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公開番号2025058543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168536
出願日2023-09-28
発明の名称セメント原料の使用方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C04B 28/00 20060101AFI20250402BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】セメント原料を加熱した際に生じる排ガスに含まれる大気汚染物質の量を抑制することのできる、セメント原料の使用方法を提供する。
【解決手段】
セメント原料の使用方法は、第一セメント原料に含まれる有機物量である第一有機物量に関する情報と、第二セメント原料に含まれる有機物量である第二有機物量に関する情報とを準備する工程(a)と、第一セメント原料と第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料に含まれる有機物量である第三有機物量を、第一セメント原料と第二セメント原料との混合比率、第一有機物量、及び第二有機物量に基づく演算によって推定する工程(b)と、第三有機物量に基づく評価値が所定閾値以下である場合には、第三セメント原料をセメントキルンに付設されたプレヒータの上部から投入する工程(c)とを有す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一セメント原料に含まれる有機物量である第一有機物量に関する情報と、前記第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料に含まれる有機物量である第二有機物量に関する情報とを準備する工程(a)と、
前記第一セメント原料と前記第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料に含まれる有機物量である第三有機物量を、前記第一セメント原料と前記第二セメント原料との混合比率、前記第一有機物量、及び前記第二有機物量に基づく演算によって推定する工程(b)と、
前記第三有機物量に基づく評価値と所定閾値とを対比し、前記評価値が前記所定閾値以下である場合には、前記第三セメント原料をセメントキルンに付設されたプレヒータの上部から投入する工程(c)とを有することを特徴とする、セメント原料の使用方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記工程(c)において、前記評価値が前記所定閾値を上回る場合には、前記評価値が前記所定閾値以下となるように前記混合比率を変更した上で、前記第三セメント原料を前記プレヒータ上部から投入することを特徴とする、請求項1に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項3】
前記第二有機物量が前記第一有機物量より高く、
前記工程(c)において、前記評価値が前記所定閾値を上回る場合には、前記評価値が前記所定閾値以下となるように、前記第一セメント原料に対する前記第二セメント原料の相対比率を低下させることで前記混合比率を変更した上で、前記第三セメント原料を前記プレヒータの上部から投入し、
前記第二セメント原料を前記プレヒータの下部から投入する工程(d)を更に有することを特徴とする、請求項2に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項4】
前記第一セメント原料は、原料工程において調合された調合原料からなり、
前記第二セメント原料は、廃棄物からなることを特徴とする、請求項3に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項5】
前記工程(a)は、
前記第一セメント原料及び前記第二セメント原料の、セメントキルンに付設されたプレヒータの上部における加熱環境に対応する第一温度の下での強熱減量を測定する工程(a1)と、
前記第一セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量に基づいて前記第一有機物量を導出し、前記第二セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量に基づいて前記第二有機物量を導出する工程(a2)とを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項6】
前記工程(a2)は、前記第一セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量を前記第一有機物量とし、前記第二セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量を前記第二有機物量とすることを特徴とする、請求項5に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項7】
前記工程(a)は、前記第一セメント原料及び前記第二セメント原料の、100℃より高く前記第一温度よりは低い第二温度の下での強熱減量を測定する工程(a3)を更に含み、
前記工程(a2)は、前記第一セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量と前記第二温度の下での強熱減量の差分値に基づいて前記第一有機物量とし、前記第二セメント原料の前記第一温度の下での強熱減量と前記第二温度の下での強熱減量の差分値に基づいて前記第二有機物量とすることを特徴とする、請求項5に記載のセメント原料の使用方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント原料の使用方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
現在、持続可能な社会の実現に向けて、廃棄物をセメント原料の一部に利用する取り組みが行われている。具体的な例としては、石灰石や粘土を含み、セメント工場において原料ミルによって粉砕等が施されて得られる原料(以下、「セメント主原料」と呼ぶ。)に、廃棄物からなる原料(以下、「リサイクル原料」と呼ぶ。)を混合させて、セメントキルン内に投入し、焼成されている。
【0003】
しかしながら、廃棄物の多様化やその量の増加、並びに廃棄物を燃焼することで生じる副生成物の多様化及びその量の増加に起因して、セメントキルン排ガスに含まれる大気汚染物質の量が増えることが懸念される。特に、大気汚染物質に属する残留性有機汚染物質(POPs)は、自然に分解されにくく、食物連鎖等を通じた生物濃縮によって生態系や人体に影響が及ぶ可能性があるため、その排出量を抑制することは重要である。ダイオキシン類(DXNs)は、POPsの一例として知られている。
【0004】
上記の課題を受けて、本出願人は、下記特許文献1において、セメントキルン排ガスを集塵機を用いて集塵することで、ダイオキシン類の濃度を高めたキルンダストを捕集して、窯尻やプレヒータ下部に投入し、セメント焼成時の熱によりダイオキシン類を加熱分解する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4948446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、昨今のリサイクル原料の多様化に伴い、上記の技術だけでは、大気汚染物質の排出リスクを抑えることが困難になるケースがあり、更なる対応が必要となっている。本発明は、上記の事情に鑑み、セメント原料を加熱した際に生じる排ガスに含まれる大気汚染物質の量を抑制することのできる、セメント原料の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るセメント原料の使用方法は、
第一セメント原料に含まれる有機物量である第一有機物量に関する情報と、前記第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料に含まれる有機物量である第二有機物量に関する情報とを準備する工程(a)と、
前記第一セメント原料と前記第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料に含まれる有機物量である第三有機物量を、前記第一セメント原料と前記第二セメント原料との混合比率、前記第一有機物量、及び前記第二有機物量に基づく演算によって推定する工程(b)と、
前記第三有機物量に基づく評価値と所定閾値とを対比し、前記評価値が前記所定閾値以下である場合には、前記第三セメント原料をセメントキルンに付設されたプレヒータの上部から投入する工程(c)とを有することを特徴とする。
【0008】
第一有機物量に関する情報は、例えば、予め第一セメント原料に対して有機物量測定試験を行うことで取得しておくことができる。第二有機物量に関する情報についても、同様に、予め第二セメント原料に対して有機物量測定試験を行うことで取得しておくことができる。
【0009】
セメントクリンカを生成するために、セメント原料はプレヒータ等を介してセメントキルンに投入され、加熱される。セメント原料が加熱されると、セメント原料中に含まれる有機物成分が、燃焼、熱分解、合成等の複雑な反応を経て、大気汚染物質を生成する。つまり、セメント原料に含まれる有機物量と大気汚染物質の生成量との間には密接な関係があると考えられる。
【0010】
ここで、有機物の大半は高温で加熱されることで、酸化分解、加熱分解等がされて、CO
2
等のガスに変化する。よって、加熱前後の重量の減少の程度を確認することで、含有有機物量を把握できる。つまり、上記の有機物量測定試験としては、強熱減量試験を利用することができる。より詳細には、第一セメント原料に対して、所定の第一温度の下で強熱減量試験を行って強熱減量(Ignition Loss:IL)を測定し、この測定値に基づいて第一セメント原料の有機物量(第一有機物量)を導出できる。第二セメント原料についても同様に、所定の第一温度の下で強熱減量試験を行って強熱減量を測定し、この測定値に基づいて第二セメント原料の有機物量(第二有機物量)を導出できる。
(【0011】以降は省略されています)

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