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公開番号2025039119
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023145974
出願日2023-09-08
発明の名称水硬性組成物用起泡剤
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 24/16 20060101AFI20250313BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】同じ添加量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、水硬性組成物用起泡剤、並びに、同じ起泡成分量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、気泡含有水硬性組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記(A)成分、及び(B)成分を含有し、(B)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比(B)/(A)が15/85以上80/20以下である、水硬性組成物用起泡剤。
(A)成分:オレフィンスルホン酸又はその塩
(B)成分:(A)成分以外のアニオン界面活性剤
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記（Ａ）成分、及び（Ｂ）成分を含有し、（Ｂ）成分の含有量と（Ａ）成分の含有量との質量比（Ｂ）／（Ａ）が１５／８５以上８０／２０以下である、水硬性組成物用起泡剤。
（Ａ）成分：オレフィンスルホン酸又はその塩
（Ｂ）成分：（Ａ）成分以外のアニオン界面活性剤
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
（Ｂ）成分が、炭素数８以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル、炭素数８以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルスルホン酸、炭素数８以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル、及びこれらの塩から選ばれる1種以上である、請求項１に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項３】
（Ｂ）成分が、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が異なる、２種のアルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩を含む、請求項１又は２に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項４】
（Ｂ）成分が、（Ｂ１）炭素数８以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩、及び（Ｂ２）炭素数８以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を有する、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩から選ばれる１種以上である、請求項１～３の何れか１項に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項５】
（Ａ）成分が、炭素数１２以上２０以下のオレフィンスルホン酸又はその塩である、請求項１～４の何れか１項に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項６】
（Ａ）成分が、炭素数１２以上２０以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩である、請求項１～５の何れか１項に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項７】
石膏スラリー用である、請求項１～６の何れか１項に記載の水硬性組成物用起泡剤。
【請求項８】
水硬性粉体、水、分散剤、下記（Ａ）成分、及び（Ｂ）成分を含有し、（Ｂ）成分の含有量と（Ａ）成分の含有量との質量比（Ｂ）／（Ａ）が１５／８５以上８０／２０以下である、気泡含有水硬性組成物。
（Ａ）成分：オレフィンスルホン酸又はその塩
（Ｂ）成分：（Ａ）成分以外のアニオン界面活性剤
【請求項９】
水硬性粉体が石膏である、請求項８に記載の気泡含有水硬性組成物。
【請求項１０】
分散剤が、ナフタレン系重合体、ポリカルボン酸系重合体、リグニンスルホン酸系重合体、及びメラミン系重合体から選ばれる１種以上の化合物である、請求項８又は９に記載の気泡含有水硬性組成物。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水硬性組成物用起泡剤、気泡含有水硬性組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
セメントや石膏を硬化剤とする水硬性組成物に気泡を導入して軽量化することが行われている。通常は、起泡剤と水とを含有する液体組成物を起泡させて得た泡沫と水硬性組成物、あるいは、細骨材や各種の混和材料とを混合することで軽量化された気泡含有水硬性組成物が製造される。
【０００３】
特許文献１には、ポルトランドセメントおよび混合セメントの何れかあるいはこれらの組み合わせからなるセメント成分を含む水硬性材料と、粉状のアニオン界面活性剤からなる起泡剤と、膨潤力が１８ｍｌ／２ｇ以上のベントナイトと、を含むことを特徴とする、気泡が安定したエアモルタル用調合物が開示されている。
特許文献２には、炭素数８と１０の高級アルコールの酸化エチレン付加体の硫酸化物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩から選ばれるアニオン界面活性剤１００部に対し、炭素数１～４のアルコールの酸化エチレン１～２モル付加体を５～１００部配合することからなる軽量石膏ボード製造用起泡剤が開示され、該軽量石膏ボード製造用起泡剤は、少量の使用量で所要のボリュームが得られ、低密度の石膏ボードの場合でも原紙と石膏コアとの接着性が優れ、且つ高いコア強度を示すことが開示されている。そして、実施例には、アルキルエ－テルサルフェ－ト３５質量％、エチレングリコ－ルモノブチルエ－テル１７質量％を含有する起泡剤が開示されている。
特許文献３には、気泡を混入した石膏スラリーを成形して軽量化石膏製品を製造するに際し、該石膏スラリー中に炭素数１０～１８のインターナルオレフィンスルホネートを添加することを特徴とする、安定した泡特性が得られる軽量化石膏製品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２０－８３６６３号公報
特開平７－２９１７６１号公報
特開昭６１－１６８５５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
セメントや石膏を硬化剤とする気泡含有水硬性組成物の硬化体には、製造、輸送、原料調達による環境（ＣＯ
２
）低減効果やコストの観点から、更なる軽量化が求められている。
セメントや石膏を硬化剤とする気泡含有水硬性組成物は、気泡を含有することにより比重を低下させ軽量化できるが、一方で、軽量化により強度が低下する。特開平１０－３３０１７４号公報の段落０００４に記載の通り、強度低下の抑制には気泡含有水硬性組成物中の気泡径を大きくすることが考えられるが、気泡径の増大には限界があった。さらに言えば、軽量化を実現するには、安定性の高い泡沫の導入が求められるため、結果として気泡含有水硬性組成物中の気泡径は小さくなる傾向にある。そのため、比重の小さい気泡含有水硬性組成物硬化体中の気泡径を大きくする、もしくは少なくとも気泡径の小径化を抑制する技術を確立し、軽量化と強度を両立する技術が求められる。また薬剤コスト低減、輸送時の環境負荷低減及び再生のし易さ（再生石膏の薬剤キャリーオーバーの低減）の観点から、泡沫の素となる起泡剤組成物の気泡含有水硬性組成物への添加量が少ないことが求められる。
【０００６】
本発明は、同じ添加量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、水硬性組成物用起泡剤、並びに、同じ起泡成分量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、気泡含有水硬性組成物及びその製造方法を提供する。
本発明において、起泡成分とは、後述する水硬性組成物用起泡剤に含まれる（Ａ）成分、（Ｂ）成分のことをいう。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、下記（Ａ）成分、及び（Ｂ）成分を含有し、（Ｂ）成分の含有量と（Ａ）成分の含有量との質量比（Ｂ）／（Ａ）が１５／８５以上８０／２０以下である、水硬性組成物用起泡剤に関する。
（Ａ）成分：オレフィンスルホン酸又はその塩
（Ｂ）成分：（Ａ）成分以外のアニオン界面活性剤
【０００８】
また本発明は、水硬性粉体、水、分散剤、前記（Ａ）成分、及び（Ｂ）成分を含有し、（Ｂ）成分の含有量と（Ａ）成分の含有量との質量比（Ｂ）／（Ａ）が１５／８５以上８０／２０以下である、気泡含有水硬性組成物に関する。
【０００９】
また本発明は、次の工程１及び工程２を含む、気泡含有水硬性組成物の製造方法に関する。
<工程１>
本発明の水硬性組成物用起泡剤と水とを含有する液体組成物を起泡させて泡沫を得る工程。
<工程２>
水硬性粉体と、水と、分散剤と、工程１で得られた泡沫とを混合する工程。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、同じ添加量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、水硬性組成物用起泡剤、並びに、同じ起泡成分量で比重が小さい気泡含有水硬性組成物硬化体を気泡の小径化を伴うことなく得ることができる、気泡含有水硬性組成物及びその製造方法が提供される。
（【００１１】以降は省略されています）

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