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公開番号2025047711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156370
出願日2023-09-21
発明の名称インクジェット記録用の水性インク
出願人大日精化工業株式会社
代理人個人
主分類C09D 11/322 20140101AFI20250326BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】ポリオレフィン系のプラスチックフィルム等の印刷基材に密着性及び耐摩擦性等の耐久性に優れた印刷皮膜等の画像を記録することが可能な、環境配慮型の技術を適用したインクジェット記録用の水性インクを提供する。
【解決手段】水、水溶性有機溶剤、顔料、界面活性剤、ワックス、ポリウレタン樹脂、及びアクリルポリマーを含有し、ポリウレタン樹脂が、ジエポキシ化合物と二酸化炭素の反応生成物である5員環環状カーボネート化合物に由来する構成単位と、ジアミン化合物に由来する構成単位と、を有するポリヒドロキシポリウレタン樹脂であり、アクリルポリマーが、A鎖及びB鎖を有するA-Bブロックコポリマーであり、A-Bブロックコポリマー100質量部に対する、ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の含有量が、1~100質量部であるインクジェット記録用の水性インク。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水、水溶性有機溶剤、顔料、界面活性剤、ワックス、ポリウレタン樹脂、及びアクリルポリマーを含有し、
前記ポリウレタン樹脂が、ジエポキシ化合物と二酸化炭素の反応生成物である5員環環状カーボネート化合物に由来する構成単位と、ジアミン化合物に由来する構成単位と、を有するポリヒドロキシポリウレタン樹脂であり、
前記アクリルポリマーが、A鎖及びB鎖を有するA-Bブロックコポリマーであり、
前記A-Bブロックコポリマー100質量部に対する、前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の含有量が、1~100質量部であるインクジェット記録用の水性インク。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の、重量平均分子量が10,000~100,000、水酸基価が150~250mgKOH/g、及び酸価が20~50mgKOH/gであり、
前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂が、数平均粒子径20~300nmの粒子の状態で含有される請求項1に記載の水性インク。
【請求項3】
前記A-Bブロックコポリマーが、下記(1)~(3)の要件を満たす請求項1又は2に記載の水性インク。
(1)メタクリル酸及びメタクリレート系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含み、
数平均分子量が10,000~60,000であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.8以下であり、酸価が20~100mgKOH/gである。
(2)前記A鎖が、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、及びメタクリル酸テトラヒドロフルフリルからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレート系モノマーに由来する構成単位(A)を有し、
前記A鎖中、前記構成単位(A)の含有量が80質量%以上であり、前記A鎖の、ガラス転移温度が150℃以下、数平均分子量が3,000~50,000、及び分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.8以下である。
(3)前記B鎖が、メタクリル酸に由来する構成単位(B-1)と、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、及びメタクリル酸テトラヒドロフルフリルからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレート系モノマーに由来する構成単位(B-2)と、を有し、
前記B鎖中、前記構成単位(B-2)の含有量が、前記構成単位(B-1)以外の構成単位の合計含有量を基準として80質量%以上であり、
前記B鎖の酸価が50~250mgKOH/g、及び数平均分子量が1,000~11,000であり、
前記B鎖中のカルボキシ基の少なくとも一部がアルカリで中和されている。
【請求項4】
前記アルカリが、アンモニア、ジメチルアミノエタノール、2-アミノ-1-プロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭素数6~22の直鎖脂肪族アミン、炭素数6~22の分岐脂肪族アミン、及び炭素数6~22の不飽和脂肪族アミンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項3に記載の水性インク。
【請求項5】
前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の水性インク。
【請求項6】
前記ワックスが、ポリエチレンワックスである請求項1又は2に記載の水性インク。
【請求項7】
前記水溶性有機溶剤が、プロピレングリコールと、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種と、を含み、
前記水溶性有機溶剤の含有量が、インク全質量を基準として、3~30質量%である請求項1又は2に記載の水性インク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用の水性インクに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷法は、高機能化により、個人用、事務用、業務用、記録用、カラー表示用、及びカラー写真用と多岐にわたって利用されている。また、近年、オフィス用のコンシューマ型のインクジェットプリンタや大判印刷用ワイドフォーマットインクジェットプリンタから、産業用機器であるインクジェット印刷機へと適用範囲が拡大している。インクジェット印刷法は、印刷の版が不要な印刷方法であることから、少量多種の産業用印刷物をオンデマンドで得ることができる方法として有用である。なお、環境への配慮といった観点から、水性インクを用いるインクジェット印刷法が盛んに提案されている。
【0003】
産業用途としては、例えば、サインディスプレイ、屋外広告、施設サイン、ディスプレイ、POP広告、交通広告、パッケージング、容器、及びラベル等の用途がある。これらの用途に適用される印刷基材(記録媒体)としては、紙、ボール紙、写真紙、及びインクジェット専用紙等の紙媒体;ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、及びナイロン等のプラスチック媒体;綿布、エステル布、ナイロン生地、及び不織布等の布地;等がある。さらに、産業用途の場合、版が不要なオンデマンド印刷が主流であるとともに、高速印刷適性が要求されている。そして、染料を色材として含有する水性インクで記録した画像は、耐水性や耐光性等の耐久性に乏しいことから、顔料を色材として含有する水性インクが用いられている。
【0004】
耐久性が向上した画像を記録すべく、皮膜形成しうるアクリル系又はウレタン系のバインダー成分を添加したインクジェット用のインクが提案されている(特許文献1及び2)。なお、顔料を色材として含有するインクジェット記録用の水性インクの場合、顔料を安定して微分散させる必要がある。例えば、界面活性剤や高分子分散剤を用いて顔料を経時的に安定して微分散させた顔料分散液、及びこれを用いたインクジェット用のインクが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4157868号公報
特表2009-515007号公報
国際公開第2013/008691号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1~3で提案されたインクジェット用のインクであっても、ポリオレフィン系のプラスチックフィルム等の印刷基材に密着性及び耐摩擦性等の耐久性に優れた画像を記録することは困難であった。
【0007】
ところで、昨今の地球温暖化傾向、二酸化炭素排出問題、資源問題、及び海洋プラスチック問題等に鑑み、環境配慮型の技術の重要性が増大している。従来の水性インクや水性顔料分散液に配合されるバインダー樹脂や顔料を分散させるための高分子分散剤としては、石油材料に由来するモノマー等の原材料を用いて合成された樹脂等が用いられている。すなわち、従来の水性インクで記録される画像は石油材料由来の材料で主に形成されており、必ずしも環境配慮型の技術が適用されているとはいえなかった。
【0008】
これまで、ポリ乳酸やポリヒドロキシアルカン酸等の生分解性プラスチックで形成された容器やラベル等の印刷基材がインクジェット印刷技術に適用されていた。その一方で、このような印刷基材に記録される画像に対しては、環境配慮型の技術が必ずしも十分に適用されていないといった課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ポリオレフィン系のプラスチックフィルム等の印刷基材に密着性及び耐摩擦性等の耐久性に優れた印刷皮膜等の画像を記録することが可能な、環境配慮型の技術を適用したインクジェット記録用の水性インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明によれば、以下に示すインクジェット記録用の水性インクが提供される。
[1]水、水溶性有機溶剤、顔料、界面活性剤、ワックス、ポリウレタン樹脂、及びアクリルポリマーを含有し、前記ポリウレタン樹脂が、ジエポキシ化合物と二酸化炭素の反応生成物である5員環環状カーボネート化合物に由来する構成単位と、ジアミン化合物に由来する構成単位と、を有するポリヒドロキシポリウレタン樹脂であり、前記アクリルポリマーが、A鎖及びB鎖を有するA-Bブロックコポリマーであり、前記A-Bブロックコポリマー100質量部に対する、前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の含有量が、1~100質量部であるインクジェット記録用の水性インク。
[2]前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の、重量平均分子量が10,000~100,000、水酸基価が150~250mgKOH/g、及び酸価が20~50mgKOH/gであり、前記ポリヒドロキシポリウレタン樹脂が、数平均粒子径20~300nmの粒子の状態で含有される前記[1]に記載の水性インク。
[3]前記A-Bブロックコポリマーが、下記(1)~(3)の要件を満たす前記[1]又は[2]に記載の水性インク。
(1)メタクリル酸及びメタクリレート系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含み、
数平均分子量が10,000~60,000であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.8以下であり、酸価が20~100mgKOH/gである。
(2)前記A鎖が、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、及びメタクリル酸テトラヒドロフルフリルからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレート系モノマーに由来する構成単位(A)を有し、
前記A鎖中、前記構成単位(A)の含有量が80質量%以上であり、前記A鎖の、ガラス転移温度が150℃以下、数平均分子量が3,000~50,000、及び分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.8以下である。
(3)前記B鎖が、メタクリル酸に由来する構成単位(B-1)と、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、及びメタクリル酸テトラヒドロフルフリルからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレート系モノマーに由来する構成単位(B-2)と、を有し、
前記B鎖中、前記構成単位(B-2)の含有量が、前記構成単位(B-1)以外の構成単位の合計含有量を基準として80質量%以上であり、
前記B鎖の酸価が50~250mgKOH/g、及び数平均分子量が1,000~11,000であり、
前記B鎖中のカルボキシ基の少なくとも一部がアルカリで中和されている。
[4]前記アルカリが、アンモニア、ジメチルアミノエタノール、2-アミノ-1-プロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭素数6~22の直鎖脂肪族アミン、炭素数6~22の分岐脂肪族アミン、及び炭素数6~22の不飽和脂肪族アミンからなる群より選択される少なくとも一種である前記[3]に記載の水性インク。
[5]前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]~[4]のいずれかに記載の水性インク。
[6]前記ワックスが、ポリエチレンワックスである前記[1]~[5]のいずれかに記載の水性インク。
[7]前記水溶性有機溶剤が、プロピレングリコールと、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種と、を含み、前記水溶性有機溶剤の含有量が、インク全質量を基準として、3~30質量%である前記[1]~[6]のいずれか1項に記載の水性インク。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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