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公開番号2024154022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-30
出願番号2023067599
出願日2023-04-18
発明の名称加飾装置および方法
出願人理想科学工業株式会社
代理人個人
主分類B41J 2/01 20060101AFI20241023BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】溶剤インクに溶解しないシート部材に対して溶剤インクを吐出して加飾する際、加飾画像のにじみおよび光沢ムラを抑制することができる加飾装置および方法を提供する。
【解決手段】溶剤インクを、その溶剤インクの溶剤に対して溶解しないシート部材Sに吐出するヘッドユニット10と、シート部材Sが搬送されるプラテン21およびそのシート部材Sのプラテン21に対向する裏面を加熱するプラテン用ヒータ22を有する搬送部20と、シート部材Sの溶剤インクが吐出される側の表面を加熱するヒータ32と、シート部材の表面に沿って気流を発生させるシロッコファン31とを備え、ヒータ32が、シート部材Sの搬送方向に直交する方向について分割されたエリアa~d毎の印字率に応じて、エリアa~d毎の温度制御を行う。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
溶剤インクを、該溶剤インクの溶剤に対して溶解しないシート部材に吐出するインク吐出部と、
前記シート部材が搬送される搬送路および該シート部材の前記搬送路に対向する裏面を加熱する裏面加熱部を有する搬送部と、
前記シート部材の前記溶剤インクが吐出される側の表面を加熱する表面加熱部と、
前記シート部材の前記表面に沿って気流を発生させる気流発生部とを備え、
前記表面加熱部が、前記シート部材の搬送方向に直交する方向について分割されたエリア毎の印字率に応じて、前記エリア毎の温度制御を行う加飾装置。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記裏面加熱部が、前記シート部材の搬送方向について上流側加熱部と下流側加熱部とを有し、前記下流側加熱部の方が前記上流側加熱部よりも加熱温度が高くなるように制御する請求項1記載の加飾装置。
【請求項3】
前記気流発生部が、前記シート部材の表面に対して直交する方向に配列された上段気流発生部と下段気流発生部とを有するとともに、
前記表面加熱部が、前記上段気流発生部の気流を加熱する上段加熱部と前記下段気流発生部の気流を加熱する下段加熱部とを有し、
前記上段加熱部が、最大印字率に応じた温度制御を行い、前記下段加熱部が、前記エリア毎の印字率に応じた温度制御を行う請求項1記載の加飾装置。
【請求項4】
前記シート部材が、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートを主成分とする請求項1記載の加飾装置。
【請求項5】
溶剤インクを、該溶剤インクの溶剤に対して溶解しないシート部材に吐出して加飾する加飾方法であって、
搬送路上を搬送される前記シート部材の前記搬送路に対向する裏面を加熱するとともに、前記シート部材の前記溶剤インクが吐出される側の表面を加熱しながら、前記シート部材の前記表面に沿って気流を発生し、
前記シート部材の搬送方向に直交する方向について分割されたエリア毎の印字率に応じて、前記エリア毎の温度制御を行う加飾方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶剤インクに溶解しないシート部材に対して溶剤インクを吐出して加飾する加飾装置および方法に関するものである。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来からフィルムベースのインクジェット用紙は環境、安全性の観点からユポ(登録商標)に代表されるポリプロピレンを主成分とするシート部材を用いた合成紙が利用されている。
【0003】
ポリプロピレンを主成分とするシート部材を用いる場合、インクジェット適性を付与するために表面に特別な処理がされ、更に表面にラミネート加工や端部からの水分、汚れの侵入を防ぐエッジ処理を行うのが一般的である。
【0004】
ラミネートフィルムは、主にグロス感付与、耐久性付与の観点で行うが、塩ビが一般的であり、環境、安全性の観点でデメリットとなる。
【0005】
したがって、表面に光沢性があるポリプロピレンを主成分とするシート部材に、光沢感を維持しながら直接インクジェット加飾が可能となればラミネート不要な用途が想定でき、環境、安全性、コスト面のメリットとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-22194号公報
特許5671515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、インクジェット加飾用の特別な表面処理なく、ポリプロピレンのシート部材に直接インクジェット加飾する手段として、UVインクを用いたインクジェット印刷と溶剤インクを用いたインクジェット印刷とが考えられる。しかしながら、UVインクを用いたインクジェット印刷は、インクドットの定着原理的に、加飾画像に均一な光沢性を発現させることには不向きであり、マット化してしまう。
【0008】
また、溶剤インクを用いたインクジェット印刷は、たとえば塩化ビニルのシート部材の場合、シート部材の表面を一部溶解してインクドットが定着するので、インクドットが多い場所であってもインクが混ざりあうことなく、にじみや光沢ムラは生じない。
【0009】
しかしながら、溶剤インクに対して溶解性がないポリプロピレンを主成分とするシート部材の場合、特にインクドットが多い場所はインクが混ざり合い、にじみや光沢ムラが生じやすい。そして、たとえインクドット数を制御したり、配置されるドットの順番を工夫してにじみを抑制しても、ドットが多い部分と少ない部分で微妙にインクの乾燥性が異なる。結果的に、ドットの多い場所、少ない場所の加飾画像の表面状態がわずかに異なるため光沢ムラとなり、画像品位的にラミネート不要とすることができない。
【0010】
なお、特許文献1においては、溶剤インクを用いたインクジェット印刷装置であって、溶剤インクから揮発する成分を除去する微風を供給する微風供給手段を有するインクジェット印刷装置が提案されているが、溶剤インクで溶解しないシート部材を用いた場合、微風供給手段では、乾燥性が十分とは言えず、にじみが発生する。
(【0011】以降は省略されています)

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