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公開番号2025010139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024166969,2022165980
出願日2024-09-26,2013-04-22
発明の名称抗高血圧症薬としてのトマト抽出物の使用及び水溶性の糖を含まないトマト抽出物の製造方法
出願人プロヴェクシス ナチュラル プロダクツ リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 36/81 20060101AFI20250109BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】血圧を調節する抗高血圧症薬としてトマト抽出物を調製する。
【解決手段】トマト抽出物は、水溶性の、糖を含まないトマト抽出物又はその活性画分を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性の、糖を含まないトマト抽出物又はその活性画分を含むことを特徴とする組成物。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
組成物の活性成分が、1000Da未満の分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
本質的にリコピンを含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
乾燥させた粉末の形態の請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
固形分を損失せずに0.2μmフィルタを通過する溶液の形態の請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
本質的にヌクレオシド含まない請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
経口投与用に製剤化された請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
溶液、懸濁液、シロップ、錠剤、カプセル、ロゼンジ、スナックバー、ドリンク剤、インサート、及びパッチからなる群より選ばれる形態で製剤化される、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
トマト抽出物を製造する方法であって、
a)トマトをホモジナイズして、トマトホモジネートを得る工程、
b)トマトホモジネートを1000Daの分子量カットオフを有するフィルタで濾過して、濾液を得る工程、
c)濾液を集めて、抽出物を得る工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ホモジネートを凍結乾燥して、凍結乾燥させたホモジネートを得る工程、及び凍結乾燥させたホモジネートを水に溶解する工程を更に含む、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
トマト抽出物に関する技術、特に、血圧を調節する抗高血圧症薬としてトマト抽出物を調製すること及び用いることに関するがこれに限定されない技術を本明細書に提供する。
続きを表示(約 6,300 文字)【背景技術】
【0002】
心血管疾患は罹患及び死亡の主な原因であるので、心血管疾患の一次予防及び二次予防が公衆保健の優先課題である。高血圧、高脂血症、及び血小板の機能亢進は、心血管疾患の認識された危険因子である。これらの中では、高血圧症が主要な慢性疾患と認識されている。高血圧症は、140mmHgを超える収縮期血圧及び/又は90mmHgを超える拡張期血圧として定義されている。高血圧症は、ほとんどの国において成人集団の30%までがかかっている。しかしながら、50%を超える高血圧症の個人は、これらの状態に気づいていない。7,600,000人の早死に(世界的総数の約13.5%)及び92,000,000人の死と障害調整生存年数(DALYS)(全体的総数の6.0%)が高血圧に起因していると推定される。未治療の高血圧症は、卒中、動脈瘤、冠動脈性心疾患(CHD)、心臓発作、アテローム硬化症、虚血性心疾患、左心室肥大、脳障害、うっ血性心不全、高血圧性網膜症、痛風、頻脈、腎機能障害、身体障害及び死に至ることになる。更に、高血圧症は、糖尿病に伴う健康問題を悪化させる。
本態性高血圧症は単一の定義可能な原因によってではなく、遺伝、年齢、体重、環境、及び食事を含める集団の因子によって生じる。中等度から重度までの高血圧症の治療は生涯にわたり且つ太り過ぎの場合には減量、アルコール制限、及び塩分と脂肪摂取を減らすことを含める生活様式の変化と組み合わせて薬剤治療を必要とする。本態性高血圧症は、利尿剤、β-アドレナリン受容体遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、α-アドレナリン受容体遮断薬、血管拡張剤、及び中枢性の薬剤を含める数種類の薬剤の1つで治療され得る。
【0003】
レニン-アンギオテンシン系は、血圧を制御するための強力な機序である。血圧が下がった場合、腎臓はプロレニンをレニンに変換するいくつかの固有反応を受ける。レニンが血流に入った場合には、血漿アンギオテンシノーゲンを加水分解して、アンギオテンシンIと呼ばれるペプチドを放出する。アンギオテンシンIが肺の小血管まで循環する場合、アンギオテンシンIはACEによって直ちに加水分解されて、8-アミノ酸ペプチド、アンギオテンシンIIを放出する。アンギオテンシンIIが血中を循環した後、アンギオテンシンIIはアンギオテンシナーゼによって不活性化される。アンギオテンシンIIは非常に強力な血管収縮剤であり、動脈を高度に収縮させることによって血圧を上げて、末梢抵抗を増加させる。アンギオテンシンIIは、また、腎臓に作用して、塩分と水分の双方を保持することが可能であり、細胞外液容積の増大もたらすので、血圧の上昇を生じる。最後に、アンギオテンシンIIは副腎にアルドステロンを放出させ、順次、腎臓において水分と塩分の再吸収を増加させる。
従って、血圧を制御する1つの手法は、ACE阻害薬で治療することによる。ACE阻害薬はアンギオテンシンIIの形成を遮断し、通常は血管を狭くするとともに血圧を上昇させる。ACEは、アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換することに特異的でない。アンギオテンシンに対するその作用に加えて、ACEは、また、ブラジキニン、ノナペプチドを含める多くの他のペプチドを切断する。ブラジキニンは強力な内皮依存性血管拡張薬であり、ナトリウム利尿を引き起こし、結果として血圧の低下を生じる。ACE阻害薬は、アンギオテンシンIIの形成を減少させるだけでなく、ブラジキニン量も増加させるので、更に血圧を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、特に抗高血圧症薬の処方の根拠とならない軽度の高血圧までのボーダーラインを有する患者に対して、高血圧を治療する機能性食品として自然食品成分を用いる可能性の関心が著しくなってきた。フェノールタイプのいくつかの機能性食品及び栄養補助食品が血圧を低下させる機序は、ACE及びレニンの発現の阻害及びダウンレギュレーションによって仲介される。
従って、例えば、抗高血圧症薬として作用することによって、心臓血管の健康を促進する食品及び食品由来の栄養補助食品に関する技術を本明細書に提供する。一態様において、前記技術は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性の強力な阻害剤に関する。阻害剤は、トマト由来であり、例えば、水溶性で熱安定性であり、1000Da未満の分子量を有する。トマト抽出物による血圧の調節は、心血管疾患につながる病的過程を予防及び停止させるのに予防及び治療上有効である。従って、記載されているトマト抽出物を含む組成物は、例えば、人の心臓血管系を保護するために安全且つ効果的に消費され得る経口トマト抽出物治療剤として、心血管疾患予防において有用である。特に、本明細書に提供されている糖を含まないトマト抽出物の組成物は、特に肥満、インスリン抵抗性、及び座りがちなライフスタイルの人々のための心臓保護剤として効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本明細書に提供されている技術は、トマト抽出物(例えば、水溶性の、糖を含まないトマト抽出物)又はその活性画分を含む組成物に関する。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、1000Da未満の分子量を有する成分を含むか又は1000Da未満の分子量を有する成分からなる。いくつかの実施態様において、組成物は本質的にリコピンを含まず、いくつかの実施態様において、組成物は本質的にヌクレオシドを含まない。いくつかの実施態様において、組成物は、乾燥粉末の形態である。いくつかの実施態様において、組成物は、固形分を損失せずに0.2μmフィルタを通過する溶液の形態である。前記技術のいくつかの実施態様によれば、組成物は、経口製剤として、例えば、経口投与用に製剤化される。例えば、いくつかの実施態様において、組成物は、溶液、懸濁液、シロップ、錠剤、カプセル、ロゼンジ、スナックバー、ドリンク剤(health drink)、インサート、及びパッチからなる群より選ばれる形態で製剤化される。
更に前記技術の実施態様として、トマト抽出物を製造する方法であって、トマトをホモジナイズして、トマトホモジネートを得る工程; 1000Daの分子量カットオフを有するフィルタにトマトホモジネートを濾過して、濾液を得る工程; 及び濾液を集めて、抽出物を得る工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施態様において、方法は、また、ホモジネートを凍結乾燥して、冷凍乾燥させたホモジネートを得る工程及び冷凍乾燥させたホモジネートを水に溶解する工程及び/又は濾液を凍結乾燥して、冷凍乾燥させた濾液を得る工程及び水の冷凍乾燥させた濾液を水に溶解する工程を含む。いくつかの実施態様において、方法は、抽出物から水溶性糖を除去する工程を含む。
関連した実施態様は、トマト抽出物を含む組成物であって、トマトをホモジナイズして、トマトホモジネートを得る工程; トマトホモジネートを1000Daの分子量カットオフを有するフィルタに濾過して、濾液を得る工程; 濾液を集めて、抽出物を得る工程; 及び抽出物から水溶性糖を除去する工程を含む方法によって得られうる、前記組成物を提供する。
【0006】
提供された技術の実施態様は、高血圧を治療する医薬品として用いるための及び/又はアンギオテンシン変換酵素(ACE)及び/又はACE活性の増加又はACEレベルの上昇と関連している状態を阻害する医薬品として用いるためのトマト抽出物を含む組成物に関する。いくつかの実施態様において、トマト抽出物又はその活性画分を含む組成物は、ジュース、ペースト、ソース、及びスープからなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、組成物は、水溶性の、糖を含まないトマト抽出物である。いくつかの実施態様は、高血圧症を治療する薬剤として用いるための及び/又はアンギオテンシン変換酵素を阻害する薬剤として用いるための組成物であって、トマト抽出物が冷ブレイク(cold-break)トマトペーストから作られる、前記組成物を提供する。更に、いくつかの実施態様は、高血圧症を治療する医薬品として用いるための及び/又はアンギオテンシン変換酵素を阻害する医薬品として用いるためのトマト抽出物であって、組成物が28~30°ブリックス(Brix)及び0.350AU未満の褐変指数(browning index)の冷ブレイクトマトペーストを水で希釈する工程; 0.2μmより大きい粒子状物質を除去して、溶液を得る工程; 及び溶液を濃縮して、62~65°ブリックスのシロップを形成する工程を含む方法によって得られる、前記トマト抽出物を提供する(例えば、国際公開第1999/0055350号パンフレット、同第2007/0141495号パンフレット、同第2006/085115号パンフレットを参照のこと、この開示内容は全てのために全体で本願明細書に援用されている)。いくつかの実施態様は、高血圧を治療する医薬品として用いるための及び/又はアンギオテンシン変換酵素を阻害する医薬品として用いるためのトマト抽出物であって、トマトをホモジナイズする工程; 遠心及び/又は限外濾過によって微粒子を除去する工程; 可溶性糖を除去する工程; 及び非糖成分をメタノールに溶離する工程を含む方法によって組成物が得られる、前記トマト抽出物を提供する(例えば、国際公開第1999/0055350号パンフレット、同第2007/0141495号パンフレット、同第2006/085115号パンフレットを参照のこと、この開示内容は全てのために全体で本願明細書に援用されている)。いくつかの実施態様において、組成物は、更に、高圧液体クロマトグラフィを用いて成分を非糖成分から分別する工程を含む方法によって調製される。
【0007】
いくつかの実施態様において、本発明は、被検者を治療する方法であって: a)高血圧症又はACE活性と関連している状態を有するか又は高血圧症又はACE活性と関連している状態を起こすリスクがある被検者を特定する工程; 及びb)前記被検者にトマト抽出物又はその活性画分を含む組成物を投与する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、ACEを阻害する。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、水性抽出物である。いくつかの実施態様において、トマトは、ホモジナイズする工程の前に皮をむく。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、濃縮物又は脱水物の形である。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、少なくとも2倍に濃縮されている濃縮物の形態である。いくつかの実施態様において、トマト抽出物は、脱水されて、乾燥抽出物を得ている。いくつかの実施態様において、乾燥抽出物は、固体剤形又は半固体剤形の形態である。いくつかの実施態様において、抽出物は、カプセルシェル内に含有されている。いくつかの実施態様において、抽出物は、1000未満の分子量を有する1つ又は複数の実質的に熱安定性の水溶性化合物を含有する。いくつかの実施態様において、状態又は疾患は、卒中、動脈瘤、冠動脈性心疾患(CHD)、心臓発作、アテローム硬化症、虚血性心疾患、左心室肥大、脳障害、うっ血性心不全、高血圧性網膜症、痛風、頻脈、腎機能障害、糖尿病、並びにACE活性及び/又は高血圧症と関連している病態からなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、抽出物は、1000の分子量カットオフを有する限外濾過フィルタを通過することができ且つ1000未満の分子量を有する1つ又は複数の実質的に熱安定性の無色又は淡黄色の水溶性化合物を含有している果実の活性画分の形態である。いくつかの実施態様において、トマト抽出物又はその活性画分を含む組成物は、ジュース、ペースト、ソース、及びスープからなる群より選ばれる。
【0008】
いくつかの実施態様において、本発明は、高血圧症と関連している状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に抗高血圧活性を有する治療的に有効な量の果実抽出物を投与する工程を含み、果実抽出物が、ナス科(Solanaceae)植物の果実から、果実の果肉をホモジナイズして、ホモジネートを形成する工程及びそこから固形分を除去する工程を含む方法によって得られる、前記方法を提供する。
前記技術の他の関連した態様において、前記技術の実施態様は、トマト抽出物及び高血圧を治療するのに又はACEを阻害するのに適している賦形剤を含んでいる医薬製剤を提供する。更に、実施態様は、トマト抽出物を含む抗高血圧症薬及び/又はACE阻害剤を提供する。前記技術の実施態様は、また、被検者を治療する方法であって、高血圧症を有するか又は高血圧症を起こすリスクがある被検者を識別する工程; 及び前記被検者にトマト抽出物又はその活性画分を含む組成物を投与する工程を含む、前記方法に関して提供される。追加の実施態様は、本明細書に含有される教示に基づき関連技術における当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、純粋なACEタンパク質の活性阻害に対する糖を含まないトマト抽出物の作用を示しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
トマトでの抗高血圧症薬に関する組成物及び使用に関する技術を本明細書に提供する。特に、前記技術の実施態様の開発中に、本明細書に記載されているように調製された糖を含まないトマト抽出物がACE活性を低下させる能力を示すことを発見した。
本明細書に用いられる項目は、構成するためだけのものであり、決して記載されている内容を限定するものとして解釈すべきでない。
種々の実施態様のこの詳細な説明において、説明のために、開示された実施態様の完全な理解を得るように多くの個々の詳細が記載されている。しかしながら、これらの種々の実施態様がこれらの個々の詳細の有り無しで実施されてもよいことを当業者は理解するであろう。他の例では、構造及びデバイスがブロック図形で示されている。更にまた、方法が示され且つ行われる個々の順序が説明的であることを当業者は容易に理解することができ且つ順序を変えることができるにもかかわらず本明細書に開示された種々の実施態様の精神と範囲内のままであることが企図される。
特許、特許出願、記事、書籍、論文、及びインターネットウェブページを含めるがこれらに限定されない、本出願の中で引用された全ての文献及び同様の材料は、いかなるためにおいても全体で明確に援用されている。特に定義されない限り、本明細書に用いられる全ての技術用語と科学用語は、本明細書に記載されている各実施態様が属する当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。援用された参考文献における用語の定義が本教示に示された定義と異なるような場合、本教示に示された定義が支配するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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