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公開番号2025007161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108373
出願日2023-06-30
発明の名称化学蓄熱材組成物、並びにその製造方法及び使用
出願人国立大学法人東京科学大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C09K 5/16 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低温域で利用できるMCl2/NH3系化学蓄熱材料において、その作動時の体積変化を抑制すること。また、そのような化学蓄熱材の熱出力速度を高めるための活性化方法を提供すること。
【解決手段】本発明による所定形状を有する化学蓄熱材組成物は、金属塩化物(MCl2)とアンモニア(NH3)とからなる化学蓄熱材、及びエラストマーを含んでなる。また本発明による活性化方法は、無水MgCl2をNH3と第1温度において反応させてMgCl2・6NH3を生成させ、次いでMgCl2・6NH3をNH3雰囲気下で第1温度より高い第2温度に加熱することによりNH3を脱離させてMgCl2・2NH3を生成させることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属塩化物(MCl

)とアンモニア(NH

)とからなる化学蓄熱材、及び
エラストマー
を含んでなる、所定形状を有する化学蓄熱材組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記エラストマーが熱付加架橋型シリコーンエラストマーである、請求項1に記載の化学蓄熱材組成物。
【請求項3】
前記金属塩化物(MCl

)の金属Mが、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びマンガン(Mn)からなる群より選ばれる、請求項1に記載の化学蓄熱材組成物。
【請求項4】
前記金属塩化物がMgCl

である、請求項2に記載の化学蓄熱材組成物。
【請求項5】
前記金属塩化物に対するエラストマーの質量比が0.1~0.7の範囲内にある、請求項1に記載の化学蓄熱材組成物。
【請求項6】
金属塩化物(MCl

)とエラストマー前駆体とを所定比率で混合することにより前駆体組成物を調製し、
前記前駆体組成物を加圧成形することにより所定形状を有する前駆体組成物を調製し、
前記所定形状を有する前駆体組成物を加熱することにより前記エラストマー前駆体を重合し、そして
前記重合後の所定形状を有する組成物にアンモニア(NH

)を吸収させる活性化前処理を施すことを特徴とする、所定形状を有する化学蓄熱材組成物の製造方法。
【請求項7】
前記エラストマー前駆体が熱付加架橋性シリコーンである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記金属塩化物(MCl

)の金属Mが、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びマンガン(Mn)からなる群より選ばれる、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記金属塩化物に対するエラストマー前駆体の質量比が0.1~0.7の範囲内にある、請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
塩化マグネシウム(MgCl

)とアンモニア(NH

)とからなる化学蓄熱材を活性化するための方法であって、原料の無水MgCl

をNH

と第1温度において反応させてMgCl

・6NH

を生成させ、次いで前記MgCl

・6NH

をNH

雰囲気下で前記第1温度より高い第2温度に加熱することによりNH

を脱離させてMgCl

・2NH

を生成させることを特徴とする活性化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐久性を改善した化学蓄熱材組成物、並びにそのような化学蓄熱材組成物の製造方法及び使用に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
環境意識の高揚に伴い、省エネルギー化やエネルギー効率の向上を図る研究開発が盛んになされている。その一つとして、蓄熱密度が大きく、保温しなくても長期間の蓄熱が可能な化学蓄熱材を用いた化学蓄熱システムが知られている。これによると、各種の機器やプラントから生じる比較的低温な廃熱(排熱)を有効に活用し得る。
【0003】
化学蓄熱技術としては、金属塩化物(MCl

)にアンモニア(NH

)を固定化する技術が挙げられ、例えば、アルカリ土類金属や遷移金属の塩化物がアンモニアを吸収又は脱離する際に、発熱又は吸熱することが知られている。最近では、より低温域で作動可能なアンモニア錯体を形成する金属塩化物が利用されつつあり、例えば、金属塩化物としてMgCl

を用いた化学蓄熱装置が開示されている(特許文献1)。
【0004】
MgCl

はNH

と反応することで、MgCl

・NH

、 MgCl

・2NH

及びMgCl

・6NH

の各化合物に段階的に変化する。各反応は、反応時のNH

圧によって平衡温度が変化し、特にMgCl

・2NH

+4NH

⇔ MgCl

・6NH

の反応は100℃付近で進行する。化学反応の進行は熱エネルギーと化学(結合)エネルギーとの変換を意味し、上記反応は、このような低温域での化学蓄熱材料としての利用可能性を示唆するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-14234号公報
特開2016-190990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のMgCl

とNH

との平衡反応には、当該化学蓄熱材の体積変化が伴うことが知られている。化学蓄熱材の実用上、その吸熱/発熱に際して体積変化が生じることは、単位体積当たりの蓄熱/熱出力密度や蓄熱/熱出力速度が低下する点で望ましくない。一般に化学蓄熱材は、粉末状に比べて熱伝導性を高め、かつ、取り扱いを容易にするため、バインダーを混合することによりペレット状に成形して利用されている。しかしながら、従来のペレット化方法では、MgCl

とNH

との平衡反応に伴う体積変化を抑制して当該ペレットの崩壊を防止するには不十分である。
【0007】
また、上述したように化学蓄熱材としてのMgCl

/NH

系には、100℃付近で反応が進行する平衡温度が存在する点で低温域での利用可能性が示唆されているが、100℃付近でのNH

吸収の反応性が低く、化学蓄熱材としての実用化に必要な熱出力速度が得られていない現状がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、特に低温域での化学蓄熱材料としての利用可能性が期待されるMCl

/NH

系において、その作動時の体積変化を実用に耐えうる程度に抑制することを目的とする。併せて、100℃付近という低温域での熱出力速度を高めるための活性化方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、金属塩化物(MCl

)とアンモニア(NH

)とからなる化学蓄熱材、及びエラストマーを含んでなる、所定形状を有する化学蓄熱材組成物が提供される。
本発明による化学蓄熱材組成物は、上記エラストマーが熱付加架橋型シリコーンエラストマーであることが好ましい。
また本発明による化学蓄熱材組成物は、上記金属塩化物(MCl

)の金属Mが、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びマンガン(Mn)からなる群より選ばれることが好ましい。
また本発明による化学蓄熱材組成物は、上記金属塩化物がMgCl

であることが好ましい。
また本発明による化学蓄熱材組成物は、上記金属塩化物に対するエラストマーの質量比が0.1~0.7の範囲内にあることが好ましい。
【0010】
さらに本発明によると、金属塩化物(MCl

)とエラストマー前駆体とを所定比率で混合することにより前駆体組成物を調製し、上記前駆体組成物を加圧成形することにより所定形状を有する前駆体組成物を調製し、上記所定形状を有する前駆体組成物を加熱することにより上記エラストマー前駆体を重合し、そして上記重合後の所定形状を有する組成物にアンモニア(NH

)を吸収させる活性化前処理を施すことを特徴とする、所定形状を有する化学蓄熱材組成物の製造方法が提供される。
本発明による化学蓄熱材組成物の製造方法は、上記エラストマー前駆体が熱付加架橋性シリコーンであることが好ましい。
また本発明による化学蓄熱材組成物の製造方法は、上記金属塩化物(MCl

)の金属Mが、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びマンガン(Mn)からなる群より選ばれることが好ましい。
また本発明による化学蓄熱材組成物の製造方法は、上記金属塩化物に対するエラストマー前駆体の質量比が0.1~0.7の範囲内にあることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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