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公開番号2025010419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024193885,2020140071
出願日2024-11-05,2020-08-21
発明の名称導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法
出願人信越ポリマー株式会社,日信化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 81/00 20060101AFI20250109BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】分散処理後の安定性が向上した導電性高分子分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含有し、前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:2)~(1:5)であり、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが20万以上100万以下である導電性高分子分散液であって、前記導電性高分子分散液の総質量に対する前記導電性複合体の濃度を1.3質量%に調整した時の、25℃における粘度が35cP以上45cP以下である、導電性高分子分散液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液で、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含む導電性高分子分散液を得た後、前記導電性高分子分散液を分散処理することを含み、前記分散処理において、得られた導電性高分子分散液の総質量に対する前記導電性複合体の濃度を1.3質量%に調整した時の、25℃における粘度が35cP以上45cP以下となるように分散する導電性高分子分散液の製造方法であって、
前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸であり、
前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:2)~(1:5)であり、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが20万以上100万以下であり、
前記分散処理を行う前の前記導電性高分子分散液を14℃以上25℃以下に調整した第一の容器に保持し、前記第一の容器から前記導電性高分子分散液を分散機本体に徐々に導入して、前記分散機本体のノズルを通過させ、前記導電性高分子分散液中に高速のせん断力を生じさせることにより前記分散処理を行い、
前記分散処理を行っている間のノズルの周囲を、前記第一の容器に保持された前記導電性高分子分散液よりも低い水温の冷却水で冷却し、
前記分散処理を行った前記導電性高分子分散液を前記分散機本体から14℃以上25℃以下に調整した第二の容器へ順次導出して捕集する、導電性高分子分散液の製造方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記分散処理を経た前記導電性高分子分散液中の前記導電性複合体の濃度を0.13質量%に調整した時の、25℃における粒度が500nm未満である、請求項1に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法により前記導電性高分子分散液を製造する工程と、
フィルム基材の少なくとも一方の面に、前記導電性高分子分散液、又は前記導電性高分子分散液及び水溶性有機溶剤を含む塗料を塗工することを含む、導電性フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性高分子分散液及びその製造方法、塗料、並びに導電性フィルム及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
導電層を形成するための塗料として、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープした導電性複合体を含む導電性高分子分散液を使用することがある。例えば、π共役系導電性高分子であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)は水に対して分散し難いが、これにポリスチレンスルホン酸がドープしてPEDOT-PSSを形成することにより、水に対する分散性が高まる。特許文献1には、導電性複合体を水に分散させた後、180日以上経過させることにより、導電性複合体の親水性を向上させたり、エポキシ化合物に対する反応性を向上させたりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-31013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、導電性複合体にエポキシ化合物を反応させた後、有機溶剤に溶解した塗料とすることにより、疎水性のフィルム基材に対する濡れ性を高めている。このように導電性複合体をエポキシ化合物との反応によって疎水化しない場合、導電性高分子分散液にアルコール等の水溶性有機溶剤を添加して、フィルム基材に対する濡れ性を高めることが通常行われる。しかし、水溶性有機溶剤を添加した塗料中における導電性複合体の分散安定性は必ずしも高くなく、水溶性有機溶剤の添加後に数十時間で分散性が低下することがある。分散性が低下した塗料を塗布して形成される導電層の導電性も低下する。
このため、分散処理を行った導電性高分子分散液に水溶性有機溶剤を添加して塗料を得た後、その塗料中における導電性複合体の分散性を維持することが求められている。
【0005】
そこで、本発明者は、塗料を調製する前の導電性高分子分散液の段階で分散処理を工夫することにより、導電性複合体の分散性を高めた導電性高分子分散液を得る方法、及び、水溶性有機溶剤を添加して塗料とした後でも導電性複合体の分散性の経時的な低下が抑制される導電性高分子分散液を製造する方法を鋭意検討し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は、分散処理後の安定性が向上した導電性高分子分散液及びその製造方法を提供する。また、前記導電性高分子分散を含む塗料と、前記導電性高分子分散液又は前記塗料を用いた導電性フィルム及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含有し、前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:2)~(1:5)であり、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが20万以上100万以下である導電性高分子分散液であって、前記導電性高分子分散液の総質量に対する前記導電性複合体の濃度を1.3質量%に調整した時の、25℃における粘度が35cP以上45cP以下である、導電性高分子分散液。
[2] 前記導電性複合体の濃度を0.13質量%に調整した時の、25℃における粒度が500nm未満である、[1]に記載の導電性高分子分散液。
[3] 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、[1]又は[2]に記載の導電性高分子分散液。
[4] [1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液と、水溶性有機溶剤とを含む、塗料。
[5] 前記水溶性有機溶剤がメタノール及びイソプロパノールの少なくとも一方を含む、[4]に記載の塗料。
[6] π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液で、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含む導電性高分子分散液を得た後、前記導電性高分子分散液を分散処理することを含む導電性高分子分散液の製造方法であって、前記分散処理において、得られた導電性高分子分散液の総質量に対する前記導電性複合体の濃度を1.3質量%に調整した時の、25℃における粘度が35cP以上45cP以下となるように分散する、導電性高分子分散液の製造方法。
[7] 前記分散処理を行っている間の前記導電性高分子分散液の液温を14℃以上25℃以下に調整する、[6]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[8] 前記分散処理を行う前の前記導電性高分子分散液を14℃以上25℃以下に調整した第一の容器に保持し、前記第一の容器から前記導電性高分子分散液を分散機本体に徐々に導入して前記分散処理を行い、前記分散処理を行った前記導電性高分子分散液を前記分散機本体から14℃以上25℃以下に調整した第二の容器へ順次導出して捕集する、[6]又は[7]に記載の導電性高分子分散液の製造方法。
[9] フィルム基材の少なくとも一方の面に、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液、又は[4]若しくは[5]に記載の塗料を塗工することを含む、導電性フィルムの製造方法。
[10] フィルム基材の少なくとも一方の面に、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液、又は[4]若しくは[5]に記載の塗料の硬化層からなる導電層を備えた、導電性フィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明の導電性高分子分散液にあっては、所定条件で測定されたときの粘度が特定の範囲にあることにより、分散安定性が向上している。
本発明の導電性高分子分散液の製造方法によれば、上記のように分散安定性が高められた導電性高分子分散液を、容易に製造することができる。
本発明の塗料によれば、導電性複合体の分散安定性が向上しているので、塗料を作製して1日以上静置した後においても導電性が良好な導電層を形成することができる。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、導電性が良好な導電層を備えた導電性フィルムを容易に形成することができる。
【0009】
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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