110 (1)
[2]前記延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率は、ハンディ透過率計で測定した可視光線透過率である上記[1]に記載のコンクリート保護工法。
[3]前記清掃工程を実施する前の前記コンクリートの前記表面は、全光線透過率86%以上の延伸ポリプロピレンテープを該表面に貼り付けて、剥がした後の前記延伸ポリプロピレンテープの全光線透過率が80%以下となるものである、上記[1]又は[2]に記載のコンクリート保護工法。
[4]前記清掃工程は、粘着剤層を備えた清掃用粘着テープに、前記コンクリートの前記表面に付着した前記粉塵を粘着して前記表面から除去する上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のコンクリート保護工法。
[5]前記清掃用粘着テープの前記粘着剤層の厚みが20~80μmである上記[4]に記載のコンクリート保護工法。
[6]前記清掃用粘着テープの前記粘着剤層のゲル分率が70%以下である上記[4]又は[5]に記載のコンクリート保護工法。
[7]前記清掃用粘着テープの2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が40N/24mm以下である上記[4]~[6]のいずれか1つに記載のコンクリート保護工法。
[8]前記清掃用粘着テープの180°粘着力が5N/25mm以上である上記[4]~[7]のいずれか1つに記載のコンクリート保護工法。
[9]前記粘着シートの厚みが100~2500μmである上記[1]~[8]のいずれか1つに記載のコンクリート保護工法。
[10]前記粘着シートは粘着剤層を備え、
前記粘着シートの前記粘着剤層の0℃での貯蔵弾性率が20万~250万Paである上記[1]~[9]のいずれか1つに記載のコンクリート保護工法。
[11]コンクリートを清掃するための清掃用粘着テープと、前記コンクリートを保護するための粘着シートとを含むコンクリート保護キットであって、
前記清掃用粘着テープは、前記コンクリートの表面に付着した粉塵を粘着して前記表面から除去することにより、前記コンクリートを清掃し、
前記粘着シートは、前記清掃用粘着テープにより清掃した前記コンクリートの前記表面に貼り付けることにより前記コンクリートを保護するコンクリート保護キット。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温環境下において、コンクリートを保護するための粘着シートをコンクリートの表面に貼り付ける前に、コンクリートの表面に付着した粉塵を除去する作業を適切に実施できるコンクリート保護工法及びコンクリート保護キットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、貼付工程に使用される粘着シートの構成の一例を示す模式図である。
図2は、貼付工程に使用される粘着シートの構成の一例を示す模式図である。
図3は、貼付工程に使用される粘着シートの構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[コンクリート保護工法]
本発明のコンクリート保護工法は、粘着シートをコンクリートに貼り付けてコンクリートを保護する方法である。そして、本発明のコンクリート保護工法は、コンクリートにおける粘着シートを貼り付ける表面を清掃して、その表面に付着した粉塵をその表面から除去する清掃工程、及び清掃工程により清掃したコンクリートの表面に、粘着シートを貼り付ける貼付工程を含む。
【0010】
(清掃工程)
上述したように、清掃工程では、コンクリートにおける粘着シートを貼り付ける表面を清掃して、その表面に付着した粉塵をその表面から除去する。そして、清掃工程では、次の式(1)の関係を満たすまで清掃を実施する。
a+b≧110 (1)
なお、aは、全光線透過率86%以上の延伸ポリプロピレンテープをコンクリートの表面に貼り付けて、延伸ポリプロピレンテープをコンクリートの表面から剥がした後の延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率(%)である。また、bは、粘着シートのJIS R 5201に準拠した0℃の温度におけるモルタル板への90°粘着力(N/25mm)である。
上記式(1)の関係を満たすまでコンクリートの表面の清掃を実施しないと、低温環境下において、コンクリート表面への粘着シートの粘着が不十分となり、低温環境下においてコンクリートを十分に保護できない場合がある。このような観点から、清掃工程では、上記(a+b)の値が、次の式(1a)の関係を満たすまで清掃を実施することが好ましく、次の式(1b)の関係を満たすまで清掃を実施することがより好ましく、次の式(1c)の関係を満たすまで清掃を実施することがさらに好ましい。なお、上記(a+b)の値は、高い方がよく、上記(a+b)の値の範囲の上限値は、特に限定されないが、上記(a+b)の値は、現実的には200以下程度である。
a+b≧112 (1a)
a+b≧116 (1b)
a+b≧120 (1c)
なお、延伸ポリプロピレンテープとして、後述の実施例のものを使用することが好ましい。また、延伸ポリプロピレンテープの全光線透過率、延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率、及び粘着シートのJIS R 5201に準拠した0℃の温度におけるモルタル板への90°粘着力は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。さらに、現場での測定のしやすさの観点から、延伸ポリプロピレンテープの可視光線透過率は、ハンディ透過率計で測定することが好ましい。
なお、清掃工程においては、実際にaの値を測定して、(a+b)の値が上記範囲内となることを確認してもよい。ただし、(a+b)の値が上記範囲内となるように清掃すればよく、aの値を実際に測定しなくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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