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公開番号2025005960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106436
出願日2023-06-28
発明の名称フィルム、積層フィルム、包装体、リサイクルフィルム、積層フィルムの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 23/00 20060101AFI20250109BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリオレフィン系樹脂と、これに非相溶の樹脂であるポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含む場合であっても、透明性が高くリサイクル性に優れ、更に熱安定性にも優れるフィルムを提供する。
【解決手段】無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂を40質量%以上、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を35質量%以下、ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を50質量%以下含む樹脂組成物から形成される層を有する、フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂を40質量%以上、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を35質量%以下、ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を50質量%以下含む樹脂組成物から形成される層を有する、フィルム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を、JIS K7244-10(2005)に基づき、回転式溶融粘弾性測定装置(窒素雰囲気下、240℃の温度で直径25mmのパラレルプレート、周波数0.5Hz、溶融時間30分)で初期弾性率(G0)と30分経過後の弾性率(G30)を測定した際の増加率が下記(式1)を満たす、請求項1記載のフィルム。
式(1) [30分経過後の弾性率(G30)]/[初期弾性率(G0)]≦180
【請求項3】
前記樹脂組成物が、前記フィルムを出発原料とした再生原料を含む、請求項1又は2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記フィルムのヘーズが30%未満である、請求項1又は2に記載のフィルム。
【請求項5】
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物から形成される層、エチレン-ビニルアルコール系共重合体を含む樹脂組成物から形成される層、中間層、内層の少なくとも4層の樹脂層からなる積層フィルムであって、
前記中間層が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を含む樹脂組成物から形成され、
前記内層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む樹脂組成物から形成される、積層フィルム。
【請求項6】
前記中間層を形成する樹脂組成物が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂を40質量%以上、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を35質量%以下、ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を50質量%以下含む、請求項5に記載の積層フィルム。
【請求項7】
前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を、JIS K7244-10(2005)に基づき、回転式溶融粘弾性測定装置(窒素雰囲気下、240℃の温度で直径25mmのパラレルプレート、周波数0.5Hz、溶融時間30分)で初期弾性率(G0)と30分経過後の弾性率(G30)を測定した際の増加率が下記(式1)を満たす、請求項5又は6に記載の積層フィルム。
式(1) [30分経過後の弾性率(G30)]/[初期弾性率(G0)]≦180
【請求項8】
前記積層フィルムを出発原料とした再生原料を、前記中間層に含む、請求項5又は6に記載の積層フィルム。
【請求項9】
ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を含む樹脂フィルムを出発原料とした再生原料を、前記中間層に含む、請求項5又は6に記載の積層フィルム。
【請求項10】
前記中間層のヘーズが30%未満である、請求項5又は6に記載の積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム、積層フィルム、包装体、リサイクルフィルム、積層フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
食品包装や医療包装分野において、フィルムを加熱成形して1個または複数個の容器(くぼみ)を形成した底材と呼ばれるものの中に内容物を入れ、開口部を蓋材と呼ばれるフィルムあるいは不織布等で覆い、その周辺部を容器に接着または溶着固定することによって包装する包装体(深絞り包装体)が使用されている。前記深絞り包装体の底材に使用されるフィルムは、従来から、蓋材とのヒートシール性を付与するシール層、ガスバリア性を付与するエチレン-ビニルアルコール系共重合体層、耐衝撃性、深絞り成形性を付与するポリアミド層等、様々な樹脂の積層フィルムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年、環境への影響から、プラスチック製品のリサイクルへの要望は高まってきている。例えば、特許文献2には、積層フィルムのリサイクルとして、製造時に排出されるフィルム片を一部のポリオレフィン層(リサイクル層)に戻して再利用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-224470号公報
特開2016-087892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポリアミド系樹脂を含む層やエチレン-ビニルアルコール系共重合体(以下、「EVOH」と称する場合がある)を含む層と、ポリオレフィン系樹脂含む層を有する積層フィルムを再利用しようとする場合、異種の樹脂同士のブレンドとなり、透明性の低下が顕著となるため、リサイクル原料の添加量が増やせないことや、透明性を確保するためリサイクル原料含有層を薄膜化すること等が必要であり、リサイクル率を高くできないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ポリオレフィン系樹脂と、これに非相溶の樹脂であるポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含む場合であっても、透明性が高くリサイクル性に優れ、更に熱安定性にも優れるフィルム、積層フィルム、及び積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含む樹脂組成物に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を含ませることにより、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含んでいても、良好な透明性を有しリサイクル性に優れ、更に熱安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[15]をその要旨とするものである。
[1] 無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂を40質量%以上、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を35質量%以下、ポリアミド系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール系共重合体を50質量%以下含む樹脂組成物から形成される層を有する、フィルム。
[2] 前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を、JIS K7244-10(2005)に基づき、回転式溶融粘弾性測定装置(窒素雰囲気下、240℃の温度で直径25mmのパラレルプレート、周波数0.5Hz、溶融時間30分)で初期弾性率(G0)と30分経過後の弾性率(G30)を測定した際の増加率が下記(式1)を満たす、[1]に記載のフィルム。
式(1) [30分経過後の弾性率(G30)]/[初期弾性率(G0)]≦180
[3] 前記樹脂組成物が、前記フィルムを出発原料とした再生原料を含む、[1]又は[2]に記載のフィルム。
[4] 前記フィルムのヘーズが30%未満である、[1]~[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5] ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物から形成される層、EVOHを含む樹脂組成物から形成される層、中間層、内層の少なくとも4層の樹脂層からなる積層フィルムであって、
前記中間層が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、ポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含む樹脂組成物から形成され、
前記内層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む樹脂組成物から形成される、積層フィルム。
[6] 前記中間層を形成する樹脂組成物が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を除くポリオレフィン系樹脂を40質量%以上、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を35質量%以下、ポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを50質量%以下含む、[5]に記載の積層フィルム。
[7] 前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を、JIS K7244-10(2005)に基づき、回転式溶融粘弾性測定装置(窒素雰囲気下、240℃の温度で直径25mmのパラレルプレート、周波数0.5Hz、溶融時間30分)で初期弾性率(G0)と30分経過後の弾性率(G30)を測定した際の増加率が下記(式1)を満たす、[5]又は[6]に記載の積層フィルム。
式(1) [30分経過後の弾性率(G30)]/[初期弾性率(G0)]≦180
[8] 前記積層フィルムを出発原料とした再生原料を、前記中間層に含む、[5]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[9] ポリアミド系樹脂及び/又はEVOHを含む樹脂フィルムを出発原料とした再生原料を、前記中間層に含む、[5]~[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
[10] 前記中間層のヘーズが30%未満である、[5]~[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
[11] 食品包装用である、[5]~[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[12] 深絞り包装用である、[5]~[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[13] [5]~[10]のいずれかに記載の積層フィルムを深絞り用底材に用いた、包装体。
[14] [5]~[10]のいずれかに記載の積層フィルムを出発原料とした再生原料を含む樹脂層を少なくとも1層有する、リサイクルフィルム。
[15] [5]~[10]のいずれかに記載の積層フィルムを製造する方法であって、前記積層フィルムを出発原料とした再生原料を作製する工程、前記再生原料を含む樹脂組成物を共押出して、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物から形成される層、EVOHを含む樹脂組成物から形成される層、中間層、内層の少なくとも4層の樹脂層からなる積層フィルムを得る工程とを備える、積層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフィルム、積層フィルムは、良好な透明性を有しリサイクル性に優れ、更に熱安定性に優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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