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公開番号
2025010495
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-21
出願番号
2024095214
出願日
2024-06-12
発明の名称
レジスト下層膜形成方法及びパターン形成方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G03F
7/11 20060101AFI20250110BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】優れたドライエッチング耐性を示すレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜形成方法を提供する。
【解決手段】基板上にレジスト下層膜を形成する方法であって、(i)前記基板上に、(A)重合体と有機溶剤とを含むレジスト下層膜形成用組成物をコーティングして塗膜を得、該塗膜を100℃以上800℃以下の温度で10秒から7,200秒間の熱処理に供して硬化させることで、下層膜前駆膜を形成する工程と、(ii)前記下層膜前駆膜をプラズマ照射により硬化させて、レジスト下層膜を形成する工程と、を含み、前記(A)重合体として、前記重合体を構成する繰り返し単位に水酸基および下記一般式(1)で示される有機基を含まない芳香環含有樹脂を用いることを特徴とするレジスト下層膜形成方法。
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【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上にレジスト下層膜を形成する方法であって、
(i)前記基板上に、(A)重合体と有機溶剤とを含むレジスト下層膜形成用組成物をコーティングして塗膜を得、該塗膜を100℃以上800℃以下の温度で10秒から7,200秒間の熱処理に供して硬化させることで、下層膜前駆膜を形成する工程と、
(ii)前記下層膜前駆膜をプラズマ照射により硬化させて、レジスト下層膜を形成する工程と、
を含み、
前記(A)重合体として、前記重合体を構成する繰り返し単位に水酸基および下記一般式(1)で示される有機基を含まない芳香環含有樹脂を用いることを特徴とするレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2025010495000098.tif
19
93
(上記一般式(1)中、pは0または1であり、*は結合部である。)
続きを表示(約 2,500 文字)
【請求項2】
前記芳香環含有樹脂が、下記式(1-1)に記載した構造からなる群より選択される構造を含むものである前記(A)重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2025010495000099.tif
123
138
【請求項3】
前記(A)重合体が、下記一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)および(A-5)で示される構成単位のいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2025010495000100.tif
13
57
(前記一般式(A-1)中、Ar
1
は、非置換の縮合芳香族環であるか、または水酸基および上記一般式(1)で示される有機基を含まない炭素数1~20の2価の有機基を置換基として含む縮合芳香族環である。)
TIFF
2025010495000101.tif
21
81
(前記一般式(A-2)中、Ar
1
は、非置換の縮合芳香族環であるか、または水酸基および上記一般式(1)で示される有機基を含まない炭素数1~20の2価の有機基を置換基として含む縮合芳香族環であり、Ar
2
は、Ar
1
とは異なる縮合芳香族環であって、非置換の縮合芳香族環であるか、または水酸基および上記一般式(1)で示される有機基を含まない炭素数1~20の2価の有機基を置換基として含む縮合芳香族環である。)
TIFF
2025010495000102.tif
24
62
(上記一般式(A-3)中、R
1
は水素原子、ハロゲン原子、並びに炭素数1~20の直鎖状、分岐状、及び環状の炭化水素基のいずれかである。)
TIFF
2025010495000103.tif
31
62
(上記一般式(A-4)中、R
2
は水素原子、ハロゲン原子、並びに炭素数1~20の直鎖状、分岐状、及び環状の炭化水素基のいずれかである。)
TIFF
2025010495000104.tif
25
73
(前記一般式(A-5)中、R
1
は、水素原子、または水酸基および上記一般式(1)で示される有機基を含まない炭素数1~50の1価の有機基を表し、Ar3及びAr4のそれぞれは、非置換のベンゼン環またはナフタレン環である。)
【請求項4】
前記(A)重合体として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の分子量が、300から5,000であるものを用いることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項5】
前記レジスト下層膜形成用組成物として、さらに、
(C)架橋剤、
(D)界面活性剤、
(E)酸発生剤、及び
(F)可塑剤
のうち1種以上を含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項6】
前記(C)架橋剤として下記一般式(C-1)で示される構造のものを用いることを特徴とする請求項5に記載のレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2025010495000105.tif
32
84
(上記一般式(C-1)中、W
1
及びW
2
は、それぞれ、置換基を有してもよいベンゼン環またはナフタレン環であり、R
2
は、水素原子または炭素数1~20の1価の有機基を表し、Xは下記一般式(2)で示される基の何れかである。)
TIFF
2025010495000106.tif
14
152
【請求項7】
前記(ii)工程において、前記プラズマ照射をN
2
、NF
3
、H
2
、フルオロカーボン、希ガス、またはこれらいずれかの混合物の雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項8】
前記(i)工程において、前記熱処理を酸素濃度が1%以上21%以下の雰囲気で行うことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項9】
前記(i)工程において、前記熱処理を酸素濃度が1%未満の雰囲気で行うことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項10】
被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(I-1)請求項1~7の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成方法により、被加工基板上にレジスト下層膜を形成する工程、
(I-2)前記レジスト下層膜上に、レジスト中間膜を形成する工程、
(I-3)前記レジスト中間膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(I-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(I-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト中間膜にパターンを転写する工程、
(I-6)前記パターンが転写されたレジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(I-7)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜形成方法及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、半導体装置製造工程における多層レジスト法による微細パターニングに用いることが可能なレジスト下層膜形成方法、及び該レジスト下層膜を用いたパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型フォトレジスト組成物である。この単層ポジ型フォトレジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるドライエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなスイッチング機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクにして被加工基板をドライエッチング加工するものである。
【0003】
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままで微細化する、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまうという問題が発生した。このため、パターンの微細化に伴いフォトレジスト膜は薄膜化されてきた。
【0004】
一方、被加工基板の加工には、通常、パターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクにして、ドライエッチングにより基板を加工する方法が用いられるが、現実的にはフォトレジスト膜と被加工基板との間に完全なエッチング選択性を取ることのできるドライエッチング方法が存在しない。そのため、基板の加工中にフォトレジスト膜もダメージを受けて崩壊し、レジストパターンを正確に被加工基板に転写できなくなるという問題があった。そこで、パターンの微細化に伴い、レジスト組成物により高いドライエッチング耐性が求められてきた。しかしながら、その一方で、解像性を高めるために、フォトレジスト組成物に使用する樹脂には、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められてきた。そのため、露光光がi線、KrF、ArFと短波長化するにつれて、樹脂もノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂と変化してきた。しかし、現実的には基板加工時のドライエッチング条件におけるエッチング速度は速いものになってきてしまっており、解像性の高い最近のフォトレジスト組成物は、むしろエッチング耐性が弱くなる傾向にある。
【0005】
このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いフォトレジスト膜で被加工基板をドライエッチング加工しなければならないことになり、この加工工程における材料及びプロセスの確保は急務になってきている。
【0006】
このような問題点を解決する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この方法は、フォトレジスト膜(即ち、レジスト上層膜)とエッチング選択性が異なるレジスト中間膜をレジスト上層膜と被加工基板との間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、レジスト上層膜パターンをドライエッチングマスクにして、ドライエッチングによりレジスト中間膜にパターンを転写し、更にレジスト中間膜をドライエッチングマスクにして、ドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。
【0007】
多層レジスト法の一つに、単層レジスト法で使用されている一般的なレジスト組成物を用いて行うことができる3層レジスト法がある。この3層レジスト法では、例えば、被加工基板上にノボラック樹脂等による有機膜をレジスト下層膜として成膜し、その上にケイ素含有レジスト中間膜をレジスト中間膜として成膜し、その上に通常の有機系フォトレジスト膜をレジスト上層膜として形成する。フッ素系ガスプラズマによるドライエッチングを行う際には、有機系のレジスト上層膜は、ケイ素含有レジスト中間膜に対して良好なエッチング選択比が取れるため、レジスト上層膜パターンはフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングによりケイ素含有レジスト中間膜に転写することができる。この方法によれば、直接被加工基板を加工するための十分な膜厚を持ったパターンを形成することが難しいレジスト組成物や、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持たないレジスト組成物を用いても、ケイ素含有レジスト中間膜(レジスト中間膜)にパターンを転写することができ、続いて酸素系又は水素系ガスプラズマによるドライエッチングによるパターン転写を行えば、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持つノボラック樹脂等による有機膜(レジスト下層膜)のパターンを得ることができる。上述のようなレジスト下層膜としては、例えば特許文献1に記載のものなど、すでに多くのものが公知となっている。
【0008】
一方、近年においては、DRAMメモリの微細化が加速しており、さらなるドライエッチング耐性の改善と、優れた埋め込み特性及び平坦化特性を有するレジスト下層膜の必要性が高まってきている。埋め込み特性及び平坦化特性に優れた塗布型有機下層膜材料としては、例えば特許文献2に記載のものなどが報告されているが、先端世代での適用を見据えた場合、ドライエッチング耐性に懸念があり、従来の塗布型有機下層膜材料の適用限界が近づいている。
【0009】
上記課題に対して特許文献3では、レジスト下層膜をプラズマ照射や電子線照射することにより、基板加工時のエッチング耐性が向上することを報告している。しかしながら、上記実施例で用いられているレジスト下層膜は、水酸基またはプロパルギル基を含む樹脂または化合物を含むものが多く、プラズマ照射や電子線照射時に架橋反応も競争的に進行するため、レジスト下層膜の改質が不十分であることが予想される。また、膜中に酸素原子が残るためエッチング耐性の観点から好ましくないと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004-205685号公報
特開2017-119671号公報
特開2020-183506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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