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公開番号2025010181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024187093,2021098459
出願日2024-10-24,2021-06-14
発明の名称発泡成形用の射出成形機
出願人株式会社日本製鋼所
代理人個人
主分類B29C 44/34 20060101AFI20250109BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】安定的に不活性ガスを注入でき、機械長が短い射出成形機を提供する。
【解決手段】加熱シリンダ(2)とスクリュ(3)とからなる射出成形機(1)は、上流側の第1のステージ(5)と下流側の第2のステージ(6)とに区分され、そして第1のステージ(5)は供給区間(8)と第1の圧縮区間(9)と第1の計量区間(10)とから、第2のステージ(6)は飢餓区間(13)と第2の圧縮区間(14)と第2の計量区間(15)とから構成されている。不活性ガスの注入部(17、18)は2カ所以上設け、逆止弁(20、21)を設ける。注入部(17、18)の間隔Pと、個数Nとの積P×Nは、飢餓区間(13)の長さHに対して0.5H以上、1.71H以下になるようにする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
加熱シリンダと、
該加熱シリンダに入れられているスクリュと、
前記加熱シリンダにおいて軸方向に離間した複数箇所に設けられて不活性ガスを注入するようになっている複数個の注入部と、を備え、
前記加熱シリンダ内が前記スクリュの形状により上流側の第1のステージと下流側の第2のステージとに区分され、前記第1のステージは樹脂が溶融される上流側の供給区間と溶融樹脂が圧縮される下流側の第1の圧縮区間と最下流側の第1の計量区間とから構成され、前記第2のステージは樹脂の圧力が低下する上流側の飢餓区間と溶融樹脂が圧縮される下流側の第2の圧縮区間と最下流側の第2の計量区間とから構成され、前記複数個の注入部からの不活性ガスが前記飢餓区間において供給されるようになっており、
前記複数個の注入部のそれぞれには、逆止弁あるいは開閉機構が設けられ、
前記複数個の注入部の間隔Pと、前記注入部の個数Nとの積P×Nは、前記飢餓区間の長さHに対して0.5H以上、1.71H以下になって
おり、
前記スクリュが計量時に後退する長さを計量ストロークSとすると、計量の開始から完了までの間において、前記飢餓区間の両端から0.1S以上内側の範囲に少なくとも1個の前記注入部が存在するように前記複数個の注入部が配置されている
、発泡成形用の射出成形機。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記複数個の注入部の間隔Pは、前記計量ストロークSに対して0.25S以上、0.8S以下になっている、請求項

に記載の発泡成形用の射出成形機。
【請求項3】
前記複数個の注入部の間隔Pと、前記注入部の個数Nとの積P×Nは、前記計量ストロークSに対して0.5S以上、1.6S以下になっている、請求項
1または2
に記載の発泡成形用の射出成形機。
【請求項4】
前記複数個の注入部の個数Nが2個以上、4個以下になっている、請求項1~3のいずれかの項に記載の発泡成形用の射出成形機。
【請求項5】
加熱シリンダと、
該加熱シリンダに入れられているスクリュと、
前記加熱シリンダにおいて軸方向に離間した複数箇所に設けられて不活性ガスを注入するようになっている複数個の注入部と、を備え、
前記加熱シリンダ内が前記スクリュの形状により上流側の第1のステージと下流側の第2のステージとに区分され、前記第1のステージは樹脂が溶融される上流側の供給区間と溶融樹脂が圧縮される下流側の第1の圧縮区間と最下流側の第1の計量区間とから構成され、前記第2のステージは樹脂の圧力が低下する上流側の飢餓区間と溶融樹脂が圧縮される下流側の第2の圧縮区間と最下流側の第2の計量区間とから構成され、前記複数個の注入部からの不活性ガスが前記飢餓区間において供給されるようになっており、
前記複数個の注入部のそれぞれには、開閉機構が設けられ、前記開閉機構は前記スクリュの位置に基づいて開閉が制御されるようになっており、
前記複数個の注入部の間隔Pと、前記注入部の個数Nとの積P×Nは、前記飢餓区間の長さHに対して0.5H以上、1.71H以下になって
おり、
前記スクリュが計量時に後退する長さを計量ストロークSとすると、計量の開始から完了までの間において、前記飢餓区間の両端から0.1S以上内側の範囲に少なくとも1個の前記注入部が存在するように前記複数個の注入部が配置されている
、発泡成形用の射出成形機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融樹脂に不活性ガスを注入して金型に射出し発泡成形品を得る発泡成形に使用される射出成形機に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
内部に微細な気泡を多数含む成形品すなわち発泡成形品は、軽量であるだけでなく強度にも優れており、応用分野は広い。射出成形により発泡成形品を得るには発泡剤を樹脂に混入させる必要があり、発泡剤として物理発泡剤が選択される場合には、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスが利用されている。不活性ガスを発泡剤として利用する場合、加熱シリンダ内で溶融した樹脂に不活性ガスを注入し、混練して溶解させる。そうすると樹脂中に不活性ガスが飽和状態になる。これを金型に射出すると、樹脂中で圧力が解放されて不活性ガスが気泡化する。樹脂が冷却固化すると発泡成形品が得られる。不活性ガスにより発泡成形品を成形するとき、不活性ガスを高圧高温の超臨界状態にして注入する方法もあるが、比較的低圧の不活性ガスを注入して発泡成形品を得る、いわゆる低圧発泡成形方法も周知である。低圧発泡成形方法を実施する場合、特許文献1、2に記載の射出成形機のように、スクリュの所定の区間においてスクリュの溝深さを深くして、それによって加熱シリンダ内の溶融樹脂の圧力が低下するようにする。すなわち飢餓区間を形成する。加熱シリンダにはこの飢餓区間に対応して不活性ガスの注入部を設けておき、不活性ガスを注入するようにする。飢餓区間において溶融樹脂中に不活性ガスが浸透することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-177696号公報
特開2019-18522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低圧発泡成形が実施される射出成形機は、不活性ガスの注入は低圧で実施することができるので、不活性ガス注入装置をシンプルに構成することができ、安価に提供でき優れている。しかしながら、改善すべき点も見受けられる。具体的にはスクリュや加熱シリンダの長さが比較的長くなってしまうという問題がある。前記したように、低圧発泡成形用の射出成形機においては加熱シリンダ内に飢餓区間が形成されるようにし、この区間において不活性ガスを注入するようにしているが、スクリュは計量が進むと後退する。後退しても不活性ガスが継続的に注入できるようにするためには、そして不活性ガスの注入部から樹脂が浸入しないようにするためには、飢餓区間を十分に長くする必要がある。つまり、計量によって後退する長さ、つまり計量ストロークより十分長く飢餓区間を確保する必要がある。従って、低圧発泡成形用の射出成形機においてはスクリュ、加熱シリンダが必然的に長くなり、機械長が長くなる問題がある。ところで、加熱シリンダにおいて軸方向に離間した2カ所以上に不活性ガスの注入部を設けるようにすると、飢餓区間を短くすることができるかも知れない。すなわち、スクリュの前進、後進の位置に拘わらずいずれか1カ所の不活性ガスの注入部が飢餓区間に位置するようになっていれば不活性ガスの注入を継続できるからであり、他の1カ所の注入部を弁によって閉鎖するようにすれば樹脂の浸入を防止できるからである。特許文献2に記載の射出成形機は、このように加熱シリンダにおいて軸方向に離間した2カ所に不活性ガスの注入部が設けられており、飢餓区間を短くすることが可能な射出成形機であると言える。しかしながら、特許文献2には2カ所以上の注入部をどのような間隔で設けるべきであるのか、あるいは飢餓区間をどの程度短くできるのか等について具体的な記載はない。そうすると機械長を十分に短くすることができない。なお、特許文献1には飢餓区間の長さをスクリュ径の6倍にすることが記載されてはいる。しかしながら、この飢餓区間の長さは不活性ガスの注入部が複数箇所設けられていることを前提として決定されたものではない。さらには飢餓区間の長さは計量ストロークと関係することが予想されるが、これらの関係についての記載はない。いずれにしても、特許文献1、2の記載からは、注入部を2カ所以上設けるときに、飢餓区間と計量ストロークとの関係において、それら2カ所以上の間隔をどのようにすべきかについて記載がないので、十分に飢餓区間を短くすることができず、射出成形機の機械長を短くできない。
【0005】
本開示は、加熱シリンダに飢餓区間を形成し、溶融樹脂に比較的低圧の不活性ガスを注入して発泡成形品を成形するようになっている射出成形機において、安定的に不活性ガスを注入できると共に、十分に機械長が短い射出成形機を提供することを目的としている。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、発泡成形用の射出成形機において不活性ガスを注入する注入部を複数個設け、これらに逆止弁あるいは開閉機構を設ける。加熱シリンダはスクリュの形状によって、上流側の第1のステージと下流側の第2のステージとに区分され、そして第1のステージは上流から下流に向かって、樹脂が溶融される供給区間と圧縮される第1の圧縮区間と樹脂が送られる第1の計量区間とから構成され、第2のステージは上流から下流に向かって飢餓区間と第2の圧縮区間と第2の計量区間とから構成されている。本開示は、複数個の注入部の間隔Pと、注入部の個数Nとの積P×Nが、飢餓区間の長さHに対して0.5H以上、1.71H以下になるようにする。これによって機械長を短くするようにする。
そしてスクリュが計量時に後退する長さを計量ストロークSとすると、計量の開始から完了までの間において、飢餓区間の両端から0.1S以上内側の範囲に少なくとも1個の注入部が存在するように複数個の注入部を配置するように構成する。
さらに他の開示においては、複数個の注入部に設けられているのは開閉機構であり、開閉機構はスクリュの位置に基づいて開閉が制御されるようにする。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、複数個の注入部の間隔Pと、注入部の個数Nとの積P×Nは、飢餓区間の長さHに対して0.5H以上、1.71H以下になっているので、計量時にスクリュが後退しても少なくとも1個の注入部は飢餓区間に位置することが保証される。さらには
スクリュが計量時に後退する長さを計量ストロークSとすると、計量の開始から完了までの間において、飢餓区間の両端から0.1S以上内側の範囲に少なくとも1個の注入部が存在するように複数個の注入部が配置されている。従って
不活性ガスを安定的に供給できることが保証される。そして注入部には逆止弁あるいは開閉機構が設けられている。計量時にスクリュが後退すると複数の注入部のうちいずれかが飢餓区間から外れることになるが、このような注入部では樹脂が浸入する虞がある。しかしながら逆止弁あるいは開閉機構が設けられているので、樹脂の逆流を確実に防止することができる。そして飢餓区間の長さが短いので機械長を短くすることができる。他の開示によると、飢餓区間の長さHが、スクリュが計量時に後退する長さである計量ストロークSに対して0.7S以上、1.2S以下になっている。飢餓区間の長さHがこのように短いので、スクリュの長さが短く、射出成形機の機械長は短い。さらに他の開示によると、複数個の注入部には開閉機構が設けられ、これらの開閉機構はスクリュの位置に基づいて開閉が制御されるようになっている。そうすると注入部が飢餓区間から外れるスクリュ位置を記憶しておき、スクリュがこのスクリュ位置に達したら開閉機構を閉じるようにして確実に樹脂の逆流を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態に係る発泡成形用の射出成形機を示す図で、その(A)、(B)はそれぞれスクリュが最前進したときと、計量により最後退したときを示す、射出成形機の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
(【0011】以降は省略されています)

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