公開番号2025009249 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-01-20 出願番号2023112116 出願日2023-07-07 発明の名称音響システム 出願人アルプスアルパイン株式会社 代理人個人,個人,個人,個人 主分類H04R 3/00 20060101AFI20250110BHJP(電気通信技術) 要約【課題】他のユーザに煩わしさを与えない範囲内において特定のユーザが聞き取り易い通知音を出力する「音響システム」を提供する。 【解決手段】通知音音源1から出力される通知音は、可変ゲインアンプ2でゲインが調整された後に、運転席のヘッドレストに配置したスピーカ3から運転手に向けて出力される。ゲイン設定部5は、マイク4で収音した音から各席におけるノイズのパワーを推定し、予め求めておいた、スピーカ3から運転席のユーザまでの通知音の伝達関数Cdと、スピーカ3から特定の座席のユーザまでの通知音の伝達関数Ctを用いて、運転席においてノイズよりも通知音が大きくなり、特定の座席においてノイズよりも通知音が小さくなる通知音のゲインを算定し、可変ゲインアンプ2に設定する。 【選択図】図1 特許請求の範囲【請求項1】 室内に配置された複数の座席のうちの第1の座席に着座したユーザに、音源から出力された音を通知音として出力する音響システムであって、 各座席に着座したユーザのうちの前記第1の座席に着座したユーザに最も近くなる位置に配置したスピーカと、 設定されたゲインで前記音源から出力された音のレベルを調整して前記通知音として前記スピーカに出力するゲイン調整手段と、 前記第1の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第1の伝達関数と、複数の座席のうちの前記第1の座席と異なる座席である第2の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第2の伝達関数とが予め設定された、前記ゲイン調整手段に前記ゲインを設定するゲイン設定手段と、 前記室内のノイズを収音するマイクとを備え、 前記ゲイン設定手段は、マイクで収音したノイズから各座席におけるノイズの大きさを推定し、推定したノイズの大きさと前記第1の伝達関数と前記第2の伝達関数とに基づいて、前記第1の座席に着座したユーザの位置においてノイズよりも通知音が大きくなり、前記第2の座席に着座したユーザの位置においてノイズよりも通知音が小さくなる通知音のゲインを算定し、前記ゲイン調整手段に設定することを特徴とする音響システム。 続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】 請求項1記載の音響システムであって、 前記ゲイン設定手段は、 推定した各座席におけるノイズのパワーをP N 、前記音源から出力された音に前記第1の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP X 、前記第1の伝達関数をC d 、前記第2の伝達関数をC t 、前記ゲイン調整手段に設定するゲインをAとして、 A=α(P N /P X ) 1<α<C d /C t を満たすように、前記ゲイン調整手段に設定するゲインを算出することを特徴とする音響システム。 【請求項3】 自動車の車室内に配置された複数の座席のうちの第1の座席に着座したユーザに、音源から出力された音を通知音として出力する音響システムであって、 各座席に着座したユーザのうちの前記第1の座席に着座したユーザに最も近くなる位置に配置したスピーカと、 設定されたゲインで前記音源から出力された音のレベルを調整して前記通知音として前記スピーカに出力するゲイン調整手段と、 前記第1の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第1の伝達関数と、複数の座席のうちの前記第1の座席と異なる座席である第2の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第2の伝達関数とが予め設定された、前記ゲイン調整手段に前記ゲインを設定するゲイン設定手段と、 前記車室内のノイズを収音するマイクとを備え、 前記ゲイン設定手段は、マイクで収音したノイズから各座席におけるノイズの大きさを推定し、推定した各座席におけるノイズのパワーをP N 、前記音源から出力された音のレベルをゲイン調整手段で設定されたゲインで調整した信号に前記第1の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP XA 、前記音源から出力された音のレベルをゲイン調整手段で設定されたゲインで調整した信号に前記第2の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP XA として、 -0.41P N +34.71<P XA /P N <-0.71P N +57.03、 かつ、 P TA /P N <-0.41P N +34.71 を可及的に満たすように前記ゲイン調整手段に設定するゲインを算出することを特徴とする音響システム。 【請求項4】 請求項1記載の音響システムであって、 前記室内は自動車の車室内であることを特徴とする音響システム。 【請求項5】 請求項2記載の音響システムであって、 前記室内は自動車の車室内であることを特徴とする音響システム。 【請求項6】 請求項3、4または5記載の音響システムであって、 前記第1の座席は前記自動車の運転席であることを特徴とする音響システム。 【請求項7】 請求項6記載の音響システムであって、 前記スピーカは、前記運転席のヘッドレストに設けられていることを特徴とする音響システム。 【請求項8】 請求項6記載の音響システムであって、 前記第2の座席は、前記自動車の運転席を除く座席のうちで、当該座席に座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数のゲインが最大である座席であることを特徴とする音響システム。 【請求項9】 請求項6記載の音響システムであって、 前記第2の座席は、前記自動車の運転席を除く座席のうちからユーザによって選定された座席であることを特徴とする音響システム。
発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、特定のユーザに向けて他のユーザに煩わしさを与えないように音を出力する技術に関するものである。 続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】 【0002】 特定のユーザに向けて他のユーザに煩わしさを与えないように音を出力する技術としては、自動車の座席のヘッドレストにスピーカを設け、当該スピーカから当該座席に着座したユーザに向けて音を出力する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 特開2001-95646号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 自動車の座席のヘッドレストに設けたスピーカから当該座席に着座したユーザに向けて音を出力する場合であっても、音量が大きい場合には、他のユーザにスピーカから出力した音が聞こえてしまい煩わしさを与えてしまう。一方で、他のユーザに聞こえないことが常に担保されるレベルまで音量を小さくすると、当該座席に着座したユーザにとってもスピーカから出力された音が聴き取り難くなってしまう。 【0005】 そこで、本発明は、特定のユーザに向けて他のユーザに煩わしさを与えない範囲内において、当該特定のユーザが聞き取り易い音を出力することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 前記課題達成のために、本発明は、室内に配置された複数の座席のうちの第1の座席に着座したユーザに、音源から出力された音を通知音として出力する音響システムに、座席に着座したユーザのうちの前記第1の座席に着座したユーザに最も近くなる位置に配置したスピーカと、設定されたゲインで前音記源から出力された音のレベルを調整して前記通知音として前記スピーカに出力するゲイン調整手段と、前記第1の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第1の伝達関数と、複数の座席のうちの前記第1の座席と異なる座席である第2の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第2の伝達関数とが予め設定された、前記ゲイン調整手段に前記ゲインを設定するゲイン設定手段と、前記室内のノイズを収音するマイクとを備えたものである。ここで、前記ゲイン設定手段は、マイクで収音したノイズから各座席におけるノイズの大きさを推定し、推定したノイズの大きさと前記第1の伝達関数と前記第2の伝達関数とに基づいて、前記第1の座席に着座したユーザの位置においてノイズよりも通知音が大きくなり、前記第2の座席に着座したユーザの位置においてノイズよりも通知音が小さくなる通知音のゲインを算定し、前記ゲイン調整手段に設定する。 【0007】 ここで、この音響システムは、前記ゲイン設定手段において、推定した各座席におけるノイズのパワーをP N 、前記音源から出力された音に前記第1の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP X 、前記第1の伝達関数をC d 、前記第2の伝達関数をC t 、前記ゲイン調整手段に設定するゲインをAとして、 A=α(P N /P X ) 1<α<C d /C t を満たすように、前記ゲイン調整手段に設定するゲインを算出するように構成してよい。 【0008】 また、以上の音響システムにおいて、前記室内は自動車の車室内としてよい。 また、本発明は、前記課題達成のために、自動車の車室内に配置された複数の座席のうちの第1の座席に着座したユーザに、音源から出力された音を通知音として出力する音響システムに、各座席に着座したユーザのうちの前記第1の座席に着座したユーザに最も近くなる位置に配置したスピーカと、設定されたゲインで前記音源から出力された音のレベルを調整して前記通知音として前記スピーカに出力するゲイン調整手段と、前記第1の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第1の伝達関数と、複数の座席のうちの前記第1の座席と異なる座席である第2の座席に着座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数である第2の伝達関数とが予め設定された、前記ゲイン調整手段に前記ゲインを設定するゲイン設定手段と、前記車室内のノイズを収音するマイクとを備えたものである。ここで、前記ゲイン設定手段は、マイクで収音したノイズから各座席におけるノイズの大きさを推定し、推定した各座席におけるノイズのパワーをP N 、前記音源から出力された音のレベルをゲイン調整手段で設定されたゲインで調整した信号に前記第1の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP XA 、前記音源から出力された音のレベルをゲイン調整手段で設定されたゲインで調整した信号に前記第2の伝達関数を畳み込んだ信号のパワーをP XA として、 -0.41P N +34.71<P XA /P N <-0.71P N +57.03、 かつ、 P TA /P N <-0.41P N +34.71 を可及的に満たすように前記ゲイン調整手段に設定するゲインを算出する。 【0009】 ここで、以上の前記室内が自動車の車室内である音響システムにおいて、前記第1の座席は前記自動車の運転席としてよい。 また、この場合、前記スピーカは、前記運転席のヘッドレストに設けることが好ましい。 また、この場合、前記第2の座席は、前記自動車の運転席を除く座席のうちで、当該座席に座したユーザまでの通知音の前記スピーカからの伝達関数のゲインが最大である座席としてもよいし、前記自動車の運転席を除く座席のうちからユーザによって選定された座席としてもよい。 【0010】 以上のような音響システムによれば、第1の座席のユーザに対しては、ノイズに埋もれないレベルの通知音を聞かせつつ、第2の座席のユーザが、通知音がノイズでマスクされて明瞭に聞こえなくなるように通知音を出力できる。 【発明の効果】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する