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公開番号2025004574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2023104344
出願日2023-06-26
発明の名称印刷装置、印刷方法及びコンピュータプログラム
出願人ブラザー工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B41J 2/045 20060101AFI20250107BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】駆動波形の安定性に与える影響を抑制できる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、制御回路及びエネルギー付与素子を接続する接続状態と、制御回路及びエネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備え、半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、接続状態の半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第1高抵抗値電圧と、第1高抵抗値電圧よりも高い電圧であって接続状態の半導体スイッチが所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、接続状態の半導体スイッチが第1高抵抗値電圧及び低抵抗値電圧よりも高い電圧であって所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第2高抵抗値電圧とを含み、制御回路は、半導体スイッチが非接続状態である場合、エネルギー付与素子に、低抵抗値電圧を供給する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、
前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、
前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチと
を備え、
前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、
前記制御回路は、前記半導体スイッチが前記非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する
印刷装置。
続きを表示（約 2,100 文字）【請求項２】
前記半導体スイッチは、印刷開始時に前記接続状態となり、
前記制御回路は、前記印刷開始時に前記低抵抗値電圧を供給する
請求項１に記載の印刷装置。
【請求項３】
前記エネルギー付与素子及び前記液体が供給される圧力室を有するヘッドを備え、
前記制御回路は、前記エネルギー付与素子が印刷のための駆動を終了した後、前記圧力室に供給された前記液体の残留波の振動を減衰させるために、電圧波形の傾きの大きさが印刷する場合よりも大きく、前記半導体スイッチにおける接続時の抵抗値が前記所定抵抗値よりも高い電圧を前記エネルギー付与素子に供給する
請求項２に記載の印刷装置。
【請求項４】
前記制御回路は、前記液体を加熱する場合、前記第２高抵抗値電圧を前記エネルギー付与素子に供給する
請求項１又は２に記載の印刷装置。
【請求項５】
前記エネルギー付与素子及び前記半導体スイッチを有するヘッドを備え、
前記制御回路は、前記ヘッドが被印刷媒体のうち印刷を行わない領域と対向する場合または前記被印刷媒体と対向しない場合、前記第２高抵抗値電圧を用いて前記液体を加熱する
請求項４に記載の印刷装置。
【請求項６】
前記エネルギー付与素子及び前記半導体スイッチを有するヘッドを備え、
前記制御回路は、前記ヘッドが被印刷媒体のうち印刷を行う領域と対向する場合、前記第１高抵抗値電圧を用いて前記液体を加熱する
請求項４に記載の印刷装置。
【請求項７】
前記ヘッドを支持し、前記ヘッドとともに移動方向に沿って移動するキャリッジを備え、
前記制御回路は、
前記移動方向において、前記ヘッドが前記被印刷媒体と対向しない位置にある場合、または、前記ヘッドが前記被印刷媒体と対向するが、前記ヘッドが前記被印刷媒体のうち印刷を行わない領域と対向する位置にある場合、前記第２高抵抗値電圧を用いて前記液体を加熱し、
前記移動方向において、前記ヘッドが前記被印刷媒体のうち印刷を行う領域と対向する位置にある場合、前記第１高抵抗値電圧を用いて前記液体を加熱する
請求項６に記載の印刷装置。
【請求項８】
前記低抵抗値電圧は、前記第１高抵抗値電圧と、前記第２高抵抗値電圧との間にある第１低抵抗値電圧と、前記第２高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記半導体スイッチにおける接続時の抵抗値が前記所定抵抗値以下となる第２低抵抗値電圧とを含み、
前記制御回路は、前記半導体スイッチが前記非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記第１低抵抗値電圧を供給する
請求項１又は２に記載の印刷装置。
【請求項９】
電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備える印刷装置にて実行される印刷方法であって、
前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、
前記制御回路は、前記半導体スイッチが非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する
印刷方法。
【請求項１０】
電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備える印刷装置にて実行されるコンピュータプログラムであって、
前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、
前記制御回路に、
前記半導体スイッチが非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する
処理を実行させるコンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本技術は、ノズルから液体を吐出して印刷を行う印刷装置、印刷方法及びコンピュータプログラムに関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
半導体スイッチを使用して、波形の異なる複数の駆動波形信号からいずれか一つの駆動波形信号を分離する印刷装置が提案されている（特許文献１参照）。各駆動波形信号は、例えば吐出する液滴の大きさに対応する。いずれかの駆動波形信号を各ノズルに適用することによって、所望の大きさの液滴がノズルから吐出される。
【０００３】
特開２０２２－１５５４３８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
半導体スイッチは抵抗を有する。そのため半導体スイッチが接続された場合、駆動波形信号、即ち電圧信号が目標電圧に到達するまでの時間、換言すれば時定数が発生する。抵抗値が大きくなるに従って時定数も大きくなり、形成される駆動波形と、目標駆動波形との相違が大きくなる。即ち駆動波形の安定性に与える影響が大きくなる。
【０００５】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、駆動波形の安定性に与える影響を抑制することができる印刷装置、印刷方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の一実施形態に係る印刷装置は、電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備え、前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、前記制御回路は、前記半導体スイッチが前記非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する。
【０００７】
本開示の一実施形態に係る印刷方法は、電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備える印刷装置にて実行される印刷方法であって、前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、前記制御回路は、前記半導体スイッチが非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する。
【０００８】
本開示の一実施形態に係るコンピュータプログラムは、電圧によって駆動し、ノズルから液体を吐出するためのエネルギー付与素子と、前記エネルギー付与素子に供給される電圧を制御する制御回路と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続する接続状態と、前記制御回路及び前記エネルギー付与素子を接続しない非接続状態とを切り替える半導体スイッチとを備える印刷装置にて実行されるコンピュータプログラムであって、前記半導体スイッチにおける接続時の電圧値は、前記接続状態の前記半導体スイッチが所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第１高抵抗値電圧と、前記第１高抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記接続状態の前記半導体スイッチが前記所定抵抗値以下となる低抵抗値電圧と、前記接続状態の前記半導体スイッチが前記第１高抵抗値電圧及び前記低抵抗値電圧よりも高い電圧であって前記所定抵抗値よりも高い高抵抗値となる第２高抵抗値電圧とを含み、前記制御回路に、前記半導体スイッチが非接続状態である場合、前記エネルギー付与素子に、前記低抵抗値電圧を供給する処理を実行させる。
【発明の効果】
【０００９】
本開示の一実施形態に係る印刷装置、印刷方法及びコンピュータプログラムにあっては、制御回路は半導体スイッチが非接続状態である場合、エネルギー付与素子に、低抵抗値電圧を供給するので、接続時の半導体スイッチの抵抗を低くし、半導体スイッチの抵抗が駆動波形の安定性に与える影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
実施の形態１に係る印刷装置を略示する平面図である。
インクジェットヘッドの略示部分拡大断面図である。
制御装置のブロック図である。
駆動波形の一例を説明する説明図である。
時系列データ、アナログ信号及び時分割多重信号の一例を説明する説明図である。
時分割多重信号と、同期信号との関係を説明する説明図である。
第ｎスイッチの開閉によってアクチュエータに入力される駆動波形の模式図である。
接続時におけるスイッチ群の抵抗値（Ω）と、スイッチ群に供給される電圧（Ｖ）との関係、即ちスイッチ群の抵抗値特性を示すグラフの一例である。
駆動波形の一例を示すグラフである。
実施の形態２に係る駆動波形の一例を示すグラフである。
実施の形態３に係る駆動波形及びキャンセルパルスの一例を示すグラフである。
実施の形態４に係るスイッチ群に供給される電圧と、スイッチ群の発熱量との関係を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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