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公開番号2025008548
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110796
出願日2023-07-05
発明の名称ガス処理装置及びガス処理方法
出願人株式会社神戸製鋼所,国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人,個人
主分類B01D 53/14 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】アミンを含む処理液を用いて酸性化合物を被処理ガスから分離させるガス処理装置において、処理液が水で薄まってしまうことを抑制する。
【解決手段】ガス処理装置10は、酸性化合物を含む被処理ガスと、酸性化合物を吸収する前の状態においてアミンと第2成分とが混ざり合った状態にある一方で酸性化合物の吸収により主としてアミンを含む第1相部分と主として第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液と、を互いに接触させて、被処理ガスに含まれる酸性化合物を処理液に吸収させる吸収器12と、処理液から酸性化合物を分離する再生器14と、吸収器12から流出した第2相部分を、吸収器12内の処理液同伴ガスと接触させて、処理液同伴ガスに同伴される処理液を回収する処理液回収部42と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスと、前記酸性化合物を吸収する前の状態においてアミンと第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記アミンを含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液と、を互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、
前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離するための再生器と、
前記吸収器から流出した前記第1相部分及び前記第2相部分の少なくとも一方を、前記被処理ガスから前記酸性化合物が前記処理液に吸収された後の前記吸収器内のガス又は前記酸性化合物を含む前記再生器内のガスである処理液同伴ガスと接触させて、前記処理液同伴ガスに同伴される処理液を回収する処理液回収部と、
を備える、ガス処理装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガス処理装置において、
前記酸性化合物を吸収した処理液を、前記第1相部分が主に含まれる処理液と前記第2相部分が主に含まれる処理液とに分ける分離器を備える、ガス処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のガス処理装置において、
前記処理液同伴ガスと洗浄水とを互いに接触させて、前記処理液同伴ガスに同伴される処理液を回収する水洗部を備え、
前記処理液回収部は、前記第1相部分及び前記第2相部分に相分離した吸収液が、前記水洗部において前記洗浄水と接触する前に、前記処理液同伴ガスと接触する位置に配置されている、ガス処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のガス処理装置において、
前記処理液にほぼ溶解性及び反応性を有しないガス又は水蒸気からなる分離促進ガスを前記再生器に供給する分離促進ガス供給部を備え、
前記処理液回収部は、前記吸収器から流出した前記第1相部分及び前記第2相部分の少なくとも一方を、前処理液同伴ガスと接触させるように構成されている、ガス処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のガス処理装置において、
前記処理液回収部は、前記吸収器から流出した前記第1相部分及び前記第2相部分の少なくとも一方を、前記再生器内において、前記酸性化合物を含むガスと接触させるように構成されている、ガス処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載のガス処理装置において、
前記分離促進ガスが水分を含むガス又は水蒸気からなるガスであり、
前記再生器に供給される前記分離促進ガスから当該分離促進ガスに含まれる水分を分離させる水分除去部を備えている、ガス処理装置。
【請求項7】
請求項4に記載のガス処理装置において、
前記分離促進ガスが水分を含むガス又は水蒸気からなるガスであり、
前記再生器に供給される前記分離促進ガスから当該分離促進ガスに含まれる水分を分離させる水分除去部と、
前記水分除去部で得られた水分を、
前記吸収器の水洗部、
前記再生器の水洗部、
前記再生器で得られた酸性化合物を供給先に供給するための供給路に設けられたコンデンサー、及び
前記吸収器から処理後のガスを排出する排出路に設けられたコンデンサー、
のうちの少なくとも1つに供給する水分供給路と、
を備えている、ガス処理装置。
【請求項8】
水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスと、前記酸性化合物を吸収する前の状態においてアミンと第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記アミンを含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液とを、互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、
前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離するための再生器と、
前記処理液にほぼ溶解性及び反応性を有しないガスであって水分を含むガス又は水蒸気からなる分離促進ガスを前記再生器に供給する分離促進ガス供給部と、
前記再生器に供給される前記分離促進ガスから当該分離促進ガスに含まれる水分を除去する水分除去部と、を備えている、ガス処理装置。
【請求項9】
吸収器において、水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスと、前記酸性化合物を吸収する前の状態においてアミンと第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記アミンを含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液とを、互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させ、
再生器において、前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離し、
前記吸収器から前記第1相部分及び前記第2相部分を流出させ、
前記吸収器から流出した前記第1相部分及び前記第2相部分の少なくとも一方を、前記被処理ガスから前記酸性化合物が前記処理液に吸収された後の前記吸収器内のガス又は前記酸性化合物を含む前記再生器内のガスである処理液同伴ガスと接触させて、前記処理液同伴ガスに同伴される処理液を回収する、ガス処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載のガス処理方法において、
前記酸性化合物を吸収した処理液を、分離器により、前記第1相部分を主に含む処理液と前記第2相部分を主に含む処理液とに分離する、ガス処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス処理装置及びガス処理方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素が地球温暖化への影響が大きいと考えられる。この地球温暖化問題に対する有効な対策として、二酸化炭素(CO2)を含有する大容量のガス(CO2含有ガス)からCO2を回収する技術が注目されている。CO2を回収する方法としては、種々の方法があり、例えば、アミン吸収法等の化学吸収法等が挙げられる。化学吸収法とは、アミン水溶液等のアルカリ性水溶液を処理液として用い、この処理液にCO2含有ガスを接触させて酸性化合物(CO2)を処理液に吸収させ、この酸性化合物を吸収した処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を放出させて酸性化合物を回収する、という方法である。アミン化合物を含む処理液を用いた化学吸収法は、例えば下記特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたガス処理装置では、アミン化合物、有機溶剤及び水を含む処理液が用いられ、この処理液として、酸性化合物を吸収することにより、酸性化合物の含有率の異なる相に相分離する処理液が選択されている。また、特許文献1に開示されたガス処理装置では、水素ガス等の分離促進ガスを再生器に供給するガス供給部が設けられている。この装置では、分離促進ガスが再生器に供給されるため、酸性化合物を分離回収するために必要なエネルギーの低減が図られている。
【0003】
このようなアミン化合物を含む処理液を用いたアミン吸収法においては、下記特許文献2に開示されているように、酸性化合物が分離された後の処理済みガスにアミン化合物が同伴してしまうことが知られている。アミン化合物が処理済みガスに同伴されて系外に放出されてしまうことを防止すべく、特許文献2に開示されたガス処理装置には、CO2が除去された脱炭酸排ガスと洗浄水とを接触させて、脱炭酸排ガスに同伴する物質を除去する水洗部が吸収器に設けられている。なお、アミン化合物が処理済みガスに同伴される場合、蒸発ガスとして同伴される場合と、ミスト(液)となって同伴される場合とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6906766号公報
特許第5968159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されたガス処理装置のように、吸収器に水洗部が設けられている場合、アミン化合物が系外に排出されることを抑制できるが、処理液が洗浄水と接触するため、吸収器と再生器との間を循環する処理液が薄まってしまうという問題がある。
【0006】
一方、特許文献1に開示されたガス処理装置のように、分離促進ガスとして例えば水素ガスが再生器に供給される場合には、水素ガスが水電解によって得られる場合に、飽和に近い水分が水素ガスに保持されることがある。この場合には、水素ガスに保持された水分が再生器に供給されることになるため、吸収器と再生器との間を循環する処理液が薄まってしまうという問題がある。
【0007】
特許文献1又は2に開示されたガス処理装置のように、吸収器と再生器との間を循環する処理液が薄まってしまうと、処理液による酸性化合物の分離性能が低下してしまう虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アミンを含む処理液を用いて酸性化合物を被処理ガスから分離させるガス処理装置又はガス処理方法において、処理液が水で薄まってしまうことを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係るガス処理装置は、水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスと、前記酸性化合物を吸収する前の状態においてアミンと第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記アミンを含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液と、を互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離するための再生器と、前記吸収器から流出した前記第1相部分及び前記第2相部分の少なくとも一方を、前記被処理ガスから前記酸性化合物が前記処理液に吸収された後の前記吸収器内のガス又は前記酸性化合物を含む前記再生器内のガスである処理液同伴ガスと接触させて、前記処理液同伴ガスに同伴される処理液を回収する処理液回収部と、を備える。
【0010】
本発明のガス処理装置では、処理液回収部において、吸収器から流出した第1相部分及び第2相部分の少なくとも一方と、処理液同伴ガスとが接触する。このとき、主としてアミンを含む第1相部分を処理液同伴ガスに接触させる場合には、第1相部分中のアミンが、処理液同伴ガスに同伴される第2成分と混ざり易い。したがって、処理液同伴ガスに同伴される第2成分を回収することができる。一方、主として第2成分を含む第2相部分を処理液同伴ガスに接触させる場合には、第2相部分中の第2成分が、処理液同伴ガスに同伴されるアミンと混ざり易い。したがって、処理液同伴ガスに同伴されるアミンを回収することができる。このとき、処理液同伴ガスに同伴される処理液を水洗するための洗浄水を用いないのでれば、処理液が薄まってしまうことはない。一方で、仮に洗浄水による水洗を併用するとしても、洗浄水の水量を低減できるため、処理液が薄まってしまうことを抑制できる。したがって、処理液を介した酸性化合物の分離回収性能が低下してしまうことを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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